内科(呼吸器・循環器・消化器・糖尿病外来・各種健診(入社・定期))
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研修医のための漢方レッスン(web) 3月2日

これぞ漢方の出番 神経症 疲労 虚弱(フレイル) 長崎大学病院 医療教育開発センター教授  松島加代子先生
一部のみ列挙
神経症
イライラが起こりやすい疾患
精神神経症
統合失調症 パニック障害 パーソナリテー障害 強迫性障害 うつ病 適応障害 アルコール依存症など
その他の疾患
月経前症候群(PMS)更年期障害 アルツハイマー型認知症 てんかん パーキンソン病など
症例 80代女性 認知症を伴う異常行動
既往歴 10年以上前から狭心症、高血圧、数年前から認知症
現病歴 認知層で自宅近くの総合病院に通院。3か月前に転居。転居後から、昼間は部屋の片隅にじっと座ったままで、夜間には、家中野電気とテレビをつけて回るということが時々あった。最近、乱暴な言動が増えた
現症 148cm 46.2kg BMI21
神経症に対する漢方薬
Point 
想起する         抑うつ症状    不安症状
 体力  充実       柴胡加竜骨牡蛎湯
              (神経衰弱症・ヒステリー:びくびくして驚きやすい)
     普通        抑肝散 
              (神経症 不眠症:神経過敏 興奮しやすい おこっりやすい イライラ) 
            
加味帰脾湯
     低下      (精神不安 不眠症 顔色悪い 貧血気味 精神不安 心悸亢進 微熱)
抑肝散について
抑肝散の構成生薬 証をとる
肝の失調を整える(疎肝・情熱)   (肝:興奮 怒り)サイコ 
血を補い、血をめぐらせる(補血、活血)        トウキ センキュウ
興奮を鎮める             チョウトウコウ
胃を健やかに腸を整える   カンゾウ ソウジュツ ブクリョウ 

腹部触診 抵抗・圧痛 腹直筋緊張
抑肝散の臨床研究
認知症の行動・心理症状(BPSD)治療における抑肝散の有効性と安全性
―ランダム化比較試験を対象としたメタ解析―
まとめ 結果のみ
認知症のBPSD治療における抑肝散の有効性と安全性を検討するために5本のRCTsを用いてレビューとメタ解析を行った
全5論文を包括したメタ解析では抑肝散の方が対照群より、NPI総スコアーが改善した。また全5論文で包括したメタ解析では抑肝散がNPIサブスケールスコアー「興奮」を改善させた
すべての理由による治療中断率や個々の副作用の出現頻度に関して両群間で有意差は無かった
薬理作用(マウスでの検討)
セロトニン神経系(不安に関与する神経系)
5HT1A受容体の部分刺激(不安を抑制する働き)
5HT2A受容体量の減少・ダウンレギュレーション(不安を誘発する)
セロトニンの遊離を促進
グルタミン神経系(攻撃行動(興奮)などに関与する神経系)
グルタミン酸濃度の減少 (グルタミンはNMDA受容体の作用して興奮性を高める働き)
副作用発現頻度 2012年10月―2014年3月
3141件中 136例(4.3%)162件に検査値の異常など含む副作用が
重大な副作用 間質性肺炎(頻度不明)
       偽アルドステロン症(頻度不明)
       心不全(0.1%未満)
       ミオパチー横紋筋融解症(頻度不明)
       肝機能障害 黄疸(頻度不明)
12番柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツガレイトウ)
サイコ ハンゲ ブクリョウ オウゴン タイソウ ニンジン ボレイ リュウコツ ショウキョウ
効果又は効能
比較的体力があり、心悸亢進、不眠、イラダチ等の精神症状のあるものの次の諸症
高血圧 動脈硬化症 慢性腎臓病 神経衰弱症 新経営心悸亢進症 てんかん ヒステリー 小児夜啼症 陰萎

重大な副作用 間質性肺炎 肝機能障害 黄疸
 
疲労 虚弱(フレイル)
身体機能・認知機能・バランス機能 生活活動 精神状態 栄養状態 周囲の乾姜など様々な側面から対象者を捉え、より適切な対処を行なうことが重要
症例 80代 女性 からだがだるくて動きにくい
既往歴 60代より高血圧
現病歴 通院中 高齢独居生活 以前は元気に買い物や家事をこなしていたが、最近
    からだがだるくて、買い物や家事も支障をきたし、少し動くのもだるくてつらいと訴えられる
現症  身長150cm 体重43.2kg BMI19.2 血液検査異常所見なし

ポイント     症状
         疲労 食思不振      貧血  痛み 脱力

体力  低下  補中益気湯 
        (病後の体力増進・食欲不振)
        人参養栄湯 (疲労感  食欲不振 ) 
                       牛車腎気丸(下肢痛、しびれ 頻尿)

   きわめて低下
補中益気湯について
構成生薬
証をとる
気を守る体表を強くする(補気・個表)オウギ
気を補い、胃腸機能を高める(補気) ニンジン カンゾウ ショウキョウ ソウジュツ チンピ タイソウ
気を持ち上げ活力や緊張を回復 サイコ ショウ
血を補い、血をめぐらせる (補血、活血)トウキ

使用目標
比較的体力が低下した人が全身倦怠感・食思不振などを訴える場合に用いる

臨床研究
病後の体力増強、食不振に対する補中益気湯の臨床的応用
COPD患者に対する有用性評価に関する検討
71例 COPD患者
34例 補中益気湯
37例コントロール  24週で評価
まとめ(結果)
補中益気湯で体重が増加して、プレアルブミン値も上昇
身体のだるさ、気力、疲れやすさ、食欲が改善した
感冒の回数が減った 重篤な副作用はなかった

薬理作用
1免疫機能低下の改善作用
2感染時の体力低下に対する作用
3担癌状態の生体防御の修復
4抗がん剤による免疫低下に対する作用
5慢性疲労に対する作用

効能 術後 病後 産後 フレイルの衰弱 咳嗽 微熱 動悸 などに
副作用  重篤な 間質性肺炎 偽アルドステロン症 ミオパチー 肝機能障害、黄疸

 

2024-03-03 06:39:30

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モネ展 3月2日

午前の診療を終え、午後から以前から行きたかった大阪中之島美術館へモネ展を観に行きました
以前いった中之島美術館とは違いモネ展は人でいっぱいでした


クロード・モネ(1840~1926)
印象派を代表する画家。1840年11月14日、パリ9区に生まれる。家族の転居に伴い5歳頃からル・アーヴルで暮らす。18歳の頃、風景画家ブーダンの助言により戸外で風景画を描き始め、パリに出て絵を学ぶようになる。1862年には、画塾でルノワールら仲間と出会う。1865年、サロンに初入選し、尊敬するマネに「水のラファエロ」と呼ばれる。その後はサロン落選が続き、経済的に困窮する。普仏戦争を機に妻子を連れてイギリスとオランダに滞在。1874年、第1回印象派展を仲間とともに開催。国内外を旅して各地で風景画を精力的に描く。1883年よりセーヌ川流域のジヴェルニーに定住。1880年代後半から自宅付近の〈積みわら〉を「連作」として描き始め、この頃から旅先での制作も「連作」の兆しを見せる。1891年、デュラン=リュエル画廊で〈積みわら〉の連作15点を公開。この個展が評判を呼び、フランスを代表する画家として国内外で名声を築く。連作はその後〈ポプラ並木〉〈ルーアン大聖堂〉〈セーヌ川の朝〉、ロンドンやヴェネツィアの風景、〈睡蓮〉などのテーマに及ぶ。晩年の制作は〈睡蓮〉が大半となり、眼を患いながら最晩年まで描き続けた。1926年12月5日、ジヴェルニーの自宅で86歳にて死去。ライフワークだった〈睡蓮〉の大装飾画はフランス国家に遺贈される。後半生の作品はカンディンスキーや抽象表現主義の画家たちに影響を与え、モネの再評価につながった。「モネはひとつの眼にすぎない。しかし何という眼なのだろう!」というセザンヌの言葉が有名。
カメラ撮影OKの作品より
 


展示は第1章 印象派以前のモネ から始まり第2章 印象派の画家、モネ
1871年末から、モネはパリ郊外のアルジャントゥイユで暮らし、精力的な制作の一方で、景気後退により経済的に困窮し、1879年には妻カミーユが亡くなるなど苦しい時期でもありました。本章では、1870年代から80年代にかけて、セーヌ川流域を拠点に各地を訪れて描いたモネの作品を展示します
第3章テーマへの集中 
モネは新たな画題を求めて、パリ近郊はもちろん、ノルマンディー地方やブルターニュ地方、地中海の港町などヨーロッパの各地を訪れて制作します。時には数ヶ月も滞在して、人影のない海岸などを好んで描きました。本章では、ノルマンディー地方のプールヴィルの海岸やエトルタの奇岩など、モネが何度も訪れた場所の作品群をご紹介します。滞在中、同じ対象であっても季節や天候、時刻によって、海や空、山や岩肌の表情が絶え間なく変化する様子をモネはカンヴァスに描き留めていきました。
第4章 連作の画家、モネ 
1883年、モネはセーヌ川流域のジヴェルニーに定住します。やがて、自宅付近の積みわらが光を受けて刻々と変化する様子を同時進行で何枚も描くようになりました。1891年にデュラン=リュエル画廊でそれらを「連作」として展示すると大好評を博し、国際的な名声を築きました。以後は別のテーマでも次々と連作に着手します。1899年からはロンドンを訪れ、〈チャリング・クロス橋〉や〈ウォータールー橋〉などに取り組みました。「連作」という手法の着想源の一つにはモネが愛好した日本の浮世絵版画の影響も指摘されている。
第5章「睡蓮」とジヴェルニーの庭 
ジヴェルニーの自宅はモネの創作にとって最大の着想源となりました。「花の庭」と「水の庭」を本格的に整備し、花壇の草花や、睡蓮のある池を描いています。次第に制作の大半は〈睡蓮〉となり、池の水面に映る色と光の抽象的なハーモニーが次々に誕生します。晩年のモネは、後妻のアリスや家族に支えられ、視覚障害に悩みながらも86歳で亡くなるまで制作を続けました。本章ではモネがジヴェルニーで描いた村の様子や、モネが愛した庭のさまざまな情景を・・

2024-03-02 20:25:21

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Web講演会  3月1日

SGLT2阻害剤の腎臓への作用―見えるものと見えないものー 香川大学医学部薬理学教授 西山成先生
一部のみ列挙  今回も興味深い内容
なぜダパグリフロジン投与で腎臓の保護効果が?
SGLT2阻害剤の薬理学的作用機序は?
SGLT2をブロックしてグルコースの尿細管の再吸収をブロックにより尿糖を出す

尿糖→腎臓への影響
SGLT2による見える変化     見えない変化

血糖↓体重↓ケトン体↑     TGF活性化による糸球体内圧↓   
利尿による体液量↓血圧↓    
尿細管内のグルコース↓
              ↓
    これが腎臓に対して様々な影響を生じることが
*TGF(Tubulogomeluar feed back)機構
マクラデンサ細胞に到達する塩分(糖分)に反応して、何らかの物質(アデノシン・ATP)が出て、輸入細動脈とメサンギウム細胞が収縮・拡張する機構にこと→(結果的に)糸球体内圧を下げる
その裏付け?としてSGLT2阻害剤投与後のeGFRの一過性に低下(イニシャルデップ)が認められる
         尿アルブミン尿の排泄低下(改善効果)が認められ維持される

*尿細管細胞場内のグルコース低下
電子顕微鏡下で実験 SGLT2投与後尿細管への糖の流れが消失する
酸素消費量低下
エネルギー代謝変化
酸化ストレス減少    
動物実験(基礎研究)で証明(報告)されている 尿細管間質の保護
尿細管老化・EMT抑制
VEGFa↑による虚血改善

新しい視点(見えない反応)
尿糖を出した体の反応   カロリーロス 
             体液ロス     で何が起こるか?

カロリーロスで空腹、糖新生 ケトン体産生
2型糖尿病モデルマウスでケトン体産生が腎臓でのmTORC1活性化を抑制して尿細管のアポトーシスやポドサイトの損傷を止める(Cell Metabolism 2020)
2型糖尿病での体重変化 EMPA-REG OUTCOME試験
3カ月まで体重2kg減その後一定に・(肝臓からの糖新生亢進やケトン体産生でエネルギー消費を補うことで?)
体液ロスで口喝・RAS活性化?これは以下で否定される
2型糖尿病患者における尿糖と尿量変化
   1日目    27日目
尿糖  尿糖排泄量は変わらず
尿量  尿量老いが 尿量↓→に
からだの反応はもとに戻ってくる?
    投与直後 投与慢性期
尿糖  ↑     ↑
尿量  ↑     →
体重  ↑      →

からだは休まっている?
交感神経活動の指標:収縮期動脈圧のLow frequency
メタボリックシンドロームラットでの実験
     ビーグル  SGLT2阻害剤投与
睡眠時  交感神経活動↑    →    正常状態に戻っている
活動期  交感神経活動↑    ↑

(仮説)
SGLT2阻害剤でカロリーロス・体液ロス
       ↓
エネルギーと体液を保持するために体を休めるように応答している?
冬眠状態(これは体温低下させるが・・)

夏眠
夏眠反応(aestivation)

夏眠する生物(目に見える)
海から陸上に上がる進化の過程で獲得した能力
両生類 爬虫類
夏眠様反応を生じる生物(目に見えない)
哺乳類 飽食の現代社会においては潜在化している
進化の過程で獲得した飢餓から身を守る生体防御反応
人間も体液保持のために全身の代謝を変化させている(J Clin Invest 2012)
塩は高濃度で体にたまる →何が生じるのか? (以前の講演から)

ロシア人宇宙飛行士での調査 ロシア人は火星にロケットで行く計画 約520日かかる 小さな部屋で500日間以上いてどうなるかの実験が
塩の摂取量の変化と尿中のNa排泄量調べた 12g 9g 6g 12gと50日間ずつ摂取濃度変えると
摂取量6gから12gにすると2倍尿量が・・・ 驚くべきことに 塩分摂取量増えると水を飲まなくなっていた
食塩過剰が全身の代謝を変えていた
食塩を多くとると 腎臓はNaを排出し水を再吸収する その時に尿素と引き換えに

尿素は肝臓で作られる 尿素サイクルが過剰に動く(ATP過剰に使われる) ←減量の蛋白、アミノ酸が必要 筋肉が分解されアミノ酸を産生する 水が産生される(自由水)骨格筋・腎臓・心臓は代謝を抑える
                                                                                      ケトン体が心臓で使われ交感神経抑制する
食塩を多くとると体の代謝が変わり、夏眠状態(異化:カタボリズム)を生じる
体液保持のために夏眠みたいな(夏眠様反応)を呈する能力がある
夏眠様反応によるエネルギーと水の保持能力の発動(Nat Rev nephrol 2021)
SGLT2阻害剤はエネルギーロスでグルカゴンを増やし糖新生が刺激されることが知られているが
グルカゴンは尿素を増やす(Jounal of Hepatology 1990)
SGLT2阻害剤は体液ロスが生じバソプレッシンも増える ラット実験 尿中バソプレッシン濃度増加
バソプレッシンは尿素も増やす (Clin Sci 1985)
SGLT2阻害剤で生じる
カロリーロス→グルカゴン上昇
体液ロス→  バソプレッシン上昇    
     ↓
 肝臓で尿素産生亢進
 夏眠反応のドライバー

2型糖尿病患者でSGLT2阻害剤による尿素サイクル活性化がアミノ酸メタボローム解析で証明されている(Circulation2017)
西山らもアミノ酸のメタボローム解析で骨格筋。心臓・肝臓・腎臓でSGLT2阻害剤が夏眠様反応を示していた
SGLT2阻害剤に作用とそれによって生じる体の反応
薬の作用             体の応答(適応反応)
血糖降下 減量          飢餓に対して夏眠反応発動
利尿・体液量減少              ↓    
尿細管細胞内のグルコース低下 +    全身のエネルギー代謝変化
腎血行動態の変化          (カタボリズム+エネルギーの消費低下)
                   尿素 ケトン 必須アミノ酸
                   オーガニックオスモライトの産生

                       +
                   交感神経低下

 

2024-03-02 05:49:18

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トレンド2月29日

米国で承認された抗CD3抗体テプリズマブ
1
型糖尿病発症を2年遅らせる薬剤の意義は?(今滿仁美 日経メディカル2024/03/01
4日間の投与で、1型糖尿病の発症を2年間遅らせる──。これは、1型糖尿病のハイリスク者を対象に行われた、抗CD3モノクローナル抗体テプリズマブ(teplizumab、国内未承認)の第2相試験の結果だ。確立した根治療法がない1型糖尿病。発症すれば、長い人生を疾患とともに歩むことになる。テプリズマブによる「2年間の発症遅延効果」は患者に何をもたらすのだろか
膵β細胞からのインスリン分泌が枯渇する1型糖尿病。T細胞をはじめとする様々な免疫細胞が膵島内に浸潤し、膵β細胞の破壊につながる炎症を引き起こす。こうした自己免疫学的機序で発症する同疾患に対して、これまで多くの免疫療法が試みられてきたが、いずれも診療現場には届かなかった。そうした中、登場したのが抗CD3モノクローナル抗体のテプリズマブだ。米国食品医薬品局(FDA)は2022年11月、1型糖尿病の発症を遅延させる薬剤として同薬を承認した。
同薬の標的はT細胞の表面に発現するCD3。CD3に結合してT細胞を不活性化させることで、自己免疫の制御に寄与すると考えられている。
FDAが承認の根拠としたのは、1型糖尿病のハイリスク者を対象とした第2相試験の結果だ(Herold KC, N Engl J Med.2019;381:603-13.)。
同試験では、ハイリスク者を
1 1型糖尿病患者の近親者
2 2つ以上の膵島関連自己抗体が陽性
3 経口ブドウ糖負荷試験で耐糖能異常を認める──と定義し、
ランダム化時点で8歳以上だった76例を組み入れた。これらの被験者を、テプリズマブ群(44例)、プラセボ群(32例)に割り付け、外来で14日間、テプリズマブまたは生理食塩水を静脈投与した。
対象者の背景は、テプリズマブ群の年齢14歳(中央値)、プラセボ群13歳(同)、18歳未満の割合はそれぞれ66%、81%。1型糖尿病を呈する近親者で最も多かったのは兄弟姉妹で、いずれの群も50%以上を占めた。抗GAD65抗体保有例はテプリズマブ群91%、プラセボ群88%、抗インスリン抗体はそれぞれ45%、34%、抗IA-2抗体は61%、75%、膵島細胞抗体66%、88%、抗ZnT8抗体73%、75%だった。HbA1c中央値はそれぞれ5.2%、5.3%だった。
745日(中央値)の追跡期間中、テプリズマブ群では19例(43%)、プラセボ群では23例(72%)が1型糖尿病を発症。主要評価項目である1型糖尿病発症までの期間(診断までの期間中央値)は、テプリズマブ群48.4カ月、プラセボ群24.4カ月だった(ハザード比0.41、95%信頼区間0.22-0.78)。有害事象としては、テプリズマブ群でリンパ球減少と発疹が多く認められたが、いずれも一過性のものだった。感染については両群で同程度だったという。
「テプリズマブは1型糖尿病に対する唯一の免疫療法」と語る埼玉医科大の及川洋一氏
「テプリズマブは、『発症抑制』ではなく『発症遅延』ながらも、一定の効果を示した、1型糖尿病に対する唯一の免疫療法」──。1型糖尿病の発症機序や免疫療法に詳しい埼玉医科大学内分泌内科・糖尿病内科准教授の及川洋一氏は同薬をこう評する。一方で及川氏は、「FDAでのテプリズマブの投与対象は、1型糖尿病患者ではなくそのハイリスク者。投与するには、その人が将来1型糖尿病を発症する可能性が高いかを慎重に判断しなくてはならない」と話す。
国のPrescribing Informationでは、同薬の効能について
「ステージ2の1型糖尿病例において、ステージ3への進行を遅延させる」とある。
この1型糖尿病のステージ分類は、米国糖尿病学会(ADA)が2015年に発表したもの。
ステージ2は、2つ以上の膵島関連自己抗体が陽性かつ、機能的な膵β細胞が減少し、耐糖能異常が表れた段階に当たる。しかし、「実際には、発症前のハイリスク者を適切にスクリーニングし、治療介入するのは容易ではない」と及川氏は指摘する。そのため、「発症初期の1型糖尿病患者においても、テプリズマブによるインスリン分泌能の保持効果が示され、さらにその臨床的有用性が実証されれば、より有用な薬剤となるだろう」と説明する。
テプリズマブの用法は、1日1回14日間の投与を1コースとし、これを1度だけ行うというもの。ただし、1コース終了後に同薬に対する抗体が半数以上に検出されたとの報告がある。「テプリズマブに対する抗体の出現が効果にどう影響するかは不明であり、期間を開けての再投与を繰り返すことにより、さらなる発症遅延効果が得られるどうかも今のところ定かではない」(及川氏)。
また、及川氏は「レスポンダーを同定するための指標も重要」と言う。前述した第2相試験のサブ解析では、膵島関連自己抗体やヒト白血球抗原(HLA)の型によって、同薬への反応性が異なることが示唆されている。ただし、これらは欧米での試験から得られた知見。「国内で臨床応用するには、日本人集団での検討が必須だ」と及川氏は語る。
とはいえ、「小児を多く組み入れた臨床試験で、2年以上の発症遅延効果を示したインパクトは大きい」と及川氏。「小児・思春期の時期に良好な血糖状態を維持しながらインスリン注射に縛られない日々を数年でも長く過ごすことができれば、心理的・身体的な負担の軽減に加えて、将来的な糖尿病合併症のリスク低減につながる可能性がある」と、同薬で得られるベネフィットについて説明する。さらに、「発症年齢が引き上がれば、患児の自己管理能力がより高い状態で、1型糖尿病の治療を始められる」(及川氏)といった利点もあるという。
投与対象者のスクリーニング方法やより効果的なプロトコールの確立について議論を深める必要はあるものの、「将来的に、小児・思春期発症を中心とする1型糖尿病患者数の減少につながるのではないか」と及川氏は期待を語った。
1型糖尿病と診断された本人や家族、周囲の人たちには時間が必要だ 順天堂大学小児科学講座准教授の田久保憲行氏に聞く
小児1型糖尿病の多くは、幼稚園や学校などの検診で実施される尿検査の尿糖陽性で見つかる。尿糖陽性で見つかった時には既にインスリン依存状態に進行し、インスリン導入を急がなければならないケースも少なくない。
小児・思春期糖尿病コンセンサスガイドラインには、「小児・思春期1型糖尿病の発症初期の管理姿勢や血糖管理は、その後もそのまま継続され血糖管理にも影響を与えるため、発症初期の治療、教育が重要である」と書かれている。インスリン療法の開始に当たっては、その子どものライフステージに合わせた治療、初期教育が重要なのだ。
またインスリン製剤やインスリンポンプのようなデバイスの開発が進み、治療の幅が広がった。一方で、いまだ低血糖のリスクは回避できないゆえに、糖尿病を持つ子どもの家族だけでなく、必要に応じて保育士や学校教育関係者の支援が不可欠である。糖尿病を持つ幼児期の子どもに対する治療や血糖管理の主体は保護者であり、子どもは自己管理が出来ないケースが多い。それゆえに、特に低血糖を自覚できなかったり、自覚しても言葉で表現できなかったりする。低血糖の症状について、例えば顔色が悪くなる、口数が減る、急に大人しくなるなど、見た目に分かりやすい所見を、保護者のみならず保育士や幼稚園の先生など周囲の大人にも周知し理解してもらい、補食の対応など情報を共有しておく必要がある。
保護者から徐々に本人が自己管理を求められるようになる学童期には、注射する場所や補食の管理、また修学旅行など課外活動時には、スケジュールに合わせたインスリン投与量の調整のために事前に予定を把握しておくなど、学校側と相談しつつ情報共有しておく必要がある。
このように1型糖尿病を持つ子どもでは、環境を整備し、保護者だけでなく周囲の人たちへの正しい知識の啓発と支援が不可欠であり、それには多くの時間を要する。1型糖尿病発症のバイオマーカーが判明して発症リスクが高いと判断することが可能となり、糖尿病の発症を遅らせることができるならば、本人や家族の負担を減らすことができ、将来の1型糖尿病の診断に備えて周囲の環境整備への時間的余裕をもたらすことが可能になるかもしれないと考える。(談)

 
月1回の大学の同級生4人での食事会・・今回は北新地の銀杏さんへ ぶりしゃぶを堪能し、最後には絶品の鯖寿司とそばを
最近の話題は自分たちの健康や子供の事、親の事を通り越してさらに進んだ話題・墓じまいに・・歳をとるとどんどん話の内容が爺話に・・

2024-03-01 05:12:57

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Web講演会  2月28日

高血圧治療におけるMRBの効果と食塩感受性の関連―ENaK試験から考えるー 勝谷医院 院長 勝谷友宏先生
老年人口の増加は益々加速する
2023
平均寿命 男性 81.5才(世界2位) 女性 86,9才(世界1位)高齢化率2022年29%
健康寿命    72.6才          75.5才
      差  8.9才          11.4才

健康寿命延伸には「脳血管・心血管」「認知症」への対応が不可欠
         19.7%      18.1%

新しい日常にこそ高血圧への対応を
4300万人    本邦における高血圧に起因する死亡者数 10万人/年
厚生労働省 生活習慣予防のための健康サイト
本態性高血圧は、食塩の過剰摂取、肥満、飲酒、運動不足、ストレスや遺伝的体質などが組み合わさって起こると考えられています。なかでも日本人にとって重要なのは塩分の過剰摂取です
本態性高血圧のフェノタイプ
本態性高血圧
食塩抵抗性40% 食塩感受性60%
        正常レニン45%低レニン55%

ミネラルコルチコイド受容体(MR)を介したMR関連高血圧
左心室肥大 糖尿病 肥満 Met 高食塩 ストレス    ←コロナ禍で増大 ストレス 
                                     運動不足
                            自粛中食べた食事1ラーメン2カレー3パスタ

アルドステロンイ依存性                非依存性
レニン
アンギオテンシンノーゲン
アンギオテンシン1  レニン
アンギオテンシン2  ACE      ACTH、K
    ↓             脂肪由来因子など      
                    ↓      Rac1  コルチゾール
AT1受容体 副腎AT1受容体 →アルドステロン↑     ↓  ↓
 ↓                     MR 活性化

高血圧/臓器障害              MR関連高血圧/臓器障害
*高血圧患者さんの「新しい生活様式」の背景とMR活性化
MR活性化 肥満 高血糖 食塩過剰摂取はアルドステロン濃度と関係なくMRの病的な活性化により高血圧を引き起こす。

最新の報告で驚くべき事実が報告されてきている
食塩(塩化ナトリウム)の代替品である塩化カリウムは、血圧を低下させ、心臓発作、脳卒中、全死亡および心血管疾患のリスクを低下させることが示された。豪・南ウエールズ大学の研究。
心血管疾患は世界中で主要な死因となっており、早期死亡の主なリスクは高血圧だ。ナトリウムが多くカリウムが少ない食事は、血圧を上昇させることが知られている。
研究者らによると、世界中で約12億8000万人が高血圧を持っているものの、その半数以上は診断未確定とされる。
塩化ナトリウム (NaCl) の一部を塩化カリウム (KCl) に置き換えた「代替塩」は、血圧を下げるのに役立つことが知られている。中国で最近発表された大規模な研究 (Salt Substitute and Stroke Study; SSaSS) では、代替塩が心臓発作、脳卒中、および早期死亡のリスクを軽減することが明らかにされたが、これらの利点が世界の他の地域にも当てはまるかどうかはわかっていなかった。そこで本研究では、2021年 8月末までに公開された無作為化臨床試験を検索し、代替塩が血圧、心血管の健康、および早期死亡に及ぼす影響について報告したヨーロッパ、西太平洋地域、南北アメリカ、および東南アジアで実施された、約 30,000 人を対象とした 21件の臨床試験の結果を収集した。
研究期間は 1ヶ月のものから5年間のものまでがあった。代替塩中の塩化ナトリウムの割合は、33%~75%、カリウムの割合は25%~65%の範囲だった。
データを統合して分析したところ、代替塩はすべての参加者の血圧を下げることを示した。 収縮期血圧の低下は全体で4.61mmHg、拡張期血圧の低下は同じく1.61mmHg となった。
地域、年齢、性別、高血圧歴、体重(BMI)、研究開始時の血圧、および尿中ナトリウムとカリウムのレベルに関係なく、血圧の低下は一貫しているようであった。
また、代替塩中の塩化ナトリウムの割合が 10% 低下するごとに、収縮期血圧は1.53 mmHg 低下し、拡張期血圧が 0.95 mmHg 低下していた。食事性カリウムがより高くなることと健康への害との関連はみられなかったという。
これらの試験のうちの5件、24,000人以上のデータをさらに分析した結果、代替塩の摂取は全死因による早期死亡のリスクを11%、心血管疾患による13%、心臓発作または脳卒中のリスクを11%低下させていた。
今回の結果について研究者らは、収集された研究のデザインがさまざまであり、高血圧ではない人々のデータが比較的少なかったことなど、特定の制限があることを認めている。しかしながら、この結果は代替塩についての過去最大の試験であるSSaSSの調査結果を反映していることを強調し、血圧低下のために世界的に公衆衛生戦略の一環として代替塩の採用をすすめて差し支えないのでは、としている。
減塩の塩はナトリウムの代わりに塩化カリウムを使っています
塩は、Nacl(塩化ナトリウム)ですが、減塩塩と言って販売されているものには、Nacl(ナトリウム)のかわりにKcl(塩化カリウム)を使っているものがあります。
塩化カリウムの精製は、製塩を行った後に発生する苦汁(にがり)から、塩化カリウムを生産する方法が多いようです。塩化カリウムの入った減塩塩は、減塩しょう油やは減塩つゆの素などにも使われています。
また最近では、塩に昆布、干ししいたけ、ほたてなどの旨みをプラスして、ナトリウムの使用量を減らすことで減塩する商品も増えてきました。
2血圧低下に線維重要 大腸バクテリアが線維発酵→G-Protein-Coupled receptor→抗高血圧に
Hypertension Paradox
診断方法は進歩しているにもかかわらず44%未受診
治療方法が進歩したのにも関わらず73%未達成

世界から見た日本の高血圧管理状況
   女性 (有病率 治療率 コントロール率)男性(有病率 治療率 コントロール率) 
日本     40% 55%    29%         56%  52%  24%

カナダ             50%                 69%
ドイツ             58%                 48%
アメリカ            54%                 49%
降圧薬の種類
Ca拮抗薬とARB以外の薬の使用頻度が著しく低い (サイアザイド利尿薬、ACE阻害剤 MRブロッカー
                        β差H断薬など)

日本人は他の先進国と比べて食塩摂取量が多い
       男性  女性
日本      11g/日 9.3g/日
オーストラリア 7.1   5.3
米国      10.4  7.6
韓国      11.7  8.0
イギリス    9.1   6.8
白人に比して日本人は食塩感受性関連遺伝子の変異を有する割合が多い
AGT/T235変異(メジャーな変異)ADD1/Trp460 CYP11B2/T-344 GNB3/T825
日本人 81%              57%      69%    52%
白人  42%              15%      53%    25%
食塩過剰摂取はCVイベントを増加させる
高食塩群vs低食塩群
冠動脈疾患死亡  1.6倍
心血管死亡    1.4倍
総死亡      1.25倍
EnaK研究 エサキセレノンの降圧効果と安全性を評価する 
                    
120例(ARB併用60例、CCB併用60例) 2022年1月~2022年12月

結果のみ 
早朝家庭血圧は11.9/6.4有意に低下し、ARB又はCCBコホート区分でも有意に低下した
就寝前家庭血圧も診察時血圧も有意に低下した
尿中Na/K比または塩分摂取量の大小に関係なくエサキセレノンの追加投与により確実な降圧効果を示した
UACR及びNT-proBNP変化率も有意に低下した

有害事象および副作用の発現率は31.7%・8.7%であり確認をようする新たな有害事象および副作用は認められなかった
高カリウム血症及び血中カリウム上昇の発現率は4.8%・0.8%であった
血清カリウム5.5及び6以上をしめした症例は9例(7.1%)2例(1.6%)であった

血清カリウム上昇は投与後2週間後に上昇は認められその後一営に推移した
eGFRは投与後4週後に低下がみられ、その後一定に推移した
EnaK研究から考えるMRBの臨床活用(考察)
コロナ禍の新しい日常では生活習慣の乱れがMR関連高血圧という新しい治療抵抗性高血圧患者を増やしている
可能性がある
ENaK研究においてエサキセレノンはARBまたはCCBで降圧不十分な本態性高血圧患者において朝の家庭血圧・就寝時の家庭血圧および診察時血圧を有意に低下させた
EVALUATE試験に比して、食塩摂取量が比較的少ない患者群が対象となったこともあり、今回の私見では食塩感受性とエサキセレノンの降圧効果には相関が認められなかった
食塩感受性に関係なく有意な降圧効果で、NT-ProBNPやUACRも有意低下したことは、臓器合併症の進展やHypertension Paradox解決の一助にエサキセレノンが役立つことを示唆するものと考える

 

2024-02-29 04:45:05

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Web講演会2月27日

Aging Gut 2024 ~便秘と腸管上皮機能と老年疾患~ 東北大学名誉教授 本郷道夫先生
一部のみ列挙
便通異常のガイドライン 2023年6月 新たな定義
本来排泄すべき糞便が大腸内に滞ることによる兎糞状便。硬便。排便回数の減少や糞便を快適に排泄できない
ことによる過度な努責、残便感、直腸肛門の閉塞感を認める状態
便秘の症状を中核症状と周辺症状に分類
中核症状  便形状(C1)と排便回数(C2)(定量評価) 
周辺症状  排便不全症状と排便困難症状(定性症状評価)
残便感(P2) 努責(P1)、直腸肛門の閉塞感・困難感(P3)用手的介助(P4)
中核症状  排便頻度減少(3日に1行以下) 硬便 
          ↓
周辺症状  P2 排便不全症状 排便困難症状 p1,3,4

慢性便秘症状と原因となりうる基礎疾患
神経疾患    パーキンソン病 脳血管疾患 多発性硬化症 ヒルシュスプリング病 脊髄疾患
変性疾患    アミロイドーシス
精神疾患    うつ病 統合失調症
筋疾患     筋硬直性ジストロフィー
内分泌疾患   甲状腺機能低下症 褐色細胞腫 副甲状腺機能亢進症
代謝疾患    糖尿病
膠原病     全身性強皮症 皮膚筋炎
狭窄性器質疾患  消化管の腫瘍による閉塞など
非狭窄性器質疾患 慢性偽性腸閉塞 巨大結腸 裂肛 痔核 直腸脱 直腸瘤

慢性便秘症状をきたす薬剤
制吐剤       グラニセロトニン ラモセトロン パロキセチン オンダンセトロン
抗コリン剤     アトロピン スコポラミン 抗コリン作用をもつ薬剤(抗うつ薬 抗ヒスタミンなど)
向精神薬      抗精神病薬 抗うつ薬
抗パーキンソン病薬 ドパミン補完薬 ドパミン受容体作動薬 抗コリン薬
オピオイド     モルヒネ オキシコドン コデイン フェンタニル トラマドール
化学療法薬     食物アルカロイド タキサン系 アルキル化薬
循環器作用薬    Ca拮抗薬 抗不整脈薬 血管拡張薬
利尿薬       抗アルドステロン薬 ループ利尿薬
制酸剤       アルミニウム含有薬
吸着薬 陰イオン交換樹脂 脂質異常症  沈降炭酸Ca セベマラー塩酸塩 ポリスチレンスルホン酸Ca
                    コレスチラミンなど

止痢剤          ロペラミド
鉄剤           フマル酸第一鉄
NSAIDs          イブプロフェン

高齢者の便秘の有無と日常生活
(身体的、精神的活動低下)(寝たきり、歩行霜害 摂食量低下・減退 精神病薬↑)
健康関連QOL障害  精神心理的合併症 上部消化管症状合併 労働生産性低下 医療費浪費

便秘症例は生命予後が悪い(一般住民と米国退役軍人調査)
便秘で15年生存率 75%vs60% 15%死亡率が増加
7年間で便秘有群で     33% vs 26% (7%増加)
便秘の人は長寿を望めない
便秘の人は非便秘の人に比べて
経年死亡率が高い
 脳血管、心臓血管、神経変性疾患の頻度が高い
 フレイルの頻度が高い/ADLが低い

80才以上の超高齢者では便秘の頻度が低い
 便秘の集団がいなくなるため、相対的に集団内での便秘患者が少なくなる
便秘患者において
     便秘症例 1785人  非便秘症例9958
年令       74才     72才
高血圧    52.3%      43.3%
糖尿病    20.8%      13.3%
脳卒中    17.6%      11.5%
脳出血     2.3%      1.6%
頭痛      9.9%      4.3%
心疾患     24.8%     14.7%

排便後に起こったこと致死性徐脈症候群
努責とValsavas Maneuver と 血圧と心拍数 努責解除後5-30秒後心拍数の低下が起こる
便秘患者は脳卒中になりやすい
男      女
2-3日に1回   1.5倍    1.3倍
4日に1回排便  2.3倍    1.8倍
閉経後女性の心血管イベント
7年後 重症便秘 0.2% 便秘無し 0.10%
排便後の肺塞栓症
排便後発症 肺塞栓症8%
反復バルサルバ負荷は加齢による脳の微小出血を促進する
高齢者の便秘と認知症
16.9% vs 20.4%(便秘あり)
高齢日本人の便通状況と認知症 発症頻度と発症リスク
排便頻度       男性 女性   硬便  男性  女性
週1回未満  1.79 1.29倍                 超硬便 2.18  1.84倍
 週3-4回  1.46 1.16倍                   硬便  1.30  1.15倍
腸内細菌と変性性神経疾患
Gut Dysbiosis ⇒         腸管バリアー透過性亢進 (腸管粘液低下、ムチン低下)
    ↓                 ↓
 抗炎症菌群↓ 炎症性誘発筋群↑     全身循環へにおける微生物や炎症性因子増加
 酪酸産生群↓ サイトカイン LPS BMA   ↓
                     中枢神経における蛋白合成異常および凝集
                     (αシヌクレイン βアミロイド)
                     パーキンソン病やアルツハイマー病

加齢と便秘と認知症との関連
     腸内細菌     ⇒  リーキーガット   Proteino-pathway
加齢 ⇒               ↓↑ 
               フレイル     ⇒    便秘     
              ADL低下  ↓↑         ↓
              努責
                    反復Valsalva
                    ↓
     動脈硬化    ⇒     微細梗塞       ⇒認知症
高齢者の便秘の要因
 
身体要因                  疾病要因
行動要因           慢性便秘   薬剤要因
環境要因   心理社会要因         食事要因

薬剤以外の治療的アプローチ
排便環境 排便姿勢 腹部マッサージ 身体運動 排便習慣 食品
ミネラルウオーター(硬水)はMgが多く含まれている
慢性便秘症の日本のガイドライン
オプション プロバイオテクス 多種
      膨張性下痢    カルボキシメチルセルロース ポリカルポフィル
STEP1  浸透圧性下剤 強A 高分子化合物 塩類下剤 糖類下剤 浸潤性下剤
STEP2  上皮機能変容薬 強A ルビプロストン リナクロチド
     IBAT阻害剤   強A エロピキシバット
オプション 消化管運動機能改善薬 モサプリド 保険適応外
      漢方         大建中湯 麻子仁丸など
                     腸 座剤 摘便 

上皮機能変容薬の作用点
CFTRを介した作用機序 腸管内にCLが流入して水とNaの流入が増加する
 まとめ
加齢⇒ 腸内細菌変化⇒ 便秘症   ⇒Leaky Gut 症候群⇒神経変性疾患  ⇒生命予後
     ↑       ↑    努責       ⇒心臓・循環器反応
   腸内細菌      
 ← 便秘診療 Step1 浸透圧下剤
   腸管粘液              Step2 上皮機能変容薬、IBAT阻害剤(胆汁酸増加)
   上皮機能              On Demand 刺激性下剤
   平滑筋機能             Optional プロバイオテクス 漢方薬 膨張性下剤  
   摂取栄養物
   身体活動
   ADL

 

2024-02-28 08:51:45

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コーヒーブレイク2月26日

夜明けのすべて 著 瀬尾まいこを読んだ

娘が原作を読み、娘は嫁と一緒に映画(上白石萌音・松村北斗主演)も見てよかったとのこと・・で読んでみた
「知ってる?夜明けの直前が、一番暗いって。人生は思ったよりも厳しい。でも、救いとなる光だってそこら中にある」
ささやかだけど特別な、生きるのがすくし楽になる、まったく新しい物語り。
PMS(月経前症候群)で感情を抑えられない美紗。パニック障害になり生きがいも気力も失った山添。
友達でも恋人でもないけれど、互いの事情と孤独を知り同志のような気持ちが芽生えた二人は、自分にできることは少なくとも、相手のことは助けられるかもしれないと思うようになり、少しずつ希望を見出していく
2019年に『そして、バトンが渡された』で本屋大賞を受賞し、映画の大ヒットも記憶に新しい瀬尾まいこの「夜明けのすべて」。

主人公のPMSの対し、医師から安易に出されたソラナックスでの睡魔により周囲からヒステリーの次は熟睡怖いよね・・会社で冷ややかな目にさらされる・・
パニック障害の治療として淡々と死ぬ病気でないので心配しないで、抗不安剤(長期間作用型:メイラックス)発作時(抗不安薬短時間型ソラナックス)と抗うつ薬(ジェイゾロフト⇒効かなければパキシル?)で治療しましょうと・・
職業がら登場する医師の言動に少し抵抗があり、自らも反省(多くの同様の患者を診ていると病気としてみてしまいそうなるのか?)
病気そのものだけでなく、そのことにより弊害をうける人生(背後)を診る医師でなければ・・また病は同じ病をもった人、周りに理解する人さえいれば救われる、医師はそれを誘導するのみの存在である・・(啓蒙活動の重要性を再認識した
医学書には私生活の辛さのアプローチは書いていない(このような本が大きな医学書となる)

 
パニック症(パニック障害)とは予期しない突然の強い恐怖や不快感の高まりが生じて、動悸、息苦しさ、吐き気、ふるえ、めまい、発汗などの“パニック発作”を繰り返す病気のことです。
このようなパニック発作は特定の状況で生じることもあるため、発作を避けようとするあまり外出が困難になるなど日常生活に支障をきたすケースも少なくありません。また、さらなるパニック発作またはその結果について持続的な懸念、または心配(例:抑制力を失う、どうかなってしまう)が生じ、1か月以上持続します(予期不安)。
多くは成人前後に発症しますが、女性のほうがなりやすい病気であるとされています。
パニック症で現れるさまざまな症状は、発作が治まると自然に改善していくため治療の必要はありません。しかし、日常生活に支障をきたしやすい病気であるため、発作を予防するために薬物療法や精神療法などが必要となります。
原因
パニック症は、強い恐怖心が突然芽生えて動悸、息苦しさ、吐き気など、さまざまな症状が現れるパニック発作を繰り返す病気のことです。この病気の明確な発症メカニズムは解明されていませんが、脳の延髄とよばれる部位の機能に何らかの異常があることによって引き起こされるとの説があります。延髄には体内の二酸化炭素の量を感知するはたらきがあります。パニック症の人は二酸化炭素のわずかな変化に過剰に反応することで“酸素不足”と誤認識し、呼吸や心拍数が速くなるといった症状が現れると考えられていますが、あくまで“仮説”とされているのが現状です。
症状
パニック症は、原因がないにもかかわらず突然生命の危機に陥るような強い恐怖を感じ、動悸、息苦しさ、吐き気、ふるえ、めまい、発汗などの症状に襲われる“パニック発作”が繰り返される病気のことです。災害時などに命に危機を感じて上述したような症状が現れることは多々ありますが、パニック症でははっきりとした理由がないのに突然発作が生じるのが特徴の1つといえます。
パニック発作は通常10分程度で自然に改善していきます。しかし、予期せぬ時に生じるため、発作に対して強い不安を覚えるようになります。また、発作が起こった場所や発作が起こっても助けを求められないような場所へ出向くことを極端に恐れるあまり、外出できなくなるなど日常生活に支障をきたしやすいのも特徴です。
検査・診断
パニック症は、上述したように動悸や息苦しさ、めまいなどさまざまな身体的症状を引き起こす病気です。
そのため、パニック症が疑われる場合であっても何らかの身体的な病気による症状でないことを確認するため、血液検査、画像検査、心電図検査などがそれぞれの症状に合わせて必要となります。これらの検査でまったく異常がなく、“理由がない予期せぬパニック発作が繰り返されること”、“パニック発作に対する不安が少なくとも1か月以上続いていること”に当てはまればパニック症と診断されます。
なお、パニック症は予期しないパニック発作が突然生じることが診断を下すための条件とされています。中には予期されるパニック発作を併せて持つこともありますが、原因がはっきり分かるストレスに晒された際の発作のみではパニック症とは診断されません。
治療
パニック症で生じるさまざまな症状は、身体的な異常によって引き起こされているわけではないため治療の必要はありません。しかし、この病気はパニック発作への不安から日常生活に支障をきたすことが多いため、パニック発作を抑えるための治療が必要です。
具体的には次の2つの治療が行われています。
薬物療法
パニック症では抗うつ薬や抗不安薬を用いた薬物療法が行われます。特に選択的セロトニン再取り込み阻害薬の効果が高いとされています。
精神療法
薬物療法と同時に精神療法を行うこともあります。カウンセリングを通して患者自身の認識と現実との違いを把握し、認識の歪みを改善する“認知行動療法”が行われることが多いですが、避けている場所や状況に身を置く“曝露療法”などが行われることも少なくありません。
予防
パニック症は明確な発症メカニズムが解明されていないため、確実な予防方法はないのが現状です。しかし、パニック症は放っておくと発作に対する不安感から日常生活に支障をきたすケースも少なくありません。
適切な治療の継続によって症状を改善することができますので、パニック症を疑う症状があるときはできるだけ早めに医師に相談しましょう。
*月経前症候群(PMS)
月経前症候群(premenstrual syndrome:PMS)は、月経(生理)が始まる3~10日ほど前から身体や心にいろいろな症状が起こる病気です。これらの症状は月経の開始とともに弱まったりなくなったりします。月経のある女性のおよそ70~80%は月経の前に何らかの不快な症状を感じるといわれていますが、PMSはその症状の程度が強い状態です。症状は軽いものから、日常・社会生活に支障をきたす重いものまでさまざまです。
日本では思春期にやや多いようですが、幅広い年齢層で発症します。
症状が軽い場合には、生活習慣の改善などでよくなることも多いですが、重い気分変調をきたすものは月経前不快気分障害(PMDD)と呼ばれる精神疾患の一つとして考えられることもあり、抗うつ薬などの使用が必要となることも少なくありません。PMSは女性の多くに発症しますが、放置すると精神症状が悪化して、PMDDなどの深刻な精神疾患を引き起こすこともあるため注意が必要です。
PMSの詳しい原因はまだ分かっていません。少し難しい話になりますが、女性特有のホルモンである黄体ホルモンの代謝物に対するGABAA受容体(脳内で神経伝達を仲介)と、セロトニン作動性ニューロン(神経伝達物資に影響を及ぼす神経細胞)との関連性が報告されています。
月経前症候群(PMS)の症状
PMSには身体の症状と心の症状があり、どちらも非常に多くの症状が出現するのが特徴です。これらの症状は、月経の3~10日ほど前から始まり、月経の開始とともに改善傾向を示します。それぞれの代表的な症状は次の通りです。
身体症状 下腹部痛、頭痛、腰痛、乳房痛、脚の浮腫みや体重増加など
自律神経症状 動悸 悪心、めまいなど
精神症状:イライラ感、抑うつ不安・緊張感、易疲労感、不眠、無気力、判断力の低下など
重症の場合では、イライラ感や怒りが強くなって他者を無意識に罵倒したり、攻撃したりすることもあります。また、周囲に理解してもらえないつらさから社会的引きこもりになることもあります。
月経前症候群(PMS)の検査・診断
PMSを診断するにあたって、まずは詳しい問診を行なうことが最も重要です。問診によって、症状や発症時期、月経周期、妊娠・出産歴、生活環境などさまざまな項目を確認していきます。
そのほか、月経開始後4日以内に上記の症状が解消し、少なくとも13日目まで再発しないことなど、診断にはいくつかの条件があります。
月経前症候群(PMS)の治療法      
まずはじめに、カウンセリング、生活習慣改善のための指導あるいは運動療法を行ないます。PMSの改善には、有酸素運動を中心とした定期的な適度な運動、禁煙、アルコール摂取制限、規則正しい睡眠や生活、ストレスの解消などが有効とされています。また、カルシウム、ビタミンB6、マグネシウム摂取なども症状を和らげる可能性があります。
これらの対策によっても症状が改善しない場合には、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が配合された低用量経口避妊薬(ピル)が使用されることがありますが、効果は人によって異なります。浮腫や乳房緊満感(乳房の腫れ、硬化、痛み)に対しては利尿薬や鎮痛薬、また多様な症状に対しては漢方薬が使われることがあります。
重症の場合には精神症状が強く現れ、日常生活に支障をきたすことが多いため、抗うつ薬が使用されることもあります。

 

2024-02-27 14:00:05

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Webレクチャー 2月25日

ニコチン依存症の病態 たかの呼吸器内科クリニック 院長 高野義久先生

ニコチン依存症の診断基準(ICD-10)
過去1年間のある期間 次の6項目の3つの項目以上が存在した場合に診断
1渇望        喫煙したいという強い欲求がある
2使用制御困難    減らそうして思うように減らすことができない
           開始/終了/使用に関して、行動をコントロールができない
3離脱        禁煙したときの離脱症状が出現する
           離脱症状は和らげ避けるためにタバコ(類似物質)を使用する
4耐性        よい少ない量で得られた効果が、当初の量では得にくくなる
5ほかの楽しみの無視 喫煙のことで頭がいっぱいになり、喫煙を優先するほかの楽しみ
           や興味を無視するになる
           社会的な活動への支援がでる
6有害影響の軽視   悪いことはわかっていてもやめられない
           明らかに有害な結果が起きているにも関わらず喫煙を継続する

TDS(Tabacco Dependece screener)
10点満点中、5点以上でニコチン依存症と診断
繰り返される喫煙行動
1喫煙により脳にニコチンが刺激
    ↓    
            10秒
           ↓
2ニコチンが脳でドパミンを放出
    ↓
   ドパミン
3ドパミンは快感や快楽をもたらす

4ニコチンは時間と共に欠乏
5ドパミンによる快感を回復させようとニコチンを切望(ストレス)
6タバコを吸いたい、イライラが生じ、我慢ができない

喫煙者の言葉
禁煙したときの気分
  何となく寂しい
  ついつい思いが出してしまう
逆に、喫煙したときの気分
  切っても切れない縁
  親しい友達がギュッと抱きしめてくれる
喫煙が愛と誤認される?
ニコチン依存症の中核・・・脳内報酬系回路 恋愛に寄与することが示唆
「あばたもえくぼ」
脳内報酬系  幸福感 満足感 欲求に関与
          ↓ 刺激(例:食行動 性行動)
       中脳 腹側被蓋野
          ↓ドパミンの分泌により報酬系の活性

       大脳辺縁系 側坐核
          ↓快感 高揚感 
          ↓本能的行動を心地よく感じる
          ↓種の保存に関与
        前頭葉 前頭前野

ニコチン依存症のメカニズム
1喫煙開始時     2慢性刺激による馴化
  ニコチン       ニコチン 

   ↓           ↓
   中脳         中脳
   ↓           ↓
  ドパミン大量分泌    ドパミン大量分泌
  大脳辺縁系       大脳辺縁系
   ↓強い刺激       ↓
             脳内報酬系回路の機能不全
             ニコチンでは満足、ほかの刺激では
             満足がえられない 

脳内報酬回路の反応の違い
チョコレートキャンデーをもらった時の脳の反応の違い
10才代の非喫煙者vs喫煙者 非喫煙者n=43 喫死者n=43
脳MRI spectにおいて喫煙者はものごとへの関心や幸福感を感じにくくなっているがわかった
ニコチン依存症と精神の状態
快楽をもたらすはずのニコチンを摂取するほど、ニコチン接種していないときの不快感が増す
ニコチン摂取から離れがたくなる
依存状態の人はそうでない人と比べ、総じて精神状態が不良となりやすい

喫煙または受動喫煙によるうつ状態のリスク
喫煙なし 1とすると 非喫煙(受動喫煙時々)1.63 非喫煙(受動喫煙常時)1.92 現喫煙 2.25-2.38倍
喫煙と精神状態不良

      うつ    不安   心理的苦痛
非喫煙    1    1     1
過去喫煙   1.22   1.21    1.17
減喫煙    1.85   1.71    1.69
行動のABCモデル A→B→Cが学習されている
刺激の引き金    →認知 自動嗜好 →感情行動結果
Activating event   Belief      Consequence   
きっかけになる出来事  信念 考え    結果として起こること
ニコチン依存症における二重の行動強化
正の強化      気持ちよくなりたい 喫煙により実際に快楽が得られる
(ごほうびの出現)
  →喫煙行動の増加
負の強化     ニコチン離脱症状という不快感覚時
(不快の消失)  喫煙により離脱症状(不快)が解消
         →喫煙行動の増加

ニコチン依存症の認知的側面:認知のゆがみ
ニコチン離脱症状の改善を「効用」と錯覚
喫煙の有害性を認めることで心理的苦痛が生じるが、その苦痛を認知の変容によって軽減する(合理化)
例:喫煙して長生きした人がいる、わたしはがんにはならない コロッと死ぬのは本望
その人にとっての喫煙の価値が上昇して、ほかの価値が低下
喫煙の有害性を軽視する傾向
喫煙を人生において価値のあるものと信じる信念 
⇒ 嗜壁性の信念

*新型タバコ 加熱式タバコ ニコチンを含む ニコチン依存症という病態は同じ

 

2024-02-26 07:52:39

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2月25日 小雨散歩

2月25日寒い雨なので室内での絵画鑑賞を・・六甲アイランドにある
神戸市立小磯記念美術館


と神戸ファッションマー1階のアトリウムプラザで第49回こうべ市民美術展へ 小雨散歩

最後にリバーモールウエストで遅い昼食を・・しま食堂さんでラーメン(あかんやつ)を
 

2024-02-25 16:23:09

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平野区医師会学術講演会(WEB講演)2月24日

うつ病診療の基本(初期診療・専門医紹介のタイミングまで)大阪公立大学大学院医学研究科神経精神医学講師出口裕彦先生
一部のみ列挙
うつ病の成因 不明も
生物学的側面 biological 心理学的側面 Psychological 社会学的側面 Social
              ↓
             うつ病

成因1biological
部位として内側前頭葉~扁桃体など
1セロトニン、ノルアドレナリン、ドパミンなどの神経伝達物質のバランスの乱れ モノアミン仮説
2ストレス負荷によって脳由来神経栄養因子(BDNF:brain-deriived neurotorophic factor ニューロンの可塑性、修復機能や細胞の回復力に関与)発現が抑制⇒ポストモノアミン仮説 神経細胞新生仮説
3ストレス反応に伴う脳内グルココルチコイド受容体の機能低下
4遺伝子相互作用 うつ病関連遺伝子(44の遺伝子が・・)
5脳内の炎症
成因2 Psychological
一方だけがうつ病を発症した208組の異性間二卵性双生児を対象として、うつ病の病院に関する性差を検討
うつ病発症の危険因子
女性>男性 親の愛情不足、神経症的傾向、離婚、社会的支援の乏しさ、低い結婚満足度
男性>女性 小児期に性的虐待 行為障害 薬物乱用 うつ病の既往 ストレス負荷の強いライフイベント
(特に経済的な問題、職業的な問題、法的な問題)
成因3 Social
社会的状況、経済状況 バブル崩壊 リーマンショック 東日本大震災 コロナ禍 ロシアーウクライナ戦争
IT化により仕事とプライベートの区別がつかない 24時間世界中で仕事ができる(携帯電話 メール リモートワーク ZOOM Teams)
年功序列や終身雇用の崩壊
業績主義 成果主義
非正規雇用労働者の増加
核家族 少子化 高齢化
直接的な多様化 働き方改革
組織への帰属⇔オンリーワン
親の介護、子育て
 
うつ病の診断 (DSM-5で)
以下の症状のうち5つ以上が同じ2週間の間にほぼ1日中、ほとんど毎日存在し、病前前の機能から変化している
うつ病の9症状 
大症状2個  抑うつ気分  
       興味の消失    最低1つ
小症状7個  
      食欲低下(過食)
      不眠(過眠)
      精神運動焦燥・制止
      易疲労感・気力の減退
      思考や集中力の減退 決断困難
      無価値観・不適切な罪責感
      希死念慮          最低4つ
症状は社会的・職業的に著しい機能障害を引き起こしている
 身体疾患や薬物等による症状でない
 他の精神疾患では説明できない * 躁病/軽躁病episodeの既往がない

訴えや症状を4側面に分けるとわかりやすい
感情(気分)の障害
 気分が落ち込む、憂鬱、寂しい、物悲しい、不安、イライラして落ち着かないなど
 非哀歓、絶望感をいだき、なんとなくさみしい、悲しいことが多い
 将来に対して悲観的、絶望的に考える 周囲の出来事を生き生きと感じられなくなり、頭がからっぽになっ
 た感じ、感情がわかない
 重症になると無感動になり泣くことすらできなくなる(悲哀不能)
意欲(行動)の障害
 口数が少なくなる 意欲や気力がなくなる 億劫になる 家に閉じこもる 根気がなくなる
 自責の念にとらわれる
 自殺を企てる
思考障害
 考えがまとまらない、頭がボーとしている 記憶力の低下 判断が鈍る 自信がなくなる
 うつの3大微小妄想
1罪業妄想 取り返しのつかないことをした。周りに迷惑をかけている
2心気妄想 大きな病気にかかっている
3貧困妄想 お金がなくて生活できない

身体症状
頭部周辺の症状
不眠 頭痛(頭重感)めまい 耳鳴り 口の渇き 味覚異常 首の肩こりなど
腹部周辺の症状
 食欲が落ちる 胃の不快感 腹部のもたれ 腹痛 たまった感じ 便秘 下痢など
四肢末端および全身の症状
 胸部痛 背部痛 腰痛 関節痛 手足のしびれ ふるえ 冷え 性欲低下など
*双極うつ病と大うつ病の鑑別ポイント
双極性うつ病(以下の5つ以上)      大うつ病(以下の4つ以上)
過眠                   就眠障害 不眠
食欲亢進(体重増加)           食欲不振(体重減少)
その他の非定型うつ病像     
精神運動性の抑制             活動性の低下がみられない
精神病症状                 身体的愁訴
気分症状の不安定さ        
若年発症(25才以下)           25歳以上の発症
うつ病相の再発(5回以上)        6カ月以上の罹病期間
双極性障害の家族歴            双極性障害の家族歴なし

治療
全例に行うべき基礎的介入
患者背景 病態の理解に努め、支持的精神療法と心理教育(病状改善のためのアドバイス)を行う
基礎的介入に加えて、必要に応じて選択される推奨治療
抗うつ薬
認知行動療法
精神科医が知りたいこと 例えば・・短い時間で話しやすく現実的な日常生活を話題に
発達特性 気質 パーソナリテー 知的水準
病気の病状 生物学的な脳内の変化 器質因の有無
既往歴 家族歴 内服歴 嗜好歴
生い立ち 親や周囲の人間の葛藤
経済的な問題 生活費 就労環境 時間外労働
睡眠や食欲 同居人 住環境 家事の担当 信頼できる相手の有無 日中の過ごし方 趣味や楽しみの有無
など
笠原の小精神療法 
1.うつ病は病気であってけっして「怠け」でないことを十分伝える。
2.十分に休養するために、勤労者であれば職場を離れることを勧める。
 しかし、自宅療養がよいかどうかは、それぞれ人の状況によって決めるべきであり、
 軽症であっても入院したほうが近隣の人の目を気にしないでよい場合もあるので、
 個々の症例によって休養ができる環境を選択すべきである。
3.病気であるから薬はきちんと服用するように指導する。
4.うつ病は脳に変化が起こっており、治るまでには最低でも3ヵ月。時には6カ月かかることをあらかじめ伝える。
5.病状は良くなったり、悪くなったりして、少しずつ治っていくものである。つまり症状は変動するので、症状の変化に一喜一憂しないように指導する。
6.治療中に自殺しないことを誓約させる。
7.治療が終結するまで人生上の一大決断をしないように指導する

うつ病初期
支持的精神療法
精神科治療における基本
医師―患者関係を築くための最初の1歩
誠意と謙虚さをもって対応していく心構えを持ち、患者の悩みや訴えに耳を傾ける
批判的せずそのままをうけいれる。「うつ」は人生の黄色信号であり、一旦立ち止って生活スタイルや仕事への取り組み方などを共に見直すという視点。
例えば・・短い時間でも話し合いやすく現実的な日常生活を話題に。睡眠や食欲、同居人、住環境、生活費、家事の担当、信頼できる相手の有無、日中の過ごし方、趣味や楽しみ、心が落ち着く時間の有無、など
実現可能な日常生活の充実に目を向ける。小さな喜びや幸せにつながりうる
回復過程での行動範囲の拡大には本人の自然な欲求にまかせる⇒何かしたい、やってみたいと思いだしたらしめたもの
中等症、重症うつ病(精神病性の特徴を伴わないもの)うつ病治療ガイドライン
推奨される治療
新規抗うつ薬
三環系抗うつ薬/非三環系抗うつ薬
電気けいれん療法 TMS(磁気刺激)

主な抗うつ薬
分類            一般名      商品名
三環系 抗うつ効果は     イミプラミン  トフラニール
強いが副作用も出現しやすい  アミトリプチン トリプタール
               クロミプラミン アナフラニール
四環系。三環系よりも    マプロチリン   ルジオミール
副作用は少ない       ミアンセリン   テトラミド
二環系           トラゾドン    レスリン デジレル
SSRI            フルボキサミン  ルボックス デプロメール
              パロキセチン   パキシル
              セルトラリン   ジェイゾロフト
              エスシタロプラム レクサプロ
              ボルチオキセチン トリンテリックス

SNRI            ミルナシプラン  トレドミン
              デュロキセチン  サインバルタ
              ベンラファキシン イフェクサー

NaSSA           ミルタザピン    レメロン リフレックス
その他           スルピリド     ドグマチール アビリット

うつ病の薬物療法の原則
治療開始前に丁寧な説明を行う
1つの抗うつ薬に少ない量から開始。副作用に注意しながら可能な限りすみやかに増量(最低でも1週間単位。できれば最大用量まで)
SSRIで初期に嘔気がでやすい。軽度なら自然に消失する。SNRIなら頭痛、動悸 NaSSAは眠気、だるさが多い
速効性はない。効果発現まで最低でも2週間はようする
十分量を十分期間(増量後4週で程度、場合によっては6-8週間)投与し効果を判定する
寛解に達すれば最低8カ月は継続する
症状の改善が乏しい場合は薬物変更
部分的に症状改善がある場合は、効果のあった薬物に他の薬物を追加投与し効果を強める増強療法を行う
リチウムなどの気分安定薬、甲状腺ホルモン、非定型抗精神病薬など)
非定型抗精神病薬
ブレクスピプラゾール、既存のアリピプラゾールに次ぐ抗うつ効果増強療法に用いることが承認された。ドパミンD2受容体およびセロトニン5HT1A受容体に対する部分アゴニスト作用、セロトニン5HT2A受容体、アドレナリンα1B受容体およびアドレナリンα2C受容体に対するアンタゴニスト作用を示す薬剤。アリピプラゾールよりもセロトニン系およびアドレナリン系に作用し、ドパミンD2受容体への刺激作用を弱めた薬理学的特性を持つ。また、薬剤使用に伴う有害事象(代謝性障害[体重増加、高脂血症、糖尿病]など、錐体外路症状[アカシジア、遅発性ジスキネジアなど]など)のリスクの軽減が評価されている。
抗うつ薬の副作用
三環系四環系>新規抗うつ薬
胃腸障害(吐気、嘔吐、下痢)興奮 性機能障害
めまい 起立性低血圧
眠気 食欲亢進 体重増加
口喝 便秘 排尿障害 眼のかすみ 動悸 頻脈
不整脈 アレルギー性発疹 肝障害
中止後症候群
1カ月以上の飲み続けていた抗うつ薬の突然中止は数日以内に頭痛やめまい、浮遊感、不安、不眠、しびれ
目がちかちかする感じ、などの症状が出現する、SSRIで多い。
アクチベーション症候群
抗うつ薬をのみはじめた数日後に不安、イライラ、衝動性の高まり、(軽)躁状態などの症状が出現する
双極性障害との関連も示唆されている。内服を中止すれば症状は消失する
うつ病の治療過程 笠原
                    
面白くない   ドーパミン
                 根気がない          
              手がつかない       ノルアドレナリン

           うつ気分          
        不安
      焦燥                   セロトニン

うつ病のおける寛解、回復
うつ病の薬物療法の目標は、寛解維持と回復、再発防止である
うつ病治療の寛解は、症状が十分に消退し、診断に合致しないレベルに達すること
具体的にはハミルトンうつ病評価尺度で7点以下と評価される状態。点数が低いほど改善
開腹は寛解が6-12カ月間持続して得られた場合と定義されている
実際には、家庭での日常生活、学校や職場において病前の適応状態に戻ること、就労者の回復に限れば
時間内(8時間)に給料分の仕事ができる状態
抗うつ薬の効果・忍容性に関するメタ解析 LANCET2018
21の抗うつ剤で・・・
結論のみ 最初に使うなら・・
忍容性、効果に優れている
SSRI レクサプロ    抗不安作用あり QT延長あり(心疾患患者は?)1回10mg⇒20mgまで
   ジェイゾロフト  薬物相互作用すくなく中断症状少ない 使いやすい 1回25mg⇒1回1日100mgまで
   ボルチオキセチン   副作用(消化器症状)少ない 1回10mg⇒1日20mg
NaSSA リフレックス レメロン  か・・  胃腸症状や性機能障害少ない 体重増加 眠気注意 
                      1日1回15-30mg⇒45mg超えない

精神科への紹介6つのポイント
精神科へのコンサルト
1イライラ、焦燥感が高まってきた、落ち着きがない
2自殺に関して深刻に悩んでいるor自殺企図  ⇒早期の介入を要するため
自責感が強い場合も自殺念慮につながる
3食事がとれない、生命に関わる可能性がある
4患者さん本人や家族(患者さんが渋々ながら同意している場合も含む)が精神科受診を希望している
5DSM-5におけるうつ病の診断基準を満たすを前提にアルコール問題、内服薬、内科的疾患についての精査はできればしてほしい
6使い慣れた抗うつ薬1剤を十分量、十分期間投与したが効果が乏しい、副作用が著明に出た

 

2024-02-25 06:59:07

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