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漢方薬で広がる風邪症候群への治療選択肢 近森病院 糖尿病代謝内分泌内科部長 浅羽宏一先生
一部のみ列挙
風邪症候群に用いられる漢方 風邪症候群といっても症状は多彩
頭の症状 頭痛 発熱
喉の症状 のどの痛み、咳、痰
鼻の症状 鼻汁、鼻づまり、くしゃみ
全身の症状 だるさ 疲労感 悪寒 関節の痛み 筋肉の痛み 吐き気 下痢 食欲不振・・・
寒気 西洋医学 or 漢方 どっち?
だるさ 漢方では?
食欲不振 漢方では?
悪寒 寒気?
1葛根湯
芍薬 甘草 鎮痛(筋肉) 傷寒論 感染症の初期に頭痛、発熱、悪寒がし、首筋が凝り、汗が出ていなければ
麻黄 桂皮 発汗解熱 葛根湯を飲ませれば治る
葛根 肩こり
大棗 生姜 健胃薬
患者さんとの対話
先制熱が出て、頭痛、筋肉痛、肩こりでしんどい ⇔ 麻黄-桂皮で温めて汗をだして熱を下げ、芍薬‐肝臓で筋肉痛
悪寒はあるし、汗は出ていないよ をとり、麻黄が胃に触るので胃薬の大棗-生姜を入れておくね
葛根は肩こりにも効くよ
麻黄 1発汗解熱作用 2利尿作用 3鎮咳作用 4鎮痛作用
麻黄から有効成分エフェドリンを抽出 1885年 長井長義博士
桂皮 1発汗解熱作用 2血流改善作用 3抗頭痛作用4抗動悸作用 5身体を温める作用
太陽病 定義 頭痛、体痛、発熱、悪寒があって、脈が浮いている状態
高カテコラミン 高サイトカイン 高インターフェロン血症
→寒気をとり、発汗させれば治る 麻黄、桂皮で体を温めよう
感染症に罹患したときの自然経過 ガイトンの臨床生理
体温のセットポイントが突然高値に上昇
悪寒 発熱 39度 風邪をひいた
1血管収縮 血管拡張
2立毛 発汗
3アドレナリン分泌 体温のセットポイントが突然低値に下降
4ふるえ
0時間 1時間 2 3 4 5
交感神経亢進 白血球機能亢進
交感神経亢進 体温上昇
体温上昇 白血球機能亢進
交感神経終末からアドレナリン分泌 麻黄 エフェドリン アドレナリン類似物質
風邪で熱が出た時、解熱剤を使ってよいのか?
A マウスにインフルエンザを感染させ、解熱剤投与
B マウスにインフルエンザを感染させ、そのままに Bは改善率高く Aは死亡
発熱で白血球機能亢進 抗体産生亢進 酵素活性亢進 食欲抑制 (ウイルスは35度が住みやすい)
↓
発熱は、闘病反応 治癒反応だった
有熱風邪症候群患者における漢方治療の有用性
使用薬 解熱剤 Fenoprofen 45人
漢方 葛根湯18 麻黄9 桂麻各半湯3 その他5
発熱持続時間 有熱者の割合 1 2 3日
漢方薬 35人 1.5日 30% 10% 5%
解熱剤 45人 2.5日 有意差あり 60% 40% 30%
だるさにおいては漢方薬が強い?
少陰病(裏寒)
定義 食欲はなく、ただ寝ていたい 脈は微弱である 新陳代謝が低下している
体温を高めて新陳代謝をよくしよう 附子で温めよう
附子 1強心作用2鎮痛作用3利尿作用4温める作用
127番 麻黄附子細辛湯
麻黄 発汗解熱作用
附子 体を温める作用
細辛 抗アレルギー作用
傷寒論 風邪の初期であるのに、寒気はあるが、熱は出ていない しかし食欲がなく、ただ寝ていたい場合にもちいよ
インフルエンザ感染など(麻黄に抗インフルエンザ作用が・・)
乾燥性咳嗽 には?
咳止めの生薬
半夏 杏仁 麻黄 前胡 五味子
29番 麦門冬湯 乾燥した咳に用いる
麦門冬 粳米(コウベイ) 保湿作用
半夏 咳止め
人参 大棗 甘草 健胃薬
傷寒論 老人で潤いがなくなり、食道が乾燥して食べ物が詰まる人に処方する 福井楓亭
病後や慢性病で老人や虚弱者が体が乾き、咳やのどの違和感がある人に処方する 大塚敬節
要約 顏が赤くなるまで激しい咳をしていきぐるしく、咽頭が乾く人に処方する
麦門冬湯の鎮咳作用
気道に炎症があると麦門冬湯の鎮咳作用効果が高まる リン酸コデインは気道に炎症があると鎮咳効果は落ちる
麦門冬湯の鎮咳作用効果の主な作用は気道粘膜から咳中枢へと向かう求心性知覚興奮の抑制である
麦門冬湯は気道上皮細胞でTNFαやIL-1βなどの刺激によるIL-8の遺伝子を抑えることより抗炎症作用を
発揮する。この作用は転写因子NF-kβの活性抑制に基づくものである
麦門冬湯の肺サーファクタント分泌促進作用があり、その作用は複数の成分の複合作用として現れる
109番 小柴胡湯加桔梗石膏
小柴胡湯 (柴胡 黄ごん 半夏 生姜 大棗 人参)
桔梗湯 (桔梗 甘草)
石膏
適応 扁桃炎
桔梗 1去痰作用2咽頭鎮痛作用3排膿作用
石膏 天然含水銀カルシウム 解熱作用
桔梗湯 桔梗石膏
桔梗-甘草 咽頭痛改善作用 効能 扁桃炎
少陽病
定義 口が苦く、のどが渇き、吐き気がして、夕方に発熱し、めまいがする 動くことはできるが体はだるい
リンパ節 脾臓 肝臓の網内系における免疫機能が活動している 軽度の高サイトカイン血症がある
発汗瀉下も禁止 柴胡を与えよ 体内の悪いものを柴胡で中和して治す
9番小柴胡湯
柴胡 黄芩 抗炎症作用
半夏 生姜 吐き気止め
人参 大棗 甘草 健胃 消化吸収を高める
傷寒論 風邪をひき5日たち、脇腹が苦しく夕方熱が出て、吐き気や食欲不振があればこれを飲ませる
ハンス・セリエのストレス学説と風邪
警告反応 抵抗期 疲弊期
交感神経緊張
副交感神経緊張 コルチゾル分泌 副交感神経緊張
引き始め こじらせ 寝込み
大正時代のスペイン風邪
柴葛解肌湯 エキス剤で代用 葛根湯+小柴胡湯加桔梗石膏




2026-01-21 05:56:45
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糖尿病治療の新潮流 ‐SGLT2阻害薬を第一選択薬とする意義と実臨床への展開‐
福岡大学医学部 内分泌糖尿病内科学 教授 川浪大治先生
一部のみ列挙
糖尿病における心腎連関に重要性
SGLT2阻害の有効性と安全性
最新のガイドラインに関する話題
Cardiovascular‐Kidney‐Metabolic(CKM)Syndrome 心腎代謝症候群
心腎代謝症候群(CKM症候群)は、心臓、腎臓、代謝の疾患が互いに密接に関連し、全身に影響を及ぼす病態。
米国心臓病学会(AHA)によって提唱された新しい概念で、心血管疾患、腎臓病、2型糖尿病、肥満などが相互に関連し、包括的な診療と治療が求められる
CKM症候群の構成要素
心血管疾患(CVD) 心筋リモデリング 心臓線維化 心不全、心房細動、冠動脈疾患、脳卒中、末梢動脈疾患など。
腎臓病(CKD) 糸球体硬化症 尿細管間質の線維化 慢性腎臓病。
2型糖尿病 肥満 インスリン抵抗性
CVD CKDベネフィットのある2型糖尿病治療が重要
アルブミン尿とeGFRの低下は両者とも心血管イベント・腎イベントの重要なリスク因子である
eGFR<60 +顕性アルブミン尿 5.9倍 心血管病死亡 腎イベント 22.2倍
正常アルブミン尿での心血管死および心血管イベントリスク
eGFR 60‐89 1.22倍 60未満 1.85倍
eGFR 60‐89を1とすると 30-59で3.65倍に
7年の観察期間における心血管疾患および全死亡の1000人年あたりの発生率(海外データー)
2型糖尿病に高血圧と脂質異常症が合併すると心血管イベントおよび全死亡の発生率が上昇する
致死性/非致死性冠動脈 致死性/非致死性心血管疾患 全死亡 1000人/年
すべて改善 6 8.4 6.7
すべて改善無し 23.6 32.2 15.0
国内の2型糖尿病のある方で心腎疾患を併発した方のうち、69.9%がCKDまたは心不全を発症した
SGLT2阻害剤の腎臓への影響
血行動態への影響 Na利尿 水利尿 糸球体内圧低下(TGF)
エネルギー代謝(ケトン体など) インスリン低下/グルカゴン上昇 ケトン体↑体重低下
エネルギー効率増加
酸素供給 エリスロポエチン上昇
抗炎症・酸化ストレス 腎臓の低酸素改善 ミトコンドリアROS産生低下
炎症マーカー低下
線維化マーカー 低下
EMPA-REG OUTCOME試験
心血管疾患の既往がある2型糖尿病患者7,020人。治療内容: 標準治療に加えて、プラセボ、またはエンパグリフロジン(10mgもしくは25mgを1日1回)を投与
心血管死: 38%減少 心不全による入院: 35%減少 全死亡: 32%減少 複合心血管イベント: 14%減少
腎症の初回発現もしくは悪化 39%減少 192週までのeGFRの低下 有意に改善
EMPA-KIDNEY試験
エンパグリフロジン 糖尿病のないCKDで腎複合イベント28%有意に改善
腎代替療法まででの期間
eGFR 80前後 プラセボ 20年でeGFR 20.8 エンパグリフロジン 47.8 26.6年遅らせた
20前後 5年で 3.4 5.4 1.9年遅らせた
早期からの介入の重要性
52週の変化 EMPA-ELDERLY試験
体重は減るが 筋肉量や除脂肪 有意差なし 握力の低下や5回いす立ち上がりテストも有意な低下なし
セマグルチド GLP-1受容体作動薬の腎機能長期アウトカム試験 FLOW(日本を含む国際共同第三相臨床試験)
3533例 eGFR50-75かつUACR100-5000mg/g未満 RAS阻害剤が入っている
CKDを有する2型糖尿病患者にセマグルチド1mgの1週間1回投与は
主な腎臓複合アウトカム発現24%減少、eGFRの年間変化率1.16ml/分/1.73m2/年の抑制
MACE発現18%減少全死亡の20%減少
重篤な有害事象はなかったがプラセボと比べて胃腸障害が多かった
2型糖尿病患者の腎症進行抑制にGLP-1受容体作動薬は有効である 推奨グレードB
SGLT2阻害剤・GLP-1受容体作動薬の意義
SGLT2阻害剤・GLP-1受容体作動薬は単剤に比べてeGFRスロープを穏やかにしていた
観察研究 日本人2型糖尿病643名を後ろ向きに検討
単剤 併用
全症例 2.61±9.94 ↓ 1.23±5.95 ↓
投与期間 28か月±19.6 33.8か月±17.1
SGLT2阻害剤→GLP-1受容体作動薬を加える方が GLP-1受容体作動薬→SGLT2阻害剤よりeGFRスロープの改善が高かった
糖尿病診療ガイドライン2024におけるSGLT2阻害剤の位置付け
SGLT2阻害剤は腎症進行抑制に有効か?
アルブミン尿を有する2型糖尿病患者の腎症の進行抑制にSGLT2阻害剤は推奨される 推奨グレードA
SGLT2阻害剤は大血管症の抑制に有効か?
大血管症の2次予防にSGLT2阻害剤は推奨される 推奨グレードA
SGLT2阻害剤は心不全に有効か?
心不全の進行予防にSGLT2阻害剤は推奨される 推奨グレードA




2026-01-20 05:07:18
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本日は仕事があり、診療所へ 一息ついてから御堂筋沿いの喫茶店でのんびり読書タイム




90秒の漢方タイム 処方解説シリーズ
ツムラ当帰四逆加呉茱萸生姜湯の効能又は効果は、「手足の冷えを感じ、下肢が冷えると下肢又は下腹部が痛くなり易いものの次の諸症:しもやけ、頭痛、下腹部痛、腰痛」
本剤の重大な副作用には偽アルドステロン症、ミオパチー
構成生薬
大棗(タイソウ) 桂皮(ケイヒ) 甘草(カンゾウ) 生姜(ショウキョウ) 気をめぐらせ、温める(気の調和)
芍薬(シャクヤク) 当帰(トウキ) 気をめぐらせ、温める(気の調和)+血を補い血を巡らせる(補血、活血)
呉茱萸(ゴシュユ) 細辛(サイシン) 温める(散寒)
木通(モクツウ) 水の分布調整(利水)
当帰四逆散 + 呉茱萸
生姜
当帰四逆加呉茱萸生姜湯 使用目標
「平素より冷え症で体質虚弱な人が、寒冷のため手足が冷えて痛み、下腹部痛や腰痛などを訴える場合に用いる。」
1 頭痛、悪心、嘔吐などを伴う場合
2 下腹部や腰部に外科的手術の既往があって上記の症状を呈する場合にも多く用いられる。
また処方名に含まれる「四逆」とは、四肢の末端から逆に肘膝以上まで冷えることであり、本方がそれを治すことを表現しています。
しもやけ 頭痛 下腹部痛 腰痛
臨床研究
末梢冷感を認める女性の末梢血流に対する当帰四逆加呉茱萸生姜湯の影響
3年以上末梢冷感を自覚する女性58例(23‐79歳) ランダム化並行群間比較対照試験 8週間
対照群30例 TJ‐38投与群28例(7.5g分3/)日
評価 冷水負荷試験(4度 30秒)後の血流量およぶ皮膚温 (レーザードップラーとサーモグラフィ)
自己記入質問書による自覚症状診断
結果
末梢流量
冷水負荷の1分後・10分後の末梢血流は、両群間に差は認められなかった。 (mean±SD、t-test* )
末梢血流回復率の平均は、投与群17.2%と対照群-28.2%。 (p=0.007、mean±SD,t-test* )
50%以上の回復をみた症例の割合は投与群32%と対照群0%。 (p=0.0007、χ2検定* )
皮膚温
冷水負荷1分後・10分後の皮膚温度と皮膚温回復率は両群間に差は認められない。(mean±SD、t-test* )
自覚症状
冷えの自覚症状が改善した症例の割合は投与群81%、対象群で13%でした。(p<0.001,t-test* )
安全性 TJ‐38投与群の2例に軽度の腹痛が認められ、2.5g/日に減量した
研究の限界については以下3点
プラセボを使用していないこと
末梢血流と皮膚温度の測定誤差を避けることができなかったこと
当帰四逆加呉茱萸生姜湯の血管拡張作用と抗凝固作用を評価しなかったこと
以上のことから当帰四逆加呉茱萸生姜湯は末梢血流を改善し、末梢冷感を改善する可能性が示唆されました。
2026-01-18 16:02:56
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虚血性心疾患患者における尿酸管理 大阪大学大学院医学系研究科 循環器内科学 特任教授 小杉隼平先生
高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第三版
治療アルゴリズム 一部列挙
血清尿酸値 >7mg/dl
↓
痛風関節炎または痛風結節
あり なし
↓ 血清尿酸値<8 ≩8mg/dl
↓ 合併症 腎障害、尿路結石、高血圧、虚血性疾患、糖尿病
メタボリックシンドロームなど
↓あり なし 9以上なら (腎障害と尿路結石以外は尿酸低下で
イベント抑制を検討した大規模介入試験
生活指導(アルコール摂取制限を含めた食事指導) 未施行で今後の検討が必要)
薬物療法
尿酸による免疫プログラミングと炎症惹起
Step1 Priming 可溶性尿酸による転写誘導
可溶性尿酸がNF‐kβを核内に移行させ、Pro‐IL‐1βの転写を誘導する
Step2 Activation MSU結晶による活性化
(MSU結晶 尿酸がナトリウムと結合した「尿酸ナトリウム」という針状の結晶)
MSUがNLRP3インフラマソームを活性化し、IL-1βの産生を成熟させる
Consequence(結果) 持続的な炎症スパイラル
成熟IL-1βの放出により、関節炎だけでなく全身性の慢性炎症を惹起する
心臓においても(足などの関節だけでなく)
冠動脈内のプラーク内で結晶における刺激→NLRP3インフラマソームを活性化→プラーク内の不安定化が起こる
DECTによる冠動脈MSU沈着の可視化
*DECT(Dual-energyCT)は、異なる2種類のX線エネルギーを照射することで物質の違いを識別し尿酸結晶を特定する
痛風患者の冠動脈におけるMSUの沈着は石灰化プラーク近傍に認める
単施設後ろ向きコホート研究
対象 DECTが施行された痛風疑い患者 50例
心血管のMSU沈着例でMACE(心イベント)発生率は4.97倍に上昇する
高尿酸血症と冠動脈リスク (1次予防)メタ解析
29研究 CKD/CHDなしの成人コホート 958410例 CVD罹患率 1.13倍
PCI施行後の高尿酸血症と予後(2次予防)
多施設コホート研究 対象 PCI施行 慢性冠症候群患者 5138例
MACE(心イベント)発生率は1.52倍上昇する
既存の介入試験におけるエビデンスのギャップ
多施設RCT 60歳以上のIHD患者(痛風既往無し)
5937例 アロプリノールvs 通常治療 心イベントに有意なし
高尿酸血症が腎障害を惹起する病態生理
結晶依存性経路 可溶性尿酸経路
MSU結晶形成 細胞内取り込み
炎症惹起と線維化 機能障害と形質転換
マクロファージ貪食 酸化ストレス増大
NLRP3活性化 RA系亢進
好中球・T細胞動員 NO低下
心腎連関
CKDステージ進行に伴い冠動脈疾患の発症死亡リスクは有意に上昇する
複合的な発症機序
IHD予後改善には腎機能保持が不可欠 尿毒素の蓄積 慢性炎症 酸化ストレス 血管石灰化
腎機能低下と冠動脈石灰化の進行
平均冠動脈石灰化スコアー
94 103 148 eGFR低下に伴い、冠動脈石灰化スコアーは増大する
GFR>90 60‐89 30‐59 保存期CKDからの進行
透析前の保存期CKD段階から血管の器質的変化(石灰化)は進行している
↓
尿酸の関与 高尿酸血症は腎機能の低下を介して、または直接血管平滑筋細胞への作用し
石灰化を促進する
高尿酸血症治療の腎 心血管への影響 観察研究(1次予防、2次予防)
CKD発症率の予防 35%有意に減らす
進行 45「%有意に減らす
CVDイベント 1.42倍に増える
アロプリノール vs プラセボ CKD進行 47%有意に低下 CVイベント 71%有意に減少
CKD-FIX トライアル CKD進行やCVイベント アロプリノール vs プラセボ 有意差なし
疫学的な関連は強いが既存薬による介入試験では議論が分かれている
IHD患者における尿酸管理の意義
多数の観察研究において高尿酸血症は虚血性心疾患およびCKDの独立した危険因子
↓
XO阻害剤を中心とした介入試験では予後改善効果は、未確立
血管壁へのMSU沈着がプラーク不安定化に関与する残余リスクかもしれない
腎保護による心腎連関が冠動脈保護につながる可能性
↓
尿酸プールの減少×血管・腎への直接保護
SURI(ドチヌラチド)への期待
選択的URALT1阻害剤
従来の排泄促進剤と違い、ABCG2やOAT1/3への阻害作用が弱い
他剤との薬剤相互作用が低い (スタチンやDOACsの血中濃度上昇?)
臓器障害とURALT1の組織分布
血管平滑筋・内皮細胞にURALT1の発現が確認されている
細胞内への尿酸取り込みがトリガーとなり、ROS産生や炎症反応を惹起する
これらの変化が血管内皮障害を引き起こし、動脈硬化の進展へとつながる?
尿酸
脂肪細胞 腎臓 近位尿細管 血管平滑筋
↓ ↓ ↓
インスリン抵抗性 腎障害 高尿酸血症 心血管障害
痛風
DIANA試験 動脈硬化・酸化ストレスへの影響
高血圧合併高尿酸血症患者(n=50) ドチヌラド0.5‐4㎎(24週間)
CAVI(動脈硬化指数) d‐ROMs(酸化ストレス)
9.29 8.92 343.5 329.8
0週 24週 0週 24週
尿酸低下作用に加え、血管機能および酸化ストレスに対して改善効果が示唆された




2026-01-18 06:13:46
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第2回 感染症と漢方 千葉大学大学院医学研究科 呼吸器内科 特任教授 巽 浩一郎先生
一部のみ列挙
漢方薬による咳嗽治療
咳と漢方
1 咽喉等の感染/炎症による咳嗽 ↓ 咽喉等の炎症を緩和する治療 百日咳 オミクロン株(コロナ)
2 気管支、細気管支の感染/炎症による咳嗽 → 胸部の熱がこもり咳嗽が生じる→胸部の熱を冷ます炎症を抑制する
インフルエンザなど
咳嗽の発生機序を理解 咽喉頭の抗炎症作用を有する生薬が含まれているか?
急性の咳嗽
小柴胡湯加桔梗石膏(桔梗・石膏)
ウイルス
麦門冬湯 (麦門冬)
遷延性咳嗽
小柴胡湯加桔梗石膏(桔梗・石膏・・柴胡)
竹茹温胆湯 (麦門冬・柴胡・桔梗)
清肺湯 (麦門冬・桔梗)
呼吸器感染症には発熱を伴う
西洋医学 → 解熱剤 漢方医学→生体免疫の賦活→結果として解熱(漢方薬は解熱剤でもある)
基礎疾患のない健常人のウイルス感染には抗菌薬が不要
ウイルス感染に伴う発熱 急性上気道炎 鼻腔から気道に広く症状が出現(鼻水、咽頭痛、咳嗽)
基礎疾患のある健常人のウイルス感染+細菌感染症には抗菌薬が必要
細菌感染に伴う発熱 呼吸器感染症ではウイルス感染に細菌感染症状は局所症状のことが多い
生体における発熱とは?
感染に伴うウイルス増殖は高体温で抑制される
34.5度が最もウイルスが増殖する条件 38度では増殖が10分の1に
ウイルス感染に伴う発熱に対する解熱糖投与は原則不要 (インフルエンザ脳症に伴う解熱は例外)
解熱は免疫反応を抑制して感染からの回復を遅らせる
感染に伴いなぜ発熱するのか?
ウイルス感染に伴い発熱物質が脳内で産生 プロスタグランジンPGE2
感染局所からサイトカイン等の放出がCNSへ
↓
CNS血管内皮細胞で脂質メデイエーターPGE2が産生
↓
PGE2が視床下部の体温調節に作用
体温のセットポイントが高い状態にリセット
↓
交感神経系の活性化
呼吸器ウイルス感染症:細胞感染模式図
1 接着因子を介してウイルス付着 (ICM‐1レせプター)
↓
2 エンドサイトーシス(ウイルスRNAの侵入)
エンドゾームの酸性化
↓
3 ウイルスRNA増殖
↓
4ウイルスRNAとウイルス構造蛋白との結合
↓
5ウイルスの細胞外への放出 炎症性サイトカイン放出
麻黄 桂皮は抗ウイルス作用あり
1インフルエンザウイルスHAに結合して侵入を防ぐ
*HA(ヘマグルチニン)は、インフルエンザウイルスの表面にある主要なタンパク質で、ウイルスが細胞に感染する際に重要な役割を担っています
2ウイルスの複製に必要なPAエンドヌクレアーゼに結合して酵素活性を阻害 ウイルス複製を抑制 ゾフルーザと同様
黄耆 柴胡は抗ウイルス作用あり
補中益気湯
黄耆 柴胡はライノウイルス接着因子ICAM-1に結合して侵入を防ぐ
ライノウイルス複製を抑制
漢方薬治療のメリット
一部生薬には抗ウイルス作用 熱産生を助けることで発汗を促す 解熱鎮痛薬より、早期の解熱がもたらせる
急性の咳嗽
気管支拡張作用 気管支の抗炎症作用 胸部の熱を冷ます 生薬が含まれる漢方薬
麻黄湯 (麻黄・杏仁) インフルエンザには
桂皮 シンナムアルデヒド フラボノイド 発汗促進 鎮静作用
麻黄 交感神経賦活 エフェドリン 発汗促進 解熱作用 鎮咳作用
杏仁 アミダグリンの分解成分 ベンズアルデヒド アロマテラピー作用 微量のシアン化水素が咳中枢を抑制 鎮咳作用
甘草 グルチルリチン酸 抗炎症作用
葛根湯 (麻黄) インフルエンザでなさそう?
麻黄 桂皮 甘草
生姜 ショウガオール 発汗を促して体内の余分な水分を排出
葛根 発汗作用 鎮痙作用
大棗 トリテルベノイド サポニンが神経系の調節 体内を温め、筋肉や神経過敏症を迎え、精神的な落ち着をもたらす 鎮
静作用
芍薬 ベオニフロリンなどおの成分が神経伝達物資であるアセチルコリンの作用を調整することで筋肉の過剰な収縮を抑える
筋肉の緊張緩和
コロナ感染症による咽喉頭炎症による咳嗽
小柴胡湯加桔梗石膏(桔梗、石膏、柴胡)+葛根湯(麻黄)
コロナウイルス感染症による咽頭・喉頭の違和感による咳嗽
柴胡 抗炎症
石膏 身体を冷やす 胸部の熱を冷やす
桔梗 去痰 鎮咳
半夏 大棗 気の巡りを改善 鎮静作用
葛根湯 抗炎症作用
遷延性咳嗽
神秘湯 (麻黄・杏仁・柴胡)
麻杏甘石湯(麻黄・杏仁・石膏)
五虎湯 (麻黄・杏仁・石膏・桑白波)
麻杏甘石湯
麻黄 交感神経系刺激
杏仁 胸部の水の滞りを解消 咳嗽を改善
石膏 身体を冷やす 胸部の熱を冷ます 消炎・解熱
甘草 抗炎症作用
五虎湯 (麻黄・杏仁・石膏・桑白波)
麻杏甘石湯+桑白波 肺の熱を冷ます 抗炎症作用 水分代謝を調節 鎮咳作用




2026-01-17 07:04:59
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内科医をやっていると手や足の赤みはレイノー現象を起こす疾患で怖い病気をあげがちですが
しもやけなど一般的な皮膚科疾患があることを忘れがちで 少し皮膚科の基礎も勉強する必要があると考える機会があったので少し基礎の基礎の勉強を




しもやけ(凍瘡) 皮膚科での治し方 大木皮膚科ホームページより
一部のみ列挙
しもやけとは? しもやけ(凍瘡)とは、冬の気温低下(4から5度)等の寒冷気候・気温差が10度以上となる初冬・晩冬等の時期に、循環障害の起こりやすい手・足先および露出部である頬・耳などに起こるむずがゆい赤み 腫れ うっ血などの症状のことを云います。低い気温・寒冷にさらされると皮膚局所の小動静脈~毛細血管が収縮して循環が悪くなり、次いで暖かい室内などに戻ったときに循環障害を起こし冷たくなった皮膚組織に、急激に暖かい血液が流れ込むと血液のうっ滞が局所に生じます。しもやけが起こる時期としては、気温の下がり始める12月になると患者さんの数が増えて、気候が暖かくなる春になると改善することが多くなります
起こりやすい年齢としては、冬でも表で遊ぶことの多い学童期(小学生低学年)に多い傾向がありましたが、近年では大人や高齢者の方でもよくみられるようになりました。
しもやけができる機序・分類
元々、人間には体温等の恒常性を保つために外気温が低いと自律神経系の調整がなされ、四肢末端部の血管を収縮させ体から過度に熱が逃げるのを防ぐという機序があります。通常は、また暖かい部屋などに戻ると血管の収縮が戻り、四肢末端部の皮膚温は回復して暖かくなると云うのが普通の方の反応です。
しもやけの出来やすい方では体質的 環境的な素因などにより、
過度に小動静脈および毛細血管の収縮が起こり寒冷刺激がなくなり暖かくなっても血管収縮の回復が遅れる、
結果として皮膚局所の循環障害やうっ血を引き起こすことがしもやけが発生する機序と考えられています。
しもやけの分類としては、
1樽柿型しもやけ、2 多型紅斑型しもやけ、3 両者の混合型の3つの型に分けられる
樽柿型(T型)では、寒冷により収縮した小動脈が温かくなって血管収縮が回復するのに対し、小静脈レベルの血管攣縮の回復が遅れてしまい、流れ込んだ血液が局所で出口を失って赤紫色に腫脹・うっ血等の症状を起こします。指先ではなく、指~手背先などの部分に腫れが起こるため、手指の真ん中あたりが全体に腫れた様子が樽柿に似ているために、樽柿型と呼ばれます。静脈の寒冷のよる収縮の持続がつづくと、腫張が長引き悪化してしまいます。
多型紅斑型(M型)では、うっ血・腫れという症状よりもまだらに皮膚が青紫色に変化します。血流の悪くなったところにまだらに斑点状に症状がでる様子が小紅斑・丘疹が混在する多形滲出性紅斑に似ていることから多型紅斑型と呼ばれます。発生機序としては、寒冷によって収縮した小動脈 小静脈ともに暖かくなっても血管攣縮の回復が遅れてしまい、長引く局所血流不足が起きてしまった結果として局所血流障害が起こります。比較的末端部にできることが多くなり、症状が強くなると青紫色の皮膚が壊死を起こして潰瘍を形成することさえあります。
しもやけが治らない原因・体質は?
しもやけの発生には、
年齢(学童期・循環障害を起こしやすい高齢者)
遺伝的な体質、家族性素因(末梢循環が悪くなりやすい)
汗による冷えの増強
冬の寒冷な環境および気温差
個々の環境要因(遊ぶ場所・職業環境・住宅状況)
片麻痺などの脳障害、脊髄損傷後の循環不全
膠原病・糖尿などの基礎疾患 などが考えられます。
高齢者のしもやけでは、四肢末端部・手指・足先でのしもやけが多くなる傾向です。基本的に年齢と共に四肢の動脈系を中心に動脈硬化・血管の狭小化が進行してきますので、冬でなくとも四肢末梢の循環障害を起こしやすい病態があります。そこに、元々冷え症気味であるなどの体質的な条件が加わるといわゆるしもやけ症状が発生します。高齢者の方ではうっ滞・うっ血(樽柿型)となることは少なく、とくに下肢・足趾末端部を中心に青紫色の血行障害を引き起こします。
しもやけの症状
一般的なお子さんに多いうっ滞型のしもやけでは、
痛がゆい、かゆい、赤み、軽度の熱感 腫れ、腫張、うっ血、浮腫 暖まると症状が増強(入浴後など) など
高齢者のしもやけでは、
全体につめたい まだら状、青紫色の斑点 痛み、水疱、びらん 悪化時には皮膚潰瘍形成 などの症状が見られる。
好発部位
手足などの四肢の末端部、特に足趾・手指の先など寒冷に曝露されやすい部位が頻発します。顔面では露出部かつ末端部である耳介外周部・鼻尖部・頬部の突出部が起こりやすい傾向です。
手指・足趾の先端は、元々さまざまな血流障害を起こす基礎疾患があると、問題を起こしやすい部位です。膠原病などでは手指先が慢性的な血流不足で指先が萎縮してくることもありますし、糖尿病や動脈硬化ではしもやけでなくとも、足趾先端は色が蒼白~青紫に変色する障害が見られることがあります。
心臓から拍出された温かい動脈血は、大動脈⇒頚動脈および四肢の主幹動脈を通って、顔面・手足の末端部に到達します。手足や顔の一部(鼻尖、耳など)の小動脈には動静脈吻合があり、元々体温調整のための機能が備わっています。露出部である手足・顔面では、元々外気温が高いときには動静脈吻合がひらいて末梢部の血流を増して熱を逃がし、寒くなるとAVAが閉じて末梢部の血流を減らして熱を逃げないようにしている
元々このような体温調整機能がある部位が、過度な低温や温度差にさらされた結果、さらに小動静脈の収縮機能不全も合併し血液還流障害を起こした結果としてしもやけになるものと考えられます
しもやけの鑑別疾患
しもやけみたいな症状を起こす疾患は他にもあります。小児例ではとくに検査の必要はないことが多いのですが、成人においての しもやけ発生例 では以下のような基礎疾患がないかの鑑別も必要です。
膠原病(シェーグレン症候群 SLEなど)
甲状腺機能異常
動脈硬化(ASO 閉塞性動脈硬化症)
糖尿病
コレステリン血栓塞栓症
コロナ感染時の血流障害に伴う凍瘡様皮疹
とくに、春や夏にも症状が続く場合には注意が必要となりますので、総合病院等で一般血液検査・膠原病・甲状腺機能異常・糖尿病などの精査を行った方がよいでしょう。
しもやけの皮膚科での薬・治療は?
外用剤治療
ステロイド外用剤
しもやけ初期の痛がゆい症状に対して、ステロイド外用剤が使われます。強さは通常は中間のストロングクラス(リンデロンVなど)が用いられ、症状が強いときには亜鉛華軟膏(サトウザルベ)を重ね塗る「重層療法」も行われる
ユベラ軟膏(ビタミンE+A外用剤)
ビタミンEは皮膚に吸収されて血行促進に働き、皮膚温の上昇をもたらします。また、微小血管の透過性を抑制して、浮腫などの軽減が期待されます。ビタミンAは、皮膚の新陳代謝を高めるとともにビタミンEの体内利用を促進する
ヒルドイドソフト軟膏(ヘパリン類似物質軟膏)
ヒルドイドは、皮膚科でつかう保湿剤としてあまりに有名になってしまっているのですが、元来の保険適応は「血流障害に基づく疼痛と炎症」でした。血流障害の改善薬としての面から、「注射後の硬結・痔核・凍瘡(しもやけ)・肥厚性瘢痕・打撲後の腫張・血腫・腱鞘炎など」に適応をもっています。
その作用機序としては、抗凝固剤のヘパリンに類似した物質ということから、
血液凝固抑制
皮膚組織の血流増加
血腫消退作用
線維芽細胞増殖抑制効果 などが認められる
しもやけで皮膚が腫れてしまうと、皮下の血管周囲にリンパ液・血液細胞が漏れた状態とも考えられますので、血液流れの詰まり・血流を改善してくれるヒルドイドは最適なお薬というわけです。注意点としては、通常の保湿につかう場合と違い、風呂上がりや朝などに「少し多めに軟膏を患部に塗り込み、時間を掛けてやさしくマッサージ」するような使い方がおすすめ
抗菌剤外用など
足趾末端などで炎症や熱感があり細菌感染を伴っている場合には、各種抗菌剤外用が用いられることがあります。
内服薬
ユベラ錠内服
ビタミンEの内服剤であり、末梢血管の血流改善治療や過酸化脂質の増加防止作用があります。その適応としては、四肢冷感症・静脈血栓症・凍瘡(しもやけ)など各種末梢循環障害に保険適応があります。大人のしもやけでは標準的に用いられますが、お子さんではまず外用剤治療をメインに行いましょう。
末梢血管拡張内服(ドルナー・プロサイリン)
おもに全体の血流量が不足し悪化しているしもやけに用いられることがあります。あくまで保険適応は慢性動脈閉塞に伴う潰瘍・疼痛・冷感となっているので注意が必要
漢方薬
「当帰四逆加呉茱萸生姜湯・とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう」
参考になる証として手足の冷え,下肢の冷え+下腹痛を起こしやすい方の「しもやけ・腰痛」に用いられます。当帰は漢方の生薬(しょうやく)の名前で、「肌荒れなどの皮膚病・血虚所見」に効果があります。「四逆」とは、四肢の末端部から冷えが上がってくる様子を表す漢方用語です。「呉茱萸・生姜(しょうきょう=ショウガ)」は、両者とも冷えを治し温める生薬です。あとから加えたので「加える」を追加して、「加呉茱萸生姜湯」となっています。
臨床効果としては、四肢末端部の血流増加作用+皮膚温上昇作用が確認されており、文献上でも「冷感・疼痛症状」の改善報告があり、「しもやけ」に広く使われている漢方薬となります。
しもやけの予防・治し方は?
寒冷を避けて、保温・湿気に注意を行うことが基本です。しもやけの原因のひとつは「温度差」ですので、寒い外気からいきなり温かい室内に入ったり、急に温かいお風呂に入ったりすると悪化することがあります。
一般的な注意点をまとめると、
露出部を保護・保温性の高い手袋、耳当て、帽子、マスクなどで覆う
寒さが厳しいときは保温性にすぐれた靴を選ぶ
手首、足首も冷やさないように袖や裾の長さに注意を払う
首元が冷えると、顔・上肢も冷えてしまうため暖かめのマフラーを使うと良い。
とくに足が汗を掻きやすい方では、こまめに靴下も新しいものに交換する などの対策がおすすめ
2026-01-16 06:13:00
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ARNIは誰に使うべきか?知っておきたい導入のポイント 石切生喜病院 副院長 堀尾武史先生
一部のみ列挙
JSH高血圧管理治療ガイドライン 診察時血圧 130/80未満 家庭血圧 125/75未満に
厳格な降圧による心血管イベント抑制効果 SPRINT研究 2015年 米国
134㎜Hg未満 vs 121㎜Hg未満
発生率 ハザード比
厳格降圧群 標準降圧群
複合心血管イベント 1.65%/年 2.19%/年 0.75 有意差あり
心筋梗塞 0.65%/年 0.78%/年 0.83 有意差あり
脳卒中 0.41%/年 0.47%/年 0.89 有意差なし
心不全 0.41%/年 0.67%/年 0.62 有意差あり
総死亡 1.03%/年 1.40%/年 0.73 有意差あり
降圧と心血管イベントの関連 STEP試験
135.9㎜Hg vs 126.7㎜Hg 標準療法 vs 強化療法群 4年フォロー
心血管イベント発生率は26%有意に減少
急性非代償性心不全 3%/年 vs 11%/年 有意に抑制した
夜間高血圧と心血管予後 脳卒中と心不全での相違
JAMP研究 平均観察期間 4.5年 何らかの心血管リスクを有し、ABMPを施行された6359例
脳卒中はエクストリーム・ディッパーで2.30倍と有意に高かった
エクストリーム・ディッパー:夜間の血圧が昼間の血圧に比べて20%以上低下する状態「夜間血圧過降下型」
心不全はRiser型で3.78倍と有意に高くなる
通常、夜間血圧は昼間の血圧に比べて10~20%低下する。この正常な変動パターンをdipper型と言い、夜間の血圧下降が0~10%しかないパターンをnon-dipper型、逆に夜間血圧が昼間の血圧よりも上昇するパターンをriser型と言う。
高血圧性心変化と心不全発症の過程
高血圧症
↓ ↓ ↓
血行力学的負荷 神経体液性因子 代謝性因子
(交感神経系) (糖・脂質異常)
(RAA系) (インスリン抵抗性)
↓ ↓ ↓ ↓
心筋細胞(肥大) 心線維芽細胞(増殖、細胞外マトリックス産生)
左室肥大、線維化(リモデリング)
収縮障害 拡張障害
心不全
ナトリウム利尿ペプチド系はRAA系/交感神経系に対して拮抗的作用する
ANP →抑制
BNP →抑制 交感神経系 →+ レニン
↓
アンギオテンシン1
↓ ACE
アンギオテンシン2
↓ 亢進に
↓ 心肥大・線維化 +
→ 抑制に 血管収縮 内皮細胞透過性 +
水・ナトリウム貯留 レニン分泌 +
アルドステロン分泌 +
ANP・BNP、CNPの産生と心血管作用
心室からでるBNP・心房からでるANPは
血管にある受容体を介して 血管拡張 →降圧や心負荷軽減を
血管からCNPホルモン産生 血管拡張 平滑筋増殖抑制を
腎臓にある受容体を介して ナトリウム利尿 →降圧や心負荷軽減を
心臓の受容体を介して 肥大や線維化抑制 CNPも作用 心室リモデリング抑制 直接作用
サクビトリルバルサルタンの作用
ネプリライシン阻害作用をもつサクビトリルとバルサルタン
(ANPとBNPの分解抑制)
血管拡張 血管収縮抑制
交感神経抑制 体液貯留抑制
利尿・Na利尿
国内第三相試験 24時間血圧 オルメサルタンより有意に血圧低下 特に夜間血圧の低下が特徴
心不全ステージA・B 心不全予防が重要
食塩感受性因子の多様性
高齢者 女性 黒人
高血圧家族歴あり 腎疾患あり 糖尿病あり 腎機能低下
血漿レニン低下
遺伝子多型 アンギオテンシンノーゲン遺伝子やα‐アデシン遺伝子 アンギオテンシン変換酵素遺伝子
G蛋白β3サブユニット遺伝子 アルドステロン合成酵素遺伝子など
エンレストの降圧効果をより期待でいる(おそらく食塩感受性/食塩過剰摂取)患者の予測
夜間~早朝の血圧の高い方
浮腫を認める方
尿中Na排泄の多い方 推定一日食塩摂取量の算出には随時尿ナトリウ・随時尿クレアチニン年齢 身長 体重でわかる
低レニン活性の方 (PRA 1ng/ml 以下)
薬の併用に対する考え方(私見も含む)
65歳未満 65歳以上
1剤目 ARB/ACEi Ca拮抗剤
↓ ↓
浮腫あり
PRA<1ng/ml/h
2剤目 +Ca拮抗剤 +利尿剤 ARB/ACEi
↓
ARNIに変更できる?
心不全を見据えた(心不全stageA、Bの)高血圧患者へのARNI(エンレスト)導入への意義
内因性NP(ANP、BNP、CNP)の直接的心作用
ARB+NPの賦活化によるRA系の確実な抑制と強い降圧作用
NPの賦活化によるNa利尿作用から得られる夜間血圧まで含めた24時間血圧の低下




2026-01-15 04:29:30
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男性OAB患者の治療戦略 ‐エビデンスと診療ガイドラインの視点から‐北海道泌尿器科記念病院副院長 橘田岳也先生
BPH/LUTISの薬物療法のパラダイムシフト
α1遮断薬の上市
5α-Reductase阻害剤の上市 ↓
PDE‐5阻害剤の上市 ↓
併用療法のエビデンスによるインパクト
夜間頻尿への新規治療薬のインパクト
泌尿器科専門医向け診療アルゴリズム 前立腺肥大と過活動膀胱(OAB)はしばしば合併する 約70%(特に高齢者)
下部尿路症状を訴える中年男性
一部のみ
前立腺肥大症
↓
行動療法
α1遮断薬 PDE-5阻害剤などの薬物療法
↓ ↓
30ml以上の前立腺肥大 過活動性膀胱症状
↓ ↓
5α還元酵素阻害剤 抗コリン薬かβ3作動薬の併用
併用 変更
主な過活動性膀胱治療薬
1979年 4月 プラダロン 5月ポラキス6月 ミクトロール 心臓への副作用のため1991年中止
1993年 バップフォー
2006年6月 デトルシトロール ベシケア
2007年 6月 ウリトリス/ステーブラ
2011年 9月 ベタニス
2013年 3月 トビエース 6月 ネオキシテープ
2018年 11月 べオーバー
*PDE5阻害薬(排尿障害改善薬)
作用機序
尿路血管などの血管拡張作用や前立腺などの平滑筋弛緩作用により、血流や酸素供給を増加させ前立腺肥大における排尿障害を改善する薬 血管平滑筋の弛緩などに関わるcGMPはホスホジエステラーゼ5(PDE5)という酵素によって分解される
PDE5を阻害することで、血管拡張作用や前立腺及び膀胱における平滑筋弛緩作用により血流改善作用などをあらわす
主な副作用や注意点
消化器症状 消化不良、下痢、胃炎などがあらわれる場合がある
精神神経系症状 頭痛、めまいなどがあらわれる場合がある
泌尿・生殖器症状 頻度は稀だが勃起増強などがあらわれる場合がある
硝酸薬及びNO(一酸化窒素)供与薬との飲み合わせに関して
降圧作用などが増強する場合があるため原則として、本剤と上記薬剤は併用禁忌(併用しない)
ザルティア
通常「1日1回(成分であるタダラフィルとして)5mg」で服用するが、腎機能障害がある患者や併用薬との相互作用などを考慮し「1日1回(成分であるタダラフィルとして)2.5mg」で服用する場合もある
*5α還元酵素阻害剤
作用機序
男性ホルモンの一つであるテストステロンは5α‐還元酵素という酵素によって、より作用が強く前立腺を肥大させるジヒドロテストステロンへ変換される。本剤は5α‐還元酵素を阻害することでテストステロンからジヒドロテストステロンへの変換を抑制し、前立腺肥大を抑える作用
副作用
生殖系症状 勃起不全、性欲減少、射精障害などがあらわれる場合がある
乳房障害 女性化乳房、乳房痛などがあわわれる場合がある
消化器障害 胃部不快感などの症状があらわれる場合がある
アボルブ 1日1回0.5㎎
本剤は皮膚からも吸収されるので、女性や小児はカプセルから漏れた薬剤に触れないようにする
漏れた薬剤に触れた場合は直ちに石鹸と水で洗い流す
前立腺肥大症(BPH)を有する男性過活動性膀胱(OAB)患者におけるタムスロシンへのベタニスAdd-On療法
無作為化プラセボ対象試験-MATCH 研究― 海外データ含む
*過活動膀胱の症状(尿意切迫感、頻尿、切迫性尿失禁など)
過活動膀胱の症状がある前立腺肥大症の患者さんには、まずα1受容体遮断薬(タムスロシンなど)による治療が優先されます。 これは、尿道内圧を低下させ、排尿困難を改善する効果があります。
ベタニスAdd-On療法の有効性・安全性
有効性
国際共同治験である「MATCH Study」では、前立腺肥大症を持つ男性OAB患者さんに対し、タムスロシンにベタニスを追加投与した群は、プラセボを追加投与した群と比較して、平均排尿回数が有意に改善しました。 尿意切迫感や切迫性尿失禁などの項目も改善が見られました。
安全性
ベタニス併用群でカテーテル挿入を必要とする尿閉は認められず、重篤な副作用や投与中止に至るような副作用も少ないことが示された。ベタニスは膀胱の筋肉を緩めることでOAB症状を改善するため、抗コリン薬とは異なり、尿閉、口の乾き、便秘などの副作用が少ないという特徴が
ガイドラインにおける位置づけ
これらの臨床データに基づき、ベタニスは「過活動膀胱診療ガイドライン(第3版)」において、前立腺肥大症を合併する男性OAB患者さんに対する治療薬としてAまたはBの推奨グレード。日本泌尿器科学会の「男性下部尿路症状・前立腺肥大症診療ガイドライン」でも、ミラベグロン(ベタニス)は男性OABへの有用性が確認されており、α1受容体遮断薬との併用療法も含まれている。
BPH+OAB男性患者
下部尿路閉塞 さらに 排尿筋低活動
OAB→ 低活動性膀胱(UAB)
OAB→ OAB&UAB
加齢 メタボリックシンドローム 1/3ほどはUAB含まれることを念頭に
低活動性膀胱で用いられる薬剤と尿閉への注意
原因
神経障害:脊髄損傷、多発性硬化症、パーキンソン病など。
加齢:年齢とともに膀胱の筋肉が弱まる
薬剤性排尿障害:総合感冒薬(風邪薬)、抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬、抗うつ薬などの精神疾患領域のお薬など
糖尿病:高血糖が神経障害を引き起こし、低活動膀胱になります。
低活動性膀胱の薬物療法には、主に以下の薬剤が使われます。これらの薬剤の中には、尿閉を悪化させる可能性のあるものもあるため、注意が必要です。
α1受容体遮断薬
副作用として起立性低血圧によるめまいが出ることがあるため、用量や使用について医師と相談することが大切です。
コリンエステラーゼ阻害薬(コリン作動薬)
全身の副交感神経を強めるため、下痢や吐き気、気道を狭めるリスクがあり




2026-01-14 05:00:45
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かかりつけ医の立場からの高血圧治療 中村医院院長 中村仁先生
高血圧の歴史 血圧測定 診断 ガイドラインの過程
日本高血圧学会ガイドライン2025 ESC2024について
MRAのつかいどころ
かかりつけ医の役割
一部歴史の部分のみ列挙
1700年以前 脈の触知のみ 1733年 直接法 馬の頸動脈にガラス管を挿入
1896年 触診法 Riva‐Rocci カフを巻いて水銀で測る 最高血圧のみ
1905年 聴診法 血圧圧迫で乱流が生じる際の音 (コロトコフ音) 収縮期+拡張期
1980年代 オシロメトリック法 血管の振動を感知
昔 脳心血管死は多かったが、血圧が高い=悪いとは思われていなかった
フラミンガムハート研究 → Risk Factor 血圧 タバコ コレステロール 肥満 喫煙
心血管疾患のリスク因子を特定するために1948年に開始された大規模な前向きコホート研究
血圧が高い=悪いと初めて示されたのは60年前
(拡張期)
1967年 VA Cooperative Study
高血圧治療が脳卒中、心不全を減らすことを初めて示した大規模なランダム比較対照試験
↓
高血圧は治療すべきサイレントキラー
高血圧に関する世界初のガイドライン:中等症以上の拡張期高血圧に対して利尿剤推奨
脳心血管死は多かったが、血圧が高い=悪いとは思われていなかった
収縮期血圧もやっぱり(以外??)悪い
1991年 SHEP 収縮期血圧治療が脳卒中、心血管イベントを減らすことを初めて示した大規模なランダム比較対照試験
1997年 Syst-Eur 脳卒中、心血管イベントを減らす 認知症を減らす
↓
収縮期血圧が高い≠老化現象 とにかく血圧は下げるべき
どうやって血圧を下げる
降圧薬の開発の歴史
1957年:利尿薬(サイアザイド系)
1964年:β遮断薬
1971年:カルシウム拮抗薬高血圧治療薬として日本で最初に報告されたベラパミルや後にニフェジピンなどが
特にカルシウム拮抗薬は、降圧効果が優れており、作用持続が長いため、脳血管障害が多い日本で多用されるよう
1977年:ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)
1991年:ARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬) 血管を収縮させて血圧を上げるアンジオテンシンIIの働きを阻害する薬で、最も新しいタイプの降圧薬です。
2002年MRA(エプレレノン:セララ)が 2019年(エキサセレノン・ミネブロ)が2021年フィネレノン(ケレンディア)が
1965年スピロノラクトン(アルダクトン)第一世代
2016年 ARNI(エンレスト)開発
どうやって血圧を下げる
ALLHAT 2002年 利尿剤vs CCB vs ACE 到達血圧 135-138
ASCOT-BPLA 2005年 CCB+ACEi vs βブロッカー+利尿剤 136
VALUE 2004年 ARB vs CCB 138
FEVER 2005年 CCB+利尿剤 vs 利尿剤単独 133
メタ解析 BPLTTC
↓
どの薬かよりもどれだけ下がったが重要 到達目標っ血圧がどれくらいかは不明(およそ<140)
血圧はどのくらい下げればいいのか?
2010年 ACCORD BP 研究 DM患者<130 vs 140 有意差なく有害事象増えた
2015年 SPRINT研究 非DM患者 <120 vs 140 有意差あり 血圧治療において血圧値を示した
初めてのRCT
高血圧管理治療ガイドライン2025が8月29日に発表
降圧目標 診察室 130/80 mmHg未満 家庭血圧 125/75 mmHg未満
JSH2019年では75歳以上の診察室血圧の目標 140/90未満だったのが、年齢や合併している病態に関係なく
統一された 高値血圧(診察室血圧130-139/80-89)で脳心血管病の発症が低・中等リスクの場合は生活習慣の改善を強化する
めまい・ふらつき・たちくらみ・倦怠感・失神などの症候性低血圧、起立性低血圧、急性腎障害、高カリウム血症などの電解質異常といった有害事象の発症に注意しながら降圧を進める
75歳以上の健康・機能状態によるカテゴリー分類と降圧指針
カテゴリー 1 自力で外来通院可能なADLが保たれた患者 130/80未満
2 外来通院に介助が必要な手段的ADLが低下した患者 140未満へ
3 外来通院が困難となっ基本的ADLが低下した患者 150未満へ
4 エンドオブライフに患者 145-160で 個別判断
降圧療法
低中等リスク 高リスク1度高血圧 2度3度高血圧
↓ ↓
STEP1 降圧目標との差、降圧速度の忍容性 合併症など総合的に判断
G1降圧薬の中から1つ ↓
G1降圧薬の中から1つ投与 ↓
↓
STEP2 ↓
G1降圧薬から2剤併用 病態に応じてG2降圧薬も用いる
↓
STEP3
原則としてサイアザイド系利尿剤を投与
↓
生活習慣や薬物療法の問題点を検討して対策を
専門医紹介を考慮
降圧薬の併用STEPにおけるグループ分類
G1 a 長時間作用型ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬 忍容性に優れる
RA系阻害剤(ARB、ACE阻害剤)
b 少量のサイアザイド系利尿剤 STEP1から病態に応じて選択する 現状本来投与すべき病態へ
β遮断薬(ビソプロロノール カルベジロール) 投与されておらず積極的に使用
することが望ましい
G2 アンギオテンシン受容体ネプリライシン阻害(ARNI) 降圧薬治療STEP2、STEP3
MR拮抗薬 で病態に応じて選択
HTにおける脳心血管病予防のエビデンスなし
G3 α遮断薬
ヒドララジン 治療抵抗性高血圧や特殊な病態に用いる
中枢性交感神経抑制薬など積極的降圧を推進するための対策
Na利尿作用のある薬剤を
使い慣れた薬剤に
MR拮抗薬は原発生アルドステロン症や心不全だけにくすりでない
ミネブロの有効性 使用について 腎障害の有無によらず
K値が5以上患者投与禁
開始後2週間以内とできれば4週間後にK測定
5< <5.5 であれば減量
5.5< <6 であれば減量または中止を考慮する
6以上であれば中止
アルドステロン刺激を介さずにアデポサイトカインや食塩負荷によってRac1活性化を介してMRが活性化されるため
原発生アルドステロン上昇型 原発性アルドステロン正常型
原発性アルドステロン 肥満
アルドステロン関連高血圧 糖尿病
アルドステロンブレークスルー現象 CKD
肥満 多嚢胞性卵巣症候群
SAS 血漿または組織のコルチゾールレベルの上昇
睡眠障害
MR拮抗薬の適応は多い




2026-01-09 05:53:22
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糖尿病と睡眠障害 金沢医科大学糖尿病内分泌内科学教授 熊代尚記先生
一部のみ列挙
2型糖尿病の5割以上に不眠が認められる 海外データー
入眠障害 中途覚醒 早朝覚醒 すべて有意に増加
糖尿病における睡眠障害の原因
1糖尿病に関連した抑うつ状態
2高血糖による口渇感、多飲、多尿
3低血糖による自律神経症状:動悸・発汗など
4糖尿病性神経障害
下肢のしびれ 疼痛
胃腸運動障害による腹部膨満、逆流性食道炎
5むずむず症候群
不眠は糖尿尿病のリスクとなる
正常 1とすると 睡眠不足 1.23 1年以上の不眠 1.70倍
睡眠時間と2型糖尿病の発症リスク ―Sleep Heart Health 研究よりー
平均睡眠時間 7-8時間 1とすると
5時間未満 2.51倍 6時間 1.68倍 9時間以上 1.78倍
睡眠不足とインスリン抵抗性
4時間睡眠×6晩の翌日 → 回復 12時間睡眠×6晩の翌日
血中グルコース 朝食後 140mg/dlに 118mg/dl 有意差あり
インスリン濃度 900pmol/min 700 pmol/min 有意差ないが
2型糖尿病患者では徐波睡眠(SWS)が有意に減少している(睡眠の質も低下)
正常 レム睡眠(浅い眠り)ノンレム睡眠(深い眠り:段階1-4 1浅い 2軽睡眠 3+4 除波睡眠)
が90分周期で繰り返される
stage1 stage2 SWS REM睡眠
非糖尿病患者 35% 45% 14% 16%
糖尿病患者 30% 40% 8% 22%
健常人において強制的に除波睡眠を減少させるとインスリン感受性が有意に低下する
肥満の新規発症と睡眠時間の変化
5時間以上から5時間未満 1.33倍
睡眠不足によるレプチン分泌低下とグレリン分泌上昇
健常男性12名で4時間睡眠×連続2日間 vs 10時間睡眠×2日間 6週間間隔開けて
持続グルコース点滴でレプチンとグレリン濃度測定
不眠や睡眠不足と糖尿病の関係
不眠や睡眠不足
交感神経活性亢進↑ 夜間コルチゾール上昇 オレキシン上昇 摂食時間延長 エネルギー消費の低下?
夜間GH分泌上昇 レプチン低下
グレリン上昇
インスリン抵抗性↑ 食欲↑ 摂食量↑ ↓
耐糖能 ↓
糖尿病 肥満 ←
450人アンケートに基づいた糖尿病と睡眠障害の実態調査 検討 2015年11月~2016年3月
2型糖尿病の4人に1人が睡眠障害あり
16週間のオレキシン受容体拮抗薬(スポレキサント)の投与が
睡眠障害改善、ショ糖摂取の抑制、腹囲の減少をもたらした
入眠時間や中途覚醒時間の変化量がHbA1C・体重の変化量と相関した
人における睡眠障害と肝脂肪蓄積や耐糖能との関係 24名で検討
結果のみ
肝内脂肪蓄積量や血糖レベル、耐糖能、インスリン抵抗性とは明らかな相関はなかった
マウスでの検討 夜更かしモデルを使用して
結果のみ
体重は増えず脂肪蓄積含有量が増加して耐糖能異常が生じ、インスリン抵抗性の存在が示唆された
メタボローム解析の結果 解糖系の抑制と脂肪燃焼の促進が示唆された
マクロアレイ解析の結果からはSREBP1cとは独立した脂肪合成の促進が示唆された
6時間の急性睡眠障害は肝臓で脂肪合成を促進し、脂肪肝・インスリン抵抗性を誘発する
治療標的としてELovl3(脂肪合成酵素)に着目しマウスで実験を
結果のみ
肝臓での脂肪合成を1つ抑制しても脂肪肝は改善しても耐糖能の改善、肝インスリン抵抗性の改善には
いたらなかった
OASASの主な特徴
患者側の訴え いびき 無呼吸 日中の眠気 起床時の頭痛 夜間頻尿 熟睡感がない
身体的特徴 肥満 顎が小さい 扁桃腺腫大
合併しやすい疾患 高血圧 心疾患 糖尿病 多血症 不整脈
睡眠時無呼吸と2型糖尿病の関係
睡眠時無呼吸
睡眠の分断化 間欠性低酸素
交感神経活性化 コルチゾール産生 酸化ストレス 炎症反応 アデポサイトカイン
(活性酸素) IL-6 TNFα レプチン↑ アデポネクチン↓
インスリン抵抗性/膵β細胞機能低下
↓
耐糖能異常/2型糖尿病
CPAPで耐糖能やインスリン感受性の改善をもたらし血糖管理を良好にする可能性がある
肥満者や肥満を伴う糖尿病患者の診療において睡眠無呼吸障害の存在の有無を考慮して診察すべき




2026-01-08 05:40:09
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