内科(呼吸器・循環器・消化器・糖尿病外来・各種健診(入社・定期))
〒541-0047 大阪府大阪市中央区淡路町4-7-2
TEL 06-6203-7636
トップページ»  ブログ記事一覧

ブログ記事一覧

ブログカテゴリはありません。
  • 件 (全件)
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

COPD Short Lecture 6月29日

身体活動性を視野に入れた治療のファーストステップ  佐賀大学医学部付属病院呼吸器内科講師 高橋浩一郎先生
COPDの管理目標
1現状の改善
 1)症状およびQOLの改善
 2)運動耐容能と身体活動性の向上および維持
2将来のリスクの低減
 1)増悪の予防
 2)疾患進行の抑制および健康寿命の延長運動耐容能と身体活動性

     運動耐容能          身体活動性
定義   最大の運動能力       日常生活における活動と運動
検査法  6分間歩行テスト      1日歩数
     シャトルウオーキングテスト 3軸加速度計

1日歩数が少ない(身体活動性が低い)と致死率が高くなる
米国(NHANES)による多施設共同コホート研究
2003-2006年の期間、加速度計を用いて活動量の計測、その後の疾患発症や生命予後を10年間追跡
4840名(平均56.9才、男性54%、BMI30以上が35.9%、糖尿病11.2%、冠動脈疾患5.4%慢性気管支炎8.0% 肺気腫2.7%)
結果 10年間の追跡期間で1165名が死亡(16.1%)
   死因の第1位は冠動脈疾患406名(5.4%)第2位は悪性腫瘍283名(4,1%)
全死因による歩行数(>40才)
         1000人当たりの死亡数/年
1日の歩数2000歩   22人
4000歩        15人
6000歩        10人
8000歩        7人
10000歩        5人
12000歩        5人
14000歩        5人

65才以上になるとその傾きが急に
2000歩  75人/1000人/年 8000歩 18人↓ 10000歩   10人に
50-64才 40人/1000人/年      5人以下      5人以下
40-49才  8人           5人以下     5人以下

COPD患者では身体活動量が低いと予後が悪い 4年間フォロー
活動量(PAL≧1.70)    生存率 100%
   (PAL1.40-1.69)       90%
   (PAL<1.40)         70%前後に

*PALは,二重標識水法によって求めたエネルギー消費 量を基礎代謝量で除することによって求められ,仕事や 生活内容により,18-69才歳では1(低い):1.50,2(普通):1.75,3(高い):2.00,70歳以上では1 1.45,2 1.70,3 1.95と定められている。
COPD患者では座位や横たわっている時間が最も長い
COPD患者50例(平均年齢54才、男性72%、%1秒量=43%) 健常高齢者25例
       歩行  立位  座位 横たわる
健常高齢者  10%  45%  28%    5%
COPD     5%  30%  50%    13%

座位行動の定義
覚醒時のエネルギー消費が≦1.5METの活動
(座位やリクライニングしている状態)
活動量計では1.0-1.5METsの活動として抽出
COPD患者では座位時間が8,5時間より長いと予後が悪い
2006年-2011年にエントリーした101例のCOPD患者 平均62カ月フォロー
(平均年齢66才 男性57% 平均%FEV1=41%(重症)
生存率 80%  1,5METs以下 8.5時間未満
    40%に 1,5METs以下 8.5時間以上

COPDのダウンワードスパイラル
身体活動による息切れ
  ↓
息切れを避けるため、座りがちに(身体活動が減少)
  ↓
体調不良で息切れが悪化し、さらに身体活動を減少させる

座位に関する身体活動のガイドライン(WHO)
身体活動低下は全死亡率を上げる
   ↓
65歳以上では高強度より低強度運動を推奨
運動強度をあげるより、座位時間を減らす方が効果的

身体活動および座位時間を評価した前向きコホート県有の中で条件に合致する8研究を対象としたメタ解析
8研究 36383名(平均62.6才、女性72.8%)の一般住民を対象
平均追跡期間5,8年で2149名が死亡(5.9%)
中等度以上の身体活動時間と総死亡より座位時間と総死亡の方が強い相関関係が・・・
座位時間 7時間未満にすると死亡率下がる

SCOPE研究
未治療の日本人COPD患者対象に呼吸機能及び身体活動量の観点からスピリーバ vs スピオルトの有効性をみた。                              LAMA     LAMA+LABA
40才以上85歳未満 日本人COPD患者74例 %FEV180%未満及びFEV1/FVCが70%未満、10pack-years以上の喫煙歴のある男女  を12週間治療   37例ずつで評価

FEV1、息切れ(TDIスコア)のベースラインからの変化量
12週後
FEV1変化量              TDIスコアー変化量
104.1  vs  242.8ml       1.5 vs 2.4
METs/日 1.0-1.5におけるPA平均変化量
-4.6  vs  -38.7

≧2.0METs/日におけるPA変化量
+8.3 vs 10.8
研究結果
1未治療のCOPDに対する初期治療として。LAMA/LABAはLAMA単剤に比較して呼吸機能、息切れ症状が有意に改善した
2軽症~中等症COPDの初期治療としてLAMA/LABAによる治療が座位時間の短縮(身体活動性向上)に関連することが示さ
    れた

COPD治療は早期介入が必要(負のスパイラルを断ち切る必要が)
呼吸機能障害と負のスパイラル
      呼吸機能障害
        ↓
  ↑→   運動時息切れ・呼吸困難→運動を避ける→筋委縮廃用
日常生活まで息切れ                  ↓
  ↑                  軽い運動でも息切れ
  肉体機能さらに低下 ←身体活動低下      ←

2022-06-30 05:57:59

コメント(0)

Web講演会  6月27日

腎性貧血の基礎と臨床―HIF-PH阻害剤への期待 京都大学大学院医学研究科 腎臓内科学教授 柳田素子先生

腎性貧血と尿細管障害の関わり、HIF-PH阻害剤の効果と注意点のポイントのみ列挙

近位尿細管障害は重症・高頻度の場合に線維化とEPO発現低下をきたす

SGLT2阻害剤ダパグリフロジンを使用開始した際に内因性EPO濃度が上昇する

SGLT2阻害剤は大量の再吸収で披露した近位尿細管の仕事量をへらすことで、周辺のEPO産生細胞を回復させる可能性がある。(糖尿病では再吸収により多くのATP消費し酸化ストレスで尿細管が障害)

エンパグリフロジン投与によって1カ月後Epo濃度が上昇 6か月後にHb濃度が上昇

考察 TFGの結果、糸球体血流が低下し組織低酸素の増強

   遠位尿細管における酸素消費量が多いNa再吸収の増加

   近位尿細管の仕事量の低下

HIF-PH阻害剤の効果と注意点

ESAによるToxicityのメカニズム

CVDリスクの上昇 

非生理的なEPO濃度

ESA不応性(炎症・鉄利用障害)

HIF-PH阻害剤の利点と注意点

ありえる利点

生理的範囲での貧血改善   

 より低濃度で効果を発揮 直接作用に加え、骨髄環境の変化、鉄代謝改善、

 リコビナントEPOとの生化学的特性の違い(高用量EPO投与 血中EPO濃度 700mU/ml:生理的7-30

鉄代謝の改善

炎症と無関係な効果の発揮

経口投与

*鉄代謝改善作用

HepcidinCKDで上昇することが知られており、PHD阻害剤で低下

Hepcidinは肝臓で合成され、十二指腸やマクロファージ、肝臓のFPNを細胞内にエンドサイトーシスさせる・分解することで、鉄の血中への移行を抑制する

*炎症性貧血にもHIF-PH阻害剤は効果を示す 

*ミトコンドリア代謝への負荷軽減

*コレステロール低下作用 HMG-CoA reductaseHIF依存性に誘導される

ありえる欠点

腫瘍増大促進  血液透析死因の約10%以上はがんである

糖尿病性網膜症悪化

肺高血圧

血栓塞栓症

鉄欠乏によるトランスフェリン過剰で凝固系が惹起され、脳梗塞発症リスクが増加する

HIF-PH阻害剤の今後の期待

長期投与成績と安全性の確認

抵抗性・感受性群の同定

PHD2特異的阻害剤の開発

2022-06-28 08:32:41

コメント(0)

Web講演会  6月26日

ウイズコロナ時代の熱中症診療 日本医科大学大学院医学研究科救急分野教授 横堀蒋司先生 一部のみ抜粋
熱中症を見逃すな
高齢者
乳幼児 脱水におちいりやすい 発汗機能が不十分 自分から暑さから逃げたり水分摂取が不可能
既往歴
高血圧 利尿剤(脱水を招く)
降圧薬(心機能抑制)糖尿病(尿糖による多尿)
精神疾患(向精神病薬の発汗抑制、社会との接触が少なく暑熱順化が不十分、暑さをきにしない)
脳卒中後遺症、認知症(対応しない、できない)など
日常生活
身体的ハンディキャップ(活動性が低く暑熱順化が不十分)、独居(見守りがない、社会とのつながりがない)
経済的弱者(エアコンなし、電気代 悪い住環境 低栄養状態)

性別、年齢別による体内水分量   体内水分量
成人男性   女性   高齢者
  60%水  58%水  55%に減る

高齢者 体内水分量が少なく汗をかきにくい 気温の上昇への感度が低い   のどの渇きを感じない傾向 エアコンを使いたがら
               ない   持病がある

熱中症何を飲む
塩分と水分を含んだもの0.1-0.2%の食塩水が推奨 現実的にはOS-1が理想 (塩飴と水でも)
スポーツドリンクは糖分が多い 高血糖で脱水助長?

熱中症の発生特徴のトレンド(死亡統計・救急搬送)
1男性に多い(高齢者では女性に多い)
2高齢者が急増
3高温多湿の日(高温の日が続く)に多い
4高温の年は高齢者が多い
5急に暑くなった時期が多い
高齢者は家庭内で、成年は職場で、若者は運動時に、乳児は車内で
   全体の半数以上は日常生活の中で発生

COVID-19と熱中症の分別 文献報告
Cr、BUN上昇とWBC上昇が熱中症で上がる 腎機能障害の有無が最も重要度が高い
令和2年6月1日「新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえた 熱中症予防に関する提言」 『新しい生活様式』下における熱中症予防に関する 学術団体からのコンセンサス・ステートメント
「新型コロナウイルスの感染拡大 を予防する「新しい生活様式」」が示され、一人一人が感染防止の3つの基本である①身体的 図1 距離の確保、②マスクの着用、③手洗いや、「3密(密集、密接、密閉)」を避ける等の対策をこ れまで以上に取り入れた生活様式の実践が求められているところでもあります。
 一方、地球温暖化に伴い、毎夏、熱中症による死者は増加しており
1 特に熱中症患者の 発生も、人口の密集する都道府県に多い
2 熱中症の多くは、特に熱中症弱者と考えられる高齢者の屋内での発症である
3 周囲にいるもの同士が、お互いに声を掛け合い、注意をし合うことが熱中症予防においては重要であり、 日本救急医学会としても 2018 年に提言として周知してきた
4一方、屋内の長時間滞在や、いわゆるフィジカルディスタンシング(物理的に人と人の間の 距離を取ること)を守るために、人と人の“つながり“が減少してしまうことで、熱中症の発症リス クを上げてしまうことも危惧される

日本臨床 救急医学会、感染症の学術団体である日本感染症学会、および呼吸器病に関する学術団体 である日本呼吸器学会と合同で『新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえた熱中症診療に 関するワーキンググループ』を設立し、下記の如く、いわゆるコロナ禍の中においての今夏の 熱中症への予防に関する注意点を緊急提言としてまとめました。
【提言】
1)屋内においては室内換気に十分な配慮をしつつ、こまめにエアコン温度を調節し室内温度を確認しましょう。
2)マスク着用により、身体に負担がかかりますので,適宜マスクをはずして休憩することも大切。ただし感染対策上重要ですので,はずす際はフィジカルディスタンシングに配慮し、周囲環境等に十分に注意を払って下さい。また口渇感に依らず頻回に水分も摂取しましょう。
3)体が暑さに慣れていない時期が危険です。フィジカルディスタンシングに注意しつつ、室内室外での適度な運動で少しずつ暑さに体を慣れさせましょう。
4)熱中症弱者(独居高齢者、日常生活動作に支障がある方など)の方には特に注意し、社会的孤立を防ぐべく、頻繁に連絡を取り合いましょう。 ⑤日頃の体調管理を行い、観察記録をつけておきましょう。おかしいなと思ったら、地域の「帰国者・接触者相談センター」や最寄りの医療機関に連絡・相談をしましょう。

【提言の解説】
1屋内においては、室内換気に十分な配慮をしつつ、こまめにエアコン温度を調節し室内温 度を確認しましょう。 日本救急医学会の 2015年データによると熱中症が最も多く発生した場所は室内でした。 夏場は、室内の温度が外の気温以上に高くなることがあり、エアコンによる室温の管理が重要です。 一方、COVID-19の予防対策においては、いわゆる 3密(密閉、密集、密接)といわれる環 境を避け、屋内の滞在時では『部屋の窓を風の流れができるように、毎時2回以上は開放(数 分程度/回)し、換気を確保すること』が推奨されています。
とかくエアコンを付けていれば、新鮮な空気に入れ替わっていると思われがちですが、実は、通常の家庭用エアコンは空気を循環させるだけで、換気の機能はありません。したがっ て、COVID-19 の予防のためには、適宜窓を開け、風通しをよくすることが重要です。外気温 が低い朝晩は換気時間を多くとってもいいかもしれません。また扇風機やサーキュレータを有効に使用することも重要です。一方、頻回に窓を開ける、換気システムを使用するなど、室内換気を行うことで室内温度が上昇してしまうことも考えられます。外気温や風の流れ、部屋の大きさ等にも大きな影響を受けるため、一概にいかほどの室温変化が生じるか判断できませんが、すだれやレースカーテンな どで直射日光の照射を避けることに加え、部屋の温度をこまめに確認することが、屋内での安 全なステイ・ホームに重要と考えます。
また、熱中症の危険はWBGT(Wet Bulb Globe Temperature)、いわゆる暑さ指数(熱中症指数)でも認識することができます。
WBGT は、気温、湿度、日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境の3つを取り入れた指標で、熱中症が起きやすい環境を知るための指標です。WBGT が 31℃以上(危険)あるいは WBGT が 28~31℃(厳重警戒)の場合、屋内であってもエアコンや空調の無い部屋での活動は避けることが推奨されています。
毎日のリアルタイムな WBGTはニュースのみならず、環境省の熱中症予防サイトのHPで確認できますのでぜひご活用ください。


2マスク着用により、身体に負担がかかりますので,適宜マスクをはずして休憩することも大切です。ただし感染対策上重要ですので,はずす際はフィジカルディスタンシングに配慮し、周囲環境等に十分に注意を払って下さい。また口渇感に依らず頻回に水分も摂取しましょう。
COVID-19における飛沫感染を予防するために、外出時には他者への飛沫を避けるよう、マスクを用いた咳エチケットが推奨されています。人間の体は、体温を一定に維持しようとするために、体温上昇時には体熱放散作用が働き体温の低下をはかります。体熱放散作用としては、皮膚の血管拡張や血流量の増加による熱の放散、発汗による水分蒸発作用のみならず「呼吸の促進」によっても体熱放散が起こりま す。マスク着用下のジョギングなどでは呼吸障害を惹起し熱中症などが発生してしまう可能性があるとも、報道で指摘されているところです。
一方、マスク着用が身体、特に体温に及ぼす影響を学術的に研究した報告はあまりありません。いわゆる一般的なマスクに近いサージカルマスクを装着した人と、そうでない人を 1時間、5㎞を室内のジョギングマシーンで運動負荷を与え、その前後でマスク内温度や体温などを比較した Roberge らの研究があります。これによると、マスク装着し運動した人は有意に心拍数、呼吸数、二酸化炭素が増加、マスクをつけている部分の皮膚温度は、つけていない人の顔面に比して温度が 1.76℃上昇したとの報告もあります。
深部体温(核心温)には差はな かったとの報告でした。

現時点ではマスクをつけて運動しているから必ず熱中症になりやすいとも言えないですが、 心拍数、呼吸数、二酸化炭素、体感温度の上昇から、マスクをつけることで、体に負担がかかると考えられます。また、N95のような、通気性が悪く呼吸抵抗の強いマスクの装着時は一般的なサージカル マスクに比べて、心拍数が 10%ほど上昇し、マスク内の温度は平均で 1℃高く、マスク内湿度も 平均で10%ほど有意に上昇する報告があります。N95 マスク表面に汗がつくことで通気性が 悪くなり呼吸がしづらくなるとの報告もあります。 普通のマスクに比して、N95 の着用はさらに体への負担が強いといえ、使用には注意が必要です。またマスクをしていると口腔内の渇き をあまり感じないことも想定されます。
そもそも、口渇感は熱中症予防の指標にはなりません。こまめな水分摂取が熱中症予防に重要です。口渇感に依らず脱水のリスクが高い小児や高齢者では些細な体調変化も見逃さず、塩分を含む経口補水液を頻回に摂取しましょう。
まとめますと、WBGT が高い状態であれば従来同様、屋外での作業や運動は避けるようにしてください。また、前述の WBGTで屋外活動が可能であるレベルであっても、マスクを着用する場合は普段よりも体への負担が強いため、作業や運動には十分注意し、強い負荷の運動 は避け、口渇に依らずこまめに水分補給を心掛けてください。 また、マスク着用により身体への負担がかかります。フィジカルディスタンシングを守りつつ 咳エチケットを徹底しながら、適宜マスクをはずして、休憩することも必要です。
なお、マスクをつける場合は、COVID-19患者から出たエアロゾルなどを吸い込む可能性があるような特殊な状況でなければ、一般的なマスクを使用すべきであり、不必要に N95 等の 高機能マスクを使用しないようにしてください。
3体が暑さに慣れていない時期が危険です。フィジカルディスタンシングに注意しつつ、室内室外での適度な運動で少しずつ暑さに体を慣れさせましょう。 毎年、気温が熱くなり始める時期、体が慣れきっていない時期に熱中症の発症が増加しま す。すなわち梅雨の合間に突然気温が上がった日や、梅雨明け後の蒸し暑い日によく起こり ます。 暑い日が続くと、体がしだいに暑さに慣れて(暑熱順化:しょねつじゅんか)暑さに強くなります。この慣れは、発汗量や皮膚血流量の増加、汗に含まれる塩分濃度の低下、血液量の増加、心拍数の減少などとして現れますが、こうした暑さに対する体の適応は気候の変化より遅 れて起こり、気温の変化から数週間ほどでゆっくり体が慣れてきます。
本来であれば、暑熱順化は「やや暑い環境」で軽運動(ウォーキングなど)を継続することで得やすいといわれています。日頃からウォーキングなどで汗をかき暑熱順化していれば、夏の暑さにも対抗しやすくなり、熱中症にもかかりにくくなります。じっとしていれば、汗をかかないような季節からでも、少し早足でウォーキングし、汗をかく機会を増やせば、夏の暑さに負けない 体をより早く準備できます。しかし、今年はコロナ禍の外出制限により、在宅時間が長くなり、国民の多くが十分な運動 ができないことが、この順化を遅らせる一因になると想定され、熱中症の発症率を増加させる 懸念があります。
また、気候が暑くなる前からの過度のエアコンの使用もこの順化を遅らせる一因です。 まずは、自宅の中で活動量・運動量を増やしてください。座ったままでなく、立ち上がって足 踏みをする、スクワットをする、体操をするなど、自宅でも活動量を増やすことができます。
特に高齢者の皆さんは生活習慣病の悪化防止や筋力の衰えを予防する意味でも重要です。 また屋外での運動も、咳や発熱の症状がないことを確認したうえで、人混みを避け、一人や 限られた人数で散歩するなど、暑熱順化を獲得するよう取り組むことが重要です。
気温が急激に暑くなるまえの、この時期(気温が上昇し始める 5 月末)からの取り組みが重要です。
4熱中症弱者(独居高齢者、日常生活動作に支障がある方など)の方には特に注意し、社会的孤立を防ぐべく、頻繁に連絡を取り合いましょう。 独居高齢者、持病などで日常生活動作に支障がある人は、いわゆる熱中症弱者とされてい ます 3)。とくに高齢者では、日常生活のなかで起こる非労作性熱中症が多く、前述の如く屋内 での発症頻度が増加しています。日本救急医学会の Heatstroke STUDY 2010 および 2012 の熱中症患者 3,921 例を対象とした疫学研究では、高齢、屋内発症、非労作性熱中症が死 亡に対する独立危険因子でした。同様に、1995 年および 1999 年シカゴの熱波による報告でも、独居、外出しない、寝たきりといった生活状態が熱中症関連死の独立危険因子でした。 非労作性熱中症は日常生活の中で徐々に進行し、周囲の人に気付かれにくく対応が遅れ る危険性があります。前述の如く、コロナ禍における外出自粛に伴う屋内の長時間滞在や、いわゆるフィジカルディスタンシングに配慮するため、見守り頻度の減少が熱中症の発症リスク や重症度を上げてしまうことが危惧されます。したがって、高齢者や独居の方に、声掛けを頻 回に行い、孤独を防ぐことが重要です。 高齢者、見守りが必要な方、その周りの方、みなお互いの安全を確認しましょう。
家族や友人と電話で話し、元気なところを確認する。メール、SNS などを活用し、頻回に体調を確認する。 ・身体の異常があったら声を掛けられるよう、連絡先を控えておく、教えておく。 これまま以上にお互いがお互いを気にし合い、顔が見えなくても、声を掛け合い、『心をつな ぐ』関係を作りましょう。
フィジカルにはディスタンスを取りつつ、ソーシャル(社会的)には孤立させないことが重要です。
日頃の体調管理を行い、観察記録をつけておきましょう。おかしいなと思ったら、地域の「帰国者・接触者相談センター」や最寄りの医療機関に連絡・相談をしましょう。 現在、COVID-19を疑う際の受診の目安として、下記の症状がある方は地域の「帰国者・接 触者相談センター」にすぐにご相談いただくことになっています。(地域によって名称は異なります)
息苦しさ(呼吸困難)、強いだるさ(倦怠感) 、高熱等の強い症状のいずれかが ある場合。 重症化しやすい方で、発熱や咳などの比較的軽い風邪の症状がある場合
※)高齢者、糖尿病、心不全、呼吸器疾患(COPD 等)等の基礎疾患がある方 や透析を受けている方、免疫抑制剤や抗がん剤等を用いている方
上記以外の方で発熱や咳など比較的軽い風邪の症状が続く場合 また、上記以外の方で発熱(37.5℃以上に限らない)や咳など比較的軽い風邪の症状が 4日以上続く場合にも相談センターに連絡するよう推奨されているところです。 一方で、熱中症患者も上記①のような高熱やだるさを訴えることがあり、COVID-19 との鑑別が難しい可能性もあります。 もちろん、発熱等の風邪症状が見られるときは、学校や会社を休み外出を控えることが重要 ですが、発熱や呼吸困難等の症状が見られたら、毎日体温を測定し、症状を記録しておくことが重要です。 お薬手帳など、普段病院に持っていく書類と一緒に記録を携帯しておいてもいいでしょう。外出したのはいつごろか、どこに行ったかというのも、記録しておくといいでしょう。また、もしもの時のために、救急隊員などがわかりやすい場所に置いておくといいでしょう。
仮に病院を受診する際にも、COVID-19 の疑いがあるのか、それとも熱中症が疑わしいかは、発熱の期間や呼吸困難出現の有無など、今までの体調の変化や接触歴の有無からも判断されます。
救急診療では、熱中症とCOVID-19 を即座に分別することは難しいケースがあると思いま すが、体調がすぐれない場合は周囲にそのことを伝えつつ、自身の近況を記録して共有することで、治療する医師の判断の一助になれば、迅速な熱中症治療(あるいは新型コロナウイル ス感染症の治療)に移行できる可能性があります。

2022-06-27 06:00:04

コメント(0)

溝端循環器フォーラム 6月25日

心不全患者の再入院を予防するために 大手前前院 循環器内科医長 鳥山智恵子先生 一部のみ羅列
日本社会は今後も高齢化が続く 高齢化に伴い心不全患者が増加 年間約30万人以上
心不全パンデミック
心不全とは 心臓に器質的あるいは機能的異常が生じ、心臓のポンプ機能の代償的機構が破たんした結果、
呼吸困難、倦怠感、浮腫などが出現し、それに伴い運動耐用能が低下する臨床症候群

ステージC 心不全ステージ 急性増悪を繰り返すたびに一段悪くなる
退院後1年以内の心不全再入院率は約30%
心不全の高齢化 2015年 77才
心不全患者の実態 2018年
年令中央値 80才 独居21%配偶者のみ42%
自宅退院 82% 車いす  23% 要介護 34%要支援 14%
高齢者ほどへ依存症が多い 75才以上 4-5以上は持っている

心不全と多発性併存症 
               認知症
         転倒   変形性関節症
     貧血
  慢性腎臓病     出血  胃潰瘍 抑うつ状態
高血圧    心不全  心房細動
DrugA   B   C       D      E   F
 HCTZ  ACE-I  βブロッカー  ワルファリン 抗うつ剤 NSAIDなど

領域ごとに高齢者心不全患者を管理
心不全 多発併存症        認知機能 
    ポリファーマシー      自己管理の低下 抑うつ
    低栄養状態
身体機能 車イス フレイル    社会環境 独居 老々介護

心不全チーム医療
患者  医師―検査技師―理学療法士―薬剤師―医療ソーシャルワーカーー栄養士―看護師
多職種による包括的チーム医療
1心不全治療の最適化
2心臓リハビリテーション
3患者教育
4退院前の心不全コントロールの確認

新しい心不全治療
ACEI or ARB
βブロッカー   →ARNI         Ivabradine
MRA        βブロッカー   + Vericiguat 
          MRA
          SGLT2阻害剤

Vericiguat:慢性心不全ではNOの利用能障害によってsGCが十分に刺激されずにcGMPが低下している状態で、血管収縮や心機能の低下が引き起こされる。ベリキューボは心不全では初の可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激薬に分類されている薬剤・血管と心臓のsGCが刺激されることでcGMPの産生が促進され、血管拡張作用・心機能改善が得られると考えられている
再入院を防ぐための2つの自己管理
セルフケアメンテナンス(良好な心不全の状況の握状態を維持するための自己管理)
水分・塩分制限 内服管理 体重管理
セルフケアマネージメント(心不全増悪に対処するための自己管理)

心不全悪化の徴候を早期に発見し、早期に治療介入へつなげる
心不全地域連携 患者教育(ハートノート)と自己管理(心不全ポイント)
予定外受診の体重を書く
体重増加     3点
心拍数120回/分 4点
安静時息切れ   5点
労作時息切れ
浮腫      いずれの1つ以上あれば1点
咳嗽
食欲低下

良好 1点 経過観察 3点 かかりつけ医連絡 指示に従う7日以内に受診4点  当日受診   5点 直ぐ受診
心不全が悪化していく経過
3点 体重増加
4点 浮腫 労作時息切れ
5点 全身の浮腫 食欲低下 尿量減少
   安静時の呼吸困難(夜間)
   起坐呼吸(呼吸困難の悪化)
  入院

ハートノート導入で心不全再入院減少 1年で47%減
            全死亡      有意差なし

心不全多職種カンファレンス
5つのポイントを確認
1治療の適正化
2フレイルリハビリ・栄養
3性格・精神面
4自己管理
5社会的サポート

 

2022-06-26 16:42:19

コメント(0)

Web講演会 6月24日

災害と精神疾患~それに伴う不眠への対応~ 佐賀大学医学部精神医学講座 名誉教授 門司晃先生
後半のみ列挙
新型コロナウイルス(Covid-19)感染症
精神疾患はbiopsychosocialな疾患
新型コロナウイルスとの関連にもその視点が必須
1Biologicalな面からの考察
2Psychosocialな面からの考察

各国の感染状況は社会状況によって両者の比重は異なる可能性があるし、そもそも両者は密接に関連している
新型コロナウイルス(Covid-19)感染症と精神疾患の関連
―文献的考察と実際の症例紹介―
温故知新
ペスト 
20世紀の流行のうち、14世紀の流行が最も有名。モンゴル軍の世界征服に伴って、ユーラシア大陸中央部から感染が拡散されたという説があり、当時の世界総人口の約2割(約1億人)がペストにより死亡したと推計されているヨーロッパでの人口の激減(死亡率は約3割以上と推定)に伴い、農村部の疲弊と都市部への人口移動が起き、カトリック教会権威の失墜やルネッサンスの幕開けにつながった
スペイン風邪
1918年~1919年にかけて世界中で流行したインフルエンザウイルスの一種で、感染者は5億人以上、死者は5000万~1億人と推計されているが、高齢者ではなく青壮年に死者数が多かったのが特徴。本邦の感染者数は約2380万人、死者数が約38万人と報告。流行当時は第一次世界大戦末期に相当するが、徴兵対象の青壮年に死者が多発したために大戦の終結が早まったという説さえある。スペインは第一次世界大戦の中立国であったため、参戦国とはことなる、感染情報を自由に開示しており、当時の国王のアルフォン13世が罹患したことにより、その名が冠されるようになった。スペイン風邪により経済への影響でGDPや個人消費の減少が長期化し、それは1929年の世界恐慌まで続いたとされる。世界恐慌から第二次世界大戦へと続く歴史の流れを考慮すれば、世界史への影響は甚大である
新型コロナウイルス(Covid-19)感染症
2022年6月13日時点
全世界の累計感染者数は約5億3526万人、死者数は約631万人
本邦の累計感染者数は約906万人 死者数3万912人

今後の社会・経済・心理的影響は?Infodemicの問題は?
短期的、中期的、長期的にどうなるのか?
Frontiers in psychiatry 2021年12月14日 文献 Review
新型コロナウイルスに関する情報の過多や誤情報が大衆の不安を惹起し、健康の障害因子となることがあり、WHOはこれをInfodemicと定義した
一方的な主観的な情報に惑わされずに、冷静かつ客観的な情報に接するように心がけることが、Infodemicへの対応に重要となる

新型コロナウイス感染拡大の大うつ病・不安障害発症への各国の影響 Lancet Psychiatry 2021年 11月6日
1大うつ病・不安障害ともに世界的にその発症は増加。増派率はそれぞれ27.6%、25.6%であった
2女性の方が増加率は高く、両疾患によりDALYs増加寄与度は女性と青壮年で高かった
3新型コロナウイルス感染率と社会経済活動の抑制が疾患に影響を与える2大要因
*精神疾患がbiopsychosocialな疾患であることをまさに示す結果

 大うつ病の増加率は全世界では27.6%であったが南西アジア、東アジア、オセアニアでは11,5%と低くなっている。新型コロナウイルス感染率と社会経済活動の抑制の少なさが誘因か?
不安も同様であった
日本の論文報告 Translational Psychiatry 2021年11月1日
2019年12月より調査開始(4680名)2021年4月まで経時的に心理尺度による調査
最終的に2274名(男性1225名女性1049名)が調査を完遂した

社会不安回避と全般性不安が次第に上昇したが・・
社交不安恐怖やASD、アルコール障害、ADHD、抑うつは変化がなかった
1 9つの精神疾患(社交不安回避、全般性不安/インターネット関連/社会不安恐怖/自閉傾向/アルコール関連/多動・注意欠陥/抑うつ)の中での精神症状の経時的変化はそれぞれに異なっていた
2 9つの精神症状の組み合わせの4つのパターン(PC1:9つの精神症状がまんべんなくあるPC2社会的ひきこもりPC3アルコール関連精神障害 PC4抑うつ・不安)によって臨床経過が異なり、特にPC2は経時的に精神症状が増悪していた
リスク因子PC1,2は女性 PC2では男性PC1,4は収入減 
緩和因子 PC2では自営業、過程との対面場面の増加

2主としてBiologicalな面からの考察
特に機序的な考察はオミクロン前のアルファ株やデルタ株が中心
Medical tribune 2021年9月22日
ACE2受容体を介して
心臓 胸痛 心筋の炎症 血清トロポニン上昇 動悸
肺  呼吸困難 胸痛 咳
膵臓 膵炎 障害
腎臓 腎機能障害 急性腎障害
消化管 下痢 吐き気 
血管 炎症 血管損傷 凝固異常 細小血管障害
肝臓 肝障害 GOT/GPT↑
脾臓 T・Bリンパ球低下 リンパ濾胞
脳  脳の霧(Brain fog)
   せん妄 倦怠感 睡眠障害 うつ/不安/PTSD/強迫性障害

脳に対する推定機序
ACE2受容体を介して
神経炎症 微小血栓(VWF↑血小板活性 フィブリン沈着) 血栓形成・微小脳梗塞→周囲の神経炎症亢進
IL-16・IL-10
Il-6 TNF-α →ミクログリア活性化   神経炎症
         ↓
      キヌレン経路の活性化       障害部位特異的な精神神経症状の顕在化
      NMDA受容体の活性化       せん妄・抑うつ 不安 不眠
      モノアミン系の神経伝達の減弱

神経炎症と自殺関連行動
自殺既遂者死後脳前頭前野眼窩面におけて炎症サイトカインmRNAが上昇
自殺未遂者脳脊髄液のIL-6濃度は希死念慮の程度と正相関している
炎症マーカーが自殺関連行動の診断・治療ターゲットして重要である

新型コロナの影響で自殺者減ってきていたが
平成15年3万台が2018年 急減20000弱にへってきていたが
令和1年 20169人 2年 21081人 3年 21007人と増加している 新型コロナウイルスの影響?
新型コロナウイする感染症とVitamin D  Medicina 2021年5月
体内のVitamin D不足は新型コロナウイルスによる重症呼吸不全発症と関連
Vitamin Dは炎症サイトカイン産生を抑制し、抗体産生を促進する点で炎症抑制作用を有すると考えれれている

ビタミンDの機能
1骨代謝
2免疫系の調整作用
3神経伝達物質の産生  ビタミンDとω3は共役的に神経伝達物質の働きを促進 

日光の作用で皮膚で産生(大部分)食事由来(魚、キノコ、豆乳)
体内量の指標 25(OH)D       25(OH)D 30-60ng/ml 充足
                         21-29   不足
                         <20    欠乏
      うつ病患では有意に不足がちであり、不足が発見されたら生活食事指導要
         自殺企図患者の90%はビタミンD不足状態であり、ビタミンD量と炎症サイトカイン量は逆相関する

社会的隔離(ロックダウン)→体内でのビタミンDが不足
 1セロトニン並びにメラトニン合成・神経伝達障害
 2慢性炎症の不適切なコントロール
  →抑うつ・不安・概日リズム障害・自殺関連行動

精神疾患と  25(OH)ビタミンDの関連 2021年 門司先生らの報告
2017年9月から2021年6月まで佐賀大学医学部付属病院入院患者
男性37名  女性113名
25(OH)ビタミンD 13.4       10.9
全体の90%が欠乏状態であった 有意に女性の方が低かった

新型コロナウイルスと精神疾患
急性感染後の精神疾患の新規発症リスクはコントロールの2倍
新型コロナ感染症ICU入院後の1年後の予後調査
JAMA 2022年
第1波2020年3月-2020年7月 オランダの11の病院
246名 平均年齢61.2才
身体症状 74.3% 精神症状 26.2% 認知機能障害16.2%に認められた
多かった症状 疲労感 38.9% 関節痛 26.3% 筋肉疲労 24.8% 筋肉痛 21.3%

UK Biobank調査
785(51-81才)
感染群401名 2回MRI検査 健常対照群384名
1灰白質の嗅覚に関る領域(眼窩前頭皮質と海馬傍回)の厚さと組織コントラストの大幅な低下を確認
2一次嗅皮質と機能的に関係する脳領域が大きなダメージを受け、脳容積の減少の程度より大きい
32回の膿画像検査の間に認知機能が大幅に低下し、それは認知に関る小脳の特定部位の萎縮と関連
*これらが非可逆性であるか同化の買う人は追加研究が必要

COVID-19における睡眠障害
社会的隔離 仕事や学業の困難 経済的苦境 日常生活の破壊
   →不眠症の増加  世界全体で36.7% 日本では18.9%

 

2022-06-25 07:22:37

コメント(0)

Web講演会 6月23日

超高齢社会における最適な慢性便秘症診療とは   横浜市立大学大学院医学研究科肝胆膵消化器病学教室教授 中島淳先生

高齢者便秘症患者の診療の課題

高齢者における便秘症治療をいかに見直すか? なぜなら

1生命予後に影響を及ぼす可能性がある

  心血管イベントリスク

  高Mg血症リスク

2高齢者特有の問題

 肝腎機能低下による薬物感受性の増大

 ポリファーマシー

高齢者は様々な要因で便秘になりやすい

腸管運動に関与する神経の変化    生活環境の変化

腸管筋層間の正常神経節減少    併存疾患

直腸感覚閾値の低下        処方薬

骨盤底機能障害          食事量、運動量の変化

神経細胞数の変化         精神状態の変化

海外のデータ

アメリカの追跡調査で便秘がある人と無い人の15年後の生存率の比較

便秘症無し3311例(平均53才)便秘症有り 622例(平均59才)

便秘症有り群で生存率が約3/4に低下

日本のデーター

高齢者は排便時のいきみによって血圧が上昇しやすい

排便時のよる収縮期血圧の変化―高齢者と若年者での比較

        直前     133.6   118

        排便中     147.6  116.6

        30分後     143.4  111.6

排便時の努責により高齢者では血圧が上昇→脳、心血管イベントリスク上昇

心血管疾患/脳卒中による死亡との関連性

排便回数    CVD   Stroke    便秘と心血管疾患/脳卒中による死亡リスクは高くなる

41回未満  1.62倍  2.19

2-3日に1回  1.30倍  1.37

1回/1日を1とすると

CQ5-04 慢性便秘症に浸透圧性下痢は有効か?

推奨の強さ 1 エビデンスレベルA

酸化マグネシウム

日本で好んで使われる 高マグネシウムに注意 硬便による排便困難が強い場合

併用注意に薬が必要(活性型ビタミンD、ロスバスタチン、ジギタリス、ラペプラゾール、ビスフォスフォネート製剤など・・・)

高齢者腎機能低下例では使いにくい 通常12g以下で

Mg血症の報告 320例中23%が・・・

リスク因子検討 年齢68歳以上 eGFR55.4以下 BUN22.4以上 酸化Mg製剤用量 1650mg/

        服用期間 36日以上 併用薬剤(PPIH2RAVD3、利尿剤)

高齢者の薬物動態の変化

吸収 胃酸分泌低下 胃腸血管血流低下 胃腸運動低下 初回肝通過効果低下 

代謝 肝血流低下 チトクロームP-450低下

分布 細胞内水分量低下 体脂肪量低下 血性アルブミン量低下 分布容量低下

排泄 糸球体濾過量低下 腎血流量低下

ポリファーマシー

高齢者 薬剤数増加 7種類以上 約205-6種類 16.1% 3-4種類 26.4

PPI投与はMgO効果減弱させる

胃酸と膵液でMgOは炭酸マグネシウムMgCO3になり効果を発揮

酸化マグネシウムの有効性に対する酸分泌抑制薬の影響

有効性 

非内服 72.2% H2RA群 36.4% PPI群 36.4% 胃切除 0

CQ5-05 慢性便秘症に刺激性下痢は有効か?

有効であるが屯用または短期間の投与を提案する 推奨の強さ2 エビデンスB

問題点 依存と耐性

便秘治療の際に考えなければならないことは?

心血管イベントトリガーにならないよう、排便時にいきまないようにする

腎機能低下例では酸化マグネシウムの用量に注意する

酸化マグネシウムとPPIの併用する際は効果減弱に注意する

刺激性下剤は癖にならないように注意して使う

高齢者便秘診療の基本

薬物有害事象に配慮した薬物治療が重要

チェックポイント

使用する薬剤は患者の肝腎機能低下による血中濃度上昇があるか

使用する治療薬は他剤との薬物相互作用があるか

私見 便秘治療のフローチャート

1 酸化マグネシウム2.0g/日まで    患者の排便状態や症状に応じて用量を調節しながらコントロール

2 各種新薬              以下の場合は新薬にきりかえ

  ルビプロストン           高齢者 eGFR<60DM合併等)

  リナグロチド            便形状スケール4(BSFS)未達

  エロビキシバット マクロゴール   

  ラクツロース

3刺激性下剤(屯用) 漢方薬等

 専門医へ紹介

 

リンゼス (低分子ペプチド)

世界30か国以上で販売されている 2018年日本で慢性便秘症の追加承認

リナクロチドは腸管上皮細胞表面に存在するグアニル酸シクラーゼCGC-C)受容体に作用し、腸管内への水分を促進することにより、便秘を改善する。また求心性神経の痛覚過敏を改善することにより、腹痛、腹部不快感、

腹部膨満感を改善すると考えられる

特徴を踏まえた使いどころ

特徴

1生体内でほとんど吸収されず、主な副作用は下痢である

2添付文章上 併用禁忌・注意記載がない

3      肝腎機能低下による用量調節の記載がない

使いどころ

既存治療からの置き換え

酸化マグネシウム

 高齢者、糖尿病合併症等の腎機能低下症例

 →高マグネシウム血症リスクの低減

PPI等の酸分泌抑制と併用症例

 →効果減弱・過量投与リスクの低減

刺激性下剤

 投与量が増加している症例/常用症例

 →将来的な依存リスクの低減

6月23日で還暦を迎えました。スタッフより赤いゴルフボールと赤いゴルフ手袋を戴きました 感謝

2022-06-24 09:07:56

コメント(0)

WEB講演会 6月22日

再発を繰り返す職場うつへの対応 パークサイドこころの発達クリニック 理事長 原田剛志先生
一部抜粋
どのタイミングでどうするか?
その患者さんは自分が苦しくて来院しましたか?→本人が苦しくて来院された場合は上司に連絡をとることを嫌がることもある。その場合は、家族と一緒の来院をしてもらう
それとも上司に勧められての来院ですか?→上司からのすすめの場合は、初診の際に電話で上司と連絡するもしくは、上司同伴による受診をお願いするか、上司にお手紙を書くこともできる
*本人はうつ状態なので、妥当な判断ができない可能性が高いため
発達障害グレーゾーンの見極め方
グレーゾーンの人が不適応の時に起こりやすいこと
不安に弱く、完璧を追及する、頑張りすぎ
→どこまで求められているかわからない、体調より責任・評価を重視
人にまかせられない→自分がやらないとイメージが分からない
頑固でやり方を変えられない、うまくいかなくても量を増やすことでしか対応できない
→視点の切り替えができない
過剰に自責的→どこまでが自分の責任か?線引きができない
発達障害 特に自閉スペクトラムの人には定型発達者では問題にならない、独特なストレス因が存在する
A社会的コミュニケーションおよび対人相互反応の持続的欠損 ←丁度よいがわからない
                              ヒトにものをたのめない
 (人との距離感、感情共有の少なさ、視線、身振り、表情の異常、仲間への興味の欠損)
B行動、興味、または活動の限定された反復的な様式      
←視点の切り替えができないのでしつこい
                              反芻思考で悪化
 (常間的、反復的行動、こだわり、柔軟さに欠ける思考、執着、感覚過敏)
C症状は発達早期に存在(社会的要求が限界を超えるまでは明らかになりにくい)
D現在の機能に臨床的に意味のある障害を引き起こしている
E知的能力障害または全般的発達遅延では説明されていない

*ASDは認知機能の障害
メタ認知(自分の思考や行動を対象として客観的に把握、認識する力)や心の理論(他者への気持ちや考えを類推し理解する力)が獲得されないと、自分がどうみられているか、相手がどう思っているかの視点がなく、対人関係のトラブルになりやすい
感覚過敏や対人関係の難しさが大きなストレス因だが、周囲のからの因果関係が分かり難い
感覚過敏による隣のキータッチ音の苦痛や制服を着れないなど「わがまま」と誤解されることが多く、治療者がASDを想定していないとストレス因が見えづらく「適応障害」でなく「軽いうつ」と診断される

 
自閉特性の濃淡で全く違う反応をする
濃い自閉(自閉スペクトラム)     グレーゾーン(診断閾値下自閉)     定型発達
身勝手、自己流の解釈 しつこい   まじめでヒトあたりがいい、常識人
周囲に相談せずしばしば放置     不安が高く冒険しない
助言を叱責・非難ととらえ被害的に  頼みを断れず、1人で仕事を持ち込む
→しばしば「パワハラ」と苦情    「チーム全体での処理」でなく1人
一方的に長文メールを送り付ける    でやってしまおうとする
抑うつと意欲の無さからうつ病と   できなければ何かいってくるだろうとと
誤解される(≒新型うつ病)     まかせていると事態はどんどん悪くなる
 
                      グレーゾーン         自閉症スペクトラム症  
                                 うつ病         適応障害による抑うつ      適応障害による抑うつ   

うつ病診断基準  診断基準満たす    満たすこともある        満たさない
鑑別       Scや認知症      強迫的な仕事ぶりから     一見わがままにしか見えない
                    双極性障害と間違えられる    新型うつ病とよばれることも
誘因の存在  明確な誘因存在あるこ はっきり確認できるストレス因存在  客観的にはうまくできない周
       ともないこともある  周りに迷惑はかけれないという過剰  囲の期待に応えられない
                  責任感 反復思考で症状悪化     主観的にはちゃんとやってる
                                                                                 のに周囲が協力しない
                                    周囲に怒り・他罰思考
抑うつ気分  了解不能なレベルの気分 了解不能だが過剰に自責的     自業自得という評価に対して
       の落ち込み                        「不当」と不満と怒り
休職による変化 なかなか改善しない   タスクが減ることでうつ症状改善 ストレス因から離れると
                    が不安は持続 周囲の迷惑を考え 途端改善、休職中趣味楽しみ 
                    自責感は持続、退職も考える   復帰前に不調
睡眠障害     ほぼ必発       不安は寝付けない        ゲームなどしたいこと優先し
                    タスクが終わらず眠れない    眠れない
食思不振     ほぼ必発       過食又は食事が入らない     ない
                    飲酒過多で物質乱用も
診断名       うつ病       適応障害             適応障害
治療経過     薬物療法と休養で   薬物療法と休養で改善に向かうが   休職してもよくならない
         徐々に回復      不安は残存。不安改善は具体的な仕事 できないことから一時離れ
                    の範囲設定や部署異動、上司による  職場は何を求めているかと
                    仕事管理など環境設定必要      いう再教育が必要
                                      OJTによるコーチング
特に重要となる   服薬アドヒアランス重要 不安の取り扱い       マニュアルなどの可視化
支援                                     社会人のマナーの教育
職場にお願い   生物学的な状態であり   過剰な頑張りをしないよう    自己流を防ぐため
すること     本人にもコントロール   仕事や仕事時間の管理      仕事の内容のチェク体制
         できないことを伝える                    外部との接触に注意
 
このように職場のうつの訴えは・・
うつ病とうつ状態を呈した適応障害が混在していることに注意が必要
適応障害では薬剤の効果は限定的環境調整と心理教育がないと解決しない

 
自閉特性による社会機能障害の改善
自閉型の適応障害 休職してもできるようにならない 応用できないのでリワークで改善しない
1指導すればできる人  知識やルール、技術を教える→指導レベル3レベル お手本マニュアル、コーチング
2教えてもわからない人 行動改善狙えないので→環境調整
3教えてもやろうとしない人 →労働契約不履行 今後の働き方を検討

まとめ
職場のうつ病にはうつ病の診断基準を満たすものと満たさない適応障害とがある
適応障害は薬では治らない
適応障害のきっかけは発達特性によることがある
うつ状態では理解力や判断力の偏りがあるため、パートナーや上司・人事の協力が必要
うつ状態の改善だけでは、職場のうつの回復にはならない
不安へのとらわれやすさ、や職場への不適応への環境調整
周囲からのサポート、教育やコーチングが必要なことも

 

2022-06-23 08:26:17

コメント(0)

Web講演会 6月21日

COVID-19における最近の知見 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 臨床感染症学分野教授 泉川公一先生 一部抜粋
2022年 6月2日現在
感染者数 死亡者数 死亡率       感染者数 死亡者数 死亡率
東京都 1542273人 4507人 0.24%   長崎 58999人 124人(2022年1/1以降 51人) 0.21%

東京は減衰傾向                長崎はいったん減るも上昇傾向であった
COVID-19に対する長崎大学も象徴的な取り組み
長崎港・クルーズ船コスタ・アトランチカ号のクラスター対応(2020年4-5月
乗組員621名 陽性者 149名 入院患者 11名
長崎大学の多角的な取り組み
1学長による迅速な意思決定体制構築→豊富な人材を適材適所に配置
2検体採取と遺伝子操作→LAMP法開発、唾液サンプルの有用性評価
3乗組員の診療(評価、入院診療、メンタルケアなど)→CT診断者活用と船外におけるトリアージ
4船内乗組員の健康観察→スマートフォンを利用した健康アプリの開発
5感染症専門家派遣による埠頭本部構築と感染症対策指導→乗組員や支援者の感染症拡大防止措置と
6DMAT派遣、帰国支援
7厚生労働省、外務省、国土交通省、自衛隊、長崎県、長崎市、保健所、DMATなどの医療支援機関との連携
 と調整など

COVID-19感染者数世界のワクチン接種率、死亡率
2022年6月2日現在
     人口    ワクチン接種率 感染者数 死亡者数 感染死亡率 死亡者数/10万 感染者数/10万
米国   3億2900万  66.3%    83188551  997161  1.2%    303.0     25281
ブラジル 2億1100万  77%     30977661  666516  2.2%     315.8      14678
インド  13億5300万 65.4%    43160832  524636 1.2%    38.8      3190
ロシア  1億4580万  50.4%    18335514  379200 2.1%    260.0      12570
英国   6753万   73.9%    22300591  178659  0.8%    264.6       33023
スペイン 4574万   81.6%    12360256  106493  0.9%    232.8        27023
中国   14億3378万 89.3%    3019388   16859  0.6%    1.2         211  

日本   1億2626万  80.6%    8850282   30618 0.3%  24.2        7009
例えば米国は全国民の約4分の1人が感染
日本に比べて、人口10万人あたりの感染者数は約3.6倍死者数は約12.5倍

日本におかるワクチン開発の問題点
日本はCOVID-19パンデミックを有事としてとらえきれなかった←2009年の新型インフルエンザ流行時のワクチン緊急輸入の成功例
純国産ワクチンが出遅れた背景
米国は2020年5月オペレーション・ワープ・スピード→7社に対して総額190億ドル
日本は      ワクチン開発支援として約100億円(米国の130分の1)
mRNAワクチンの開発使用に繋がった

日本におけるワクチン開発の今後
先進的研究開発センター設置(2022年3月22日)
組織 30名 ワクチン戦略関連予算 約2500億

ノババックスワクチンについて「組換えたんぱくワクチン」
人工的に作ったスパイクたんぱく質そのものを投与することで、免疫の反応を引き起こします。この技術を使ったワクチンはすでに「帯状ほう疹」や「B型肝炎」などのワクチンで実用化されていて、広く接種が行われている。
ノババックスが開発したワクチンが5月25日に公的な予防接種に追加され、東京で開始
2020年12/27-2021年2/18 対象 18歳以上 基礎疾患なし、リスクありも基礎疾患が安定している
ウイルス株 アルファ、ベータ、ガンマにおいて
ワクチン(+) (-)   
3.3%    vs 34%   
副作用 mRNAワクチンより少ない
抗体 mRNA2回+mRNA 12.58倍   mRNA2回+ノババックス 7.39倍

インビトロにおいてBA1やBA2においても中和抗体産生される
医療従事者において(ワクチン4回目の)イスラエルのデーター
ファーザー154名 モデルナ 120名
感染予防 30%   10.8%
発症予防 43.1%   31.4%
4回目のベネフィットは限定的

抗ウイルス薬の作用機序と抗ウイルス薬
RNA依存性RNAポリメラーゼに作用 レムデシビル モヌラビル AT-527など
3CLプロテアーゼ阻害    S-217622 PF-07321332など
長崎大学の治療フローチャート 2022年5月3日 Ver5.1
軽症
低酸素SpO2≧94%

リスク因子あり(肺炎の有無問わず)
パキロビットパック 内服発症5日以内入院外問わず
ラゲブリオ 内服 発症5日以内入院外問わず
レムデシビル(ベクルリー)点滴 入院3日間
ゼビュテイ点滴 発症7日以内 入院外問わず

オミクロンBA1、2株 セビュデイは効くが、ロナリーブは?オミクロンには使用許可取り消し
外来患者への治療ガイダンス(NIH)
4月8日 2022年
治療薬の推奨優先度
ニルマトレビル+リトナビル>レムデシビル>>>モルヌラビル

日本では      パキロビット ラゲブリオ
2022年5月31日  約8700人   約190100人  
禁止薬剤が多い

S-217622(経口薬)の開発状況 塩野義製薬 3CLプロテアーゼ阻害 承認まじか?
ウイルス排出率 ウイルス力価陽性率 約60-80%減少した
ベクルリー3日間投与は重症化は抑制される 87%減少
パキロビットの発症予防効果のデーター 有意差なし
長崎大学 新規マラリア薬 5-アミノレブリン酸
インビトロで抗SARS-CoV2抑制効果あり
前向き試験 5-ALA/SFC 750mg/435mg 7日間投与
             450mg/261mg 7日間投与
50症例で検討治療効果に有意差なし
ウイルス排出率も有意差なし

2週間目での咳、だるさ、味覚異常のスコアーの改善あり
南アフリカのでBA4,5株が出現 感染者数増加も今は大きな波がなく消失している
ワクチン予防効果は低い、感染力、病原性も高い(In vitro 、in Vivo)南アフリカ増えたが波消えた?
Long COVID 20歳老化に匹敵?
厚生労働省 2020年1月―2021年2月
12か月以上続く 13% 疲労感 倦怠感 9% 呼吸困難 8%筋力低下 集中力低下
         7%睡眠障害 記憶障害 6%関節痛 筋肉痛 5% 咳 痰・脱毛 頭痛 味覚障害
予防はワクチン接種が後遺症減らす
5-アミノレブリン酸が倦怠感・抑うつ不安感を減らした報告が・

2022-06-22 08:39:15

コメント(0)

宇治散歩6月19日

久々に宇治を散策 朝早く出てまずは三室戸寺へ紫陽花を観に・・9時過ぎには満員で第3駐車場へ

人ごみをみているのか紫陽花をみているのかわからないほどの混雑・・世間ではコロナは終わったと実感


その宇治平等院鳳凰堂へ・・まずしばらく周囲を散策して、早めの昼飯を 茶そばを食べ、宇治抹茶アイスクリームをたべ
その後平等院鳳凰堂や宇治川周辺を歩き午前で散策終了

2022-06-19 13:07:34

コメント(0)

Webレクチャー6月18日

メデイカルスタッフがしっておきたいアルコールと健康の基礎知識 筑波大学医学系地域総合診療医学准教授 吉本尚先生 一部抜粋
生活習慣病のリスクを高める飲酒量 厚生労働省健康日本21(第2次)
1日当たりの純アルコール摂取量が男性40g以上 女性 20g以上とされている
アルコール20gに相当する酒量
ビール(5%)    チューハイ(7%)  ワイン(12%) 日本酒(15%) 焼酎(25%)ウイスキー(40%)
中瓶(500ml)1本  レギュラー缶1本   グラス2杯    1合     ロック1杯  ダブル1杯
          (350ml)       (200ml)   (180ml)  (100ml)   (60ml)
*純アルコール量=飲酒量(ml)×アルコール度数(%)/100×アルコール比重0.8

アルコール分解               筋肉。心臓・他の臓器
アルコール →→   アセトアルデヒド→ →酢酸→  →炭酸ガス/水
      アルコール脱水素酵素(ADH)ALDH2    熱エネルギー
                    2型アルデヒド脱水酵素

ADHで有毒なアセトアルデヒドに酸化される
アセトアルデヒドは主に 2型アルデヒド脱水酵素(ALDH2)で酢酸に酸化される

2型アルデヒド脱水酵素(ALDH2)活性の人種差
           ALDH2低活性型・不活性化の割合
黄色人種 中国(156) 41%   
     日本(94) 33.6%
     韓国(218) 28.4%
     フィリピン(110)12.7%
     インド  (126) 4.7%
白色人種 ドイツ (98)  0%
     スウエーデン(90) 0%
     エジプト (250)0%

アルコール体内消失速度
純アルコール20g で約5時間が必要 40gで10時間 60gで14時間 80gで20時間
女性は男性よりアルコールの影響を受けやすい
1女性は男性よりもアルコール代謝速度が遅い(3/4)のため曝露時間が増える
 (肝臓が小さい、筋肉量が少ない)

女性特有のアルコールによる心配事
1アルコールによる肝障害進展が早い
2アルコール依存症の発症年齢が若い
3妊婦や授乳婦の飲酒は胎児や乳児に影響を及ぼす
4お酒の問題と心の問題を併存しやすい
5乳がんのリスクが増える

アルコール等相互作用に注意すべき薬剤
薬剤血中濃度上昇   精神神経薬 ベンゾジアゼピン系
                 三環系抗うつ薬
           糖尿病薬  アセトヘキサミド
           解熱鎮痛剤 アセトアミノフェン
中枢神経抑制     精神神経薬  カルマばゼピン抗てんかん薬  
アルコール分解抑制  抗菌薬 セフェム系 セフメタゾール セフォテタン
           抗がん剤 カルモフール
血管拡張       強心薬 ニトログリセリン

閉経後女性の飲酒量と乳がん発症リスクの関連性
11.5g-23g 1.28倍 23g以上 1.74倍  飲酒頻度 週5回以上 1.37倍
お酒は百薬の長?
アルコールがもたらす疾患
脳 アルコール依存症 認知症 うつ 不安障害 ウエルニッケ脳症
心血管系 高血圧 不整脈
膵臓   糖尿病 膵炎 膵がん
大腸   大腸がん
肝臓   アルコール性肝炎 肝硬変 肝臓がん
喉・食堂 口腔がん 喉頭がん 食道がん
その他 痛風 末梢神経障害 乳がん(女性) 胎児性アルコール症候群

飲酒量と認知症の早期発症リスク(海外
男性37233例 女性20120例
アルコール関連脳障害 男性46.1%女性25.7%
他のアルコール使用障害 男性20.7%女性12.0%
多量飲酒による死亡率は、飲酒量低減により低下する フランス40才男性をモデルにして
           減少量 10g 20g 30  40 50   60  80g
年間死亡者数人/1万  180  160人 140  90  60 40   30  20人

お酒を減らす短期的メリット
翌日の仕事のパフォーマンスが上がった
飲んだ翌日の寝起きがすっきりした(二日酔いや胃腸の調子など)
血圧が下がった
体重が減った
肝臓の数値が改善した
頭がはっきりして集中がしやすくなった
友人や家族と飲酒の事でもめなくなった
おこづかいに余裕ができ、飲酒以外の趣味などにまわせるようになった
アルコール依存症とは
自分の意志ではお酒の飲み方(のむ量、飲む時間、飲む状況)をコントロールできなくなる病気
生涯経験者は約100万人であるが治療されているのはわずか5万人
生活習慣病のリスクを高める飲酒者は約1000万人と推計されている
アルコール依存症の割合
   男性  女性
全体 21.6% 10.1%
内科 21.3% 6.7%
外科 24.9% 8.9%
精神科 21.3% 10.2%

アルコール依存症の進行プロセス
習慣飲酒 →耐性の形成→ブラックアウト (1)      身体依存(3) → 肝硬変(4)・認知症(5)
           精神依存(コントロール障害)(2)  離脱症状

1前夜のことが思い出せない
2ほろ酔いでは満足できない ついついのみすぎてしまう 飲酒の後ろめたさを感じる
 不安を感じて飲まざる得ない お酒の失敗で自責の念にかられる お酒により尊大や攻撃的態度をとる
 一時的に減らせても元に戻る 飲酒したいという渇望がある
  
依存症との境界線―肝機能・血圧値の異常
3飲酒後に寝汗、微熱。悪寒、下痢がある
 飲まないと不眠とイライラ、不安になる
 周囲が酒を控えるように注意する
 酒の問題が出る(けがや遅刻や欠勤)
4迎え酒をする 飲酒による問題を繰りかえす 飲むために嘘をつく お酒が生活の中心

5食事を十分とれないでのみ続ける 仕事や日常生活が困難に 家族や社会的信用を失う 死の危険
アルコール依存症になりやすい人の特徴
女性 高齢者 未成年  アルコール分解速度が遅い人
飲酒後、顔が赤くなりにくい人(アルコール分解酵素が低活性型)

アルコールが残りやすい(約30%がこの低活性型をもつ)
アルコール関連問題のスクリーニング:AUDIT
目安 0-7点 問題飲酒でない
   8-14点 問題飲酒であるが、アルコール依存症までいっていない
   15-40点 アルコール依存症が疑われる
簡易版AUDIT-C                    0-4
1あるコル含有飲料をどのくらいの頻度で飲みますか  
飲まない1カ月に一度 2-4度 1週間に2-3度、4度以上
2飲酒時には通常どのくらいの量が飲みますか     
1-2ドリンク 3-4 5-6 7-9  10ドリンク以上
31度に6ドリンク(純アルコール60g)以上飲酒する 頻度
                       ない 1カ月1度未満 1カ月に1度 1週間に1度 毎日

ICD-10 アルコール依存症の診断
1渇望
2飲酒行動のコントロール不能
3離脱症状
4耐性の増大
5飲酒中心の生活
6有害な使用に対する抑制の喪失
治療
減酒治療について 減酒を目標とした場合の治療ステージ
減酒治療は、病気の理解を深める「導入期」治療の継続を目指す「治療開始期」、現状を維持して
再発を防ぐ「維持管理期」の3つのステージ
アルコール依存症に用いられる薬剤 ナルメフェン(セリンクロ)大塚製薬
ナルメフェンはμオピオイド受容体及びδオピオイド受容体に対して拮抗薬としてkオピオイド受容体に対して部分的作動薬として作用することにより飲酒量の低減作用を発揮する考えられているが、明確な機序は不明である
*過度な飲酒はμオピオイド受容体を介した快の情動が高まり、代償的にkオピオイド受容体を介した不快な情動も高まる。快の欲求と不快の回避のための飲酒欲求の高まりにより飲酒コントロール不良となる
工夫1
目標飲酒量は基本的に本人に決めて漏らす  休刊日タイプ 一日量減らすタイプ 
酔う前に今日の飲酒量を決める 冷蔵庫で冷やす量を決める 飲む量だけ別の容器に移す
達成できそうな小さな目標から始める
小さな達成をほめる

 

2022-06-19 08:07:56

コメント(0)

  • 件 (全件)
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5