内科(呼吸器・循環器・消化器・糖尿病外来・各種健診(入社・定期))
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探梅 1月16日

探梅ー大阪城公園に早先の梅を探しに行きました
蝋梅(ロウバイ)の黄色の梅 冬至(トウジ) 白色の梅日光(ニッコウ) ピンクの梅が咲いていました


梅林内の早咲き品種は多くはないですが、とても存在感のある梅たちでした

早く春が来ないか(コロナが消えないか)と祈りながらの散策 約1時間散歩
 

2022-01-16 16:14:47

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Web講演会 1月15日

2型糖尿病患者さんの一生を考える
大規模国際共同コホート研究 2型糖尿病 1177896例 初発疾患
         全体集団    日本人集団
CKD       36.2%      39.3%
心不全      23.7%      30.6%

脳卒中      16.4%      19.8%
心筋梗塞     14.0%      3.5%
末梢動脈疾患    9.7%      6.8%

腎臓専門医から 兵庫医科大学総合内科講師 長澤康行先生
腎臓専門医から 慶応義塾大学医学部循環器内科準教授 佐野元昭先生
糖尿病専門医から 北海道大学大学院医学研究科 糖尿病肥満病態治療学分野特任教授 三好秀明先生

腎臓専門医の立場から
厚生労働省 糖尿病性腎症重症化予防プログラム 基本的な考え方 人工透析への移行を防止がメイン
CKD診療ガイドライン2018 DM患者に集学的治療は推奨されるか? B1
集学的治療
生活習慣の修正(BMI22、運動、禁煙、塩分制限食)
血糖、HbA1C<7%
血圧 130/80未満
血清脂質 LDL-C120mg/dl未満 HDL-C40mg/dl以上 TG 150mg/dl未満(空腹時)

J-DOIT3研究
腎臓 eGFRの低下 全体 有意な差はない 強化治療群と標準治療群に
    eGFR<60においても有意な差はなかった

J-DOIT3研究でほとんど使用されていない糖尿病治療薬は?
SGLT2阻害剤 GLP-1受容体作動薬
EMPA-REG試験
全Outcome 14%有意に低下
心血管死  38% 有意に低下
心不全入院 35% 有意に低下
  実際の大規模臨床試験でも心不全が減った糖尿病治療薬

                  ↑
                心不全の治療薬に使用される薬剤と同様の影響
   鬱血への影響   →  ↑
   水利尿(SGLT2阻害剤・V2阻害剤) 
   SGLT2阻害剤  ・・・・緻密班の不活性化
eGFRが少し低下   →  →   RAS系への影響
尿蛋白が減り     証明している

低血糖が少ない≒交感神経刺激が少ない
腎アウトカム(微量アルブミン尿発症、顕性蛋白尿移行、Crの2倍化) 39%有意に減少
腎アウトカム(Crの2倍化・腎代替療法・腎関連死)    46%有意に減少
腎予後や生命予後改善に関してはJ-DOIT3では(―)EMPAREG試験では(+)
糖尿病性腎症重症化予防プログラムの観点での糖尿病治療戦略
糖尿病患者の発見
   ↓
糖尿病患者全体でのSGLT2阻害剤内服(この時点で、1次予防・2次予防ともに腎症半減)
   ↓
それでも血糖高値になれば糖尿病患者においての血糖を含む集学的治療
(網膜症、脳梗塞イベントの減少効果)

循環器専門医の立場から
うっ血性心不全増悪のメカニズム
心駆出力の低下に対して静脈灌流を増やして、心拍出量を維持しようとしているが、その代償として、うっ血を生じる
心拍出量低下→脳血流低下→脳より交感神経活性→心・血管系活性→心機能↑
                     ↓
                   腎交感神経活性 Na再吸収増加 水再吸収増加

心不全治療の基本 循環平衡点をCO増加、うっ血減少の方向へ導く
       StageC 心不全
          利尿剤
       SGLT2阻害剤 ARNI
       MRA       Ivabradine 
                vericiguat   
     循環平衡を良いところへ早く誘導する

           ↓ β遮断薬
       心不全の予後とQOLを改善する

糖尿病
心不全につながる警告サインがすでに点灯している
    脳   → 交感神経アウトプットの増加→ 心臓 脈拍増加 心不全リスクの増加
    ↑                      → 血管 動静脈の収縮   血圧上昇
                                                 ↑
腎臓 
ストレス                   → 腎臓 Naと水の再吸収亢進→体液貯留
糖尿病(SGLT2過剰発現、虚血など血行動態のパラメータが
     健常と比して変化した状態で新たな恒常性を形成している

HFrEFは左室 心臓肥大 容量肥大 収縮力低下  表にでるので早期検出しやすい
HFpEFは左室の筋肥大 内腔狭小 収縮力上げて代償している
見つけたころにはToo LATE

既存の治療では心筋の柔軟性を取り戻すことができていない
 悲観的に考えるとHFpEFは、HFrEFと比較すると症状が出るのが遅いために、症状が出たころにはもはや病気がかなり進行していてすでにinreversibleな変化をおこしているとも考えられる
心不全診療における臨床イナーシャに注意が必要 早期SGLT2阻害剤で治療・

糖尿病専門医の立場から
SGLT2阻害剤のベネフィットとリスクを勘案して、適正な患者さんへ適正に処方されることが必要
              SGLT2阻害剤

最大化すべき                            最小化すべき
ベネフィット                                リスク

血糖低下(低血糖リスクが低い、血糖変動の最小化)    1性器感染症(膣カンジタ)数%もう少し多い?
体重(内臓脂肪)減少                  2低血糖とケトアシドーシス
血圧・脂質                           SUとインスリン併用時の用量調節
尿酸低下                        3体液量減少関連副作用(便秘、皮疹、ふらつきなど)
臓器保護
心不全入院・心血管死減少
心血管イベント減少(2次予防)
腎臓への影響
脂肪肝への影響
膵β細胞への影響  
リスクについて
1性器感染症 気軽に相談してもらい内科でも軽症なら真菌クリームや膣剤を処方する
2SGLT2阻害剤による尿糖排泄量は血糖値と腎機能に規定される
eGFR別のHbA1C変化量   体重変化
30未満  0.04%低下     2.57kg  体重減少は腎機能、HbA1Cの値ではかわらない  
30-45   0.14%        2.58kg
45-60   0.3%         2.51kg
60-90   0.49%        2.92kg
90以上   0.72%       2.68kg
*HbA1Cが高いほどHbA1Cは下がる
HbA1C低下の程度は腎機能とHbA1c前値に影響を受けるが
体重減少の程度はは腎機能とHbA1c前値に影響を受けない

イブラグリフロジンによる体重減少の71%は脂肪量の減少
5.5%は蛋白質 22%水分量 1.4%ミネラル量

SGLT2阻害剤による糖尿病性ケトアシドーシスの機序
SGLT2阻害剤 1 血中インスリン低下
       2 グルカゴン/インスリン比↑ →     肝臓   ↑肝糖新生/グリコ―ゲン分解
                  ↓                  ↑    ケトン体産生↑
                脂肪 脂肪分解亢進 血中FFA増加
                            *シックデイ時や周術期の不適切なインスリン減弱・中断
                             極端な糖質摂取不足、脱水などの誘因がこの流れを増強
                                     ケトアシドーシスへ

頻度 DKA発生頻度は約1件/1000人・年  通常の1.66倍(SGLT2使用)
DKAを起こさないために特にきをつけるのは
インスリン分泌能が低下している患者でのインスリン減らしすぎ
インスリン必要量が亢進している状況での不十分なインスリン補充
ブドウ糖排泄を補充する分の糖質摂取が不十分な時

低糖質で血中ケトン体増加
15日   低糖質40% 900μmol/L (1500以上危険)
脱水による脂肪分解亢進機序が重なった時にSGLT2阻害剤によるケトアシドーシスは発症する
ラットでの実験より
SGLT2阻害剤開始により脂肪酸利用にシフトする中、脱水が加わると、脱水によりエピネフリンやコルチゾールが増加する
ことで脂肪分解がさらに進みケトン体産生がさらに増加する
→シックデイ時には糖質不足や脱水に対する注意が必要 (一時休薬指示の徹底)

ケトアシドーシス 自覚症状 高血糖症状+嘔気・嘔吐、腹痛 過呼吸など
SGLT2阻害剤使用例では35%が正常血糖ケトアシドーシス

3ふらつき  血管内脱水ではない ふらつきは過降圧が原因の可能性?降圧薬の減量調整が必要となることがある
尿量が増えるのはDay1 Day28
24時間尿量  800ml   200ml 数日は尿量増えるがその後は通常どおり

高齢者には喉が乾いたら水分をとるよう指示
しかしSGLT2阻害剤は高齢者においても若年者とかわらない頻度の有害自傷であり、同じように使用可能

高齢者におけるSGLT2阻害剤への期待
心血管障害 心不全 腎機能低下 認知機能への影響?がんへの影響?
多併発疾患 多剤併用
積極的に;適応対象 脂肪肝 腎症2-3期 冠動脈疾患の既往 心不全合併患者
ただしフレイル(認知症、サルコペニア)を除く

*SGLT2阻害剤開始前から受診毎に体重チェックを忘れない(高齢者でのサルコペニアを進行させない)
糖尿病患者では血中CPRを測定し、インスリン分泌能を評価しておく

 

2022-01-16 08:07:05

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Web講演会1月14日

高齢者糖尿病治療のポイントと最近の話題  千葉大学大学院医学研究院 内分泌代謝血液老年内科学教授 横手幸太郎先生
日本の糖尿病患者に高齢者の占める割合 平成28年国民健康栄養調査
糖尿病が強く疑われる人 65才未満 26.8% 65-75才未満 41.8% 75才以上 31.4%
 

高齢者糖尿病診療の留意点
早老症から学ぶ糖尿病治療
血糖低下治療の新たな一手

高齢糖尿病患者の主な臨床的特徴
すでに種々の合併症を有することが少なくない
臓器予備能の低下に伴い、薬剤の効果増強や副作用を発現しやすい
脱水や高血糖による急性代謝障害を生じやすい
無自覚・遷延の重症低血糖を起こしやすい
食後のみに高血糖を呈することが少なくない
精神的・身体的機能が多様である
      メタボからフレイル対策へ
   65才      75才
       個別指導
メタボ対策         フレイル対策
カロリー制限       適正なカロリー
塩分制限         十分な蛋白質
脂肪制限         十分なビタミンD、ミネラル
有酸素運動        レジスタンストレーニング
               筋力維持

高齢者糖尿病の血糖コントロール
カテゴリー 1,2,3 認知機能で
低血糖をきたす薬剤(SU、グリニド、インスリン)で変える
基本的ADL 移乗 歩行 階段 トイレ動作 入浴 整容 更衣 排便 排尿 食事 
手段的ADL 電話をとる 買い物 金銭のやりとり 薬の管理 服用 車運転 炊事 洗濯など
独居ができるかどうか?

DASC-8で認知・生活機能判断する
1 点  2 点  3 点  4 点
A もの忘れが多いと感じますか 1. 感じない 2. 少し感じる 3. 感じる 4. とても感じる
B 1年前と比べて、もの忘れが増え たと感じますか 1. 感じない 2. 少し感じる 3. 感じる 4. とても感じる
1 財布や鍵など、物を置いた場所が わからなくなることがありますか
1. まったくない 2. ときどきある 3. 頻繁にある 4. いつもそうだ 記憶 近時記憶
2 今日が何月何日かわからないとき がありますか
1まったくない 2. ときどきある 3. 頻繁にある 4. いつもそうだ 見当識 時間
3 一人で買い物はできますか
1. 問題なくできる 2. だいたいできる3. あまりできない 4.まったくできない 手段的ADL買い物
4 バスや電車、自家用車などを使っ て一人で外出できますか
1.問題なくできる 2. だいたいできる 3. あまりできない 4.まったくできない 交通機関
5 貯金の出し入れや、家賃や公共料 金の支払いは一人でできますか
1. 問題なくできる 2. だいたいできる 3. あまりできない 4.まったくできない 金銭管理
6 トイレは一人でできますか
1. 問題なくできる 2. 見守りや声がけ を要する 3.一部介助を要する 4.全介助を要する 基本的ADL 排泄
7 食事は一人でできますか
1. 問題なくできる 2. 見守りや声がけ を要する 3.一部介助を要する 4.全介助を要する  食事
8 家のなかでの移動は一人でできますか
1. 問題なくできる 2. 見守りや声がけ を要する 3.一部介助を要する 4.全介助を要する 移動
DASC-8:(1 ~ 8 項目まで)の合計点 点 /32 点
DASC-8 の合計点の関係 
カテゴリー1(認知機能正常かつ ADL 自立):10 点以
カテゴリー2(軽度認知障害 ~ 軽度認知症または手段的 ADL 低下、基本的 ADL 自立):11-16 点
カテゴリー3(中等度以上の認知症または基本的 ADL 低下または多くの併存疾患や機能障害):17 点以上

糖尿病性 細小血管障害 網膜症 腎症 神経障害
                  大血管障害/動脈硬化性疾患
                  認知症 がん 骨粗しょう症

J-DOIT3研究  
包括的リスク管理 (体重、血圧、血糖、脂質)
脳血管イベント 58%減 
主要評価項目(心筋梗塞、脳卒中、血行再建術、死亡) 24%減 腎症 32% 網膜症 14%減少させた 

血糖 HbA1C<7%
LDL-C 120mg/dl未満
血圧  130/80未満 を目標に

食事運動療法・薬物治療の効果 細小血管障害の予防効果発現 5-10年
                     大血管障害の予防効果発現  10-20年
薬物治療の副作用リスク 毎日に服用・注射 体重増加 経済的負担 負の作用の可能性 すぐでる

75歳以上の場合 負の側面>アウトカムの改善?
1%のHbA1C低下により得られるQALYs(質調整生存年)の検討
治療開始時のHbA1C 年令 治療による負の効用値を変数とした場合
45才 負の効用値 0,001
55才 負の効用値 0.01
75才 負の効用値 0.05に  多剤併用やインスリン治療では最も下がる 

全く無害 =0 死亡=1.0
高齢者糖尿病170名CGM解析における低血糖リスクはインスリン使用で高く、DPP4阻害剤では低下していた
日本2型糖尿病高齢患者における血糖コントロールと心血管イベントの関係:診療データーベースを用いた研究
HbA1Cを値別の4つの集団において1-4のグループ
65歳以上 1<6.3% 2 6.3-6.5% 3  6.6-7.1%  4>7.2%
複合脳、心血管イベントはグループ4で発現率が最も高かった
SU剤やインスリン注射の時はUカーブ現象があったが、現在ではHbA1Cが低いほど脳、心血管イベント発現率は低下する

Werner症候群(WS、遺伝的早老症)
常染色体劣性遺伝病
DNAヘリカーゼWRN(DNA修復・テロメア安定化)の変異が原因
白毛、脱毛  20才~   白内障 30才~ インスリン抵抗性の強い糖尿病 30歳~
心筋梗塞 悪性腫瘍 40才~
平均死亡年齢 46才
日本に多い 6割(全世界の)
WRN遺伝子(DNAヘリカーゼ)変異
     ↓
    内臓脂肪   TNF α↑ アデポネクチン↓
  インスリン抵抗性
  高インスリン血症  
耐糖能障害 脂質代謝異常 高血圧
    ↓
  粥状動脈硬化の発症・進展

適切な治療を行えば(耐糖能障害 脂質代謝異常 高血圧の是正など)予後は改善できる
1996年以前42.4才→ 2007年 54.8才以上に
WSにおける細胞老化促進機序
WRN変異→NAD低下→mitophagy抑制
→異常ミトコンドリア蓄積→ROS増加→老化促進
NAD(Nicotinamide riboside)を用いた臨床研究
WS細胞では異常ミトコンドリアが増加し、NR補充により改善
WRN KO線虫の寿命短縮はNR補充により改善

テロメラーゼを導入したWSの皮膚線維芽細胞は早期細胞老化を免れる
早老症ウエルナー症候群由来のIPS細胞の樹立
ウエルナー症候群の患者皮膚線維芽細胞→山中4因子→IPS細胞→免疫不全マウスへの移植
特異的IPS細胞を用いた老化促進メカニズムの解明
希少難病疾患患者に対する診療の質の向上を目指して

イメグリミンの作用機序
NAMPT(NAD+合成系酵素)遺伝子発現増加
細胞内Ca濃度増加 β細胞保護
膵β細胞におけるグルコース濃度依存的なインスリン分泌を促す膵作用
ミトコンドリア呼吸鎖複合体1競合阻害(活性酸素産生低下)
肝臓、骨格筋での糖代謝を改善する膵外作用(糖新生抑制、糖取り込み改善)
という2つのメカニズムで血糖降下を示す
国内臨床試験
第三相試験 TIMES試験
単独試験 1000mg(1日2回)  24週で0.72%HbA1C低下 徐々にゆっくり下がってくる印象(dual作用?)
特にめだった副作用無し
長期併用試験  HbA1C
52週  単独 -0.46    SU -0.56%  αGI -0.85% グリニド -0.70 ビグアナイド -0.67%
     チアゾリジン -0.88% DPP4阻害剤-0.92% SGLT2阻害剤 -0.57% GLPRA -0.12%
ビグアナイド併用で消化器症状少し増えた SU剤で低血糖少し増えた
インスリン併用 -0.63% HbA1C 若干低血糖増えた

高齢者における糖尿病の包括的管理
身体的機能       精神・心理機能    社会・経済的機能   
合併症          認知機能        家族・友人との交流
ADL            うつ状態        経済状態
咀嚼・嚥下機能            意欲         
               ↓
         QOLの考慮     ← 価値観 人生観

目標設定、治療方針の決定
介護支援、社会参加 社会貢献への支援
生きがい作りへの支援

2022-01-15 06:51:15

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Web講演会  1月13日

ガイドラインから学ぶ脳卒中診療のポイント 自治医科大学内科学講座神経内科学部門 講師 松園構佑先生
2009年→2015年→2021年ガイドラインできた
仮想症例1 心房細動に対する治療
仮仮想症例2 脳梗塞超急性期治療
仮想症例3 TIAに対する治療
仮想症例4 ESUSに対する治療

仮想症例1 76歳男性 生来健康で過ごしていた 75歳時に一過性脳虚血発作(TIA)を発症し、病院を受診したところ
発作性心房細動と診断された。
発作性であることと、出血のリスクを恐れられたため、β遮断薬とアスピリンが処方され、通院を継続していた
結果 心源性脳塞栓症を発症。その後出血性脳梗塞に進展し、mRS=5の全介護状態に・・

ガイドラインを確認する
心房細動
2009年の段階では75歳以上NVAFのある脳梗塞またはTIAでは、やや低用量(INR1.6-2.6)が推奨される
推奨グレードB  ワルファリン
2015年では抗血小板薬はグレードD 行わないように勧められると記載 しかし抗凝固薬禁忌の場合は条件付きでグレードBとされ、抗血小板薬処方の余地が残された

2021年
DOACという用語が使用 DOAC、ワルファリンは推奨度A=行うように勧められるに格上げされた
DOAC Direct Oral Anticoagulants
ダビドガラン(プラザキサ)  2011年発売
リバロキサバン(イグザレルト) 2012年発売
アピキサバン(エリキュース) 2013年発売
エドキサバン(リクシアナ)   2014年 適応拡大

心原性脳塞栓症の予防に対する抗血小板療法の項目はガイドラインから削除された
抗凝固療法が推奨度Aである以上、例外も含め抗血小板療法は認めない

脳梗塞1次予防においても不整脈治療薬物ガイドライン2020で
CHADS2スコアー 
心不全 高血圧 年齢75歳以上 糖尿病 1点       その他のリスク
脳梗塞やTIAの既往         2点      心筋症 年齢65-74歳 
     1点以上                  血管疾患(心筋梗塞既往、大動脈プラーク、末梢動脈疾患など)
  推奨 DOAC                           持続性・永続性AF 
  考慮可 ワルファリン 年齢によらずINR1.6-2.6      腎機能障害 低体重≦50kg 左房径>45mm
                                        ↓
                                考慮可 DOAC ワルファリン年齢によらず
INR1.6-2.6 
75歳以上 推奨
65歳以上 考慮可能 投与しても許される

心房細動に対する医療実態
60歳以上の高齢者では心源性脳塞栓症の原因は70-85%が心房細動でる  
しかし50%以上は抗凝固療法が投与されていない
70歳以上の脳梗塞発病者のうち、心源性脳塞栓症の場合は、約40%がmRS=5または6、80歳以上で心源性脳塞栓症するとmRS=0-2の割合は20%に満たない

2脳梗塞超急性期治療
2015年 発症4.5時間以内 血栓溶解療法  t-PA静注療法
        発症8時間以内  血管内治療
2021年 発症時刻不明 の場合 頭部MRI用いてt-PA静注療法の適応が認められた推奨度C
      血管内治療は経動脈的血行再建療法として項目化された。推奨度Aを含め、詳細に細分化された
発症時刻不明(明らかに発症から4.5時間超は除く)

頭部MRI FLAIR(+)   → ↓     →      ↓
FLAIR(-)            発症4.5-6時間    発症6-16(24)時間

発症4.5時間未満          ↓           頭部MRI DWI-ASPECTS≦6点
   ↓                              DWI-ASPECTS≧7点     ↓
 超音波                              NIHISS≧6点     再開通療法適応無し
ICA or MI 閉塞
 禁忌項目を確認後rt-PA治療 ←      ↓           ↓
 NIHISS≧6点                      
 CT-ASPECTS≧6点                    
ICA Or MI 閉塞                        ↓ 
    ↓          
  血管内治療                         ←      
脳梗塞超急性期治療は複雑化した
→専門医療機関、脳卒中専門医に治療を依頼してください

3TIAに対する治療
TIAに関するガイドライの記載は2015年、2021年でほぼ同様である
推奨 TIAを疑えば可及的速やかに発症機序を評価し、脳梗塞予防のための治療を予防のための治療を直ちに開始するように勧められる(推奨度A エビデンスレベル高)
ABCDスコアーをはじめとした予測スコアーの有用が妥当である(推奨度B、エビデンスレベル中)
TIAの急性期(発症48時間以内)の再発防止には、アスピリン160-300mg/日の投与が推奨される(グレードA)。
ABCD2スコアが3点以上の場合には入院して治療を開始するべき、とされています。

A Age 年齢>60歳(1点)
B Blood Pressure 血圧 >140/90 (1点)
C Clinical feature(臨床像) >半身まひ (2点) マヒのない言語障害(1点)
D Diabetes (糖尿病) (1点)
D Duration of Symptoms(持続時間) 10-59分は1点、60点以上は2点

TIAや軽症脳卒中であっても専門施設対応が求められる
EXPRESS 研究
             発症から初回までの平均期間   薬物治療開始までの平均日数
Phase 1(310名)  3日後(2-5日)            20日後(8-53日)      
Phase 2(281名)  1日未満(0-3日)          1日後(0-3)
Phase 1      vs  Phase2
32/310 (10.3%)   6/281(2.1%)  脳卒中再発率

TIA 軽い発作としてはいけない危険な発作
本格的な脳梗塞の前触れとなる
TIAを起こすと3か月以内に6人に1人が脳梗塞を発症するが、その半数が48時間以内である
脳梗塞と同様の症状が短時間(通常は30分以内)続いて消失する
MRIで異常がないのがTIAである
FASTがあれば脳卒中? F 顔面の麻痺 A 腕の落下 S 言葉の障害

4ESUSに対する治療
2015年には記載されていなかった
TOASTの分類
1 アテローム血栓性脳梗塞
2 心源性脳塞栓症→抗凝固療法の適応
3 ラクナ梗塞
4 その他の脳梗塞 大動脈原生脳塞栓症 BADなど
5 原因不明の脳梗塞 ESUS

約25%が原因不明
ESUSにDOACを投与してよいのか? 推奨度D × 2つの独立した大規模ランダム前向き比較試験の結果から
ESUSに対してはアスピリンの使用が正解 推奨度B エビデンスレベル中

 

2022-01-14 09:06:40

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Webカンファレンス 1月12日

成人期ADHDで気づかれない方々の苦悩 福井大学医学部精神医学講座 教授 小坂浩隆先生
一部のみ列挙
ADHDの有病率 30人クラスではAD/
HDの児童は1-2人存在
小児 5.29%  男女比 2:1 男子に多い
成人 1.65%  男女比 1.6:1 男女差減る
(他の統計では2.58%から6.76%まで幅広い)

身近にいるかもしれない・・・
ADHDの中核症状(成人期)
不注意型 業務環椎が困難、計画通りにできない 整理整頓が苦手、無くした物が多い 
     見通し、予測といった時間間隔がない
多動性型 しゃべりすぎる そわそわして忙しそう、仕事を過剰に引き受ける 貧乏ゆすり
衝動性型 易刺激性 短気 転職を繰りかえす 危険運転(信号無視、スピード違反)交通事故
       喫煙、カフェインの過剰摂取 衝動買い 無駄買い
しかし・・・成人期はこの症状をもつ当事者の方々でこれらの中核症状が「主訴」になることが少ない
その結果、青年期のADHDは見過ごされやすい・・

ADHDの中核症状の影響による周辺症状
医療制度                               家庭
自転車・自動車事故↑                     情緒的な感情の突出↑
救命救急率・外来受診率↑                   元来の自尊心↓
外来受診処方請求額↑                     失敗による自尊心の喪失↑
入院率↑                           家庭慣習における個人の無秩序行動↑
                              親の離婚・離別↑兄弟げんか↑
教育・雇用                              社会
学業成績↓除籍・退学↑                   禁煙率↓ネット依存↑
常習的欠勤↑                          金銭管理能力↓借金↓
出勤の遅刻・アポイントの遅刻↑               物質使用の障害率↑開始年齢↓
職業地位↓転職数↑労働損失費↑            交通違反率 犯罪率 ↑
期限に間に合わない↑                    人間関係の構築↓維持の困難↑
物事を間違える↑                       易怒性 口調で罵倒回数↑
                                   傾聴スキル↓社会スキル↓
 
ADHDの問題点 虚言壁 ADHDを持つ方はその場しのぎの返答をする。結果として虚言になっていることがある
ADHDの有病率          児童期 思春期 成人期
大うつ病性障害52研究16897名   28%    17%  7%
双極性障害  92研究 17089名   73%   43%  17%

成人期のADHD者の87%が精神疾患を併発  2017年メタ解析
不安 25-35% 双極性 5-20%  うつ 30-50% 物質使用障害47%
児童・思春期のADHD者の52%が精神疾患を併発
                 ADHD
                ↓  ↓  ↓
双極性障害 うつ病 不安障害 睡眠障害 物質使用障害 強迫性障害 学習障害

スエーデンの研究 18-64才の5551807名調査 成人期ADHD61129名調査 
不安障害 うつ病  9倍双極性障害 20倍
2型糖尿病 2.4倍 HT 1.9倍

             ASD   ADHD
肥満 BMI≧30      21.8% 14.7%
過体重 BMI 25-30   19.8% 20.9%
低体重 BMI 18.5未満  6.4%  4.0%

気分障害圏  ADHD 11.1%(私見ではその倍は?)
不安障害圏  ADHD 9.9% (私見ではその倍は?)
物質使用障害圏 ADHD 12.5%(私見ではその倍は?)

うつ病や不安障害にADHDが隠れていることを常に念頭に置くべし
ADHD男児(n=140) 健常男児(n=120) 10年後フォロー
不安障害・うつ病・反社会行動が有意に高くなる ADHDで
女性では摂食障害も有意に多くなった

2002年研究 
       対照者  ADHD患者
高校中退  3%    36%
退学処分  3%    18%
停学     20%    60%
留年     16%    40%
              対照者  ADHD患者
解雇される可能性が高い  オッヅ比1  3倍
頻繁に転職する        1   2.5倍

教育レベル 職業レベルも有意に低下している
 
ADHDの存在を疑う
診断がつけられれない「よくわからない」「得たいがわからない」方々
虚言壁なかた   パーソナリティ障害 新型うつ病の方々
           薬物治療抵抗性(標準的治療に無反応)の方々
ギャンブル依存 アルコール依存 の方々
朝の起床困難な方

成人期のADHDの自己記入式症状チェックリスト ASRS-V1.1
パートA パートB 全くない めったにない 時々 頻繁 非常に頻繁 物事を行なうにあたって、難所は乗り越えたのに、詰めが甘くて仕上げるのが困難 だったことが、どのくらいの頻度でありますか。
1. 氏 名 日 付 計画性を要する作業を行なう際に、作業を順序だてるのが困難だったことが、どの くらいの頻度でありますか。
2. 3. 約束や、しなければならない用事を忘れたことが、どのくらいの頻度でありますか。 じっくりと考える必要のある課題に取り掛かるのを避けたり、遅らせたりすること が、どのくらいの頻度でありますか。
4. 長時間座っていなければならない時に、手足をそわそわと動かしたり、もぞもぞした りすることが、どのくらいの頻度でありますか。
5. まるで何かに駆り立てられるかのように過度に活動的になったり、何かせずにいられ なくなることが、どのくらいの頻度でありますか。
6. つまらない、あるいは難しい仕事をする際に、不注意な間違いをすることが、どの くらいの頻度でありますか。
7. つまらない、あるいは単調な作業をする際に、注意を集中し続けることが、困難なこと が、どのくらいの頻度でありますか。 8. 直接話しかけられているにもかかわらず、話に注意を払うことが困難なことはどの くらいの頻度でありますか。
9. 家や職場に物を置き忘れたり、物をどこに置いたかわからなくなって探すのに苦労 したことが、どのくらいの頻度でありますか。
10. 11. 外からの刺激や雑音で気が散ってしまうことが、どのくらいの頻度でありますか。 会議などの着席していなければならない状況で、席を離れてしまうことが、どのくらい の頻度でありますか。
12. 13. 落ち着かない、あるいはソワソワした感じが、どのくらいの頻度でありますか。 時間に余裕があっても、一息ついたり、ゆったりとくつろぐことが困難なことが、 どのくらいの頻度でありますか。
14. 15. 社交的な場面でしゃべりすぎてしまうことが、どのくらいの頻度でありますか。 会話を交わしている相手が話し終える前に会話をさえぎってしまったことが、どの くらいの頻度でありますか。
16. 順番待ちしなければならない場合に、順番を待つことが困難なことが、どのくらいの 頻度でありますか。
17. 18. 忙しくしている人の邪魔をしてしまうことが、どのくらいの頻度でありますか。
Aで4つ以上A,Bで9個以上 ADHDの症状を持っている可能性がる
ADHD傾向者においてもうつ病、全般性不安障害 5-10倍 双極性障害 10-15倍に 不眠症5倍
今回の講演のメッセージ
成人期になってはじめて気づかれるADHDをもつ方々がおられます
社会適応不全は著しく、自尊心が著しく低下しています
周辺症状や2次障害のために、別の精神疾患に見えたり。「かわった人」と評価されたりします
ADHD傾向があるかもと疑うことからはじめてみてください
ADHD診断がついていないADHD傾向の方々も日常生活に苦悩しています

医療者がADHDをもつかた、その家族の訴えに傾聴し、支援するだけでも、状況は好転していきます

 

2022-01-13 06:01:01

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Web講演会 1月11日

血糖変動を考慮した新時代の糖尿病注射療法―IDegLiraへの期待―
神戸大学大学院医学研究科医科学専攻准教授 坂口一彦先生

一部のみ列挙
基礎インスリン製剤の差異 GLP-1RAの位置付け
理想的な持続型インスリンとは?
作用時間が十分に長い 
効果が安定している  作用がflatである  個体内での変動(効果の日差変動が少ない)

血糖変動とは
日内変動 日差変動
日差変動も問題であるエビデンス
空腹時血糖のMeanによる3群分け
2型糖尿病患者10年間のフォロー
空腹時血糖のMeanによる3群分け 空腹時血糖が高い方が生存率は低い 
空腹時血糖のCVによる3群分け  空腹時血糖がばらつく方が生存率が低い

空腹時血糖の日差変動とアルツハイマー病との関係 台湾の60才以上の2型糖尿病患者16706名を8.88年フォロ
空腹時血糖のばらつき(CV)大きいほど発症リスクが高くなる
DEVOTE2試験
空腹時血糖の日差変動と重症低血糖・心血管イベントとの関係
IDegまたはIGlarU100での治療中の糖尿病患者観察の中央値1.99年
100人あたりのイベント発症率
         日差変動 大   中    小
重症低血糖         5   2.38  1.49
MACE           5.48  4.49  3.84
総死亡           2.3   2.61  3.4

異なる持効型インスリンの早朝血糖変動に与える影響
BBIS KOBE (Best Basal Insulin Study)
Degludec  Glargine 4週毎 クロスオーバー試験
FBG <130mg/dl PPG(2h)<180mg/dl 目標
       Degludec Glargine     
平均血糖値 139.5     154.2
SD     46.9    57.5
CV     34.3      37.1

BBIS-2 KOBE
Degludec vs GlargineU300  4週毎 クロスオーバー試験
FBG値のSDについて、IDegはIGlarU300に非劣性であった。FBGの平均値、CVはいずれも有意差を認めなかった
Fixed Fasting Firstが重要な理由
高血糖クランプ法(200mg/dlの高血糖刺激でインスリンが分泌されても血糖が下がらないようにクランプ)
GSIS:Glucose stimulated Insulin Secretion
インスリン分泌の検討(血糖200mgにクランプ)
    NGT(n=35) T2DM(n=40) 有意に初期インスリン分泌も追加インスリン分泌も低下
5分  60μU/ml   19μU/ml
60分 50        20

空腹時血糖別によるインスリン分泌

70-89mg/dl 51人  90-99     29人 100-114    21人 115-160     10人
空腹時が100mg/dlを超えると負荷後のインスリン分泌が低下 
      115mg/dlを超えるとAcute Insulin responseはほとんどなくなる

海外のデーター も同様
アメリカ人 25g経静脈的ブドウ糖負荷試験
70-89mg/dl 24人  90-99     20人100-114    7人115-149  3人 150-349 12人
空腹時が100mg/dlを超えると負荷後のインスリン分泌が低下 
      115mg/dlを超えるとAcute Insulin responseはほとんどなくなる

GSISとGLP-1RAによる増強
ブドウ糖濃度の絶対値に対する分泌
ブドウ糖濃度の変化速度(時間微分)に対する分泌
血糖の絶対値に対するGSISを増強する力→方法 高血糖クランプ中にGLP-1を注射
2型糖尿病患者対象 60分-120分 GLP-1注射 

血糖値は200mg/dlのままだがGLP1が存在するとインスリン分泌が亢進した
血糖変化に対するGSISを増強する力→方法 GLP-1を注射後に高血糖クランプ
NGT
前日夜にリラグルチド0.9mg注射 クランプ開始30分前にエキセナチド10μg注射
インスリン分泌が亢進した

セマグルチドのGSIS効果も示されている
1同じ血糖値に対するインスリン分泌速度(ISR増強)
2血糖上昇に対するβ細胞の感受性増強

新しい血糖評価法 TIR:Tme in range
CGMで70-180mg/dlに入っている時間の割合 70%以上が良好
TIRは内頚動脈肥厚度と逆相関した(HbA1C、CV値、SD、MAGEに比べても優れた指標)

TIRと微量アルブミン尿出現率  DCCTにおけるSMBG7検データーから
           微量アルブミン尿出現率 
TIR<10% 27%
10-20%   15%
20-30%    17%
40-50%     7%
50-60%    3%
60-70%    2%
70%以上    3%

Combination GLP-1RA with Insulin
1インスリン節約効果 2 低血糖・体重増加を防ぐ 3 GLP-1RAの消化器症状を軽減
高インスリン血症の回避 体重増加の回避 日内変動の減少
            低血糖の回避

  がん↓
 高血圧↓                 炎症     ↓
 認知症 ↓                血管内皮障害 ↓
                     酸化ストレス  ↓

 

2022-01-12 05:23:01

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ミニレクチャー1月9日

新しい生活様式における血圧コントロール 勝谷医院 院長 勝谷友宏先生
コロナ過における新しい生活様式の実践  テレワークやローテーション勤務など・・・
日常生活の変化(新型コロナウイルス感染症の感染拡大前と比べて)
2020年9月11日-14日 インターネットによる調査 10981件 15才以上
      
食事の量 睡眠時間 運動量 飲酒量 喫煙量 カフェインの量 ゲーム時間
増加した  11.8% 12.5%    7.1%  10.5% 4.4%  11.8%    18.6%
減少した  6.9%  10.3%   39.1%  10.0% 2.3%  5.9%     2.7%
運動量がかなり減った 家で調理した回数 流行前 60.5% vs 75.1% 流行後
フードデリバリーとテイクアウトの利用状況
フードデリバリー  21.6%
テイクアウト    57.7%

自粛期間中に最も多く食べたメニュー
1位 ラーメン  塩分 5.6g 
2位 カレー   塩分 3.0g
3位 パスタ   塩分 3.6g

体重の変化
増えなかった 73.8% 増えた 26.2% 平均 3.7kg増量 2020年7月17日-18日 20-60代各年齢100人ずつ
ストレスの影響? 
たばこ・喫煙関連用品の販売金額  マイナスに推移していたが、新型コロナウイルス感染症 拡大後は増加に転じた

カフェインの量は11.8%増加した
新しい生活様式において、高血圧患者さんにとって最も懸念される生活習慣の変化
食塩過剰摂取
運動不足
体重増加
ストレス増大

MR活性化経路
  アルドステロン依存                 アルドステロン非依存 
  レニン・アンギオテンシン系              ↓
  アンギオテンシン1   ←レニン         食塩過剰摂取
 
 アンギオテンシン2                 肥満
    AT1受容体                   高血糖
   ↓         ↓                ↓
             アルドステロン ↓       ↓
血圧上昇/臓器障害          MR        ←       
                   ↓
                  MR関連高血圧/臓器障害

血圧のコントロール
〇生活習慣の修正 
1食塩制限6g/日未満 
2野菜・果物の積極的摂取を控える 多価不飽和脂肪酸、低脂肪乳製品の積極的摂取
3適正体重の維持BMI25未満 4 禁煙 5節酒 純アルコール男性20-30g/日 女性10-20g/日以下
6運動療法 軽強度の有酸素運動 毎日30分、または180分/週以上
〇降圧治療
〇MR活性化を疑う

 

2022-01-10 09:55:30

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Web講演会 1月8日

高血圧症におけるエンレストへの期待 東海大学医学部 内科学系循環器内科 教授 伊苅裕二先生
一部のみ列挙
高血圧有病者 2017年 4300万人  高血圧に起因する脳心血管病死亡者数 年間10万人
治療中           未治療
コントロール良  不良    認知あり  認知なし
1200万人 1250万人   450万人 1400万人
 27%      29%      11%     33%

高血圧に起因する主な臓器障害
脳   脳梗塞 一過性脳虚血発作 脳虚血 クモ膜下出血
心臓  狭心症 心筋梗塞 左室肥大 心不全
血管  末梢動脈疾患 大動脈瘤 大動脈解離
腎臓  腎硬化症 慢性腎臓病

高血圧はなぜ悪い?
思いダンベルを持っている ⇒筋肉なら増強(ボディビル)
心臓 高血圧         ⇒心筋筋肉肥大 内腔の閉塞   左室容量へれば1回拍出量低下
                  左室容量  EF(%) 1回拍出量
                    50     100    50
                   100     50     50
                   200     25     50
                   400     12.5    50

高血圧による脳卒中・心血管リスク上昇
120/80を超えた血圧が上昇するほど脳心血管病による死亡リスクが増加
           40-64才(49935例)    65-74才(13707例)   75-89才(3667例)
ハザード比 120/80未満     1          1                1
        120-129/80-84  1.7         2               0.8
        130-139/85-89  1.8         1.7              1.5
        140-159/90-99  3.1         2.5               1.6
        160-179/100-109 5.1        2.6               1.6
        180以上 110以上 約10倍     3.0               1.9

SPRINT研究により120以下の厳格治療が135前後の通常治療より4年観察
主要アウトカム(心筋梗塞、急性冠症候群、脳卒中、心不全、心血管死亡)が27%有意に減少した
メタ解析では75才以上の方がその効果は有意であった
NNT(3年間)=4600÷(354-264)≒50
推定であるが30年の生命予後がある人では本研究の10回分の効果=5名で1名救えるという計算になる
STEP研究 高血圧を有する60-80才の中国人患者
SBP≦130       vs   SBP≦150 
標準治療群 135.3      強化療法群 127.5  主要アウトカム 27%有意に減少 SPRINT研究と同様の結果

血圧レベル別の血管性認知症 (久山町研究)     ADL低下
ハザード比 120/80未満     1             1               
        120-139/80-89  2.2            1.8          
        140-159/90-99  5             1.82         
        160以上/100以上 10             4   

家庭血圧は125/75未満に  (75才以上脳血管障害、CKD蛋白尿陰性では135/85未満に)
仮面高血圧に含まれる病態とその因子
早朝時高血圧 アルコール・喫煙   寒冷 起立性高血圧 血管ステッフネスの増大 持続時間の不十分な降圧薬
夜間高血圧  循環血液量の増加(心不全、腎不全) 自律神経障害(起立性低血圧、糖尿病)
         睡眠時無呼吸症候群 抑うつ状態 認知機能低下 脳血管障害
昼間高血圧  職場・家庭での精神的ストレス  身体的ストレス
2019 JSH 130/80未満 21.3% (≦49才16.9% 50-59才 19.1% 60-69才 22% 70才以上 21.8%)
ナトリウム利尿ペプチド
ANP (心房性ナトリウム利尿ペプチド) 心房 97%
BNP (脳性ナトリウム利尿ペプチド) 心室   77%

ナトリウム利尿ペプチドの活性と代謝
ANP、BNPはナトリウム利尿ペプチド受容体-A(NPR-A)に結合し、細胞内のcGMP濃度を上昇させることにより生物活性を示す。
ANP、BNPおよびCNPはいずれも、細胞膜上のナトリウム利尿ペプチド-C((NPR-C)を介した内在化および分解酵素ネプリライシンによって代謝される

ANP・BNPの多彩な作用
心臓          血管       腎臓         副腎       脳               脂肪組織
心筋肥大抑制      血管拡張    ナトリウム/水再吸収抑制 アルドステロン 交感神経緊張の緩和 脂肪分解
線維化抑制        血管新生   レニン分泌抑制     分泌抑制    食塩嗜好性の低下
心筋アポトーシス抑制

左室弛緩改善
 
サクビトリルバルサルタン 
ネプリライシン阻害作用を有するSacubitrilatに代謝されるプロドラッグとバルサルタン
*バルサルタンの意味 サクビトリルはangも分解しang2上昇させる←それをおさえる効果も

国内第三相試験
     サクビトリルバルサルタン   オルメサルタン 8週間
      200mg  400mg       20mg
SBP    -18.21  -20.18      -13.20
DBP    -7.76   -8.79       -5.91
400mgはいる?
いります  やや半減期が短いので
日内変動で見ると 200mgにくらべて400mgは夜間から明け方の降圧効果が高くなる 
安全性 ほぼ有害事象なし  
アムロジピン5mgに併用試験 200mg併用ありvsなし 8週間
       併用        アムロジピン5mg
   ベースライン 152.4      155
SBP    -19.6           -9.3
            89.2       90.1
DBP     -9.2           -4.0    安全性 ほぼ有害事象なし 

2022-01-09 08:29:41

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プラチナレクチャー 2022年1月6日

COVID-19 特講 埼玉医科大学総合医療センター 総合診療内科・感染症科 教授 岡秀昭先生
一部のみ列挙
ウイズコロナ時代のプライマリーケアー
標準防護策+ユニバーサルマスク
鑑別診断にCOVID-19が増えた
あとは
今までの感染性診療の原則、肺炎診療と一緒

症例1 50歳代 女性 嗅覚、味覚障害で紹介された 
     ずっと前から下痢と腹痛がある 以前に潰瘍性大腸炎の既往
     腹部CT検査 診断 潰瘍性大腸炎
コロナの臨床で最も重要!基本臨床を抑える
COVID-19 の典型的な臨床経過  JAMA2020年 中国における約4万症例の解析結果を参考に作成
年齢や基礎疾患の有無により重症化リスクは異なることに注意

咳、のどの痛み、発熱・・・    呼吸困難、咳、痰       人工呼吸器管理など    
発症~1週間程度        1週間から10日         10日以降
←約80%       →   ←   約20%    →   ←   約5%  → 

  軽症のまま治癒        肺炎が増悪して入院        集中治療室へ  2-3%で致命的

コロナの症状
発熱、咳、息切れのいずれか 70%
発熱                43%
咳                  50%
息切れ                29%
筋肉痛                36%
鼻汁           6%
咽頭痛               20%
頭痛                34%

下痢                19%
嗅覚または味覚異常       8%

 
COVID-19の臨床検査所見(典型例)
WBC 90%で正常から低下 リンパ球低下:35%
*初期からWBC上昇してくるとらしくない

CRP・・・・多くは上昇 5程度上がる 
*あまり高いとらしくないかも
プロカルシトニン 肺炎があっても6%でしか上昇しない
→細菌性肺炎などとの区別に有用かもしれない でも・・・重症化すると上昇する

                   PCR検査      抗原定量        抗原定性     
                鼻咽頭 鼻腔 唾液    鼻咽頭 鼻腔 唾液  鼻咽頭 鼻腔 唾液 
有症状 発症から9日以内     〇    〇   〇  〇   〇  〇   
 〇  〇     
    発症から10日以降       〇    〇   -   -   〇     -    
△   △   
無症状             〇    〇   -   -      -   〇   
 -   -    -
鼻咽頭からのPCRがスタンダード  ただし高い 時間がかかる
無症状での抗原定性は無意味?

必ず検査前の確率を想像すること
  臨床像 曝露・接触歴 流行状況 他の診断
流行期には全例検査?でも事前確率を

検査前確率が高い場合   検査が陰性でもPCR追加 あるいはリピート(リピート検査はおそらく1回でよい)
検査前確率が低い場合   検査が陽性でも、偽陽性も疑う
CT検査像(初期の典型像:下葉優位に胸膜直下がスペアされない 両側のスリガラス陰影や斑状陰影で
       次第に浸潤影が拡大、重症例では発症10日ほどで最も悪く見える 胸水やリンパ腫脹胸膜肥厚は稀な所見)
ただし画像所見は非特異的
  初期には片側であったり 進行するとよくある重症肺炎やARDSにも

画像だけで判断できない
PCRよりCTより患者の言葉が大切(岩田健太郎)
軽症者の治療法が出てきた
抗ウイルス剤
中和抗体 カシリズマブ/イムデビマブ ソトロビマブ

今までは・・
重症度、重症化を見抜く判断が大切

第6波では 重症化する人を見抜く判断が大切
重症度分類
         酸素法飽和度      臨床状態          診断のポイント
軽度       SpO2 ≧96%    咳のみで呼吸困難なし  多くが自然治癒するが急速に進行することもある
中等度1                肺炎所見なし      リスク因子のある患者は原則として入院勧告の対象
呼吸不全無し  93%<SpO2 <96%  呼吸困難        入院の上で観察 低酸素血症あっても症状ない場合も
中等度2                 肺炎所見          患者不安に対処することも重要            
呼吸不全有り   SpO2 ≦93%    酸素投与が必要       呼吸不全の原因を推定 高度な医療施設へ転院
重症化を予測する
重症化のリスク因子      評価中の要注意な基礎疾患など

65才以上の高齢者      ステロイドや生物学的製剤の使用
悪性腫瘍            HIV感染症(特にCD4<200/μL)
COPD              +ワクチン未接種
CKD
2型糖尿病
高血圧・高脂血症
肥満 BMI30以上
喫煙
固形臓器移植後の免疫不全
妊娠後期

     
日本 COVIREGI-JP n=3376  2020 1/16―2020 5/31
入院時に酸素投与が必要である割合が高い
COPD 2.51倍 男性 2,09 肥満 1,75 心血管疾患 1.45倍 糖尿病 1.34倍 高血圧 1.33倍
入院中の死亡率が高い基礎疾患(≧25%)
CKD 心血管疾患 脳血管疾患 COPD 固形腫瘍 糖尿病 肝疾患

 
治療法について
試験管内の効果から期待された薬剤
レムデシビル
トシリズマブ

ロビナビル/リトナビル ファビラビル クロロキン イベルメクチン コルヒチンなど多くの薬剤
赤は今のところ脱落か・・
*ファビラビル(アビガン) メタ解析で有意差無し 高尿酸血症や催奇形性も懸念
*イベルメクチン 軽症者への効果証明できず メタ解析でも死亡もウイルス減少も有意差証明できず
有意差が出たメタ解析の報告はあるが・・・未査読の論文が多い データーの捏造にて取り下げられている論文が含まれる

各論文のIVM投与量・投与期間が違いすぎる 
治療薬の選択および候補
              無症状/発症前  軽症   軽症(肺炎有り) 中等症      重症
想定される病態          ⇐ ウイルス増殖                   ⇒
                                   ⇐  炎症        ⇒

有効性が期待される治療    抗ウイルス薬   
               抗体治療                 抗炎症治療

 Entry to the Cell           ウイルス複製         ホストの免疫反応
 ACE受容体阻害剤           RNA ポリメラーゼ阻害    免疫調節 
 アンギオテンシン2受容体阻害剤    レムデシビル           トシリズマブ
 Fusion inhibitors                          リバビリン             サリムマブ
   Umiinefovir                                ファビピラビル            TNF阻害剤
   Baricitinib                                   プロテアーゼ阻害剤       IFN
   モノクロ―ナル抗体            ロビナビル          ステロイド
                     ダルナビル
COVID-19の治療薬 初期のウイルス増殖期のみ列挙
初期のウイルス増殖期
抗ウイルス薬/抗体治療薬
カシリズマブ/イムデビマブ
ソトロビマブ
レムデシビル

経口内服薬(開発中) 
カシリズマブ/イムデビマブ(ロナブリーフ)
18才以上の重症化因子を1つ以上有するCOVID-19患者 4057人 発症7日以内 確定診断3日以内
600mg 静脈内   プラセボ
736人         748人
入院又は全死亡    7(1.0%)      24人(3.2%)
相対リスク減少      70%

ソトロビマブ(セビュデイ)
18才以上の重症化因子を1つ以上有するCOVID-19患者 1057人 発症5日以内 
500mg 静脈内   プラセボ
528人         529人
29日以内の入院又は全死亡    6(1.0%)      30人(6%)
相対リスク減少          79%

変異ウイルスによる効果 両抗体とも変異ウイルスにも効果ありであったが・・・
ロナブリーフはオミクロン株には効果がないかもしれない?しかしソトロビマブ(セビュデイ)はOK

モノクロナール抗体療法
外来患者に対して重症化を防ぐ質の高いエビデンスがある現時点での唯一の承認薬である
原則として重症化リスクが1つでもある外来軽症患者に発症からできるだけ早く、7日以内に投与する
点滴は30分程度でいおこない、その後1時間程度経過観察が必要
Infusion reactionn(0.2%)やアナフィラキシーに注意する 重症化した患者は投与しない
ワクチンは接種歴に関係なく投与できる ブレイクスルー感染においても入院リスクを減らす効果は示されている
モノクローナル抗体療法後はCOVID-19ワクチンは3か月以上間隔をあけてから接種する

経口薬
Molnupiravir
ヌクレオチドアナログ型の抗ウイルス薬 デルタ株にも有効 1日2回5日間服用
第三相試験 メルク社
重症化リスクのある軽症者へ 早期投与(5日以内)
入院リスクを30%減へ
もうすぐ3CLプロテアーゼ阻害剤も承認される?

ニルマトレルビル/リトナビル(パクストビル)  ファイザー  総額8万円?
ウイルスの3CLプロテアーゼ阻害+リトナビル(HIV治療薬):薬剤の代謝を弱め、相対的に血中濃度を維持する役割
重症化リスクがあるワクチン未接種の軽症患者
1回2錠を2回 5日間服用
入院や死亡リスクを89%減らした
副作用はプラセボと変わらず

レムデシビル(ベクルリー)まとめ
抗ウイルス作用を期待して行う薬剤であり、ウイルス増殖期にできるだけ早期投与(理想は発症2日以内、遅くとも7日以内)が望ましい
重症化リスクのある中等症1では臨床症状の重症化抑制、死亡率の改善を期待できる
高流量酸素投与、機械換気やECMOを受けている最重症患者ではメリットはない
発症7日以内の中等症2以上ではステロイド治療への先行or同時投与が望ましい
軽症者の3日間投与も提案されてきた
5日間の投与を基本とするが、5日間時点で機械換気やECMOを使用している患者では10日間投与延長も考慮する

 

2022-01-07 08:06:07

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オミクロン 記事 1月5日

オミクロン株による第6波に備えて 我々にできることは? 感染症専門医 忽那賢先生
1月5日、日本国内での新型コロナの新規感染者数が1日2000人を超えました。
これからオミクロン株が主流となる第6波を迎えようとしているところですが、海外の状況や研究結果などから現時点で分かっていることと、我々が備えるべきことについてまとめました。

オミクロン株の感染力は非常に強い
アメリカでは1日の新規感染者数が100万人を超えるなど、日本よりも先にオミクロン株による市中感染が拡大した欧米諸国では、かつてない規模の流行を迎えています。仮に現在のデンマークのように人口100万人あたり3000人が感染するような状況が日本でも起こるとすると、1日に30万人の感染者が出ることになります。
デンマークのこれまでのピークは2020年12月の人口100万人あたり600人でしたので、現在はその5倍の規模になります。いかに現在とんでもない規模で感染が拡大しているのかが分かります。
ちなみにデンマークのワクチン接種率は日本とほぼ同等ですので、日本でここまでの規模の流行が起こるのかは分かりませんが、可能性としてはあり得るのかもしれません。
従来のウイルスよりも重症化しにくいという複数のエビデンスが揃ってきている
一方で、これらの欧米諸国では今のところ新規感染者数と比べると死亡者数の大幅な増加は見られていません。
これまでの流行と比べると、現時点での感染者数に占める死亡者数の割合は明らかに低くなっています。

世界で最初に流行が始まった南アフリカ共和国からも重症化に関する査読前の報告が発表されており、オミクロン株の感染者は、デルタ株と比較して入院リスクが0.2倍、重症化リスクが0.3倍であった、とのことです。
ただし、これらの結果はワクチン接種や自然感染によって得られた免疫の影響が大きいと考察されていることから、ワクチン接種をしていない人によっては安心材料とはならないかもしれません。
これらの実際の感染者のデータからだけでなく、「オミクロン株による感染者は従来の新型コロナウイルスによる感染者よりも重症化しにくいのではないか」ということを示唆する複数の研究結果が出てきています。
ヒトでのものではなく、実験室での肺組織を使った研究や、動物実験ではありますが、オミクロン株は従来のウイルスよりも肺組織で増殖しにくいという研究結果が香港ベルギーイギリス、そして日本からも報告されています。
肺でウイルスが増殖しにくい、ということは肺炎を起こしにくくなり重症化しにくくなることに繋がるのではないか、という推測できるかもしれません。
実験室や動物実験での結果は、必ずしもヒトでの病態を反映しないことがありますので、これらの結果をそのままヒトに当てはめることはできませんが、これらの研究結果はヒトにとっても良いニュースなのかもしれません。ただし、従来のウイルスよりも個人個人が感染した際に重症化しにくいということと、オミクロン株が脅威かどうかということは分けて考える必要があります。極めて強い感染力を持つオミクロン株では、感染者が爆発的な増加に繋がり得るため、重症化率は低いとしても感染者数そのものが多くなりすぎれば重症者数も増えて医療体制の逼迫に繋がる可能性があります。重症化する頻度が0.3倍になっても、感染者数がこれまでの5倍の規模になれば、単純計算で重症者はこれまでの1.5倍になります。また、これまで以上に重症者病床よりも軽症者の宿泊療養施設や中等症病床の需要が大きくなってくることが予想されます。
2回のワクチン接種では感染は防ぎ切ることは難しいが、ブースター接種によって予防効果が高まる
ファイザー社のmRNAワクチン2回接種後およびファイザーまたはモデルナによるブースター接種後のワクチンの有効性(UKHSA publication gateway number GOV-10869)
mRNAワクチンの効果はデルタ株よりもさらに低下することが分かってきています。
イギリスからの報告では、2回接種してから半年経過すると発症予防効果は10%まで低下してしまうとのことです。
ファイザーで2回ワクチン接種を受けた人は接種後経時的に発症予防効果が落ちてしまいます。
このため、ブースター接種が必要な状況となりますが、同じイギリスからの報告ではファイザーのmRNAワクチンでブースター接種を行った人は直後に70%程度まで高まり、ブースター後10週間以降は45%に低下しています(ぴえん)。
一方、モデルナのmRNAワクチンでブースター接種を行った方は、直後に80%近くまで発症予防効果が高まり、9週間以降も70~75%程度で推移しています。これらのデータからすると、2回目まではファイザーのワクチンを接種した方も、3回目はモデルナという選択肢も考えて良さそうです。
2回の接種だけでも重症化を防ぐ効果は保たれていると考えられますが、特に高齢者においては重症化予防効果も経時的に低下していることが分かってきています。
オミクロン株の広がりが懸念される中、今はとにかくブースター接種を、特に高齢者に進めていくことが重要になります。
当初、「2回目の接種から8ヶ月以上」であった3回目の接種時期が2021年12月17日より「6ヶ月以上」となりましたので、該当される方はぜひ接種をご検討ください。
韓国、イギリス、タイ、ベルギー、フランス、シンガポール、台湾、イタリア、オーストラリアなどのように、オミクロン株の拡大に備え、2回目接種からの期間をさらに短縮している地域もあり、今後の日本国内の状況によってはより柔軟な変更を政府に期待したいところです。
繰り返しになりますが、とにかく今は重症化リスクの高い高齢者へのブースター接種をできる限り早く進めることが重要です。私もこの年末年始に高齢者施設を巡りワクチン接種(通称「あけおめブースター」)をしてきました。

 

2022-01-06 05:06:40

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