内科(呼吸器・循環器・消化器・糖尿病外来・各種健診(入社・定期))
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Web講演会 11月26日

コロナ後遺症外来の現状 岸和田市民病院耳鼻咽喉科部長 梶川泰先生
一部のみ列挙
代表的な罹患後症状
疲労感・倦怠感 関節痛 筋肉痛 咳 喀痰 息切れ 胸痛 脱毛 記憶障害 集中力低下 頭痛
抑うつ 嗅覚障害 味覚障害 動悸 下痢 腹痛 睡眠障害 筋力低下

罹患後症状は年齢にかかわらず起こる (14日以上続いた症状とする)
オミクロン株 vs デルタ株
4.5%       10.8%

罹患後症状発症のリスク因子
女性 少数民族に属すること 社会経済的困窮 喫煙 肥満
罹患後症状遷延化のリスク因子
60歳以上 急性期の病態が重篤 男性
罹患後症状とCOVID-19ワクチン接種
感染前のCOVID-19ワクチン接種が、その後の罹患後症状のリスクを減少させる可能性
罹患後症状がすでにある人へのCOVID-19ワクチン接種の影響については、症状の変化を示すデーターと示さないデーターがあり、一定した見解が得られていない

罹患後呼吸器障害
CT検査 異常を認める割合   肺機能検査 対予測値 80%未満の割合 
                %DLCO 肺拡散能  %DLCO/VA %FVC
3カ月後 48.9%        38%         24%     10%  
6か月後 22.9%        18%         12%     6%
9カ月後 11.8%        7%          5%     4%
12か月後 6.3%        5%          3%     2%

罹患後の呼吸器障害(中等症以上対象)
肺機能検査 対予測値 80%未満の割合 
%DLCO 肺拡散能
重症   51.6%
中等症1 16.7%
中等症2 25.6%

罹患後精神症状
不安障害      7.1%
気分障害      4,2%
睡眠障害      2.5%    いずれかの精神神経疾患は12.84%
物質使用障害・依存症 1,9%
認知症        0.67%  など
重症度が高いほど精神神経疾患の出現度は高まる

新型コロナ罹患後職員の後遺障害について 岸和田市民病院
2020年4月から2021年5月まで
平均年齢33.1才 男性7人 女性26人 観察期間113.5日
看護師 82% 事務職員9% 医師3% 薬剤師 3% 調理師 3%

初診時症状 症例数    発症率
発熱     13人     39%
無症状    11人     33%
嗅覚     10人     30%
味覚障害   9人      27%
咽頭痛    7人      21
鼻閉     6人      18
咳嗽     5人      15
その他    17人
後遺障害   症例数    発症率
嗅覚     18人      55%
味覚障害   17人      52%
発熱     14人      42%

無症状    9人      27%
全身倦怠感  8人      24%
咽頭痛    8人      24
咳嗽     8人      24
鼻閉     7人      21%
筋肉/関節痛 6人      18%
頭痛     5人      15%
その他    25人
年齢別の味覚障害・嗅覚障害 20代-50代 60-70% ほぼ変わらず
発症0カ月 67%   6カ月 12%残存
コロナ後遺症外来(一般対象)R3年9月~R4年3月 
男性 39% 女性61%
20代-50代が多く 60歳以上は少ない傾向
主訴 呼吸器症状43% 味覚嗅覚異常 43% 全身倦怠感23% 脱毛18% 頭痛18% 
          関節痛8% めまい 5% 食欲不振 4% その他 20%

検査 炎症反応 約30%
   CT所見  約10%

診断 うつ傾向30% 味覚嗅覚障害 28% 休止期脱毛13% 気管支炎25% 前庭障害 8%
           肺傷害 9% DVT 3%
診断の留意点
問診 呼吸不全 循環不全 うつ
血液検査 炎症系 Dダイマー
CT IP 胸水
心電図 心不全 不整脈
治療
全身倦怠感 抑うつ症状      補中益気湯    スルピリド
呼吸苦 喉頭絞扼感 喀痰   ICS/LABA/LAMA   ベタメタゾン(リンデロン)
頭痛                                     リザトリプタン安息香酸塩(マグサルト・アマ-ジ)
めまい                                柴苓湯 五苓散    イソソルビド
味覚嗅覚障害                    当帰芍薬散   補中益気湯    ベタメタゾン(リンデロン)
脱毛                                   カルプロニウム塩化物液   デルモベートGローション
職場復帰支援のすすめ方
職場復帰支援の再、主治医は事業場の産業医や産業看護職、人事労務管理担当者と連携
復職にあたって主治医から職場復帰の可否の判断や望ましい就業上の措置などの情報提供
     ↓
  職場での配慮が手厚くなる

情報提供のポイント
1患者の健康や安全を脅かす状況への配慮
  (例 筋力低下のある患者の高所作業を制限)
2職場環境や障壁・除外をする配慮
 (例 疲労感・倦怠感の続く患者に対し休憩所利用許可)
3本来業務を行う能力が損なわれた場合の配慮
 (例 味覚障害のある患者の調理作業制限)

 

2022-11-27 04:51:49

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WEB講演 11月25日

今冬のかぜコロナ・インフルをどう見極める? ながたクリニック 統括代表 永田理希先生
一部のみ列挙
世界で一番多い感染症は? 風邪症候群
急性上気道炎 ある種のウイルスによりおこる通常1-2週間程度で自然治癒する症候群
自然軽快する風邪症候群

風邪ウイルス  = インフルエンザウイルス= COVID-19 ウイルス オミクロンBA5
        <   重症化率・死亡率 <
        <   罹患後後遺症発症率<<
         どしらもワクチンうつとその程度が減ってくる

コロナ禍 インフルエンザシーズン ツインデミックの可能性?
南半球から北半球へインフルエンザ伝播
2022年4月-9月 オーストラリア 今年は5月よりンインフルエンザ流行した
                   A型が82.7%であった
     罹患数順では1位0から4才2位5-9才3位10歳から14才・15才から19才

新型コロナウイルス+インフルエンザ同時感染   人工呼吸器 4.1倍 院内死亡 2.4倍に
風邪を引き起こすウイルスの各症状の頻度
                  発熱   咳  鼻汁 咽頭痛 倦怠感  結膜炎
アデノウイルス 
派手なウイルス   70%   80% 70% 95%  60%  15% 
コクサッキーウイルス        35%   65% 75% 65%  30%  30%
RSウイルス  
乳児呼吸器ウイルス  20%   90% 80% 90%      65% 
エコー     鼻風邪ウイルス   10%   60% 99%  60%  45%  
ライノ        鼻風邪    15%   55% 90%  55%  40%  10%
コロナウイルス(通常)鼻風邪    15%   55% 90%  55%  40%  10% 
パラインフルエンザ         30%   75% 65% 75%  70%   5%

        発熱    咳・ 咽頭痛  息切れ  倦怠感 関節痛  頭痛  鼻炎 下痢腹痛 くしゃみ  
                                                                                                            筋肉痛
 
風邪ウイルス  平熱-38℃代  ◎  ◎   ×     ○       ×    ◎  ◎    〇    ◎
オミクロン   平熱-40度代  ◎   ◎  △   ◎      ◎        ◎     〇    △    〇
インフルエンザ  平熱-40度代  ◎   ◎    ×   ◎   ◎        ◎     〇    △    △

非典型例もある
インフルエンザ 高齢者 発熱頻度が低い 意識変容 食欲不振 
        子供  下痢や嘔気・嘔吐 (10-20%)

インフルエンザ濾胞 Influenza follicles
小型 起始部は広く    ➜ 所謂 イクラ様
孤発性 くびれがなく
半球性  緊満
境界明瞭 光沢を帯びた

(87例中86例で確認 ➜ 感度98.8%,特異度100%)
しかしインフルエンザだけでなくアデノウイルス・コロナ(オミクロン)でも・・・
外来でコロナ感染を見極める症状/身体所見
インフルエンザだけでなくアデノウイルス・コロナ(オミクロン)見極めは難しい 
Real PCR法        等温核酸増幅法      抗原定性検査
smart gene             NEAR法 ID-NOW     クイックナビCOVID-19Ag
測定時間          60分          13分            8分

検出率
0日目  80%            77              48%
1日目  82%             79              58%
2日目  91%               88              67% 
3日目  95%             93              76% 
4日目  88%            85              77% 
5日目  90%             87              65%
オミクロンで抗原定性検査の感度が落ちたという論文 6~13%低下
α株 δ株 >オミクロン株

鼻腔に比べて鼻咽頭検体採取で抗原検査の感度が上がった 7~13%  
症状の違いによる感度の違いはなし 
抗原検査なら3日目 80%に鼻咽頭なら90%に  PCR検査なら0-1日目で80%に

風邪とインフルエンザと細菌性気道感染症を見極める
急性中耳炎 鼻副鼻腔炎 細菌性咽頭炎 扁桃炎 細菌性肺炎
細菌性上気道感染症 90% 抗菌薬不要

抗菌薬処方の見極め方
急性中耳炎 重症時のみ  (65-85%が約7日間で自然治癒) 3日間は経過観察 
      (全身状態悪く局所所見が重症な時)
鼻副鼻腔炎 長期間 頬部が痛い 黄白色鼻汁 長期間持続
      39度以上の発熱
      強い片側性頬部痛(前頭部痛)
      頭を下げると頭痛悪化兆候
      濃性鼻汁(それに伴う後鼻漏/咳)
      7-10days rule
      症状が悪化する徴候
      Double Sickening (Worsening)
感染症の基本原則 細菌感染症→  1細菌1臓器
              ←

細菌性咽頭・扁桃炎  のどだけが痛い 皮疹 子供 腹痛
      原因 アデノウイルス20% A群β溶連菌 15-30%(成人5-10%)
      全身所見 皮疹 咽頭痛 発熱 頭痛 嘔気・腹痛 
      咽頭所見 軟口蓋:点状出血 火焔状紅斑
           口蓋垂:発赤、腫脹
           口蓋扁桃:白苔付着・炎症 発赤
      皮膚;猩紅熱様発疹 

      上記があれば溶連菌らしさ 迅速キット A群連鎖球菌GAS  感度90%
      A群溶連菌 無症候性キャリア 乳幼児20% 学童 15% 成人 5%
      抗菌薬の基準 全身所見&局所所見 陽性 →迅速検査陽性 ⇒抗菌薬処方
      片側優位 咽頭痛 頸部リンパ節疼痛。腫脹 
      
咽頭所見 派手じゃない COVID-19か急性喉頭蓋炎か下極扁桃周囲膿瘍
細菌性肺炎  呼吸数が多い
       咳をしていないときに呼吸苦/息切れ/意識障害/寝汗
       上気道症状の軽減傾向
       37.8度以上の発熱・強い咳
       Double Sikening
       肺炎を疑うバイタルサイン
       1呼吸数 24回/分 安静時
       2低酸素血漿 SpO2≦94%
       3脈拍数 >100回/分
       437,8度以上の発熱
       5胸部聴診異常音  副雑音(ラ音) ヤギ音 非対称性呼吸音 呼吸音減弱/気管支呼吸音
       以上すべて陰性 胸部レントゲン不要
       疑う病歴+バイタルサインで画像検査へ
       
CRP>10以上で 感度69% 特異度 63%

       生後2歳までに抗菌薬の既往あり→5歳児 アレルギー疾患発症リスク↑
インフルエンザ 迅速キット 発症12-24時間 特異度 98.2% 12時間以内
                       感度 62.3%  感度 35%
              24時間から48時間で感度Max
        有症状短縮期間 16,8時間 タミフル ハイリスク患者 重症化/死亡率↓
        健康人ハイリスク 重症化/死亡率下げる効果は 抗インフルエンザワクチンが一番

外来地中細菌感染症 基本セット
  抗菌薬 AMPC アモキシリン          サワシン     
      CEX  セファレキシン         ケフレックス
      AMPC/CVA アモキシリン/クラブラン酸 オーグメンチン

 

2022-11-26 06:23:27

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DM net ONE 学術講演会 11月24日

2型糖尿病合併慢性腎臓病患者への治療戦略~炎症・線維化へのアプローチ~ 
虎の門病院 腎センター内科 医長 山内真之先生

一部のみ列挙
糖尿病性腎臓病患者は増加している 
糖尿病患者約1000万人予備軍約1000万人平成28年 
2型糖尿病患者の半数が腎障害を持っている(n=4326) 腎障害あり48.9%
糖尿病に合併する腎障害は多様化している
Diabetic Nephropathy 古典的な糖尿病性腎症 蛋白尿(+)
 病理学的:糖尿病性糸球体病変 
 臨床的 :典型的な糖尿病性腎症の臨床経過と症候を伴い、他の腎疾患が強く疑われない 
Diabetic Kidney Disease DKD (糖尿病性腎臓病)蛋白尿の有無は問わない
 
糖尿病の病態が関与するCKD全般を包括した概念 
CKD with Diabetes(糖尿病合併CKD)
 糖尿病患者に糖尿病に関与しない腎症(IgA腎症や多発性嚢胞腎など)を合併
糖尿病性腎症/腎臓病のNatural History
    アルブミン尿
    正常アルブミン尿   微量アルブミン尿 30-299  顕性アルブミン尿 300 mg/gCr 以上
GFR

G1 ≧90      →       →         →
          
⇔アルブミン尿減退・消失     
G2 60-89                         ↓   
古典的糖尿病性腎症
          
G3a 45-59      ↓
               
G3b 30-44      ↓  
  アルブミン尿陰性     ↓                  
                  DKD

G4 15-29       Rapid decliner(約14%)      ↓
G5 <15  

蛋白尿陰性糖尿病性腎臓病 eGFR<60 かつ蛋白尿陰性
1型DM 約20%
2型DM 約40%

臨床背景:全国腎生検DKDコホート n=526
蛋白尿陽性例と比較して蛋白尿陰性例は血圧・脂質管理が良い
腎予後 生命予後 が良い 
        蛋白陽性  vs 陰性
10年で腎生存率 20%      50%
   生存率   55%     75%

多変量解析 腎予後と関連する因子
蛋白尿陰性例においては間質線維化が唯一の腎障害因子であった 
腎機能が低下したアルブミン尿が多い2型糖尿病患者ほど、心血管および腎イベントの発症リスクが高い
心血管イベント 3.2倍 心血管死 5.9倍 腎イベント 22.2倍

新規透析導入の原疾患として糖尿病性腎症/腎臓病は最多である(40.7%占める)
糖尿病性腎症/腎臓病における腎症進展に関連するバイオマーカー
近位尿細管傷害マーカー    遠位尿細管障害マーカー
血清KIM-1           尿EGF NGAL L-FABP
NGAL            
IL-18             炎症マーカー
NAG              血清TNFR1
C-メガリン/A-メガリン     尿MCP-1
糸球体障害マーカー      血管障害マーカー
尿アルブミン          VEGF
尿IgG2             ESAM-1
Type4コラーゲン       その他 抗EPO受容体抗体
腎臓病理学的変化と関連し、かつアルブミン尿で補正してもなお有用なものは
血清TNFR1と血漿KIM-1である

炎症マーカーの血清TNFR1と腎予後との関係
1型糖尿病 (CKD1-2)
累積CKD3発症率(%)
血漿KIM-1が高い群では12年で60%が進展
       中間群     20%
       低い群     5%
2型糖尿病 (CKD1-3)
累積ESKD発症率(%)
血漿KIM-1が高い群では10年で50%が進展
       中間群     5%
       低い群     1%
炎症マーカーの血清TNFR1と腎予後との関係
1型糖尿病 DKD 279名    高いと有意に予後が悪い
2型糖尿病 DKD 221名
線維化マーカーの血漿KIM-1濃度と腎予後との関係
1型糖尿病 eGFR>60 ACR<300 482名 Joslin kidney 研究
eGFR<60 発生率 1000人年あたり 
蛋白尿あり 70に増加           2
   なし 30に増加 検出感度以下と比べ 1
アルブミン尿に関らず血漿KIM-1濃度と腎予後との関連が見られた
2型糖尿病でも血漿KIM-1濃度と腎予後との関連が見られた
炎症マーカーの血清TNFR1と線維化マーカーの血漿KIM-1濃度 アルブミンが腎予後との関係あり
 KDIGO 2020年ガイドライン
      上段  抗血小板薬 (一部の患者に)
      中断  RAS阻害剤 SGLT2阻害剤 (ほとんどの患者に) 
ピラミッド base  生活習慣是正 血糖・血圧・脂質コントロール 食事療法 運動 禁煙

RAS、SGLT2阻害剤は腎イベント抑制効果 エビデンスあり 
RAS系阻害剤 RENNAL研究 16%減少 IDNT研究 20%減少
SGLT2阻害剤 CREDENCE試験 34%有意に減少
糖尿病性腎症/腎臓病の進行要因
血行動態 RAS系・SGLT2阻害剤
(血圧および糸球体内圧の上昇)   炎症および線維化 MR受容体拮抗薬
代謝   血糖降下薬     
(血糖コントロール不良)
 
MR過剰活性化の経路と影響
アルドステロン依存経路               アルドステロン非依存経路 
アンギオテンシノーゲン                糖尿病、食塩過剰摂取
ARB・ACE阻害剤 アンギオテンシン1         脂質異常症等 
アンギオテンシン2                     Rac1
          アルドステロン  
フィレネロンが抑制   ↓
      約50%アルドステロン   
→MRの過剰活性化 ←  
      ブレイクする―現象      
 ↓ 線維化・炎症
                    心血管 腎臓障害

                             
既存のMR拮抗薬

アルダクトンA セララ ミネブロ 適応 高血圧症
新規MR拮抗薬
フィネレノン(ゲレンデイア)適応 2型糖尿病を合併する慢性腎臓病
                 ただし末期腎不全または透析施行中の患者を除く

FIELD DKD試験
フィネレノン群1日20mg vs プラセボ群 腎複合エンドポイント18%有意に減少 48か月
収縮期血圧に変化なし
eGFR25未満の患者はリスクとベネフィットを考慮した上で慎重投与
UACR300未満の患者はベネフィット少ない?ベネフィットある傾向
SGLT2阻害剤投与症例でもフィネレノンの心・腎の残余リスクを下げる効果があることがFIDELITYで報告された

副作用 22.9% 高K血症 しかし投与中止は2.3%のみ
DOCA-Salt誘発高血圧モデルにおいてフィネレノンは血圧に有意な影響を与えない用量で腎臓の炎症促進性、線維化マーカーの発現を抑制した  MMP-2 PAI-1 OSTEOPONTIN
私見
RAS阻害剤やSGLT2阻害剤やスタチンにて血圧、血糖、脂質管理は比較的保たれているのに
尿たんぱくが抑制できない残余リスクの高い方に処方している

KDIGO 2022年ガイドライン
      上段  GLP-1RA MRA 抗血小板薬 
      中断  RAS阻害剤 SGLT2阻害剤 (ほとんどの患者に) 
ピラミッド base  生活習慣是正 血糖・血圧・脂質コントロール 食事療法 運動 禁煙

 

2022-11-25 08:44:08

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Topics 11月22日

塩野義製薬の新型コロナ飲み薬の使用を承認 厚労省2022年11月22日 20時57分  NHK News
塩野義製薬が開発した新型コロナウイルスの飲み薬について、厚生労働省の専門家会議が使用を認めることを了承し、先ほど承認された。重症化リスクの低い患者も軽症の段階から服用できるのが特長で、国内の製薬会社が開発した初めての飲み薬となります。使用が承認されたのは塩野義製薬が開発した新型コロナウイルスの飲み薬「ゾコーバ」です。この薬は、軽症の段階から服用できる新型コロナウイルスの飲み薬で、重症化するリスクが高い患者を対象にしていたこれまでの薬と違い、重症化リスクの低い患者でも服用できるのが特長です。
ことし2月に使用の承認が申請されたあと、緊急時に、開発された薬などを迅速に承認するための「緊急承認」の制度で6月と7月に審議されましたが、有効性についての判断が見送られて継続審議となり、塩野義製薬はその後、最終段階の治験の結果を新たに、厚生労働省などに提出していました。
22日開かれた厚生労働省の専門家会議では、発熱などの症状を改善する効果が認められたことなどから、「有効性が推定される」評価して使用を認めることを了承し、先ほど厚生労働省が承認しました。
国内の製薬会社が開発した初めての飲み薬となります。
厚生労働省は承認後に塩野義製薬から100万人分を購入する契約を結んでいて、今後、医療機関などへの供給が始まる見通しです。

加藤厚労相「安定供給の観点からも大きな意義」加藤厚生労働大臣は、22日夜、記者会見を開き「新たな治療の選択肢の1つとして、新型コロナ対策に寄与することを期待するし、国内企業が製造販売するので、安定供給の観点からも大きな意義がある。流通システムができしだい、12月の初頭には医療現場で使用できるよう供給を開始する予定で、処方が可能な医療機関は、都道府県のウェブサイトで公開することになる」と述べました。
塩野義製薬 ”新しい治療選択肢を提供”新型コロナウイルスの飲み薬ゾコーバが「緊急承認」の制度で国から承認されたことについて、塩野義製薬は22日夜、コメントを発表しました。この中では「この新しい治療選択肢をまず日本の皆様に、そしてこの薬を必要とする多くの国々に提供できるよう、引き続き取り組んでまいります」としています。そのうえで「23日より医薬品卸への出庫を開始し、ゾコーバの処方・調剤が可能な登録医療機関・薬局からの発注を順次、受け付ける予定です。緊急承認医薬品として安全性情報の迅速かつ確実な収集と医療機関に対するタイムリーな提供に取り組みます」としています。そして、会社では、今後、正式承認の取得を目指す考えを示しました。 
ゾコーバ錠(エンシトレルビル)の作用機序【COVID-19】
「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」を対象疾患とする新規経口剤のゾコーバ錠(エンシトレルビル)

 
効能・効果
 
SARS-CoV-2による感染症
 
用法・用量
 
通常、12歳以上の小児及び成人にはエンシトレルビルとして
1日目は375mgを、2日目から5日目は125mgを1日1回経口投与する。

 
収載時の薬価
 
 
コロナウイルスの外観は「コロナ(太陽の光冠)」に似ていることから、分類としては「一本鎖プラス鎖RNAウイルス」で、RNAをゲノムとしているウイルスですね!主にヒトの粘膜上皮細胞に感染します。 
 SARS-CoV-2がヒトの粘膜上皮細胞に感染する場合、以下の図のようなプロセスで感染・増殖します。
吸着・膜融合・脱殻:ヒト細胞内に入る
2 ゲノム(RNA)の複製とタンパク質合成:ヒト細胞内で増える
細胞からの遊離:ヒト細胞外へ出て、他の細胞に感染する

2タンパク質合成の過程では、翻訳で合成されたタンパク質は非常に高分子(大きい)のため、適切なサイズに切り取る必要があり、プロテアーゼ(3CLプロテアーゼ)がタンパク質を適切な大きさに切り取ることで、ウイルスタンパク質が完成し、増殖していきます。
2の過程のうち、ゲノムの複製のRNAポリメラーゼに関与しているのが以下の薬剤がラゲブリオ(モルヌラビル)とベクルリー(レムデシビル)
ゾコーバ錠(エンシトレルビル)の作用機序:3CLプロテアーゼ阻害
ゾコーバ錠はタンパク質合成過程におけるプロテアーゼ(3CLプロテアーゼ)を選択的に阻害するといった作用機序です。タンパク質合成が完了しないため、ヒト細胞内で増殖することができなくなり、結果としてウイルスの増殖抑制効果を発揮すると考えられています。
作用機序としては、既に承認済のパキロビッドパックの有効成分であるニルマトレルビルと同じ。ちなみに、パキロビッドパックはニルマトレルビルの代謝(分解)を抑制するリトナビルを同時に服用ことで、ニルマトレルビルの体内濃度を長時間維持する役割を担っています。*下記に臨床成績と問題点を

 
エビデンス紹介:T1221試験
根拠となった臨床試験は、SARS-CoV-2による感染患者さんを対象にゾコーバとプラセボを比較した国際共同第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験です。
 主要評価項目は「SARS-CoV-2による感染症の5症状(①倦怠感又は疲労感、②熱っぽさ又は発熱、③鼻水又は鼻づまり、④喉の痛み、⑤咳)が快復するまでの時間」とされ、結果は以下の通りでした。
 
  ゾコーバ群
 
プラセボ群
 
SARS-CoV-2による感染症の5症状が
快復するまでの時間の中央値

 
167.9時間
 
192.2時間
 
HR=1.14[95%CI:0.95-1.36]
p=0.0407

 
*「ゾコーバ」について、塩野義製薬はことし9月下旬、最終段階の治験で発熱などの症状が出る期間が短くなり、症状を改善する効果が確認されたと発表しました。
それによりますと、日本など3か国でことし2月から7月にかけて重症化リスクがない人やワクチンを接種した人を含めた、12歳から60代までの軽症から中等症のコロナ患者1821人を対象に治験を行い、発症から3日以内に服用を開始すると、オミクロン株に特徴的なせきや喉の痛み、鼻水・鼻づまり、けん怠感、発熱・熱っぽさの5つの症状すべてが7日前後でなくなり、症状が出ていた期間がおよそ24時間短縮されたとしています。投与は1日1回、5日間行われましたが4日目の段階でウイルスの量が偽の薬を投与された人に比べて30分の1程度に減り、重篤な副作用はなかったとしています。一方で、動物実験では胎児に影響があったことから、妊娠中や妊娠の可能性のある女性は服用できないほか、慢性の病気の治療で薬を服用している場合には服用できないケースもあるとみられます。
オミクロン株、デルタ株への治療効果は?
基礎の試験においては、オミクロン株、デルタ株に対して抗ウイルス効果は保たれていたとされていました。
 添付文書には以下の記載。

In vitroウイルス増殖抑制効果
エンシトレルビルは細胞培養系を用いた試験において、SARS-CoV-2臨床分離株〔従来株(A系統)、alpha株(B.1.1.7系統)、beta株(B.1.351系統)、gamma株(P.1系統)、delta株(B.1.617.2系統)、theta株(P.3系統)、lambda株(C.37系統)、mu株(B.1.621系統)及びomicron株(B.1.1.529/BA.1、BA.1.1、BA.2、BA.2.75、BA.4、BA.5及びXE系統)〕に対して抗ウイルス活性を示し、50%有効濃度(EC50値)は、VeroE6/TMPRSS2細胞で0.22~0.52μmol/L、HEK293T/ACE2-TMPRSS2細胞で0.026~0.064μmol/Lであった。初代ヒト鼻腔由来細胞のヒト気道上皮3次元器官培養モデルを用いた細胞培養系において、SARS-CoV-2臨床分離株〔delta株(B.1.617.2系統)〕に対するEC90は0.117μmol/Lであった 。
副作用
5%以上に認められる副作用として、HDLコレステロール低下(16.6%)が挙げられています。

用法・用量
通常、12歳以上の小児及び成人にはエンシトレルビルとして1日目は375mgを、2日目から5日目は125mgを1日1回経口投与します。投与開始までの期間の目安については以下の通りです。
SARS-CoV-2による感染症の症状が発現してから速やかに投与を開始すること。本剤の有効性は症状発現から3日目までに投与開始された患者において推定された。

 相互作用:併用禁忌には注意が必要
ゾコーバはCYP3Aの基質であり、強いCYP3A阻害作用を有しています。また、P-gp、BCRP、OATP1B1及びOATP1B3阻害作用を有していることから、併用禁忌に十分注意する必要がありますね。
 併用禁忌は以下の通り。
モジド(オーラップ)
キニジン硫酸塩水和物
ベプリジル塩酸塩水和物(ベプリコール)
チカグレロル(ブリリンタ)

エプレレノン(セララ)
エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン(クリアミン)
エルゴメトリンマレイン酸塩
メチルエルゴメトリンマレイン酸塩(パルタンM)
ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩

シンバスタチン(リポバス)
トリアゾラム(ハルシオン)
アナモレリン塩酸塩(エドルミズ)
イバブラジン塩酸塩(コララン)
ベネトクラクス〔再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の用量漸増期〕(ベネクレクスタ)
イブルチニブ(イムブルビカ)
ブロナンセリン(ロナセン)
ルラシドン塩酸塩(ラツーダ)
アゼルニジピン(カルブロック)
アゼルニジピン・オルメサルタン メドキソミル(レザルタス配合錠)

スボレキサント(ベルソムラ)
タダラフィル(アドシルカ)
バルデナフィル塩酸塩水和物(レビトラ)
ロミタピドメシル酸塩(ジャクスタピッド)
リファブチン(ミコブティン)

フィネレノン(ケレンディア)
リバーロキサバン(イグザレルト)
リオシグアト(アデムパス)
アパルタミド(アーリーダ)
カルバマゼピン(テグレトール)
エンザルタミド(イクスタンジ)
ミトタン(オペプリム)
フェニトイン(ヒダントール、アレビアチン)
ホスフェニトインナトリウム水和物(ホストイン)
リファンピシン(リファジン)
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品

 
*現在使われているニルマトレルビル/リトナビル(パキスロビット)の効果と問題点 
デルタ株流行期 発症5日以内の18歳以上の高リスク(ワクチン接種なし)に対する効果 5日間投与 
eGFR30-60が減量
約50%が既感染者 28人以内の入院+死亡 88%減少
治療群で死亡例なし 副作用 味覚障害5.6% 下痢3.1%
既往があっても効果あり
ウイルス量に変化なし(治療群vsプラセボ群)
文献化未(プレリリースのみ) 研究は2021年7月以降施行(デルタ株流行期)
標準リスク群 重症化リスク+ワクチン接種 重症化リスクなし+ワクチン接種なし
中間解析 5日以内に投与 入院と死亡が70%減少

薬物総合作用を必ず確認する これが問題
主要な併用禁忌薬
オルメサルタン アゼルニジン アミオダロン プレカイニド シルデナフィル リバロキサバン
ジアゼパム エスタゾラム トリアゾラム ミタゾラム ポリコナゾール リファンピシン リファプチン
カルバマゼピン フェニトイン 
主要な併用注意薬
カルシウム拮抗薬 エベロリムス シクロスポリン タクロリムス
コルヒチン クラリスロマイシン ワルファリン クエチアピン フルコナゾール バルプロ酸 ラモトリギン アトルバスタチン ロスバスタチン トラゾドン

2022-11-23 06:58:10

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Web講演会 11月21日

糖尿病性高血圧の降圧治療とMR拮抗薬への期待 近畿大学医学部 腎臓内科教授 有馬秀二先生
一部のみ列挙
JSH2014の降圧目標に到達している日本人高血圧患者の割合
糖尿病・CKDの無い75歳未満の患者(降圧目標<140/90 n=5401) 60.2%
糖尿病・CKDの無い後期高齢患者(降圧目標<150/90 n=154)   71.4%

糖尿病合併患者 (降圧目標 130/80 n=1074)          30.5%
CKD合併患者  (降圧目標 130/80 n=961)           33.4%
脳血管/冠動脈疾患合併患者(降圧目標 140/90 n=410)      66.0%

JSH2019においては糖尿病合併高血圧の治療計画
 130/80以上
生活習慣の修正・血糖管理と同時に降圧治療を開始する
1 140/90以上降圧薬を開始する
2 130-139/80-89 生活習慣の修正で降圧が見込める場合は生活習慣修正による降圧を1カ月を超え
  ない範囲で試み、血圧130/80以上なら臨床的には高血圧と判断し降圧薬を開始する
     ↓
   微量アルブミン尿または蛋白尿

  あり          なし
ARBまたはACE阻害剤   ARB、ACE阻害剤、Ca拮抗薬,利尿薬 (2014と違いとにかく全身血圧を下げる)
          効果不十分
      用量増加    2剤併用
          効果不十分
     3剤併用 ARBあるいはACE阻害剤、Ca拮抗薬,利尿薬 
     降圧目標130/80未満

糖尿病における腎障害(糖尿病性腎症)の進展
第一期(腎症前期)  第二期(早期腎症)   第3期(顕性腎症) 第4期(腎不全)     第5期(透析期)
微量アルブミン尿陰性 微量アルブミン尿陽性  A前期  B後期  持続性蛋白尿陽性
GFR亢進       AER:20μg/min    持続性蛋白尿陽性   血清Cr上昇
           ACR:30mg/gCr    GFRは正常 GFR低下
           GFR正常ないし亢進 
糖尿病における糸球体血行動態(糸球体高血圧・過剰濾過)
輸入細動脈 (拡張)→ 糸球体内圧上昇 →輸入細動脈→
               ↓
            糸球体濾過↑
糖尿病では腎症前期の段階から輸入細動脈が拡張して糸球体高血圧が引き起こされる
病期の進行とともに増悪する糸球体高血圧は糸球体硬化を惹起して、腎障害を進展させる
したがって、糖尿病では腎臓を守るために厳格な血圧(130/80未満)を行い、糸球体高血圧を改善させる必要がある

アンギオテンシン2作用の抑制薬(ACE阻害剤、ARB)
輸出作動脈を拡張させて 糸球体内圧を下げ→糸球体濾過を正常にする
しかしJSH2014の降圧目標に到達している日本人高血圧患者の割合で
糖尿病合併患者 (降圧目標 130/80 n=1074)30.5%しか目標に達していないかった

糖尿病合併高血圧における降圧目標
とにかく入口の全身血圧を十分に下げる(130/80未満) +輸出細動脈拡張し糸球体内圧下げる
RA系阻害剤、Ca拮抗薬、利尿剤で
微量アルブミン尿や蛋白尿を合併する場合は、ARB、ACE阻害剤が優先されるが血圧管理にはCa拮抗薬、少量利尿剤(サイアザイド剤)が減羽要される(高度の糸球体高血圧の存在が示唆される)

食塩感受性高血圧を示す病態
機序           疾患
尿細管Na再吸収亢進    糖尿病 メタボリックシンドローム 原発生アルドステロン症
糸球体ろか能力低下     CKD 黒人高血圧 食塩感受性の本態性高血圧
(Naろ過の減少)

降圧利尿薬の作用機序
       Na再吸収率     再吸収機序     制御因子
近位尿細管  60%以上    Na+/H+交換など   Ang2、GFR     
ヘンレループ  25-30%    Na+K+-2Cl-共輸送 流量依存性    ループ利尿剤
遠位尿細管   5-8%    Na+Cl-共輸送     流量依存性    サイアザイド系
集合尿細管   2-3%    Na+チャネル      アルドステロン ANP MR拮抗薬

*ループ利尿剤
ループ利尿剤量多いとマキュラデンサ刺激 Na+K+-2Cl-共輸送阻害することでレニン分泌亢進する(単離輸入細動脈)
塩を食ってサイアザイド・ループ利尿剤→ 低カリウム血症・耐糖能障害

新規選択的MRブロッカー エサキセレノン(ミネブロ)
有害事象 1.25-5mgでは(51名)
血中カリウム増加   4名(7.8%)
血栓性脳梗塞     1名(2.0

糖尿病性合併高血圧でMR拮抗薬に期待する理由
糖代謝への悪影響を心配せずに塩分排泄が期待できる
  →減塩が困難で、食塩摂取量が過剰な患者が適応?
*アルドステロンは食塩摂取を亢進させる1966年 論文
 アルドステロンは中中枢に作用して食塩感受性を亢進させる 1993年論文
原発性アルドステロン患者は塩分に対する味覚が落ちている hypertension 2021年
Prospective Cohort 研究
2食塩制限を容易にすることが期待できる
MR拮抗薬がNacl味覚の改善効果がある  hypertension 2021年
3肥満・メタボリックシンドロームの病態で期待できる
*脂肪細胞はアルドステロン分泌を刺激する 
 メタボリックシンドロームでは血漿レニン活性は低いが血中アルドステロン濃度が高値を示す
*睡眠時無呼吸症候群を伴う治療抵抗性高血圧患者では、スピノロラクトンで呼吸状態が改善して血圧が低下する  hypertension 2010年

原発性アルドステロン症は疑われる高血圧患者
低カリウム血症(利尿剤誘発性も含む)合併高血圧
若年者の高血圧
2度以上の高血圧
治療抵抗性高血圧
副腎偶発性腫瘍を伴う高血圧
若年性の脳血管障害合併例
睡眠時無呼吸を伴う高血圧
エキセレノン使用時の高カリウム血症に関する注意事項
血清Kが5mEq/Lを越えている患者、重度の腎機能障害患者(eGFR30未満)K保持性利尿剤、MR拮抗薬
K製剤服用中の患者は禁忌
投与開始前、開始後2週間以内と可能なら4週間後に血清Kを測定する
その後も定期的に
高K血症をきたすリスクのある患者では少量から開始、頻回に測定
1.25mg→2.5mg→5mgと
5<k<5.5なら減量を、5.5≦k<6.0なら中止を考慮する 6以上なら直ちに中止し、専門医へ紹介を
エサキセレノンの高K血症は抗アルドステロン作用がきいている証拠ではある
腎機能障害患者で血清Kが上昇した場合とるべき処置
水分の十分な摂取 利尿剤の投与 カリウム摂取制限 便秘の予防 カリウム吸着剤の投与 
併用薬剤のチェック 尿Na、K、Crの測定 アシドーシスの補正
Kを多く含む食品
野菜類 (特に青菜類、レンコン、カボチャ、ブロッコリーなど)
果物  (特にバナナ、メロン、キウイフルーツなど)
干した食品(ほしいも、ドライフルーツ、切り干し大根など)
芋類 海藻類 豆類 インスタントコーヒー 抹茶 減塩醤油 青汁

2022-11-22 07:49:35

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Web講演会 11月20日

補中益気湯の加齢に伴う肝オートファジー不全に対する作用(マウス)
Miwa Nahata(Tsumura Kampo ResearchLaboratories) 2021年 

まとめ
加齢に伴う肝オートファジー不全に対する補中益気湯の作用をマウスを用いて検討した
制限給餌下老齢マウスにおいて、糖原性アミノ酸であるアラニン及び補中益気湯を投与すると

補中益気湯を非投与群と比較して投与群では体温及び自発運動量の増加が認められた。
アミノ酸代謝経路のマップでは補中益気湯投与群と非投与群の比較でアラニンの代謝が活発になることが確認された
制限給餌下老齢マウスに補中益気湯を投与すると、補中益気湯非投与群に比べて投与群では肝臓の自食胞が増加し、肝オートファジー活性が増加した。また肝臓のオートファジー関連蛋白のmRNA発現が量を検討したところ
補中益気湯非投与群に比べて投与群ではオートファジー活性因子であるBeClin1が増加した
異常より、制限給餌下の老齢マウスにおいて、補中益気湯は肝オートファジー活性を増加させることが示唆された
加齢に伴う肝オートファジー不全に対する作用メカニズム(仮説)
            加齢
             ↓
             Bcl-2増加 (オートファジー抑制因子)
               ↓ 作用阻害
 補中益気湯  →   BeClin1   ←低栄養
     ↓促進        ↓  増加
     肝オートファジー   ⇒グルコース、アラニン回路の活性化
                 (肝臓から筋肉にフルコースを供給する代謝回路)
                 糖原性アミノ酸利用↑
                    ↓
                  糖新生↑
                 自発運動量↑
*オートファジー(自食作用)とは
生体を構成する主要成分であるタンパク質は絶えず合成と分解を繰り返している
オートファジーは細胞内成分をリソゾームでアミノ酸などに分解する主要機構である
タンパク質はアミノ酸等に分解後、新たな蛋白合成、エネルギー源、グルコースの変換(糖新生)などに利用される。

2016年東京工業大学の大隈良典教授がこの研究でノーベル賞を受賞した
オートファジー
新陳代謝有害物質の除去 不全 (オートファジー不全)脂肪肝 心不全 糖尿病 動脈硬化
                           腎症 感染症 神経変性疾患 発がん 各種炎症

栄養源確保・飢餓時の細胞の生存
             加齢によるオートファジーは低下する

*補中益気湯
だるくて疲れやすい方向けの漢方薬「補中益気湯」
「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」は、“中(体の内側)を補い気を増やす”という意味で名付けられています。胃腸のはたらきを高め、食欲を出すことで「気」を増やし、「気」を上のほうに動かしてめぐらせることで、元気を補い、胃腸の消化・吸収機能を整えて疲れを改善していく処方です。

体力虚弱で、元気がなく、胃腸のはたらきが衰えて、疲れやすいものの次の諸症:虚弱体質、疲労倦怠、病後・術後の衰弱、食欲不振、ねあせ、感冒(ニンジン・ビャクジュツ・オウギ各2.0g、トウキ1.5g、タイソウ・サイコ・チンピ各1.0g、カンゾウ0.75g、ショウキョウ0.25g、ショウマ0.5gより抽出。)
副作用 発疹 発赤 掻痒感 まれに 間質性肺炎 肝機能障害

2022-11-21 05:45:10

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ARNI腎に対する勉強会 11月19日

TKPガーデンシテーPREMIUM大阪駅前にARNI高血圧治療勉強会に行ってきました
この会はコロナ前数カ月に1回大織診療所の藤原先生が主催していた勉強会の一つで、今回はARNIの心臓へ効果だけでなく腎臓にはどう影響するのかをテーマに勉強する会です
講師に


ARNIを使いこなす~腎臓視点からみた高血圧治療~
大阪府済生会中津病院血液浄化療法センター長 嶋津啓二先生をお招きいたしました。

一部のみ列挙
模擬症例 70才男性 高血圧・高脂血症・GERD治療中
尿Pro(+/-)~ (++)
eGFR 50 →   35 10年で
Hb   12.5→  10.2
済生会病院紹介される 
腎エコー 腎皮質凸凹 長径 8.8cm(正常10cm 8cm萎縮)
ABI/baPWV 動脈硬化あり
尿Pro 0.3g/gcr     →典型的な 高血圧による腎硬化症 G3bA2
病院への紹介してほしい疾患 特に腎炎・多発性嚢胞腎 (高血圧 腎蛋白・潜血両方あり→腎炎疑い)
1CKDと高血圧
2腎臓と全身血圧を考える
3新しい一手 ARNIへの期待と使用経験

糖尿病
高血圧   など     → CKD 
腎炎             ↓     
多発性嚢胞腎    血圧 貧血 肥満 低栄養 蛋白尿
               ↓    アクセルにもブレーキにもなる
           心血管死  腎死

保存期腎不全教育入院の目的
1増悪因子の検索
 A 尿蛋白量
 B 高血圧
 C 原疾患の治療(糖尿病など)
2教育
 A 食事、生活指導、薬剤の確認  :日本人食塩摂取 6g/日 男性13.2% 女性 25.7%
 B 透析に対する心構え

3血管合併症の検索
(心臓→ 心不全)と(腎臓→CKD)の関係
2アクセルになる内分泌系を抑える(ブレーキを増やしたい)ACE阻害剤/ARB→ARNI
                            MRA β遮断薬 SGLT2阻害剤

心不全 ←→交感神経活性→
         ⇣                           腎臓 CKD
    →RAA系活性→アンギオテンシン2→全身血管収縮↑→炎症ストレス   ↑
            ⇣     ↑⇣    ⇣↑      ↑     腎リモデリング
 ↑         ANP↑   アルドステロン↑ →ガレクチン3↑  → (線維化)
           BNP↑                      腎静脈うっ血 ↑
心拍出量↓                        ↓        静脈灌流量上昇↑
心筋リモデリング↑                   ←        Na・水貯留上昇↑
(線維化)           バソプレッシン分泌量変化      ←→   (体液過剰)
 
        1まずはうっ血を早く解除して→その後は脱水にしない
         Na利尿剤と水利尿剤
        トルバクタン SGLT2阻害剤

*2型糖尿病を有するCKDに対するフィネレノン MRA  3年間
 6519人 フィネレノン(10mgor20mg)vsプラセボ 6507人 
 腎合併症進展予防 有意に33%低下させた  透析 20%低下
 CVD発症     有意に14%低下させた      
 *高尿酸血症を有するCKD患者における尿酸低下療法は 推奨されるC2
2腎臓と全身血圧を考える
糸球体(皮質に多い)と尿細管・間質(髄質に多い)で高血圧に対する反応は異なる
皮質 血圧上昇 糸球体は 圧を一定に保つ
髄質 血圧上昇→圧力上昇

糸球体 輸入細動脈を収縮させて圧を一定に保つ
髄質 血圧上昇→圧力↑
   血流増加      NP
   尿中Na排泄増加
   髄質への直血管の散財 腎臓は被膜に包まれている
   髄質の圧が上がれば皮質の圧も上がる

高度な肥満CKD 高インスリン血症→輸入細動脈拡張→ 糸球体内圧上昇 蛋白尿
SGLT2阻害剤  輸入細動脈収縮 
RAS系阻害剤  輸出細動脈拡張  糸球体内圧下げる

高血圧・動脈硬化 腎硬化症 蛋白尿(―)CKD
輸入細動脈 動脈硬化 狭小化
輸出細動脈 動脈硬化 狭小化

RAS系阻害剤投与で糸球体内圧下げると 急性腎障害 高カリウム血症のリスク大に
しかしCKDでは尿細管低酸素はベースである

CKD の尿細管低酸素 Final Common Pathway
アンギオテンシン2↑酸化ストレス↑DM→尿細管酸素消費亢進→虚血 つぶれる→糸球体に悪い影響を 
RAS系阻害剤はRAS低下させ尿細管酸素消費低下
SGLT2阻害剤は腎への血行動態作用 炎症・酸化ストレスの低下 腎糖代謝の改善
       
腎低酸素状態の改善

進行したCKDではRAS阻害剤 SGLT2阻害剤は可能なら入れておきたい
腎うっ血=腎静脈の高血圧
 腎線維化 蛋白尿増加 腎障害進行
腎臓に対するナトリウム利尿ペプチドおよびARBの生理学的作用
ANP BNP
輸入細動脈の血管拡張             ANP BNP 
輸出細動脈の血管収縮             近位尿細管においてNa再吸収抑制
メサンギウム細胞の弛緩   →GFR↑    集合管においてNa再吸収抑制
Kfの増大      
レニン分泌抑制
*ARBは輸出細動脈拡張

ARNIは糸球体内圧を上げて腎血流を低下させずに尿細管も護る
ARNI PARADIGM-HFにおいてもイニシャルデップなくeGFR低下速度を改善していた
エンレストの研究でもK上昇、AKIほとんどなかった?
腎糸球体圧上げるー一定で腎血流を保ちながら保護するから

3新しい一手 ARNIへの期待と使用経験
1日1回200mg
透析中 厳重な減塩療法中 100mgから
高齢や腎臓の働き重度に低下している方も注意
重篤な有害事象は特にない
ARNI+SGLT2阻害剤 症例
NP輸入細動脈の血管拡張   SGLT2阻害剤    輸出・輸入細動脈を絶妙に調整?          
輸出細動脈の血管収縮    輸入細動脈     糸球体への直接的効果
  +            過剰な拡張↓    髄質血流を増やしてNA排泄を増加させる効果
ARB 輸出細動脈拡張  
結語
RAS阻害剤で降圧不十分の場合ARNIへの切り替え
Ca拮抗薬へのARNI追加
「新しい一手が加わった」
(ARNI開始時は詳記をお願いします)ARBで血圧コントロール不十分のため
現時点で最適な高血圧治療を選択して高血圧からCKD進行にブレーキをかける

 

2022-11-20 08:20:58

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Web講演会 11月18日

糖尿病患者さんのトータルケアを目指す 大阪警察病院糖尿病内分泌代謝内科部長 安田哲行先生
一部のみ列挙
本邦の2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム
インスリンの絶対的・相対的適応
     No   Yes →インスリン療法
   目標HbA1C値の決定
       ↓
    病態に応じた薬剤選択
非肥満             肥満
インスリン分泌不全型を想定  インスリン抵抗性を想定
DPP4阻害剤 BG剤      BG剤 SGLT2阻害剤 
αグルコシダーゼ阻害剤    GLP-1受容体作動薬 DPP4阻害剤 チアゾリジン薬
グリニド薬 SU薬      αグルコシダーゼ阻害剤  イメグリミン
SGLT2阻害剤
GLP-1受容体作動薬
イメグリミン
        ↓
      安全性への配慮
  低血糖リスク高い高齢者にはSU薬、グリニド薬はさける
  腎機能障害合併者にはBG剤、SU薬、チアゾリジン薬、グリニド薬は避ける
    (高度腎機能障害ではSU薬、BG剤、チアゾリジン薬は禁忌)
  心不全合併者にはBG剤、チアゾリジン薬は避ける
        ↓
  Additional Benefitsを考慮するべき併存疾患
慢性腎臓病        心不全    心血管疾患
SGLT2阻害剤      SGLT2阻害剤  GLP-1受容体作動薬
GLP-1受容体作動薬           SGLT2阻害剤 
       ↓
    考慮すべき患者背景
 
*高齢者糖尿病の血糖コントロールは
DASC-8で認知機能  A 喪の忘れが多いと感じますか 1年前より物忘れが増えたと感じますか
           B1 財布や鍵など、物を置いた場所が分からなくなることがありますか
           B2 今日が何月何日かわからないときがありますか?
     手段的ADL B3 1人で買い物はできますか 
           B4 バスや電車、自家用車など使って一人で外出できますか
           B5 貯金の出し入れや家賃や公共料金の支払いは1人でできますか    
企保的ADL      B6 トイレ
           B7 食事
           B8 家の中での移動 1人でできますか

感じない・問題なくできる2点 少し感じる・だいたいできる 3点 感じる・あまりできない 4点 とても感じるできない
カテゴリー1 10点以下 211-16点 3 17点以上
カテゴリー1―3と低血糖を起こす薬剤で目標コントロール決める
カテゴリー3で低血糖を起こす薬剤で目標コントロール HbA1C8.5%未満(下限7.5%)
     1で         なし 7%未満 あり 65-75才 7.5% 75才以上8%
非肥満糖尿病
*内臓脂肪面積≧100cm2
 腹囲男性≧85cm 女≧90cm
 CPR Index等によるインスリン分泌能
CPI=空腹時血中Cペプチド(ng/mL)/空腹時血糖値(mg/dL)×100
目安 CPIが1.2以上では食事療法・経口血糖降下薬治療、0.8以下ではインスリン療法
*CGM
Target Range 70-180mg/dl 
通常 TIR> 70%  高齢者 ハイリスク TIR>50% 
TAR・TBR (250以上 70未満)を少なく血糖変動を平坦化させる管理目標値を目指す
*メンタルサポートも大事
COVID-19感染流行歌での糖尿病患者心理的変化
366人 年令 平均67.2才  罹病期間 平均16.2年 HbA1C 平均7%
BMI  25.5 就労率 48.6%
心配や不安増えた 50.3% 気分の落ち込み増えた27.6% 精神的ストレス増えた 37.3%
心理的変化と生活習慣との関連 重回帰分析
心理的変化が炭水化物・お菓子の摂取量、座位時間との関連あり
コロナ禍ではメンタルサポートも重要
糖尿病性血管合併症 
CKD J-DREAMS研究 10151人 頻度1(35.4%) 
CKD⇒DKD
糖尿病性腎症+動脈硬化性腎症=糖尿病性腎臓病
DKD 心血管イベント、心不全、死亡リスクとなるためDKDの進展阻止は極めて重要
Cr測定(90%以上)尿中アルブミンの測定(20%前後)が十分でない
DKD進展阻止を目指した2型糖尿病治療
1生活習慣の改善 減量、運動、減塩、アルコール制限、禁煙
2血糖コントロール SGLT2阻害剤、GLP-1受容体作動薬を優先的に使用 HbA1C<7%
3血圧コントロール RA系阻害剤 及びMRBを選択
 130/80未満を目指して増悪、多剤併用
4脂質コントロール スタチン、フィブラート系を選択
5進行した糖尿病性腎症の管理
 早期からクレメジン投与、蛋白質制限 重曹 腎性貧血に対する治療 
集学的治療が重要
CHF J-DREAMS研究 10151人 頻度(4.8%)
心不全のスクリーニングと診断のためのフローチャート
1自覚症状:息切れ、動悸、倦怠感 夜間発作性呼吸困難、夜間頻尿
2理学所見ラ音、頻脈、脈不整、3音、下腿浮腫         →No       年1度検査施行
3胸部レントゲン 心胸郭比拡大、肺うっ血など               
4心電図 異常Q並み 左室肥大 心房細動など    ↓
   どれか1項目以上
    ↓
BNP>100pg/mlあるいはNT-proBNP>400mg/ml
    ↓
循環器専門医コンサルト  

心電図検査:左室駆出率 左房サイズ、左室肥大
壁運動異常 左室拡張能
心不全治療薬 Fantastic Four
MRA ARNI βブロッカー SGLT2阻害剤
CAD  CHF J-DREAMS研究 10151人 頻度(14.4%) CVD(8.8%)
冠動脈疾患リスク層別化と診断のためのフローチャート
40歳未満またはDM罹病歴10年未満       40歳以上またはDM罹病歴10年以上
     ↓
  リスク評価 1                       リスク評価 2
HT・脂質異常症・喫煙                   リスク評価1に加えて
CKD・家族歴・動脈硬化性疾患既往          12誘導ECG(年1回以上)
    ↓                       胸痛や呼吸苦などの随伴症状の経過観察
リスク1以上              ←    ↓なし               ↓ はい
リスク評価 3                            循環器精査
リスク評価2に加えて                         循環器専門医コンサルト
ABIとPWVまたはCAVI                        造影心臓CT 
頸動脈エコー              はい→             運動負荷心筋シンチ
非造影MDCT冠動脈石灰化スコアー                    運動負荷エコー
*重症冠動脈疾患を予測する頸動脈max IMT  警察病院
65才未満(161名) ≧1.5mm 65才以上(172名)≧2.6mm は循環器内科へ紹介

*日本人の糖尿病の死因 2016年
悪性腫瘍 38.3% 感染症 17% 血管障害14.9% 虚血性心疾患8.7% 肝硬変3.3%
肝がん 2,8倍 子宮がん 2.1倍 膵がん 1.8倍 大腸がん 1.3倍 膀胱がん 乳がん 1.2倍
がん検診の推奨や定期的がんスクリーニングが重要(特に退職後の男性、主婦)
*サルコペニア・フレイルの問題
ふらつき・転倒・骨折 要介護
サルコペニア⇒筋肉量低下⇒食後の糖取り込み低下⇒糖尿病悪化⇒食後血糖悪化⇒心血管疾患増加
高齢者糖尿病患者のサルコペニアへの頻度 iDIAMONDO研究調べ
非DM 427名 2型糖尿病325名 1型糖尿病35名 
12.2%      20.9%     42.9%
2型糖尿病でのサルコペニアの規定因子
65歳以上 BMI<18.5 HbA1C8,5%以上  EC of ≧3MET 身体活動低下がリスク因子
インスリン分泌低下はサルコペニアの独立した規定因子 SUIT Index 0.96
筋肉での蛋白合成と分解
             インスリン   Myostatin   TNFα
アミノ酸 運動       IGF-1    ActRIIB   NFκ-B JAK
筋肉                           ⇣  ⇣
 ロイシン         IRS-1     ⇣
   ↓   ERK1/2   PI3-K    Smad2/3     ⇣  STAT
   PAT1   ↓     ↓     ⇣
        mTORC1 ←PKB/AKT  ←⇣抑制        アポトーシス
         ↓       MyoD   ⇒抑制FOXO
 アミノ酸   ⇒    蛋白合成         Atrogin-1 MuRF1
                        蛋白分解
インスリン作用不全(分泌低下、抵抗性)はサルコペニアの原因となる
内因性インスリン分泌の低下を介した血清IGF1低下によってサルコペニアが増悪する可能性
門脈内インスリン低下が肝臓でGH受容体↓IGFBP1↑ IGF-1濃度低下⇒サルコペニア

対策
運動 レジスタンス運動(仕事量が重要)
    複合的な運動介入
栄養 適正なエネルギー 
   蛋白摂取(1.2g/Kg~ BCAAを多く 3食均等に)
薬物療法 テストステロン ビタミンD
     BG剤 インクレチン関連薬
*骨粗しょう症
 骨折は骨強度の低下に外的要因が加わり発症
1型糖尿病患者の骨密度は非糖尿病に比べ低下しているが
2型                 むしろ増加している
骨折頻度   1型糖尿病 6.94倍 2型 1.38倍
骨強度=骨密度         ↑↓ + 骨質(構造↓   材質 ↓)
  インスリン分泌低下や        ヒドロキシアパタイト異常
骨折  IGF-1低下に伴う             ↑
    骨芽細胞機能低下           コラーゲン架橋異常
                      酵素依存性架橋(成熟架橋低下)
転倒↑                      AGEs架橋(老化架橋増加)
 低血糖 神経障害                     ↑
 サルコペニア                  酸化ストレス増大 活性酸素増加
                        ↑
                       生活習慣病 DM CKD COPD
サルコペニアは骨粗鬆症を増加させる
マイオカインがGDF 8 IGF 1 FGF 2
        SPRC、MMP1  ⇒  骨に作用(益)
        IL-6 IL-7  
マイオカイン低下が骨粗しょう症↑
運動負荷すると骨密度改善データーが  レジスタンス運動など
認知症と糖尿病   
ApoE-ε4 遺伝素因⇒ 加齢   ⇐他の生活習慣病   Aβ増加による肝臓でのインスリン抵抗性
            ↓
食後高血糖       脳    動脈硬化   
インスリン抵抗性    ↓    細小血管脳虚血
DPP4活性                 アルブミン尿     ↑
AGE・炎症
低EPA 酸化ストレス                       ↑
        アルツハイマー型認知症 脳血管性認知症      →
          糖尿病性認知症

 
サルコペニアと認知機能低下の関連 2.25倍増加
IrisinによるADリスクの低下
運動による筋肉よりIrisin放出
Irisin →STAT3 シグナル増強 →脳 →海馬の増殖増加 →AD 減少
                             ↑
                           神経の可塑性↑
     Irisinが脳由来の神経栄養因子 増加 → BDNF →↑
身体活動+認知活動で認知機能改善

2022-11-19 07:29:38

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茨木市医師会学術講習会 WEB 11月16日

頻尿を科学するー過活動性膀胱と夜間頻尿の治療戦略―北大阪ほうせんか病院 泌尿器科部長 内田欽也先生
一部のめ列挙
夜間頻尿の定義:排尿のための睡眠中の覚醒
症状:排尿のため夜に目が覚める
サイン:睡眠中に尿をするために起きた回数、排尿日誌を使用して定量化する必要がある

夜間泌尿の診療ガイドライン
夜間頻尿を訴える中高年者
  ↓
基本評価一般
病歴聴取                       症例を選択して行う評価

症状・QOL評価                    排尿記録
 主要下部尿路症状スコアー(CLSS)          尿流動態検査
 国際前立腺症状スコアー(IPSS)           血清クレアチン測定
 過活動性膀胱症状スコアー(CABSS)         上部尿路超音波検査
身体所見(直聴診)
尿検査
尿流測定
残尿測定
血清PSA測定
前立腺超音波検査
IPSSとQOLスコア
0点から5点 なし、5回に1回未満、2回に1回未満、2回に1回程度、2回に1回以上、ほとんどいつも
1過去1か月間、排尿後に尿がまだ残っている感じがありましたか?(残尿感)
2過去1か月間、排尿後2時間以内にもう一度行かなければならないことがありましたか?(頻尿)
3.過去1か月間、排尿途中に尿が途切れることがありましたか?(途絶)
4.過去1か月間、排尿をがまんするのがつらいことがありましたか?(切迫)
5.過去1か月間、尿の勢いが弱いことがありましたか?(尿勢)
6.過去1か月間、排尿開始時にいきむ必要がありましたか?(閉塞)

0点から5点 0回 1回 2回 3回 4回 5回
7.過去1か月間、就寝後から朝起きるまで普通何回排尿におきましたか?(夜間)

前立腺の重症度を推測する 7つの質問の合計点
軽症 :0-7点 中等症:8-19点 重症 :20-35点

QOLスコア
QOLは生活の質(Quality olife)の略語です。排尿状況の満足度を自己申告を元に評価します。IPSSスコアと合わせて用いられることが多いです。
質問:現在の尿の状態がこのまま変わらずに続くとしたら、どう思いますか?

回答
 
点数
 
とても満足
 
0
 
満足
 
1
 
ほぼ満足
 
2
 
なんともいえない
 
3
 
やや不満
 
4
 
いやだ
 
5
 
とてもいやだ
 
6
 
QOLの点数は次の3段階に分類して使います。軽症:0、1点 中等症:2、3、4点 重症:5、6点
前立腺肥大症の治療方針を決定するのはIPSSですが、QOLスコアを併用して参考にすることで重症度の判定はより正確なものになります。

過活動性膀胱症状質問票(OABSS)
質問
 
症状
 
頻度
 
点数
 
1
 
朝起きたときから寝るときまでに、何回くらい排尿をしましたか?
 
7回以下
 
0
 
8-14回
 
1
 
15回以上
 
2
 
2
 
夜寝てから朝起きるまでに、
何回くらい排尿をするために起きましたか?

 
0回
 
0
 
1回
 
1
 
2回
 
2
 
3回以上
 
3
 
3
 
急に尿がしたくなり、
我慢が難しいことがありましたか?

 
なし
 
0
 
週に1回より少ない
 
1
 
週に1回以上
 
2
 
1日に1回くらい
 
3
 
1日に2-4回
 
4
 
1日5回以上
 
5
 
4
 
急に尿がしたくなり、
我慢できずに尿をもらすことがありましたか?

 
なし
 
0
 
週に1回より少ない
 
1
 
週に1回以上
 
2
 
1日1回くらい
 
3
 
1日2-4回
 
4
 
1日5回以上
 
5
 
 
 
合計得点
 
 
 

 
過活動膀胱の診断基準は、OABSSで質問3の症状が2点以上でかつ合計スコアが3点以上と決められており、重症度はOABSSの点数をもとに次の3段階に分類されます。
軽症: 5点以下 中等症:6-11点 重症: 12-15点

過活動性膀胱(OAB)の診断
OABとは尿意切迫感を必須とした症状症候群
通常は頻尿と夜間頻尿を伴う
切迫性尿失禁は必須でない

排尿日誌を使用する場合
多尿        夜間多尿       多尿も夜間多尿もなし 
          アルゴリズム1   アルゴリズム2      アルゴリズム3
膀胱畜尿障害あり 多尿の精査・治療   膀胱畜尿障害の治療   膀胱畜尿障害の治療
         膀胱畜尿障害の治療  改善なし
              夜間多尿の治療  
なし 多尿の精査治療    夜間多尿に対する治療  睡眠障害の精査・治療

排尿日誌(推奨グレードA)により
     昼間と夜間の排尿回数、1回排尿量、1回尿量、昼間尿量、夜間尿量
     夜間多尿指数 就寝後の第一覚醒時間などの情報を正確に知ることができる
     3日間日誌をつければわかる

多尿 24時間尿量>40ml×kg体重
夜間多尿:夜間多尿指数
    夜間尿量÷24時間尿量 高齢者 >0.33 若年者>0.20
膀胱容量低下型 最大排尿量÷体重 <4ml/kg

夜間頻尿の原因と他疾患の関連
原因
夜間多尿
機能的膀胱容量の減少 過活動性膀胱
睡眠障害

1不眠症(身体疾患、薬物、心理的・環境的要因)
2うつ病
3睡眠時無呼吸症候群 睡眠中上気道閉塞→胸腔内圧低下、静脈灌流量増加、右房負荷↑⇒心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP )が産生され夜間尿量が増加
4周期性四肢運動障害
5むずむず脚症候群

睡眠障害と夜間頻尿 第一覚醒時間を長くすることが重要(良い睡眠=最初の深い睡眠:徐派睡眠)
夜間多尿の原因
1水分過剰摂取
2抗利尿ホルモン日内変動
3心血管性
4薬剤性

高血圧に伴う夜間多尿
水分摂取増加   加齢
    ↓   日中カテコラミン高値  夜間のカテコラミン 
        ↓           相対的低値
日中                ↓
腎血管抵抗の上昇             夜間
腎血流の低下               腎血管抵抗の低下
尿産生尿の減少              腎血流量の増加
細胞外水分量の増加            ↓
    ↓               夜間尿量増加
   ANP上昇    ⇒         夜間多尿

     
利尿剤をはじめ多くの薬剤が多尿の原因となる
抗コリン薬、クロルプロマジンなど夜間に服用すると 口喝→水分摂取増量
アルコール摂取:ADH分泌抑制→多尿
Ca拮抗薬は下肢浮腫をきたすことがある→夜間多尿
  血管拡張作用→腎糸球体血流量増加→糸球体濾過量増加→多尿
塩分過剰の場合十分なNa排泄できず、夜間血圧をあげて塩分を排泄しなければならない
*夜間頻尿 もう一つの可能性
睡眠時に膀胱内の容量が一定以上になると、水チャネルであるアクアポリンを介して膀胱粘膜から尿が再吸収される 睡眠が深いとおこる 浅いと恩恵をうけれない?
治療
1多尿・夜間多尿の治療  
行動療法 生活指導 飲水 塩分制限 食事(減量)禁煙 弾性ストッキング着用 夕方の下肢挙上
飲水指導 60kg ×20-30ml=1500前後 1日水分量
暖かい住まいでは夜間頻尿が少ない 12度 1.6倍 18度 1倍
薬物療法  
夜間多尿 デスモプレッシン 男性A ミニリンメルト25μg、50μg 
2膀胱畜尿障害の治療
抗コリン剤   膀胱容積増大    高齢者は副作用が多いので慎重投与 口喝、認知障害
β3受容体作動薬 異常な膀胱収縮抑制
  ベタニス 有効性 86.6% 
有害事象 便秘0.94% 残尿量増加 0.60% 排尿困難0.36% 口喝 0.42% 高齢者でも同様
*前立腺肥大 抗アンドロゲン薬 5α還元酵素阻害剤
       α1遮断薬 PDE5阻害剤
3不眠治療
難治性過活動性膀胱治療薬
ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法
仙骨神経刺激法

 

2022-11-17 09:15:33

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摂津市医師会学術講演会WEBセミナー 11月15日

融合医学によるフレイル・サルコペニア対策について 
大阪大学大学院医学研究科 先進融合医学共同研究講座 特任教授 萩原圭祐先生  
 一部のみ列挙
フレイルの定義は?Linda Fried 
体重減少(過去1年間に4.5kg以上)
易疲労感
筋力低下
歩行スピードの低下
身体活動の低下        5つのうち3つ以上でフレイル 1つから2つでプレフレイル

フレイル 身体面  ロコモ・サルコペニア
     精神心理面 うつ・認知症
     社会的側面 孤独・閉じこもり

身体面では筋肉が注目されている
サルコペニアとは?
定義 高齢期における筋量減少・筋力低下
70才以下では13-24% 80歳以上では50%以上罹患

      サルコペニア           不活動性筋委縮
要因    加齢              活動量低下
筋断面積  低下              低下
萎縮    
速筋(Type1)優位に萎縮    遅筋(Type2)優位に萎縮
筋線維数  減少              変化なし
線維タイプ 
遅筋(Type2)化        速筋(Type1)化
サルコペニアを形成する因子
栄養状態の悪化   加齢に伴う炎症の上昇   ホルモンレベルの変化
 筋肉の合成低下  IL-6の上昇         GHの低下
 食欲の低下    TNFαの上昇        IGF-1の低下
   ↓      急性炎症蛋白の上昇     インスリン抵抗性の増大
 不活動         ↓          テストステロンの低下
 運動の欠如                    ↓
    ↓   →   サルコペニア    ←  
                  ↑← +慢性疾患
サルコペニアの予防・治療法
介入         効果                      コメント
運動         持久力と心血管のフィットネスを改善させる    全体として、有益であるが
有酸素運動      ミトコンドリアの量や活性を増価させる      運動を続ける動機づけが問題で
抵抗運動       筋肉量と強さを増加               ある
           骨格筋の蛋白合成および筋線維サイズの増強
           運動性能の向上                               
サプリメントによる  
筋肉量と強さの改善効果のエビデンスには     良質の蛋白摂取は確保されるが
栄養補助       ばらつきがある                天然の食物摂取が減少してしまう
ホルモン療法
テストステロン   
筋肉量と強さの改善効果のエビデンスばらつきあり  女性の男性化 前立腺がん増加
エストロゲン    筋肉量と機能の改善効果のエビデンス不十分     乳がんの増加
成長ホルモン    筋肉量の増加のいくつかのエビデンスあるがばらつきあり 体液貯留 起立性低血圧
ビタミンD     筋肉量と強さの改善効果のエビデンスばらつきあり   骨折の予防効果 心血管系
          特別養護老人ホームの入居者の減少          への効果
ACE阻害剤     運動耐容能の増加                  心血管系の保護効果
                                    腎機能のモニタリングが必要
現在、漢方がフレイル対策で注目されている
日本老年医学会 高齢者の安全な薬物ガイドライン2015で示されている漢方処方
処方名    エビデンス
抑肝散    認知症の周辺症状の改善 レビー小体型認知症の幻視の改善
半夏厚朴湯  誤嚥性肺炎予防 嚥下反射の改善 
大建中湯   術後イレウス予防 術後の腸管運動の改善
補中益気湯  COPD患者の栄養状態の改善
麻子仁丸   健常者の便秘改善効果
五臓概念とは 臓器ではなくシステム理解するとわかりやすい
 内分泌・代謝系+自律神経系
 循環器+中枢神経系
 消化器系
 呼吸器系
腎 泌尿器生殖器系+生命エネルギー
漢方による腎気は人の誕生から老化までを制御すると考えられている
腎気は加齢などにより減少していく その他 不安、食事の不摂生 過労 不適切な生活により減少する

腎虚によりおこる諸症状
脱毛、白髪 腰痛 骨粗しょう症 排尿障害 失禁 下肢の冷え、だるさ 皮膚の乾燥、かゆみ 難聴、耳鳴り
フレイルの構成要素
  サルコペニア
    ↓
   フレイル
  ↑    ↑
疼痛(腰痛) 神経系の低下
ツムラ 牛車腎気丸 

多様な薬理作用
   筋肉
   ↑
 牛車腎気丸(GJG)
↓     ↓
末梢神経  中枢神経

実験1
SAMP8(老化モデルマウス) 学習、記憶障害、免疫機能低下不全、概日リズムの異常

8週令  SAMP8(n=6) SAMP8(n=6) SAMR1  SAMR1
 ↓   普通食     普通食に4%GJG  普通食  普通食に4%GJG
9週令
 ↓
38週令   体重測定 各検体採取
サルコペニア生じやすいひらめ筋を組織学的に検討
組織学的に老化モデルマウスは
普通食で筋量低下、線維化著明 普通食に4%GJGで有意に改善していた
               血中IGF-1濃度が有意に上昇していた
筋肉内のグリコーゲン量のPAS染色 普通食で有意に減少
                 4%GJGで有意に増加していた

サルコペニアにおける補腎剤の作用機序
          牛車腎気丸        
      ↓         ↓         ↓
筋肉内  pAMPK↑       IGF-1↑      TNFα↓
     PCG1α↑        ↓           
ミトコンドリア機能改善     pAKT↑         ↓       
             ↓     →  ↓
           pGSK3β↑      pFoxO4↑
              ↓         ↓
        グリコーゲン合成の改善       MuRF1
                           ↓
                          筋委縮の改善

結果のみ 
末梢神経 痛みモデルマウス GJGは疼痛閾値を改善する
                 脊髄後角のニューロンのミクログリアの活性化を抑える
                 ミクログリアから分泌されるTNFαは疼痛のトリガーである
              GJGはTNFαの発現を低下させる 減少させる
    牛車腎気丸は活性化ミクログリアからのTNFα産生抑制を介して疼痛閾値を改善していくことが明らかとなった   
中枢神経 EAEモデルマウス 臨床的に運動麻痺が出現 炎症性脱髄病変
     GJGがEAEモデルマウスの麻痺の改善を認めた
        TNFα抑制を介して活性化ミクログリア抑制することによる

 

2022-11-16 05:59:31

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