内科(呼吸器・循環器・消化器・糖尿病外来・各種健診(入社・定期))
〒541-0047 大阪府大阪市中央区淡路町4-7-2
TEL 06-6203-7636
トップページ»  ブログ記事一覧

ブログ記事一覧

ブログカテゴリはありません。
  • 件 (全件)
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

WEB講演会 7月8日

うつ病患者のレジリエンスを邪魔しない抗うつ薬治療とは?東京女子医科大学東医療センター精神科 臨床教授大坪天平先生
うつ病の異種性について
うつ病患者におきて不安がもたらす影響
DSM-5における「不安性の苦痛を伴うもの」の意味
不安うつ病の薬物療法 ガイドラインに推奨されているSSRI/SNRIの単剤療法
ボルチオキセチンの有用性(不安)うつ病に対する効果、臨床薬理
レジリエンスを意識した抗うつ薬治療
真のリカバリーとは

うつ病の転帰・予後を左右するもの
性ホルモン   年齢(フレイル)   遺伝   性格・気質
元来の知能・能力                認知の歪み
認知機能低下      うつ病                Biopolarity
身体疾患(痛み)                       発達障害
                        他のComorbidity(不安症、依存)
生活・職場環境  生育環境・ACEs・孤立   経済状況
              ソーシャルサポート(人)

 
うつ病の原因
遺伝 性格 生育環境 ストレス
    ↓          ↓
 2つの要因があるとより発症しやすくなる
       うつ病

うつ病発症に影響する神経症的性格傾向とストレスの役割
男性 神経症的性格はライフイベントの強さが強くなるとうつ病を発症しやすくなる
女性 ライフイベントが小さき時からうつ病を発症しやすくなり強くなると男性よりうつ病発症しやすい

小児期逆境体験 ACEs (Adverse childhood experiences)
1心理的虐待
2身体的虐待
3性的虐待
4心理的な養育の放棄
5身体的(物理的)な養育の放棄
6両親の別離(または離婚)
7母親の被暴力的扱い
8家族のアルコール中毒・薬物乱用
9家族の精神疾患や自殺
10家族の服役

ACEsスコア ACEsスコアーが4以上の場合
うつ病          4倍
自殺企図         12倍
アルコール関連問題    7倍
薬物関連問題      4-10倍

うつ病と不安にイメージ
うつ病は過去を振り返る喪失の病
不安は将来に対する懸念を持ち、その背景に死への恐怖、生への執着がある
一見逆の方向のように見えるが
うつ病患者の95%が不安症状を持っている
うつ病患者の約85%が明かな不安症状を経験し、同様に不安症患者の90%にうつが併存している

STAR-D研究 うつ病に伴う不安症状ありなし 寛解率 不安症状あり 22.2% vs なし 33.4%
DSM-5 特定用語(不安性の苦痛を伴うもの)
特定せよ:不安性の苦痛を伴う;不安性の苦痛は、抑うつエピソードまたは持続性うつ障害(気分変調症)の大半の日に
以下の症状のうち少なくとも2つ以上が存在する状態と定義される
1張り詰めた、または緊張した感覚
2異常に落ち着かないという感覚
3心配のため集中困難
4何かしら恐ろしいことが起こるかもしれないという恐怖
5自分をコントロールできなくなるかもしれないという感覚

症状が2つで軽度3つで中等度4つ以上で中等度~重症 4つ以上加えて運動性焦燥を認めた場合重度
不安性の苦痛の頻度
近年のデーターによれば、MDDの中で、不安性苦痛を持つ頻度は54-78%
うつ病に不安性苦痛を伴うと
うつ病が重症になる
入院回数が増える
罹病期間が長くなる
自殺念慮が増える
認知機能低下や不安症の併存が増える
抗うつ薬の反応性がさがる
抗うつ薬の副作用が出やすくなる
社会機能が低下する
QOLが低下する、慢性化しやすくなる

不安性の苦痛を伴ううつ病の治療
1 うつ病と不安症の併存治療に準ずるが、コンセンサスがえられているわけではない
2 不安症状を併発しているうつ病においても通常のうつ病と同様の治療を行い、抑うつ症状と不安症状はともに抗うつ薬に
  よる薬物療法によく反応する
3 2012年CANMATはSSRI/SNRIの単独療法から開始を推奨
4 2016年CANMATはGADに効果を認めた薬剤(SSRI、SNRI、Bupuropionで差はない)を推奨
*レクサプロ・パキシル・イフェクサー・ジェイゾロフト・・・

うつ病に不安性の苦痛を伴う場合の治療ステラテジー
Step1 SSRI or SNRIでMDDと不安症に適応があるものを使用
Step2 用量と期間の適正化を図る(スイッチ)
 
もし部分的反応か非反応かの場合
Step3 5-HT1Aアゴニストの追加(*セデール、トリンテリックス)
Step4 服薬歴、不安の重症度にあわせてMDDに適応のあるSGAを追加
*SGA(第二世代抗精神病薬)リスペリドン(リスパダール)、オランザピン(ジプレキサ)、クエチアピン(セロクエル)  
 アリピプラゾール(エビリファイ)など

トリンテリックス(ボルチオキセチン)の作用機序
セロトニン再取り込み阻害 (比較的弱い→副作用減る?中止後の症状も↓)
5-HT1A(不安和らげる?)
5-HT1B
5-HT1D          
5-HT3(各種モノアミン濃度上昇、吐き気防ぐ?)
5-HT7(日内リズムに影響?)
セロトニン受容体調節                   セロトニン再取り込み阻害
セロトニン・ノルアドレナリン                 セロトニン濃度上昇
ドパミン・アセチルコリン・ヒスタミン遊離促進           ↓
 ↓                             抗うつ作用
抗うつ作用・向認知機能作用?

*ボルチオキセチンの各5-HT受容体とSERTに対する結合親和性(In Vitro)
SERT >>5-HT3>>5-HT1A>5-HT7
国内第三相検証試験(CCT-004)
大うつ病性障害患者を対象として、ボルチオキセチン10又は20mg/日を8週間投与したときの有効性及び安全性について検証する
493例(プラセボ164例、ボルチオキセチン10mg165例、20mg群164例)
DSM 4 TRに基づく主診断が反復性の大うつ病性障害である者(ストレスへの影響除外や軽症うつ病除外?)
20才以上75才以下である者
MADRS合計スコアが26以上、HAM-D17合計スコアーが18以上かつCGIスコアー4以上である者
単盲検       2重盲検
プラセボ1週間  8週間 プラセボ164例
ボルチオキセチン10mg165例    8週後投与終了 フォローアップ 12週
ボルチオキセチン20mg群164例
8週時点のMADRSの変化量
PDQ-5 主観的認知機能評価
DSST  認知機能評価・社会機能への影響評価
SDS  うつ性自己評価尺度           も評価
8週間におけるMARDS反応率・寛解率 10mgでも20mgでも有意に改善した 用量依存性に
プラセボ 36.6% vs10mg 47.9%vs20mg 50.6% 
プラセボ 21.1% vs10mg 32.1.%vs20mg 30.9% 

8週後のMARD項目別スコアーにおけるベースラインからの変化
悲しみ 内的緊張 睡眠減少 食欲減退 集中困難 制止 悲観的な思考 自殺施行有意に減少
安全性:消化器症状(悪心・嘔吐)傾眠 投与1週間で多い 副作用少ない薬

レジリエンスの意味
逆境を切り抜ける力
1病へのなりにくさ(病を持たない状態)
 レジリエンスが高い→病になりにくい
 レジリエンスガ低い→病になりやすい
2病からの回復(病の状態)
 レジリエンスが高い→病からの回復
 レジリエンスガ低い→病から回復しずらい

抗うつ薬がレジリエンスを低下させてはならない
抗うつ薬(特にSSRI)によるApathy(無気力、無関心)
(5HT2A刺激によるNA↓5HT2c刺激によるDA↓)
眠気、認知機能低下
Act before Thinkingを邪魔してはいけない
自律神経症状によるQOLの低下
副作用を症状の悪化ととらえてしまう

レジリエンスを念頭に置いた抗うつ薬治療
抗うつ薬が導いた回復のきっかけを見逃さない
(表情、口調、反応スピード、動作、不安、堂々巡りなど改善点を明確にして、フィードバックをする)
安心感や達成感が得られる行動、不安が軽減する行動を推奨する
いたずらに薬を増やさない(副作用を避ける)
回復を治療者や薬剤が邪魔しない
症状が改善しないとき、薬が悪さをしていないか疑う

真のリカバリーとは(以前記述したので簡略に)
社会機能を良好にするにはHAM-D5点以下に
真のリカバリーを探るための質問
1本来の自分のパフォーマンスと比べて、今は何パーセントくらいですか(機能的リカバリー?)
2今、自分らしい自分でいられますか?いられないかとしたら、どのへんが自分らしくないのですか(主観的リカバリー)?
3足りない部分を補強するには何が必要ですか?
4今、何がしたいですか?何ができそうですか?
5これからのあなたに生かせるあなたの強みは何ですか?

結局、リカバリー の主体は患者本人にあることを示唆(尊敬と責任感
まとめ
うつ病は異種性に富んでおり、個別性への配慮が重要
うつ病に不安を伴うと、重症化、難治化する
ボルチオキセチンは、抑うつ気分、意欲減退、不安に効果が期待でき、かつ、安全性の高い抗うつ薬である
特に初診患者の場合、副作用による中断は結局抑うつ改善がもれるので、レジリエンスを邪魔せず継続できる抗うつ薬の
1つといえるか

2020-07-09 09:54:22

コメント(0)

WEB講演会 7月7日

糖尿病性腎症の成因と治療   福岡大学医学部内分泌糖尿病内科学教授 川浪大治先生
糖尿病性腎症の現状と課題
早期介入の重要性とClinical inertia
心腎連関を考慮した治療

透析導入は1998年を境に糖尿病性腎症が一番となり現在まで最も多い疾患である
糖尿病性腎症1年あたり16000人(全体の42.5%・慢性糸球体腎炎16.3%糸球体硬化症14.7%)

日本人糖尿病患者におけるアルブミン尿と腎機能低下の有病率
1型糖尿病 微量アルブミン尿 15.2%
        顕性アルブミン尿 3.1%     eGFR<60 9.9%
2型糖尿病 微量アルブミン尿 25.0%
        顕性アルブミン尿 5.1%     eGFR<60 15.3%

アルブミン尿に関連する因子   HbA1C 血圧 年齢 罹病期間 BMI eGFR
アルブミン尿は死亡、心血管イベントの危険因子である
死亡の関連因子 喫煙 eGFR アルブミン尿 身体活動度HbA1C 脂質治療 
心血管イベント HbA1C 血圧 LDL-C eGFR アルブミン尿 喫煙 身体活動度
5つの危険因子 HbA1C 血圧 LDL-C 喫煙 アルブミン尿 

腎機能低下は日本人2型糖尿病患者の死亡率を増加させる
日本人2型糖尿病患者30834人を約8年間追跡
累積死亡率 CKDあり vs なし 0.5 vs 0.2

糖尿病性腎症の成因には血行動態的、非血行動態的要因がある
輸入細動脈拡張による糸球体過剰濾過     →  →  糸球体硬化(糸球体基底膜障害)→アルブミン尿
        細胞内代謝異常・酸化ストレス・炎症 →↑  
インスリン抵抗性と腎合併症の関係
新規発症2型糖尿病患者14755人 
インスリン抵抗性・インスリン分泌低下 肥満 加齢 SPIDDM群で比較
CKD・末期腎不全、顕性アルブミン尿は優位にインスリン抵抗性群で高い 網膜症はどの群も有意差なし
レジスチン(インスリン抵抗性指標)とFGF23(腎症のバイオマーカー)は相関する 日本人2型糖尿病患者422名

腎症のPhenotype
糖尿病の影響 <加齢? RAS阻害剤への反応?(反応よくアルブミン尿をマスクする)
アルブミン尿が出るタイプ   
アルブミン尿が出ないタイプ 
(動脈硬化による虚血、加齢など糖尿病の影響が少ない)
腎症のPhenotypeと予後
アルブミン尿↑+eGFR↓で腎機能低下↓↓ eGFR30未満に低下する患者↑↑
蛋白尿を呈すると腎予後は不良である

eGFR60未満の日本人2型糖尿病患者562名 
腎イベント フリー 蛋白尿あり 15年 20%以下に 蛋尿なし 70%

eGFR低下速度と合併症・死亡リスクの関係 -ADVANCE-ON―
eGFRスロープ↓で腎心血管死亡の複合イベント↑ 腎イベント↑ 心血管イベント ↑ 全死亡↑
早期介入の重要性とClinical Inertia
J-DOIT3研究 強化療法による合併症抑制効果
HbA1C 7.2→6.8 収縮期血圧 129→123 拡張期血圧 74→71 LDL-C 104→85
腎症イベント 32%減 冠動脈イベント 14%減 脳血管イベント 58%減

血糖コントロールと腎症発症リスク
HBA1C   オッヅ比   P値
<6.5%     0.98    0.95
6.5-6.9%   1.00
7-7.4%    1.55    0.03
7.5-8.6%   1.33    0.14
>8.6%     2.64    <0,001
HBA1C>8.6%だと特にリスクが高い
<6.5%に管理してもベネフィットはない(重症低血糖が増加)
7%未満がちょうどよい

厳格な血糖コントロールは微量アルブミン尿ならびに顕性アルブミン尿の発現リスクを低下する
ACCORD、ADVANCEなど主要7研究のメタ解析
進行した腎症に対する強化療法の効果 DNETT-JAPAN研究
対象 顕性アルブミン尿かつ血清Cr1.2-2.5(男性)1.0-2.5(女性) 5年間追跡
末期腎不全、クレアチニン倍化、死亡 有意差はなかった
*LDL-C低下とスタチンの使用がイベント抑制と有意な相関があった
Clinical Inertia による中長期的な合併症リスクの影響(海外データ)
2型糖尿病の診断後1年以内に治療強化されHBA1C<7%を達成した患者
2型糖尿病の診断後1年以内に治療強化されずHBA1C<7%を達成されなかった患者
5.3年後 CVDリスクの有意な上昇
心筋梗塞67%脳卒中51%心不全64%複合心血管イベント62%

心腎連関を考慮した治療
食事療法
蛋白制限とGFR低下速度(MDRD研究)
               通常蛋白食(1.3g/体重kg/日)  蛋白制限食(0.58g/体重kg/日)

最初の4カ月GFR低下速度      -0.46                -0.86
(ml/min/month)
それ以降のGFR低下速度       -0.32                 -0.23
 
3年後のeGFR低下         -12.1                  -10.9
(ml/min/3yr) 
中等度腎機能低下(GFR25.55ml/min/1.73m2)患者585名を3年間追跡
 糖尿病性腎症におけるタンパク制限の実施方法
    低たんぱく質実施を検討する症例

   1 GFR30-45ml/min/1.73m2
 顕性アルブミン尿を有する症例
   正常~微量アルブミン尿で進行性に腎機能低下する症例
   進行の目安:3-5ml/min/1.73m2/年以上

   2 GFR 30ml/min/1.73m2未満
*体重:目標体重 蛋白質摂取量 0.6-0.8g/体重/日  エネルギー摂取量は30-35kcal/体重/日
*高齢者、特にサルコペニア、フレイルまたはそのリスクがある症例や、75歳以上の高齢者では、原則として蛋白質摂取量は個別に設定するが、低蛋白質食を実施する場合、0.8g/体重kg/日を下回らない

低蛋白質食を実施しない場合(すべての病気に適応)
1.3.g/体重kg/日未満

腎機能低下にサルコペニアが加わると心血管イベントが増加する
腎機能低下+サルコペニア ハザード比 6.02に 腎機能低下のみ1.50

薬物療法
メトホルミン
メタ解析 腎症発症への効果は限定的 心血管イベントや死亡リスクを抑制 しかしeGFR<30では死亡リスクは上昇
腎への影響
GLP-1RA↑(AMPKを介して)
脂肪酸酸化↑
線維化↓(TGF-β/Smad3)
尿細管障害↓(Hypoxia/senescence)
酸化ストレス・炎症↓(AMPK、Superoxide NF-κB STAT3)
Autopagy↑(sirt1/FoxO1)
アポトーシス↓(インスリンシグナリング)
Na排泄↑(Na-Cl競合)

腎症合併におけるメトホルミン長期投与の意義
2型糖尿病10426人(平均7.3年)メトホルミン使用において全死亡35%、末期腎不全33%有意に少なかった
心血管死も有意に少なかった

SGLT2阻害剤
CREDENCE試験 4400名2型糖尿病(ACE阻害剤またはARB投与中のeGFR30-90:アルブミン尿300-5000mg/g・Cr) プラセボvsカナグリフロジン100mg  2.62年追跡
腎複合イベント30%抑制
SGLT2阻害剤 腎への影響 
糸球体内圧の上昇抑制
炎症や酸化ストレス抑制
インスリン抵抗性改善

GLP-1受容体作動薬
メタ解析 心腎アウトカム 腎アウトカムへの好ましい影響は主にアルブミン尿抑制によってもたらされている
 腎への影響 
炎症↓ (NF-κB)                    ポトサイトloss
Na排泄 (NHE3、ANP)                 メサンギウム細胞障害  →蛋白尿
EMT↓                           血管内皮機能障害
酸化ストレス↓ (NAPDH oxidase)             尿細管障害
線維化・硬化↓

 
Rho/Rho-Kinaseと糖尿病合併症
Rho/Rho-Kinase

低分子量C蛋白Rho下流に存在するエフェクターがRho-Kinase
細胞収縮や増殖を促進するシグナル

GDP      糖尿病(高血糖、インスリン抵抗性)  GTP
Rho(非活性型)       → →    Rho(活性型)  
                            ↓
                         Rho-Kinase活性化
                           ↓
                     腎・血管・網膜・神経など
                     酸化ストレスや炎症
                           ↓
                       細胞機能破綻→糖尿病合併症

Rho-Kinase阻害剤は腎症への治療効果
メサンギウム細胞増殖抑制、硬化抑制
GLP-1はRho-Kinaseを抑制する

心腎連関を標的とした糖尿病治療戦略
血圧管理  個々の臨床的背景を考慮した薬物療法 血糖管理
             脂質管理
 多面的作用を持つ薬剤を効果的に組み合わせた安全性の高い治療

2020-07-08 09:09:24

コメント(0)

WEB講演会 7月6日

新型コロナウイルス状況下での糖尿病診療 関西電力病院総長 清野裕先生
糖尿病があると新型コロナ感染症にかかりやすい?
中国施設における2018人の新型コロナ患者    米国多施設における7162人の新型コロナ患者
糖尿病あり10.3%                     糖尿病あり10.9%    
2013年の中国の糖尿病有病率は10.9%      2018年の米国の糖尿病有病率は10.5%

糖尿病があっても、コロナにかかりやすいことはない
糖尿病があると新型コロナ感染症で重症化しやすい?
2020年2月12日から3月28日の米国コロナ患者(CDCのMMWR参照)
糖尿病あり 全体10.9%
入院なし 6% 一般病棟 24% ICU 32%

重症入院患者、呼吸器管理を要した患者群で、糖尿病の有病率は高い。イタリア、中国武漢からの報告でも同様の傾向が指摘されている
血糖コントロール不良な糖尿病では10人に1人が入院後7日以内に死亡
1317人の糖尿病患者 平均年齢70才 平均HbA1C8.1%
入院時血糖値が良い方が予後が良い可能性 90mg/dlを1とすると270で2倍 360で3倍に
重症化しないために普段の血糖コントロールが大切

武漢におけるコロナ肺炎 入院患者7000人規模のスタディ
糖尿病なし:死亡率2.7% あり 7.8%↑
血糖コントロール良好群 死亡率1.1% 平均HbA1C7.3% 平均血糖180mg/dl以下(130前後)
    →糖尿病なしと死亡率同等

血糖コントロール不良群 死亡率11.1% 平均HbA1C8.1% 平均血糖180mg/dl以上
→コントロール不良群の死亡率が高い

新型コロナ感染症の総患者数(国別)  (6月28日現在)
263万7180  約10万 約20万  134万5470  31万1151 約50万 18390  83512  447  
米国  カナダ   メキシコ   ブラジル  英国  インド  日本    中国  台湾 
アジアの総患者数は欧米諸国に比べて少ない
新型コロナ感染症による人口あたりの死亡者数(国別)  (6月28日現在)
100万人当たり
米国 389 カナダ208 メキシコ 200 ブラジル290 英国 642 ドイツ 108 スペイン606 イタリア600
ロシア 50 イラン 110 日本8 中国3 台湾0.3 韓国6 
アジアの死亡者数も、欧米諸国に比べて少ない
なぜアジアで総感染者数、死亡率が低いのか?
医学的要素:肥満・遺伝的素因(HLA etc)・すでに免疫が存在(交叉免疫など)・BCG
衛生面:うがいの励行 手洗い・マスクの習慣 毎日の入浴
生活様式:家で靴を脱ぐ習慣 キスやハグをしない
自粛生活と糖尿病
高齢者の筋肉は普通の生活でも年間2%減少
室内だけの生活では3か月程度で2%減少する
食事(特に筋肉維持)
運動(散歩とスクワットなどの筋トレ)
薬物療法(筋肉減少の少ないもの、感染などのリスクが多いとき、シックデイで使用可能なもの)

*インスリン、GLP-1受容体作動薬、DPP4阻害剤は比較的使用しやすい
必須アミノ酸食品の健常高齢者における筋量増加効果
9種類の必須アミノ酸
 ロイシン・イソロイシン・バリン・スレオニン・リジン・メチオニン・ヒスチジン フェニルアラニン トリプトファン
筋蛋白合成の素材
       ロイシン             必須アミノ酸 8種
        ↓   (筋肉内 )       ↓  ↓
      mTOR  リン酸化シグナル→ リボゾーム翻訳装置  →筋蛋白質
            メッセンジャーRNA

3食の食事に含まれる蛋白質量と筋肉の合成
筋蛋白質合成に必要な蛋白量 夕食>昼食>朝食 朝食と昼食でとると効率に蛋白合成される
骨格筋の変化量とたんぱく質摂取:65才以上の日本人2型糖尿病における後ろ向き検討
1年間の骨格筋変化量
3食とると有意に維持~増加する

特に朝食、昼食で有意差あり 夕食では有意差がなくなる 骨格筋量維持には朝。昼のの蛋白摂取が重要
高齢者の蛋白質摂取必要量は1食約20-30g 1日3回の食事≒70-90g/日
15-20g 若鳥の胸肉(1/2枚100g) 鳥のささ身肉(3本100g) 牛肉(赤身肉)1枚100g 豚ロース肉1枚100g
まぐろ(赤身)6切れ100g かつお 6切れ100g 紅鮭1切れ80g うなぎ1串80g
10g 手羽先(2本90g) レバー2串(70g) さば1切れ(70g) たら1切れ(70g) いわし1尾(50g)いか1/2杯
たこ 3切れ(50g) 厚揚げ1枚(100g) 納豆1パック
5-10g 牛乳1杯200g ウインナー3本60g 鶏卵 1個60g ハム2枚20g ヨーグルト1個 90g     
食後の骨格筋代謝
(アミノ酸は最大食後2時間までしか利用できない)
      小腸           血管       筋肉
食事(炭水化物)→ブドウ糖→ ブドウ糖   → グリコーゲン  →消費
                           →ATP→筋肉
                       
 ↑インスリン  
食事(蛋白質)→アミノ酸   →アミノ酸  → アミノ酸 →筋蛋白→分解 
                        
↑インスリン
骨格筋維持には早期のインスリン分泌が重要
分岐鎖アミノ酸・VD+早期インスリン分泌促進
坂道や階段を取り入れた歩行(食後30分)

 
GLP-1受容体作動薬の血糖・インスリンに対する効果
投与2週間後にはグルコース上昇↓↓特に食後の 早期インスリン分泌が回復
リラグルチドはインスリン初期分泌を是正して血糖改善

高齢者に期待されるインクレチンの効果
GIP 膵島 血糖が上がったときにインスリンを分泌
   骨量 増加
   身体活動力?
   生殖・寿命?
GLP-1  膵島 血糖が上がったときにインスリンを分泌
    筋肉:増加
    腎障害 抑制
    血管・心機能 改善
    認知機能 改善

GLP-1濃度とサルコペニア関連指標との関連
GLP-1濃度と骨格筋量 正の相関
GLP-1濃度と握力 正の相関

GLP-1受容体作動薬・DPP4阻害剤・SGLT2阻害剤の体組成への影響の比較
GLP-1受容体作動薬 リラグルチド 体重4.27減少 筋肉15.0%減
DPP4阻害剤  影響なし
SGLT2阻害剤    体重3.26減少 筋肉28.8%減

GLP-1受容体作動薬 セマグルチドの炎症抑制
急性炎症モデルマウスにおいて TNF-α・IFN-γ・OPN↓ 4時間で
SUSUTAIN試験 セマグルチド 0.5mg・1mg シタグリプチン100mg 投与30週 平均8-8.2%の2型DM患者
結果のみ HBA1C  0.5mg 1.9%改善 1mg 2.2%改善 シタグリプチン0.7%改善
       体重          2.2kg      3.9kg        0kg
副作用 胃腸症状 37.9-41.2%  シタグリプチン 16.5%

ステイグマとは
Stigma 恥・不信用のしるし、不名誉な烙印
      ある特定の属性に所属するヒトに対して否定的な価値を付与すること

糖尿病があるというだけで・・・
生命保険・住宅ローンに入れなかった
就職が不利になった
怠け者のようにみられる
食べすぎやんと言われる

糖尿病患者のステイグマの構造
     糖尿病患者
   知識と理解の不十分による分断    
     社会的疎外・社会的不利益・治療機会の喪失・自尊感情の低下 
    非難↑     ↑差別   ↑ 制限                    ↓
    家族・同僚    社会    医療従事者
                糖尿病の増悪
経験的ステグマ 寿命が短い?
糖尿病患者は長生きできないのか
日本人 vs 糖尿病患者
男性 39.0vs 39.2歳  女性 45.5歳vs43.6歳
40歳時の平均余命では、日本人一般と日本人糖尿病患者の平均余命に大きな差はない
糖尿病患者の真の幸福の追求のために
健康の人と変わらない寿命の確保
高齢化で増加する併存症(サルコペニア・フレイル・認知症・悪性腫瘍など)の予防管理
ステグマ、社会的不利益、いわれのない差別除去 →協会・学会などによるアドボガシー

2020-07-07 08:29:48

コメント(0)

COVID-19 最新情報チャンネル 7月4日

小児の新型コロナ~小児は新型コロナを伝播させない?重症化しない?~」
国立国際医療センター 国際診療部副部長 忽那賢志先生

北九州 集団感染の小学校 授業中や登下校時に感染か 2020年6月17日・・・
小学校のクラスターは成人に比べて珍しい・・?

中国での感染症数              日本での新型コロナ患者年齢分布
         感染者数   人口     感染者数  
10歳未満  約275人  15000万            284
10代      320人   15000万      418

20代      3000人  20000万      2854
30代      8000人  22500万      2605
40代      8300人  21000万      2664
50代      10000人 22000万       2787
60代      8300人  15000万      1905
70代      3100人  7300万       1705
80代以上   1200人     9000万       1802

小児の臨床症状               小児       成人
発熱・咳・息切れのいずれか            73%      93%
発熱                 56%   71%
咳                  54%     80%

息切れ                13%   43% 
筋肉痛                23%   61%

鼻汁                 7.2%   6.9%
咽頭痛                   24%        35%
頭痛                   28%   58%
嘔気/嘔吐                   11%     16%
腹痛                    5.8%    12%
下痢                    13%      31%
 
最重症    1.9%    0.4   0    0.7      0.6
重症   
8.8%    6.9   4.2     3.4    5.3
中等症  33.2%    39.7  36,7    41.3     
38.7
軽症   54.2%   49.9   53.3    48.1    51.0
無症状   1.9%     3.1   5.8    6.5      4.5
                 1歳未満  1-5才         6-10才     11-15才         15歳以上
2月19日~3月16日までにアメリカ49州などで新型コロナウイルス感染症と診断された2449人
      0才から19才 20-44    45-54     55-64   65-74     75-84    85才以上
入院    1.6-2.5%    14.3-20.8 21.2-28.3  20.5-30.1     28.6-43.5        30.5-58.7    31.3-70.3%
ICU入院   0%      2-4.2   5.4-10.4  4.7-11.2     8.1-18.8       10.5-31     5.3-29
死亡     0%      0.1-0.2    0.5-0.8    1.4-2.6  2.7-4.9           4.3-10.5  10.4-27.3%
小児は感染しても軽症で済むだけ?でなく実際感染する感受性も低いデーターが
感染者との接触による感染確立(感受性)
0   ⤴   0.025  ⤴  0.050 ⤴ 0.075  0.10
0才    25才    50才      75才

推測
鼻咽頭のACE2遺伝子の発現量

<10才 10-17才 18-24才 25才以上
平均2.4  2.75    3.00   3.15     有意に10才未満でACE2遺伝子の発現量少ない
 
Multisystem Inflammatory syndrome in childlen(MIS-C)
川崎病様の病態
最初にイギリスで報告 その後のヨーロッパ、アメリカ、カナダなどで報告
MIS-Cの小児の多くは完全/不完全型川崎病の基準を満たしている
MIS-Cのほとんどの症例は、基礎疾患のない9-11才の小児に発生している(川崎病より年齢層が高め)
黒人、ヒスパニック系の小児に多いようである

MIS-Cの臨床症状・所見
臨床症状
持続する発熱100% 消化器症状(腹痛、嘔吐、下痢)60-100% 皮疹 52-76%眼球結膜充血45-81%
粘膜病変 29-76% 神経学的症状(頭痛、無気力、混迷)29-58% 呼吸症状(頻呼吸、喘鳴)21-65%
四肢の浮腫16% 咽頭痛 10%
臨床所見
ショック                           50-80%
川崎病の診断基準を満たす                   22-64%
心筋障害(心エコーでの異常やトロポニン)           51-100%
侵襲的/非侵襲的人工呼吸管理                     43-52
急性腎障害                          22-70
漿膜炎(胸膜、心外膜、腹膜)                  24-57
急性肝不全                           21%
まとめ
小児の新型コロナは成人に比べて少ない
そもそも新型コロナに感染しにくいのではないかと考えられており、ACE2受容体の発現量の違いに由来する可能性
重症例も少ないが1歳未満は重症化の頻度が高い
欧米では川崎病の病態に類似するMIS-Cが報告されている
MIS-Cはショックを伴う頻度が高く臓器障害を伴うことも


 

2020-07-05 13:08:54

コメント(0)

WEB講演会 7月3日

老年内科医が診る高齢者OABにおけるベタニスの有効性 大阪大学大学院医学系研究科 老年総合内科学講師 竹屋泰先生
フレイルという概念
フレイルとは「加齢に伴う予備能力低下のため、ストレスに対する回復力が低下した状態」を表すfrailtyの
日本語訳として日本老年医学会が提唱した用語である
フレイルは要介護状態の前段階として位置づけられるが、身体的脆弱性のみならず精神、心理的脆弱性や社会的脆弱性などの多面的な問題を抱えやすく、自立障害や死亡を含む健康障害を招きやすいハイリスク状態を意味する。
フレイルは要支援状態→健康にも戻れるが・身体機能障害(要介護状態)にも進んでしまう

フレイルの診断は (SPRINT研究では)
70項目(全身状態、健康の理由による中等度活動の制限、喫煙状態、脳卒中、狭心症・・)
心血管リスクや生命予後不良疾患、低栄養関連、認知症関連など
障害蓄積モデル(deficit model)と言う
Frailty 2001年フリード博士が提唱
虚弱という言葉から連想される要素をたくさん思い浮かべました。その中で「からだの縮み」「動きの少なさ」
「弱弱しさ」「疲れやすさ」「緩慢な動作」の5つが大切だということを報告しました

      体重減少
身体活動量の減少  握力低下
     疲労感  歩行速度の低下

5つのうち3つ以上あてはまればFrailtyと判定する
この患者モデルを表現型モデル(Phenotype model)と言う
フレイル有無別心房細動の生存率(海外)
150日でフレイル70%に非フレイル 90%以上
これはCHADS2やHAS-BLEDスコアよりフレイスコアが強く相関 
多病で複雑な健康状態を持つ高齢者に対しては、全体像から把握する新しいアプローチ(Phenotype model)を考える必要がある?

老年症候群
老年症候群とは
原因が様々ですが放置するとQOLやADLを阻害する、高齢者に多くみられる一連の症候群です
複数疾患や病態が関与し、根本的な治療が難しく、医療、看護、介護の連携で対処しなければなりません
具体的な症状としては、めまい、ふらつき、腰痛、しびれ、疲れやすさ、不眠、尿失禁、物忘れ、うつ、口腔機能低下
息切れなどがあり、生活に支障をきたします
尿失禁・頻尿も含まれます

若年性めまい
耳の奥の炎症→めまい メヌエール病
中年性者のめまい
高血圧・糖尿病 小脳血管の閉塞→めまい 小脳梗塞
老年症候群によるめまい
加齢に伴う生理的・病的・社会的な機能低下
独居  膝・股関節症  白内障  平衡感覚異常   高血圧
   抑うつ状態    不安症状  虚血性病変
      バランス不良 多剤併用 起立性低血圧
          めまい

         老年症候群
内科医のOAB治療
過活動性膀胱診療ガイドライン
一般医家向けアルゴリズム
過活動性膀胱を疑う男女:尿意切迫(必須)と頻尿±頻尿
問題がある病歴、症状   ←   基本評価1(2)

検査所見         血尿あり    膿尿あり  血尿/膿尿なし
    ↓          ↓       ↓            ↓
                     抗菌薬治療       残尿100ml以上  未満
                     無効 有効(終了)   ↓        行動療法±薬物療法
                                    効果不良↓   改善/有効 (治療継続)
      専門医へ相談                                    
過活動性膀胱を疑う
1尿意切迫感(必須) 突然起こる 我慢できないような強い尿意
2頻尿 昼間頻尿 排尿回数が多すぎるという患者の愁訴(目安は8回以上)
     夜間頻尿 夜間就寝中に排尿のため1回以上睡眠が中断されること

過活動性膀胱質問票(OABSS)
1 朝起きた時からねるまでに何回くらい尿をしましたか 0点7回以下 1点  8-14回 2点 15回以上
2 夜寝てから朝起きるまでに何回くらい尿をするために起きましたか  0、1,2,3回以上 0-3点
3 急に尿がしたくなり、我慢が難しいことがありましたか          
 なし、週1回未満 1回以上、1日1回 1日2-4回 1日5回以上 0-5点
4 急に尿がしたくなり、我慢できずに尿をもらすことがありましたか
 なし、週1回未満 1回以上、1日1回 1日2-4回 1日5回以上 0-5点

質問3の尿意切迫スコアーが2点以上かつOABSS合計3点以上で診断
残尿をどう調べる エコーや残尿測定器(70万高価)
聴性打診

膀胱上縁が恥骨上>5.5cmで残尿>100mlを示唆(聴診器の直径が5-5.5cm)
CQ9:残尿を有する過活動性膀胱患者に対して抗コリン剤の投与は安全か?
抗コリン剤投与に対する安全な残用量の基準は明らかでない。女性の特発性化活動性膀胱では100ml未満の残尿であれば比較的安全に投与可能と考える(レべル1)
*尿閉起こす可能性が
CQ18:男性の過活動性膀胱の初期治療として抗コリン薬単剤は推奨されるか?
前立腺肥大を伴わない過活動性膀胱には抗コリン剤単独は有効であり、初期治療として推奨される(推奨グレードB)
尿閉や排尿困難の発生はまれであるものの、投与初期には注意し、排尿困難のある症例、高齢者に対しては高用量投与は避けるのが望ましい(レベル4)なお前立腺肥大症にたいしては保険適応がなく、尿閉の危惧から慎重投与とされている
CQ20:前立腺肥大症を有する過活動性膀胱患者に対して、α1遮断薬と抗コリン薬の併用投与は推奨されるか?
推奨される(レベル1)ただし、特に排尿症状程度が強い場合、前立腺体積が大きい場合、高齢者などには、排尿障害や尿閉などの有害事象に十分きをつけながら抗コリン薬を低用量から開始する
まずはα1遮断薬単独投与を行い、過活動性膀胱が残存する場合に対して追加治療して行うことが望ましい「レベル1」
推奨グレードA
 
前立腺肥大が想定される場合は
1 まずα1遮断薬
2 無効であれば、抗コリン薬あるいはβ3受容体作動薬

前立腺肥大症が想定されない場合は
1抗コリン薬あるいはβ3受容体作動薬
前立腺肥大症の3要素
下部尿路症状+前立腺肥大+下部尿路閉塞
前立腺の良性過形成による下部尿路機能障害を呈する疾患 
付帯事項 通常は前立腺腫大と下部尿路閉塞を示唆する下部尿路症状を伴う
残念ながら
経験の少ない内科医に使いやすい診断基準はない

男性は
1まずはα1遮断薬
2無効であれば抗コリン薬あるいはβ3受容体作動薬
3むこうであればその併用
4無効であれば泌尿器科医紹介 あるいはすべて中止

女性は
1抗コリン薬あるいはβ3受容体作動薬
2無効であればその併用
3無効であれば泌尿器科医紹介 あるいはすべて中止

β3受容体作動薬(ベタニス)はOABSSの有効率84.8%
有害事象が非常に少ない 75才未満で5.19% 75才以上で7%

 

2020-07-04 12:41:01

コメント(0)

7月1日WEB講演会

現在、そしてこれから臨床で診る不安や強迫―うつ病との関連およびCOVID-19感染症の影響を含めてー
兵庫医科大学 精神科神経科講座 主任教授 松永寿人先生

うつ病は平成20年までの統計で10年間で1.5倍に増加 5大疾病に 323万人に
平成29年の統計では約420万人に人口の3.3% 30人に1人うつ病?

精神疾患を有する総患者数の疾病内訳
H29年 419.3万人
 気分(感情)障害躁うつ病を含む  127.6万人 
 神経症性障害 ストレス関連障害及び身体表現性障害 83.3万人
この15年間でうつ患者は1.8倍、神経症患者は1.6倍増(認知症は6.3倍増 70万人(血管性+アルツハイマー病)

DSM-5の大カテゴリー
1Neurodevelopmental Disorder(神経発達障害)
2The New DSM-5: Schizophrenia Spectrum and Other Psychotic Disorders(統合失調症スペクトラム)
・・・9
5 Anxiety disorder(不安障害) 分離不安/選択緘黙 限局性恐怖症 社交不安症 パニック症 全般性不安症
6 強迫症および関連症候群 強迫症(OCD)醜形恐怖症 ためこみ症 抜毛症 皮膚むしり症 
7心的外傷およびストレス因関連障害群  

反応性愛着障害 脱抑制型対人交流障害 PTSD 急性ストレス障害 適応障害
不安障害の行動的反応(DSM-5)
               恐怖・不安の対象            行動的反応
限局性恐怖症      特定の対象・状況(閉所、高所    回避、または耐え忍んでいる
               雷、動物、トンネル、飛行機)
社交不安症       人前での行為、注目される状況    回避、または耐え忍んでいる
広場恐怖症       人ごみや電車など、逃げることが    回避、抵抗、または耐え忍んでいる
              困難な場所
パニック症        パニック発作            不安発作に関連した非適応的行動変化
                                (運動など発作が起こる状況をさける)
全般性不安症GAD   浮動性不安                なし
 
実は身近な不安障害 全国1000万人以上が一度は経験する「不安の病」
うつ病や神経症は潜在性患者が多い 未治療が6割?
想定される不安・強迫症(OCD)患者の重症度による受診行
重症     社会的引きこもり
中等症   不安症・OCD・PTSDなどで精神科を受診・治療あり
軽症     
恐怖や不安の対象:状況を回避しつつ、耐え忍びつつ、予め決めた安全な
        ルールに従いつつ何とか適応(診断閾値上下を変動)

  *受診していないor 不定愁訴など身体症状に関する受診
 
不定愁訴患者の症状
初診時の訴えは、主に身体的な自覚症状が大部分であった
動悸≒めまい感・ふらつき ≧息苦しさ≧頭重感・頭痛>吐き気・むかつき>だるさ 疲れやすさ>食欲不振>しびれ
問診によって精神症状の有無を調べると、大半のケースで不安・憂鬱に関連した自覚症状が存在する
不安感だ≒あせり≒憂鬱>いらいら>おっくう感
うつや不安は身体症状にマスクされやすい
パニック障害 数分以内に達する激しい恐怖、不快感でその間に4つ以上存在
動悸 心拍数の増加
発汗 身震い、震え 息切れ感 息苦しさ 窒素感 胸痛 胸部不快感
嘔気 腹部不快感 めまい感、ふらつき感 異常感覚(感覚鈍麻、うずき感)
冷感、温感 現実感の喪失 離人症状

GADの診断と不安・心配の随伴症状 DSM-5
抑制困難な多数の出来事または活動(仕事や健康・災難など)についての過剰な不安と心配(予期憂慮)が半年以上持続し、臨床的に有意な苦痛や機能障害をきたしている
その不安および心配(予期憂慮)は以下の6つの症状のうち3つ(またはそれ以上)を伴っている
1落ち着きのなさ、緊張感、または神経の高ぶり
2疲労しやすいこと
3集中困難、または心が空白になること
4易怒性
5筋肉の緊張
6睡眠障害(入眠または睡眠維持困難、落ち着かず熟睡感のない睡眠)

閾値下まで含めれば、Primary care受診者の約10%がうつ病、約30%が不安症に該当
各不安症の好発年齢 SHIORI 2012
0   5   10   15   20  25   30   35   40   45
選択緘黙    ←→ 
分離不安症    ←→  
限局性恐怖症    ←→ 
社交不安症 (SAD)       ←→ 
広場不安症                 ←→     ←→ 
パニック症  (PD)                     ←→ 
全般性不安症 (GAD)                           ←    →
 
 
強迫関連症は精神疾患であるが患者は精神疾患以外を受診する
醜形恐怖症(BDD);皮膚科、歯科、形成外科、美容外科など
嗅覚関連づけ障害;皮膚科、歯科、肛門科、消化器内科、泌尿器科など
心気症 全科
抜毛症 皮膚むしり症 皮膚科
ため込み症 行政

不安と慢性疾患との相互関連は、うつ病と同等、あるいはそれ以上に強い
要約
不安症患者数は増加傾向であるが、いまだに受診に至っていないものの割合も高率と想定される
パニック症や広場恐怖症、GAD、OCD関連症患者などは、精神科よりPrimary Careなど身体科を受診する割合が高い
すなわち(不安の)身体症状が前景化して、診断閾値を満たす、あるいは閾値下の不安症や強迫症の存在が見落とされている場合が少なくない
特にGADの憂慮や身体・疾病へのとらわれといった健康不安などは高齢者に多くみられ、これらと関連した身体症状、あるいは身体疾患をしばしば認める
高血圧やDMなどの慢性疾患患者にも、高レベルの不安症状を認め、不安症に該当する場合もしばしばみられる
このような精神症状の併存は、身体症状の予後のみならず、検査の要求や投薬受診行動などにも影響を及ぼす
身体症状、あるいは身体疾患患者の不安症状を伴ううつ病や抑うつ状態の治療に抗うつ薬を使用する場合、SSRIやSNRIの中で、副作用やCYP阻害作用が少ないものの選択が望ましい(トリンテリックスの有用性期待される)
不安や強迫は、その出現頻度が高率で、生活や社会的機能および経済的問題、QOLの低下、自殺リスク、身体症状や身体疾患の複雑化や予後の悪化などをまねく恐れがある。このため一般の啓発、プライマリーケアの身体科との連携がますます重要であろう

不安障害やうつは併存率が高い
DSM-5の抑うつ障害群の特定用語 不安苦痛を伴うもの
以下の2つ以上の症状が存在
1張り詰めた、または緊張した感覚
2異常に落ち着かないという感覚
3心配のための集中困難
4何か恐ろしいことがおこるかもしれないという感覚
5自分自身をコントロールできなくなるかもしれないという感覚

COVID-19感染症、パンデミックによる心理的影響(日本うつ病学会)
感染への恐怖 社会的な役割の喪失 自分自身への無力感 孤立や偏見
他者に感染させる不安 経済的な困窮 制限や自粛への怒り

       
第一の感染症(生物学的感染症)  第二の感染症(心理的感染症)  第三の感染症(社会的感染症)
ウイルスにより引き起こされる疾病  感染に対する不安や恐怖      不安や恐怖から生じる差別や偏見
                                              ↓
                               過剰な情報、秩序化による嫌悪・差別・偏見の感情
                               (自粛警察、感染者や医療従事者へのバッシングなど)   
要約
COVID-19感染症は、感染への恐怖、家族など他人を感染させる心配、外出自粛(海外ではLockdown)やSocial d
Istancingに伴う孤立や孤独などに加え、社会的役割の喪失、経済的困窮、普段とは異なる生活環境やリズム、社会的サポートの低下などにより、Mental health上重大なNegative impactを引き起こす
この状況下で、うつや不安は最も効率にみられる精神症状であるが、それが出現する背景要因には個別性が著しい
感染者や医療従事者など、それとのかかわりが深いものほど影響が大きく、偏見・差別などの心的外傷を受けやすく長期化しやすい
外出自粛や社会的サポート低下による孤立化は、例えば精神病性障害や物質関連障害といった精神疾患全般の再発や増悪に関わりやすい
今後不安やOCD、うつのみならず、感染体験や差別、偏見、DV被害などによるPTSD、ギャンブルやゲーム、アルコールなどの嗜癖性障害、精神病症状の増悪など、その影響や動向を長期的に注視していく必要がある

2020-07-03 07:40:21

コメント(0)

親睦食事会7月2日

久々の親睦食事会・・4人が集合ハービスエントの中のなだ万ジパングさんへ
ソーシャルデイスタンスをとるためジグザグに座り久々の御馳走・久々のお酒を堪能しました

 

2020-07-03 06:45:28

コメント(0)

WEB講演会 6月30日

2型糖尿病治療に関するトピックスーSGLT2阻害剤を中心にー川崎医科大学 糖尿病・代謝内分泌内科学教授 金藤秀明先生
久々に金藤先生の講演を・・元気そうで何よりです
膵β細胞のブドウ糖毒性
慢性高血糖→酸化ストレス膵臓β細胞 MafA・PDX-1の遺伝子↓↓→インスリン生合成・分泌低下
MafAの発現を保持しておけば膵β細胞機能が保持されるのだろうか?
→2型糖尿病モデルマウスにおいてCre-loxP systemでTransgene由来のMafAをβ細胞特異的に高発現させて検討
膵β細胞特異的にMafA発現を回復させるとdb/dbマウスの血中インスリン値は増加する
                        の血糖値・HbA1Cは低下する
MafA発現を回復させるとdb/dbマウスのグルコース応答性のインスリン分泌は改善する

高血糖状態ではMafA発現は著明に低下し膵β細胞ブドウ糖毒性に関与する
SGLT2阻害剤での糖毒性解除によりβ細胞機能およびインスリン感受性が改善
フロリジン(非特異的SGLTs阻害剤)で高血糖を是正することにより、膵β細胞の過剰負荷が軽減され、インスリン分泌が回復し、またインスリン抵抗性も軽減する
SGLT2阻害剤は1週間のみ投与でも血糖コントロール改善
db/dbマウスにエンパグリフロジンで治療 随時血糖・グリコアルブミン改善
インスリン転写因子MafA発現を増加させた 膵β細胞増殖能(Ki67-positive β細胞(%))を増加させた

SGLT2阻害剤の膵β細胞への影響
SGLT2阻害剤による尿糖再吸収の抑制 尿糖排泄増加
   ↓
 ブドウ糖毒性の軽減   →膵β細胞
                 ブドウ糖応答性インスリン分泌↑   膵島形態の改善
                 インスリン生合成↑          β細胞量↑
                 MafA・PDX-1↑            β細胞増殖↑
                 GLP-1、GIP受容体↑         β細胞アポトーシス↓ β細胞線維化↓

                        ↓               ↓
                     膵β細胞機能の改善およびβ細胞量の増加
SGLT2阻害剤の種類
デベルザ、アップルウエイ(トホグリフロジン)
カナグル(カナグリフロジン)
ジャディアンス(エンパグリフロジン)
フォーシガー(ダパグリフロジン)
ルセフィ(ルセオグリフロジン)
スーグラ(イブラグリフロジン)
トホグリフロジンの特徴
選択性 高い 蛋白結合率低い 半減期 短い
トホグリフロジンが特に適している症例

SGLT2阻害剤が適している症例の中で
低血糖、特に夜間低血糖を避けたい症例
頻尿、特に夜間頻尿を避けたい症例

トホグリフロジンでの臨床研究結果 (UTOPIA研究)
―大阪大学、順天堂大学を中心とした多施設共同ランダム化前向き試験―

2型糖尿病340症例を対象にトホグリフロジン投与群およびコントロール群を2年間前向きに観察
糖代謝:有意に改善(FBS:140.4→127.8mg/dl)
体組成:有意に改善(BMI27.0→26.0kg/m2)
血圧:有意に改善(SBP133.0→127.7mmHg)
脂質代謝:有意に改善(HDL-C:54.9→58.0 mg/dl)
頸動脈肥厚: 治療群間で差はなかった

有害事象:治療群間で差はなかった
トホグリフロジンでの臨床研究結果 
―岩本内科医院との共同研究―
体重減少の大部分は骨格筋減少でなく、内臓脂肪の減少によるものであった
(内臓脂肪vs骨格筋 -1.4kg vs -0.6kg)

糖尿病発症後早期に使用した症例ほどHBA1Cが大きく低下した(重回帰分析)
    ↓
SGLT2阻害剤の早期使用の有用性に関する検討
7週齢の雄db/dbマウスを早期モデル
16週齢の雄db/dbマウスを進行期モデルとして
それぞれに通常食±SGLT2阻害薬(ルセフィ―)0.01%を2週間投与
また長期投与モデルとして7週齢から18週齢にわたり同じ食餌を投与

SGLT2阻害薬は病態早期でも進行期でも血糖値を低下させる
SGLT2阻害薬の長期投与によりインスリン値は上昇し、血糖値は著明に低下する
SGLT2阻害薬の早期投与や長期投与にてブドウ糖応答性インスリン分泌が著明に増加する
                           インスリンやMafAの発現が著明に増加する
                           GLP-1受容体発現も著明に増加する
                           膵β細胞量が著明に増加する

SGLT2阻害剤に関するまとめ
SGLT2阻害剤は糖尿病の病態進行期より投与するより、早期に投与する方が、大きな膵β細胞保護作用が発揮できる
また早期から長期投与するとその効果はより大きい

 
SGLT2阻害剤による尿糖再吸収の抑制 尿糖排泄増加    SGLT2阻害剤は病態の早期から長期間
   ↓                                  使用する方が効果が大きい
 ブドウ糖毒性の軽減         →膵β細胞
                      ブドウ糖応答性インスリン分泌↑   膵島形態の改善
   ↓                   インスリン生合成↑          β細胞量↑
                       MafA・PDX-1↑            β細胞増殖↑
肝臓 脂肪細胞 骨格筋        GLP-1、GIP受容体↑         β細胞アポトーシス↓ β細胞線維化↓
全身でのインスリン抵抗性の軽減          ↓               ↓
                          膵β細胞機能の改善およびβ細胞量の増加
 
SGLT2阻害剤 膵臓β細胞保護のみならす
過剰なインスリン分泌の軽減 
↓          
肝臓(脂肪肝軽減) ← 脂肪組織(内臓脂肪の減少)  →骨格筋(糖取り込みの増加)
            ↓
     
全身でのインスリン抵抗性の軽減
SGLT2阻害薬のNAFLDへの影響 -多施設共同ランダム化前向き臨床試験―
川崎医科大学付属病院、赤穂中央病院、小畠病院、水島協同病院、・・計7病院)

SGLT2阻害薬、チアゾリジン薬、SU薬のNAFLDに対する影響を直接比較検討
HBA1C≧6.5% BMI≧22 ALT男性≧25 女性≧17 腹部CTでのL/S比<1.0
主要評価項目  腹部CTでのL/S比の変化
SGLT2阻害剤はチアゾリジンと同等に脂肪肝を改善 (SU改善なし)
SGLT2阻害剤によるNAFLDの改善は内臓脂肪減少に加えて高インスリン血症の軽減が関与
チアゾリジンによるNAFLDの改善は内臓脂肪減少に加えてアデポネクチンの増加が関与

2020-07-01 07:33:56

コメント(0)

WEB講演会6月29日

医師が知りたいー痛みと不眠の関係― 岡山大学病院運動器疼痛センター 鉄永倫子先生
慢性疼痛が多方面に及ぼす影響
睡眠障害   医療費  プレゼンテイーズム/アブセンティーズム  身体障害  社会的活動の低下
日常生活の混乱   QOLの低下  不安  抑うつ

慢性疼痛の個人及び社会への影響
慢性的な痛みは、患者個人だけでなく、社会全体にも影響を与える
     慢性的な痛み
日常生活制限
個人への影響   運動機能の衰退 生活習慣病リスクの増大 免疫の低下 睡眠障害 QOLの低下
                     ↓
社会への影響   要支援・要介護 医療費の増加 他疾患併発 欠勤など 労働生産力の低下
 
痛みによって制約を感じる日常の行為
神経障害性疼痛がる患者さんのアンケート調査
睡眠 寝返り 寝床から身体を起すこと 長い間たっていること 階段の上り下りなど 痛みのよって制約を感じる
3人に1人が睡眠に制約を感じている

神経障害性疼痛の併発症状(海外データー)
60% 睡眠障害 55%無気力 45%眠気 38%集中力の低下 ≒抑うつ ≒不安     
                                                軽快 回復
痛みの悪循環モデル        ↑   →              神経/組織損傷  楽観的に痛みと向き合える
   ↑→          痛みに対する     廃用症候群・機能障害    ↓          ↑
不安予防的な行動)  警戒心・回避行動      抑うつ            痛み →不安や恐怖がない状態
痛みに対する過敏応答   ↑                      ↓    →
↑            ↑  恐怖 (防衛的な行動) ←     痛みの破局的思考
                 悲観的な解釈                ↑  反復 拡大鏡 救いのなさ
不眠     →   ↑                     ネガティブな感情
                                強迫的な情報(原因不明で不治の病です・・など)
不眠の簡易診断(アテネ不眠尺度) 各0-3点で 0全くない 1少しある 2かなりある 3激しい
A寝つきの問題について
B夜間、睡眠中 い目が覚める問題について
C希望する起床時間より早く目覚め、それ以上眠れない問題について
D総睡眠時間について
E全体的な睡眠の質について 
F日中の満足度について
G日中の活動について
H日中の眠気について
6点以上不眠症の可能性がある

運動器慢性疼痛患者281例 男性99例 平均年令 65.1才 
HANDS anxiety HANDS depression と強い相関が
痛みと不眠
慢性疼痛患者は不眠に苦慮することが多く、特に不快感が強い 痛みを持つ患者では良質な睡眠を求める傾向がある
睡眠障害の発症因子として、痛み、不安、年齢の順に強く影響することが知られている
一般人口の約2割の成人が睡眠障害を抱えており、国民有訴者の高い慢性疼痛と睡眠障害が併存すると顕著に健康障害を生じる
慢性疼痛患者では、臥床時間が長くなり、睡眠効率が低下し、認知的覚醒度が高まり、覚醒から睡眠への移行が障害される傾向がある

運動器慢性痛治療のゴール設定
患者のイメージするゴール→痛みの完全除去
医療者のイメージするゴール→痛みの緩和、ADL、QOLの改善
            ↓
        医療者と患者の認識共有が重要
             ↓
ゴール:QOLやADLを最大限に改善すること

*痛みの診療において不眠にアプローチすることは重要
デエビゴ 2.5mg 5mg 10mg
デエビゴはOX1R、2Rに作用するオレキシン受容体拮抗薬である
デエビゴはOX1Rに比べ、睡眠と覚醒に重要なOX2Rに強く働く
       OX1R、2Rへの結合、解離が速やかである
レボレキサントは世界で初めて米国睡眠医学会の診療ガイドラインが定める
臨床的に意義のある入眠効果が示されたオレキシン受容体拮抗薬である
PSGによる客観的評価 プラセボ群との比較
レボレキサント 5mg  -11.57分 10mg -13.50分
翌日の目覚めやふらつきに対してプラセボ群と有意な差はない

痛みと不眠
1症状を確認
2不眠にアプローチ
3QOL&ADL向上を目指す

2020-06-30 08:35:20

コメント(0)

WEB講演会 6月27日

骨粗しょう症のトータルマネージメントー脆弱性骨折の1次予防と2次予防― あさひ総合病院 副院長 整形外科部長 中藤真一先生
日本の骨粗しょう症診療の問題点
治療率が低い 治療継続率が低い =Care gap

       新たな脆弱性          ピラミッドの形
骨折患者
     ←脆弱性骨折の既往→     
骨折2次予防   50%の大腿骨近位部骨折はこの16%から発生
       のある患者
   ← 骨折高リスク患者   →    
骨折1次予防   50%の大腿骨近位部骨折はこの84%から発生
  ←  骨折中等度リスク患者  →
←    骨折低リスク患者     →

脆弱性骨折の1次予防と2次予防
       問題点
      1次予防    2次予防
患者側   ①         ③
医療側   ②         ④

 
1 骨粗しょう症で骨折する人の割合は男性の場合「5人に1人」女性なら「3人に1人」です
10月20日は世界骨粗しょう症デーです
アンケート調査 3168人 
骨粗しょう症という病気を知っていますか?知らない0.7%
あなた自身が骨そしょうしょう症になると思いますか?
可能性があると思う 17.5% 可能性がないと思う18.7% 今はないが将来可能性があると思う 57.2%

ならないと思う理由は
食事に気をつけている 適度な運動をしている 自分の骨は大丈夫など
自己高揚バイアス=自分が平均より上だと考える思考
 秋の山シーズンになると、毎年50-60才代のグループが山で滑落したり遭難したりするニュースが・・
車を運転する人の多くは、自分が平均よりうまい運転をすると思っている
運転に対する自信 30才から60さいまでで一時下がるが70才以上は70%以上を優に超えてくる
                                      自身がないが減ってくる

自己バイアスを打ち砕くために
FOSTA―骨粗しょう症自己評価指数―
体重<年齢―5 の場合、骨粗しょう症の可能性が高い
2医療側1次予防
骨粗しょう症検診受診率
受けたことがない 38.8% 一度受けたことがある21.5%定期的ではないが何度かうけたことがある26.9%
受けたきっかけ 自治体から骨密度検診の案内を受けてが多い
全国平均 受診率5.17%
栃木県14% 山梨県13% 福島県13% 群馬県 13% 骨粗しょう症検診率の高い都道府県では要介護率が低い
4医療側2次予防
北海道在住の後期高齢者人口(平成28年1月1日)74万人
大腿骨近位部骨折後 骨密度検査 20%  投薬率 前 18% 後 35%
椎体骨骨折後骨密度検査40%    投薬率 前 22% 後 60%
骨折2次予防の重要性
骨折の既往があると再度骨折を起こリスクは2-3倍になる
50%の大腿骨近位部骨折は過去に骨折の既往がある
2次骨折予防のFLS(骨折リエゾンサービス)のスキーム
FLSステージ1 対象患者の特定
  ステージ 2  2次骨折リスク評価
        3  投薬を含む治療の開始
        4  患者のフォローアップ    2次骨折予防
        5患者と医療従事者への教育と
骨粗しょう症の治療の目的は ・・骨折を防止する情報提供

脆弱性骨折関連因子
加齢               低最大骨量 → 低骨密度   →骨折
性腺機能低下症・閉経  →骨量減少   →↑ 骨質劣化 → ↑        
骨粗しょう症
危険因子           易転倒性    →転倒 →骨への過負荷         +
高骨代謝回転        転倒力学      ある種の活動↑           ロコモティブシンドローム
2015年 富山県朝日町特定検診
  FRAX ポジテブグループ       Loco-check ポジティブグループ
     367(16.6%)            452(20.5%)
                741人(33.5%)両方

FLS 2による骨粗しょう症治療対象患者の2次骨折リスクを確実に評価する
骨折後できうる限り早期に評価し、少なくとも骨折後90日以内に「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版3」に
基づいて評価を行うことが望ましい。評価ツールは画像診断(胸腰椎単純X線、DXAを優先とする)またはFRAX4などリスクアセスメントツールを用いる。DXAを保有しない場合は中核施設との連携が望ましい
続発性骨粗しょう症との鑑別診断(一般血液生化学、Ca、P、25水酸化ビタミンDなど)を行い、必要に応じて専門医の連携を行う
転倒リスク評価についても行うことが推奨される(転倒リスク評価表5、P7参照)
認知機能評価についても行うことが推奨される(MMSE)
サルコペニア評価についても行うことが推奨される(例 アジアワーキンググループの診断基準7 P8参照)
ロコモティブシンドローム8の評価についても行うことが推奨される
FLSによる骨粗しょう症治療対象患者には投薬を含む治療介入を行う
2次骨折リスクの評価終了後すぐに「骨粗しょう症の予防と治療ガイドライン2015年版」を中心に、骨折予防に対してエビデンスをもつ薬物治療と転倒予防を基本的介入として行う
患者が治療継続し治療評価するためにフォローアップしていく
退院後3-4カ月、1年後に追跡フォローを推奨する
長期治療計画には、薬物治療、転倒発生の有無、2次骨折状況、日常活動、生存状況を含める。要介護については参考にする
介護になった原因 12%転倒・骨折 (認知症18%、脳血管障害16.6%高齢による衰弱14%)
大腿骨近位部骨折後の生存率(5年)
           あり 一般人口
80才未満  60%    90%
80才以上  30%    60%
骨粗しょう症治療の患者側の目的は・・・・
QOLの維持改善 生命予後の維持改善   すること 

手遅れ医者 落語
なんでもかんでも手遅れのせいにしてしまう
まず病人をみまして親御さんを別室によびまして
手前が見たところご病人は手遅れですな
一に看病、二に薬と申しますから 何事にも親御さんの看病が肝心です
私もできうる限りのことをいたしましょうこれからあやしげな薬を盛りまして
病人が死んでしまっても先生が手遅れとおっしゃっていたので 手遅れのせいだおいうことになります
これが間違って治ってしまったら あの先生はご名医で手遅れを治してくれたとういことになり
どちらにころんでも間違いがないようです しかしうまくいかないときもありまして・・・・
おう!こっちだこっちだ!ここに担ぎ込め!
先生すみません。こいつを見てもらいてえんですけどね
うん、どうしたな
2階からおちて目をまわしているだ ちょっとみてください
そうかい・・・それはいけないな・・
これはすでに手遅れだよ
落ちてすぐにつれてきたんですが・・
落ちる前に連れてこないと・・・

落語のように骨折する前に評価して骨粗しょう症を予防する必要が
 

2020-06-29 07:04:41

コメント(0)

  • 件 (全件)
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5