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人生もっと楽しくなるたった一つのこと 心理カウンセラー ラッキー
楽しい人生をおくるのに絶対必要なもの
自分を好きになる 逆に → 自分が嫌い
毎日が楽しくなる 行動が消極的になる
表情が生き生きする 人と触れ合いをさける
将来に希望が持てる 恋愛もうまくいかない
積極的に行動できる 人間関係もうまくいかない
恋愛も順調になる 自己主張ができない
人付き合いも順調になる 思い切って挑戦ができない
夢や目標にチャレンジできる 未来に希望がもてない
ドラマが生まれる どうせ自分なんて・・・
毎日が一層わくわくする 毎日がつまらない
表情が曇っている
自分を好きになる方法 第3位
自分に感謝する 最も手軽で簡単な方法
ポイント
鏡にうつった自分に感謝する 大切な人の死 ・失敗したこと 失恋の悲しみ 惨めに感じたこと
病気の苦しみ 悔しかったこと 頑張って試験に合格したこと
荒波をのりこえてきた自分を 自分のお陰だと
自分に感謝する 今までいろんなことがあったね 苦しい事、悲しい事、悩んだこと、理不尽なこと・・・
たくさん困難を乗り越えて生きてきたよね 今日も愚痴ひとつこぼさず笑顔でがんばったね
その頑張りを私はいつも見ているよ 本当にありがとう これからもよろしく
→ 体が喜ぶ 全身に気が巡る エネルギーがわいてくる
心の緊張がとけていく 深い安らぎが全身に広がる 睡眠の質もよくなる オキシトシン(愛のホルモン)↑
自分を好きになる方法 第2位
悪口は言わない・人をほめる
人に褒められる→自分を好きになる
人からたくさん褒められるには(返報性の法則) 悪口の多い人 人をほめる誉める人
↓ ↓
いつもたくさん悪口を 人からのたくさん褒められる
言われる
*よくほめる人はあまり褒めない人より2倍近く誉められている
誉めると貯金が・・・
悪口は言わない・人をほめる
悪口→だめなところをみつける →脳 マイナス思考思考回路↑↑→ 欠点 どうせ私なんて 根気もない
弱点 気に入らないこと センスがない・・自分が嫌い
自動思考が
誉める→良いところ 長所 → 脳 プラス思考回路↑↑ →良いところ 成長してるな ずいぶん上達したな
探し出す行為 自分が好きに
自分を好きになる方法 第1位
たくさん人に親切にする
少しでもいいから 料理を手伝う 子供を助ける
他人のお祝いを祝う 友達の悩み事を聴く
たくさんの人に親切にする 俺って結構いいやつじゃん 自分が好き 自尊心が生まれる
助かった・あたたがいてくれてよかった 君のお陰だ ほめられることは最高の幸せ 自分が好き
たくさん親切すると 自信が高まる コミュニケーション能力が高まる
モチベーションが高まる ストレス耐性が高まる
幸福度が高まる
人に優しくする
本当に優(すぐ)れているということは自分にも他人にも優しくできること
「楽に生きる」ための魔法の言葉 幸せ心理学 心理カウンセラー ラッキー
楽に生きられない人
なんとなく生きづらさを感じている
どこにいても安心感がない
自分を好きになれない
自分らしく生きられない ある呪いにかかっている
人付き合いがおっくう
から元気で友達と接している
他人にイライラしがち
人の目が気になる
なるべく目立たないように生きている
1楽に生きられない呪いとは? 2呪いを解く魔法の言葉
楽に生きられない呪いとは→ ベキの呪い
男はこうあるべき
女はこうあるべき
妻はこうあるべき 劣等感 自信が持てない
礼儀はこうするべき 自分を好きになれない
真面目にいきるべき 他人の評価が気になる
人付き合いはこうすべき 素の自分を出せない だめな自分をみせられない
一度決めたことは最後までやるべき すぐに緊張してしまう
新しいことにチャレンジする勇気がわかない
また他人にも厳しくなる 完璧主義
自分を愛せない 夫婦仲が悪い 行動力がない
他人も許せない 三日坊主 情緒不安定
べきの呪いの原因は? → 大人の言葉
暗示の定型文
真面目に勉強しないと、将来だ困るわよ
女なら料理ぐらいできないと、恥ずかしいぞ
途中であきらめたら、人生だめになるぞ
友達が少ないと、さみしいぞ
食べ物を残すと、ばちがあたるわよ
べきは役に立つのか?→ 無駄な常識
例 友達は多い方がいい みんなとなかよくしなければならない
→無理して孤独感が、無理して仲間外れに・・・自由に自分らしく生きていけない
べきの呪いをとくには?
呪いを解く魔法の言葉 「まあ、いっか」
嫌われちゃったっかもしれないけど、
3日坊主になったけれど 「まあ、いっか」
みんなから笑われちゃったけれど
部長に怒られるかもしれないけど
命までとられるこわけじゃないから
↓
なんの問題も起きない
例 会社を辞めたら、そのさきくろうするぞ・・ 演者の場合
定年までいると考え 精神的にも肉体的にも負担が
退職届け 気分が楽になり 苦労が減り、給与は減ったがやりたいことができ、心が元気になった
我慢しないこと、人に気をつかわない 自分らしく生きられる ダメな自分を許してあげる 感情を素直に出すと
かえって周りの人に好かれたりする
他人にもおおらかでいられる 行動力があがる
2023-06-07 05:22:29
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咳問診票があるとき!ない時・・市立福知山市民病院 総合内科医長 川島篤志先生
咳患者は多い 初診外来受診理由第1位 10人に1人は咳患者
一般的な咳診療
急性期 3週間以内 3週以降 慢性期
感染性 1副鼻腔炎2GERD3咳喘息
自然に治る
急性期咳嗽が75% 初診受診時の咳持続時間 N=436 福知山市民病院
1週以内20% 2週間以内 37% 3週間以内 18% 3週から8週 17% 8週以上 8%
何故受診したのか 不安と苦痛
下気道感染(最近では) RSウイルスやヒトメタニューモウイルス
ヒトメタニューモウイルス感染症とは
気管支炎や肺炎などの呼吸器感染症をひきおこすウイルスの一種です。1~3歳の幼児の間で流行することが多いのですが、大人にも感染します。小児の呼吸器感染症の5~10%、大人の呼吸器感染症の2~4%は、ヒトメタニューモウイルスが原因だと考えられています。とくに乳幼児や高齢者では重症化することもあり、注意が必要。ヒトメタニューモウイルスに感染しても、1週間程度で症状は治まります。しかし、1回の感染では免疫が獲得できません。何度か繰り返して感染してしまいますが、年齢が上がるにつれて徐々に免疫がつき、症状が軽くなる傾向にあります。ヒトメタニューモウイルスは、ウイルスの遺伝子も感染症の症状もRSウイルスに似ており、症状も見た目だけでは診断できません。感染の流行を防ぐためにはウイルスの鑑別を行うことも大切ですので、医師から検査を勧められることがあります。ヒトメタニューモウイルスの迅速診断キットでは、鼻咽頭を細い綿棒でぬぐった後、5~15分程度で鑑別できます
咳問診表
日本呼吸器学会の指標では遷延性・慢性咳嗽の定義は3週間以上とされており、それまでの咳嗽の原因のほとんどは、感染症に伴う咳(感染し絵咳嗽)となり、多くの場合は症状を抑える=鎮咳薬+他の症状に応じての治療となります。つまり、咳だけが2週間前後続くことは、よくあることになります(特に喫煙者や肺に病気のある方は長くなります)
一番下に記載のとおり集計も兼ねているので以下の問診表をすべて埋めて頂けるようにご協力お願い申し上げます。
他の原因として可能性があるのものとして下記が挙げられます
咳喘息など:咳が主体の気管支喘息→過去に喘息といわれたことが小児期を含めてありますか ある・ない
副鼻腔炎関連 →鼻閉や鼻水が喉を伝わる感じ(後鼻漏)はありますか ある・ない
逆流性食道炎 →胸やけや食後に悪化する感じはありますか ある・ない
また結核・肺がん・他の疾患など:胸部画像で評価が必要なものがあります
現在の症状
咳嗽 ( )日前から ピークを(越えている 越えていない)1日の中で(早朝・昼・夜)が悪い
喀痰 ない・少しだけある・咳のたびに痰がでる/痰を出すために咳をする 色調が(薄い、濃く)変化している
発熱 ない 最初にあったが改善している( )日前からあり、まだ続いている
受診 当院の外来・救急受診あり 他医療機関の受診あり 日前(複数あれば記載)全く初めて
そのうえで、患者様の現時点でのご心配・希望があればお伝えください
現時点で心配な病気 *特にない場合は「特になし」に〇をしてください
肺炎 百日咳 間質性肺炎 マイコプラマ
肺がん 肺結核 気管支喘息 COPD(慢性閉塞性肺疾患・肺気腫含む) その他 特になし
血液検査 希望する 医師の判断に任せる 希望しない 喫煙(再記入ですみません)
胸部レントゲン 希望する 医師の判断に任せる 希望しない なし 以前すっていた
胸部CT 希望する 医師の判断に任せる 希望しない 本 × 年
呼吸機能検査 希望する 医師の判断に任せる 希望しない 肺活量だけの検査ではありません
*40才以上の喫煙者はCOPDの可能性があり、巣状が軽微・治まってから検査を奨めます
投薬 種類 なるだけたくさん 医師の判断に任せる なるだけ少なく
投薬 日数 なるだけ長く 医師の判断に任せる なるだけ短く
抗菌薬 希望する 医師の判断に任せる 希望しない
*咳嗽のメカニズムや耐性菌の観点では不要 もしくはかえって有害なことが多いです
*最終的には担当医の判断になりことをご了承ください 不明な点があればご相談ください
*マイコプラズマ
胸部レントゲン 網状結節影もしくは斑状の浸潤影を示す。
肺門リンパ節腫大(子供に多い)を認めることもある。
胸部CT:小葉中心性結節影(しばしばtree-in-bud appearance)・(中枢まで目立つ)気管支肺動脈束の肥厚・(気管支肺炎様の)小葉大のすりガラス・均等影・浸潤影lobular opacityと呼ばれる矩形の結節もしくは腫瘤が見られることや、大葉性肺炎を疑わせる広範な浸潤影や無気肺を呈するものもある。
広範なすりガラス影を示すことが時にあるが、これはアレルギー性反応による毛細血管透過性亢進によ
る浮腫と推測されている。ARDSを来すこともある。
小児例では、成人よりも浸潤影が強い傾向にある。病原体に体する免疫反応の違いに起因
*COPD 検査・診断 画像検査:肺の状態を調べる
胸部レントゲン(X線写真)検査
胸部CT検査
呼吸機能検査:肺活量と息を吐くときの空気の通りやすさを調べる
基準となる空気の通りやすさの値を下回る結果が出ると、COPDの診断となる
COPDは末梢気道がペコペコになって息が吐きにくくなる病態であり、1秒率が70%以下のことを言う。1秒率とは1秒間に吐ける息の量(1秒量)が吸いきってから吐ききるまでの肺活量(努力肺活量)と比べてどの程度の割合かを指す
さらに、1秒量が正常な人と比べてどの程度の低下しているかによって、COPDの重症度(病期)が決まる
Ⅰ期 軽度の気流閉塞 患者さんの1秒量 / 正常な人の1秒量 ≧ 80%
Ⅱ期 中等度の気流閉塞 患者さんの1秒量 / 正常な人の1秒量 = 50~80%
Ⅲ期 高度の気流閉塞 患者さんの1秒量 / 正常な人の1秒量 = 30~50%
Ⅳ期 極めて高度の気流閉塞 患者さんの1秒量 / 正常な人の1秒量 < 30%
*がん検診 喀痰細胞診 胸部レントゲン・CT
*結核 感染の検査として、以前はツベルクリン反応検査しかし現在では主に、インターフェロンガンマ遊離試験(IGRA)という検査を行います。乳幼児に対しては実施できませんが、小学生以上はIGRAを行います。ツベルクリンをはるかに上回る感度であり、一回の血液検査ですむ簡便な検査です。
IGRA (Interferon-Gamma Release Assay):血液検査
IGRAは新しい検査 「感染」用の血液検査。以下の2種類。
クォンティフェロンTbゴールド(QFT)
T-spot
これらはどちらも結核菌に対する特異性が高い検査で、BCG(子どものときに接種する結核のワクチン)には反応しないことが特徴です(ツベルクリン反応ではBCGを接種していると反応してしまうことがあります)。また、特異性が高いということの意味は、「偽陽性が少ないため、この検査が陽性であれば結核に感染している可能性が高い」と理解してください。
2週間以上続く咳など結核の可能性が高い方には、発病の有無の検査を行います。その場合には主に胸部レントゲン検査や胸部CT検査などの画像検査と、痰の中に結核菌がいないか痰を調べる喀痰検査(かくたんけんさ)を用いていきます。画像検査では、結核菌により肺が壊されているかを診断します。一方で、喀痰検査では結核菌の存在を遺伝子レベルで分析したり、顕微鏡で観察することにより結核菌を排菌(他人に感染するような形で呼気から吐き出しているか)しているのかを判明させます。
「結核である」と最終的に確定診断するには、喀痰検査で結核菌の証明をしなければなりませんが、画像検査であまりに強く結核が疑われる場合には喀痰検査の結果を待たずに治療を開始することもあります。画像検査と喀痰検査を組み合わせながら診断し、治療をしていきます。
画像検査
レントゲン検査と胸部CT検査があります。まず肺結核の「発病」が疑わしい場合にはレントゲン検査を行います。まずはレントゲン検査を行った後、そこで疑わしい影がある場合には胸部CTなどの精密検査を受けていただきます。
喀痰(かくたん)検査
結核菌が存在していること、排菌していることを調べていくことが目的の検査です。具体的には、喀痰塗抹検査、抗酸菌培養検査、遺伝子検査などがあります。
1抗酸菌塗抹検査(ガフキー号数)について
結核または結核の仲間の菌(抗酸菌)を染色し、直接顕微鏡で観察する検査です。迅速性に優れています。染色には、特殊な抗酸菌染色である「チールニールセン染色」と「蛍光法」の2つが用いられます。
注意すべきなのは、これは抗酸菌を調べる検査であるということです。つまり、抗酸菌イコール結核菌ではないということになります。非結核性の抗酸菌症の場合も、この検査で引っかかります。それぞれ100種類以上あり、それを区別する方法が、3で紹介する遺伝子検査です。
2 抗酸菌培養検査―時間がかかるが感度の良い検査
抗酸菌培養検査は、培地で抗酸菌を培養し、菌がいるかどうかを確認する検査です。顕微鏡で見えないわずかな菌でも拾い上げることができます。ただし、結核菌以外の抗酸菌が出てしまうことがある点と、結核菌は増えるスピードが遅い点から、抗酸菌培養検査では数週間かかり迅速性がない点がデメリットです。
この検査では固形培地(小川培地といいます)と液体培地という2種類の培地で、陰性を確認するまで結核菌を培養します
3核酸増幅検査(PCR法)、遺伝子検査
この検査の特徴は、結核菌であると確定診断ができることにあります(それ以外は抗酸菌を調べるだけの検査です)。また、検査の迅速性も特徴です。核酸増幅検査(PCR法)を用いて直接検体から菌の遺伝子を増幅させて、検出していきます。確定診断はできる一方で感度はあまり良くなく、結核菌を拾い上げられないことがあり点はデメリットです。




2023-06-06 02:34:26
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疲れた時には私が好きな心理学者のアドラーの言葉を・・




アドラー名言集より
1 自分だけでなく、仲間の利益を大切にすること、受け取るよりも多く相手に与えること、これが幸福になる唯一の道だ
2 健全な人は相手を変えようとせず自分がかわる 不健全な人は相手を操作し、変えようとする
3 苦しみから抜け出す方法は ただひとつ 他者を喜ばせることだ 自分に何ができるかを考え、それを実行すればよい
4 叱られたりほめられたりして育った人は、叱られたりほめられたりしないと行動しなくなる
そして、評価してくれない相手を敵だと思うようになる
5 人生には、3つの課題がある
1つは「仕事の課題」2つ目は「交友の課題」 3つ目は「愛の課題」である
そして後の方になればなるほど解決が難しくなる
「愛の課題」は威勢の付き合いや夫婦の関係の事である人生で一番困難な課題であるが故に
解決できれば、不快安らぎが訪れるだろう
6 扱い難い相手とうまく付き合うには 相手が何とか自分を優秀に見せようと躍起になっていることを念頭におくこと、そ
の観点から相手と付き合ってみなさい
7 出来ない自分を責めている限り、永遠に幸せにはなれないだろう。
今の自分を認める勇気を持つ者だけが、本当に強い人間になれる
8「やる気がなくなった」のではない 「やる気をなくす」という決断を自分がしただけだ
「変われない」のではない 「変わらない」という決断を自分でしているだけだ
9「自分が役にたっている」と実感するのに相手から感謝されることや、褒められることは不要である
貢献感は「自己満足」でいいのだ
10 遺伝もトラウマもあなたを支配していない どんな過去であれ 未来は今ここに居る
あなたが創るのだ
11 人生が困難なのではない あなたが人生を困難にしているのだ 人生は極めてシンプルである
*アドラー オーストラリア出身の心理学者(1870-1937)
フロイト、ユングと並んで現代のパーソナリテー理論や心理療法を確立した大家族の中での兄弟間の闘争
身体的な劣等感を抱いていた 幼い時の弟の死 困難を乗り越えて医者になった
フロイトの夢判断を読み精神医学に興味をもつ フロイトの研究グループに招待される
しかしフロイトの2元論に?全体論では・・・学説上の対立
個人心理学を提唱 これがアドラー心理学と呼ばれた
社会主義への関心 政治変革による社会改革を目指す→ロシア革命をみて失望
より良い社会への変革は教育を通してのみ可能
子供の育児と教育への関心から
アドラー心理学が現代社会で注目を浴びている理由は?
どう生きたらいいのか? 明確に回答可能であるから?
現代社会 情報過多 技術の発展 少子高齢化 1億総ストレス社会
シンプルな理屈が納得感を持って共感された
あらゆる行動の原因は未来にあり、それは改善が可能(目的論) あらゆる問題は対人関係にある
2023-06-04 16:21:30
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腰部脊椎管狭窄症の病態・診断・治療―今までの経験に新たな知見を取り入れるー
福島県立医科大学医学部整形外科学講座 准教授 二階堂琢也先生
腰部脊椎管狭窄症
有病率 5.7% 約365万人
Population based Study 50歳以上 2011年~2012年12月 1842例 背部の症状 217施設
男 女
50-59才 14.4% 10.0%
60-69才 34.3% 27%
70-79才 56.2% 46.1%
80以上 65.8% 57.5%
病因
椎間板 脊椎内を通る神経の束の馬尾 神経根 椎弓 黄色靭帯
神経根型 硬膜管から分かれた神経の根元が圧迫される 多くは片側の脚に痛みのしびれが現れる
馬尾型 脊椎管内を通る神経の束(馬尾)が圧迫される 両側の広い範囲でしびれや感覚の異常など現れる
混合型 両方 両方
治療法
神経根型 自然軽快傾向 保存治療 薬物療法など
馬尾型 進行 手術
混合型 進行 手術
急性期 亜急性期 慢性期
侵害受容性疼痛 混合性疼痛
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs) → Caイオンチャネルα2δリガンド製剤、弱オピオイドなど
侵害受容性疼痛(運動器疾患では関節由来の痛みが代表的)
侵害受容器が活性化することで引き起こされる疼痛
侵害刺激 受容器→侵害受容求心性繊維 脊髄 痛覚上行経路→ 脳で痛み感知
下行性抑制計←
神経障害性疼痛
(運動器疾患では頚椎症性脊髄症、頚椎症性神経根症 肘部管症候群 手根管症候群 腰部脊柱管狭窄症など)
異所性放電 異常放電→神経障害性疼痛
神経損傷 →心外受容求心性繊維→脊髄 痛覚上行経路→ 脳で痛み感知
下行性抑制計←
脊椎関連疼痛患者における神経障害性疼痛 (脊椎関連の痛みを3か月以上持続した20-79才の男女1857例)
神経障害性疼痛の可能性が極めて高い32.6%
可能性が高い 20.7%
可能性がある 27.9%
可能性が低い 18.8%
脊椎の痛みの起原と機構
脳 →心理社会的因子 痛覚変調性疼痛
靭帯 侵害受容の変化によって生じる痛み、組織損傷や
椎間板 体性感覚系の疾患がないにも関わらず生じる痛きみ
椎間関節 → 侵害受容性疼痛
筋膜
腱
神経根
馬尾 → 神経障害性疼痛
変性椎間板内への神経発芽
Spine Pain DETECT
脊椎疾患に伴う神経障害性疼痛に特化したスクリーニングツール
1痛みは他の部位にも広がりますか?
2痛みがある部位では、やけるように痛み(ビリビリするような痛み)がありますか?
3びりびりしたり、チクチク刺したような感じがありますか? ×2倍
4痛みがある部位を軽く触れられる(衣服や毛布が触れる)だけでも痛いですか? ×-2倍
5電気ショックのような急激な痛み発作が起こることはありますか? ×-4倍
6冷たいものや熱いものによって痛みがおきますか? ×-3倍
7痛みのある場所にしびれをかんじますか? ×8倍
8痛みがある部位を少しの力で押しても痛みが起きますか? ×1倍
*はい2点 いいえ0点
一度もない 0 ほとんどない1 少しある 2 ある程度ある3 激しい 4 非常に激しい 5
合計―12= 0点以上脊椎疾患に伴う神経障害性疼痛可能性大
簡易版Spine Pain DETECT
1電気ショックのような急激な痛み発作が起こることはありますか? ×-4倍
2痛みがある場所に、しびれを感じますか? ×9倍
*はい2点 いいえ0点
一度もない 0 ほとんどない1 少しある 2 ある程度ある3 激しい 4 非常に激しい 5
点数―7= 0以上 脊椎疾患に伴う神経障害性疼痛可能性大
2021年腰部脊椎管狭窄症治療ガイドライン
推奨度 合意率 エビデンスの強さ
薬物治療を行うことを推奨する 2 77% B
リマプロストを馬尾型もしくは他の疾患に投与することを提案する 2 85% A
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を神経根型もしくは腰痛を 2 92% B
有する患者に一定期間投与することを提案する
一方馬尾型の患者には投与しないことを提案する
ガバペンチノイドを投与することには明確な推奨が出来ない 明確な推奨できない92% B
MiroTAS研究
腰部脊柱管狭窄症による末梢性神経障害性疼痛を有する患者を 対象としたNSAIDs内服中の患者にミロガバリンベシル酸塩を 追加併用処方した際の有効性と安全性の検討 -多施設共同、無作為化、非盲検、並行群間、介入研究-
タリージェ追加 漸増 1回2.5mg×2 5mg×2 7.5mg×2 Ccr30-60 87例
5mg×2 10mg×2 15mg×2 Ccr 60以上 85日間
NSAIDs 単独 75例
結果まとめ
主要評価項目 NSAIDs群に比べMGB併用群は投与12週のVASを有意に改善した
MGB併用群のVAS改善効果は臨床における細小重要さの20mm以上に到達した
副次評価項目 投与12週でEQ-5D-SLとPGICにおいてもNSAIDs群に対して、MGB併用群は有意に改善
した
安全性 MGB併用群の有害事象は高かった。主な事象は傾眠、浮動性めまい、末梢性浮腫、便秘であり
これらはほとんど軽度か中等度であった




2023-06-04 07:30:16
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心腎連関を考慮したこれからのCKD治療戦略 横浜市立大学医学部 循環器・腎臓・高血圧内科学 主任教授 田村功一先生
一部のみ列挙
健康寿命延伸にとっての障害要因の高血圧・脳心血管病・腎臓病の病態連関
(健康寿命 日本世界1位74.9歳 世界平均 63.1歳)
要支援・要介護の要因
心疾患(心臓病) 脳血管疾患(脳卒中)25.4% ←→高血圧・腎臓病・糖尿病
腎臓病の静かな「世界的流行」に警鐘(国際腎臓学会:ISN)米国腎臓病学会:ASN、欧州腎臓透析移植学会:ERA-EDTA)2018年7月
腎臓病の患者数は世界で8億5000万人に達する
腎臓病の有病者数の比較 糖尿病(4億2200万人)の2倍で
がん(4200万人)やHIV/AIDS(3670万人)の20倍以上に相当
腎臓病の世界の成人の有病率 男性10.4% 女性 11.8%
腎臓病は末期腎不全に加えて、脳心血管疾患も引き起こす(心腎連関)
腎臓病はこれまで、健康問題としてクローズアップされず、過小評価されてきたが、いまや世界中で「隠れた流行病」ともいえる状態に
腎臓病に対する一般認知度は低く、多くの人はその怖さを十分に理解していない
生活習慣病と腎疾患
糖尿病性腎症、腎硬化症では脳心血管病のリスクが増加する(宮城良陵CKDコホート研究)
慢性腎症を1とすると糖尿病性腎症6倍、腎硬化症(高血圧合併)3倍と相対リスク増加
心不全進展ステージ
ステージA 高血圧 糖尿病 動脈硬化性疾患など→+腎臓病を入れるべき
心不全においてはファンタスティック4で飛躍的に死亡リスク低下
ARNI MRA SGLT2阻害剤 βブロッカー
我が国におけるアンメットメデカルニーズ関する調査
慢性腎臓病は治療薬がない 上位に
全年令でCKD・糖尿病・高血圧合併のCOVID-19致死率が高い
CKD合併では14%と最も高い 慢性閉塞性肺疾患 10.2% 糖尿病 4.76%高血圧 4.32%
心血管腎臓病(病態連関病)
罹患者(JSH2019)高血圧4300万人(成人2.5人に1人)
→ 病態: 高血圧 ←
罹患者数 ← 糖尿病・脂質異常症・高尿酸血症 →↓↑ H28年
CKDGL2018 ↓↑ ↓ ↑ 10万人当たり死亡者数246人 悪性新生物298人
慢性腎臓病1330万人 内皮障害→動脈硬化
(成人8人に1人) 病態機序
腎臓病 → レニンアンギオテンシン系 → 脳心血管病
↓↑ ← 交感神経系、炎症・酸化ストレス ← ↓↑
高LDL、低HDL
高血糖、インスリン抵抗性
腸内細菌叢異常など
← 貧血 ←
→ →
経済財政運営と改革の基本方針 2021
循環器及び腎臓病対策を重視
アンメット・メデカルニーズ
可逆的に進行した慢性腎臓病を直接改善する治療法の開発
線維化
TGF-β発現 ⇐TGF-β制御 miRNA 尿細管間質障害・炎症
↓ 低酸素 オートファジー不全
糸球体硬化 ↓ AMPK機能異常 ↓SIRT1機能低下
間質線維化 HIF-PH阻害剤 創薬?
↑
酸化ストレス・炎症 AGE・RAGEアダプター
転写因子Nrf2活性化薬
AT1 receptor-associated protein (ATRAP)とその機能1
心血管細胞や脂肪細胞において病的刺激によるAT1容体情報伝達系の過剰活性化を選択的に抑制する機能がある。腎臓においてATRAPは腎尿細管に沿って豊富に分布していることから、本研究では遺伝子工学的手法により作製に成功したATRAP遺伝子特異的欠損マウ ス[ATRAP ノックアウト(ATRAP-KO)マウス]において、慢性腎臓病(CKD)の病態が血圧制御や腎ナトリウム 代謝に及ぼす影響を検討した。
【結果】本研究での研究成果として、CKD 病態においては、正常では豊富に存在する腎尿細管ATRAPが低下することで、AT1受容体-TNF-α-αENaC を介した経路の過剰活性化が起こり、循環血漿量の増加を介したCKD合併高血圧を引き起こされ、腎性老化が進行することが明らかになった。すなわち、CKD 病態における、循環血漿量の増加は、 腎機能(GFR)低下の程度に依存しているというよりも、むしろ、腎ATRAP発現の減少を起源とする尿細管でのNa+再吸収亢進がその本質であり、CKD における腎障害進展と腎機能低下にともなう腎性老化の進行には腎組織にお けるATRAP低下が重要である可能性が示された。
ATRAP-KOマウスでは対照マウスに比べて、腎性老化が亢進する
近位尿細管で腎線維化が亢進 ←腎臓SIRT1の発現減少
ミトコンドリアの形態異常(オートファジー不全)
酸化ストレス亢進
ヒト近位尿細管細胞においてSIRT1蛋白発現にATRAPが必要
糖尿病性腎症における新しいメカニズム:腎尿細管―糸球体連関における近位尿細管の受容体結合蛋白(ATRAP)を介した免疫マクロファージの機能スイッチング(2022年 Kidney int)
腎尿細管M2マクロファージ・腎糸球体の炎症・酸化ストレスを抑制→糖尿病性腎症を改善
糖尿病-ATRAP(全身性・近位尿細管特異的)KOマウスでは、
腎尿細管RA系の過剰な活性化+免疫マクロファージスイッチング(抗炎症性M2マクロファージ減少)
腎尿細管―糸球体連関機序により腎糸球体の炎症・酸化ストレス亢進→アルブミン尿の増悪
近位尿細管ATRAP=糖尿病性腎症への新たな標的の可能性
CKDの管理
CKDの危険因子→ CKD → 心血管疾患
腎障害 腎機能障害 末期腎不全 心筋梗塞 心不全 脳卒中など
蛋白尿・血尿 GFR低下
高血圧 降圧療法 +症状・合併症
糖尿病 血糖改善 高血圧 降圧療法
脂質異常 脂質管理 腎性貧血 貧血に対する治療
高尿酸血症 尿酸管理 CKD-MBD CKD-MBD、高K血症・アシドーシス治療
喫煙 禁煙 高K血症・アシドーシス 尿毒症に対する治療
すべての危険因子 生活管理 尿毒症 生活管理 食事療法 禁煙
食事療法 CKDすべて CKD原因に対する治療
生活習慣の改善 肥満に気をつける ストレスをためない 禁煙 受動喫煙抑制
飲酒を控える(男性20-30ml/日(日本酒1合以下)女性10-20ml/日)
食事療法 減塩 6g/日以下 適切な水分摂取 適切な蛋白摂取 3b以降は0.6g-0.8g/kg以下
カロリー25-35Kcal/kg/日
薬物療法 従来の薬に新たに
SGLT2阻害剤 HIF-PH阻害剤 ARNI MRB 新規高K血症治療剤 加わった
すべての管理には病診連携が必要
日本人2型糖尿病患者の糖尿病性腎症の有病率
微量アルブミン尿(糖尿病性腎症2期 31.6% ネプロパチー(腎症3-5期) 10.5%
糖尿病は循環器内科医にとっても重大な課題:
糖尿病合併CKDでは慢性腎炎を1とすると6倍に心血管病の相対リスク増える 高血圧合併で3倍
DKDは男女ともどの年代においてもライフスパンが16年短くなる DM 10年 初期のCKD 6年
糖尿病 130/80以上
微量アルブミンまたは尿蛋白尿
↓
130/80未満
ARB・ACE阻害剤
CVDハイリスク 体液貯留
Ca拮抗薬 利尿剤
サイアザイド系利尿剤
G1-G3区分
ループ利尿剤
G4-G5区分
利尿剤 Ca拮抗薬
アルブミン尿を有する糖尿病合併高血圧・CKDに対する利尿薬の処方率はARB、Ca拮抗薬と比べて低い
SGLT2阻害剤の効果
Glucose↓ 糸球体内圧低下 アルブミン尿↓
BP 動脈ステッフネス↓ 腎臓 酸化ストレス↓
Volume↓ 腎臓内アンギオテンシノーゲンUp regulation
炎症 線維化↓
*SIRT1:腎臓の線維化抑制のKey Player
SIRT1→ 低酸素のストレス抵抗性 間質線維化↓ 尿細管細胞アポトーシス↓ 炎症↓糸球体細胞アポトー
シス↓ オートファジー↑ Na再吸収・血圧上昇↓ 腎脂質代謝
SGLT2阻害剤による腎SIRT1発現回復の可能性:
糖尿病性腎症での近位尿細管SIRT1発現低下とSGLT2阻害薬による腎SIRT1発現回復
ヒト糖尿病性腎症の腎生検検体の近位尿細管でのSGLT2とSIRT1発現の関連性
N=11 反比例する
糖尿病モデルマウス腎でのSGLT2阻害薬によるSIRT1発現回復効果
糖尿病マウスではSIRT1発現量低下も 阻害薬投与で野生型マウス(プラセボ)と同等の発現量に
SGLT2阻害剤における臓器保護作用の機序の解明
Y-AIDA研究 2型糖尿病におけるダパグリフロジンのアルブミン尿抑制効果に関する多施設共同試験
目的)SGLT2阻害剤(ダパグリフロジン)による臓器保護作用の本態解明を目的として、糖尿病における心血管腎臓病抑制のための重要な治療標的=アルブミン尿に対する改善効果とその機序について、特に血圧への影響に着目して検討
N=85 腎症伴う2型糖尿病 eGFR≧45 UACR≧30mg/g・Cr 24週間
家庭血圧計で早朝 夜間 2時、3時、4時、5時を測定
結論のみ 24週でアルブミン尿の減少が認められた eGFRは8週で下がり24週で優位差なしに
アルブミン尿と診察時血圧、BMI、糖代謝は相関せず
起床時家庭血圧と強く相関 就眠前血圧と弱い相関
夜間就眠中血圧とは相関せず
重回帰分析ではアルブミン尿の減少には朝(起床後)の血圧の低下が重要に
Y-AIDAからの考察
アルブミン尿を伴う日本人2型糖尿病患者
SGLT2阻害剤 →家庭血圧 ↓ 朝(起床後)血圧 →アルブミン尿↓→心血管腎臓病抑制に
糖代謝↓ 就眠前血圧 夜間就眠中血圧
→家庭血圧:日内変動性 ↓
診察時血圧 ↓
体重、肥満指数(BMI)↓
SGLT2阻害剤による朝の家庭血圧の低下はアルブミン尿の減少に大きく関与
使用頻度の低い利尿剤→耐糖能障害、尿酸高値、電解質異常
その点SGLT2阻害剤は 血糖、血圧、脂質、尿酸代謝にいい作用
SGLT2阻害剤のフォーシガー試験
DECLEAR-TIMI58試験 DAPA-CKD試験
2型糖尿病の有無 100% 2型糖尿病68%非2型糖尿病32%
ベースラインeGFR
90以上 8172例 454例
60-90 7732例 1328例
60未満 1365例 1898例
UACR
30未満 11644例 200-300 444例
30-300 4030 例 300以上 3859例
300以上 1169例
腎複合エンドポイント eGFR40%以上の持続低下 eGFR50%以上の持続低下
末期腎不全への進展および腎臓死 末期腎不全への進展および腎臓死
22%有意に低下
DAPA-CKD試験
4304人 21か国(日本244人)
21ヵ国386施設が参加したプラセボ対照無作為化臨床試験
対象:推算GFRが25~75mL/分/1.73m2体表面積で、尿中アルブミン/クレアチニン比(アルブミンはミリグラム[mg]、クレアチニンはグラム[g]で測定)が200~5,000の患者であった。
ダパグリフロジン(10mg、1日1回)またはプラセボを投与する群に無作為
主要評価項目は、推算GFRの持続的な50%以上の低下、末期腎不全、腎臓または心血管系の原因による死亡の複合。
フォローアップ期間中央値2.4年
主要評価項目のイベントは、ダパグリフロジン群が2,152例中197例(9.2%)で、プラセボ群は2,152例中312例(14.5%)39%有意に減少 NTT=19
糖尿病合併 36%有意に減少 非合併 50%有意に減少 全死亡 31%有意に減少
サブ解析 慢性腎炎(IgA腎症) 71%有意に減少 有害事象有意なものなし
CKDでは 輸入細動脈拡張 輸出細動脈収縮のため糸球体内圧は亢進している(糖尿病同様)
SGLT2阻害剤 輸入細動脈収縮
RAS系阻害剤 輸出細動脈拡張 → 糸球体内圧低下
Y-AIDA試験 ダパグリフロジンの結果 解析
尿中アルブミン尿改善効果
高Na摂取患者=低Na患者
eGFRの低下
高Na摂取患者>低Na摂取患者
就寝前の家庭血圧改善
高Na摂取患者>低Na摂取患者
ダパグリフロジンは高食塩摂取による相対的糸球体過剰ろ過を改善する可能性
SGLT2阻害剤:ダパグリフロジンのCKD進行抑制効果(GFR slope改善効果)による
透析導入時年齢の平均余命を考慮した慢性透析実施も見込み期間の予測
中等度腎機能障害の場合 CKDG2-G3bステージ 高度腎機能障害の場合(CKDG4ステージ)
72才→82才 68才→74才
延長効果 10年 6年
SGLT2阻害剤治療に 3.15年 2.35年
よる平均余命を考慮した
慢性透析実施見込み期間の差
ダパグリフロジンの適応疾患 糖尿病・心不全からCKDへ拡大
糖尿病腎症 糖尿病性腎臓病
慢性糸球体腎炎(IgA腎症 など)
腎硬化症
メタボリック症候群合併CKD、肥満関連腎症
心不全合併CKD など
*eGFR>25以上




2023-06-03 04:56:24
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双極性障害の真実と課題と診療ガイドライン~日本うつ病学会双極性障害診療ガイドラインの改訂ポイントを交えて~
順天堂大学医学部精神医学講座 主任教授 加藤忠史先生
日本における双極性障害罹患率
NHWS 3006名 0.6%
日本における双極性障害による労働生産性低下
双極性障害における生産性低下は同程度のうつ状態のうつ罹患率より有意に高い(50.6%vs41.5%)
双極性障害患者が抑うつ症状を伴う期間
うつ 軽躁 混合 寛解期
双極性1型障害 32% 10% 5% 53% 146名 12.8年
双極性2型障害 50% 1% 3% 46% 86名 13.4年
順天堂大学大学での調査 双極障害立て直し入院のデーター80名
33名 42% 診断の問題
実際は双極性障害でない
→BPD(境界性パーソナリティー障害)、うつ病、気分変調症、短期反復うつ病
併存症の症状を双極性障害の症状と誤認
自閉症スペクトラムを併発
21名 26% 薬物療法の問題
治療不十分
複数の医師から抗うつ薬の重複処方
多剤大量療法
リチウム不使用
悪化させる可能性のある薬服用
かたくなに拒否
17名 21% 対処法の問題
双極性障害を受け入れられず治療が軌道に乗っていない
気分状態誤認(軽躁を寛解と誤認)
寛解前にあせって復職
9名 11% その他
脳梗塞後遺症や正常圧水頭症による認知機能障害が重畳
見かけの難治性双極性障害への対応
1診断があっているか
2脳疾患、内分泌疾患ではないか
3その症状は双極性障害のせいなのか
4有効な薬をすぐあきらめていないか
5悪化させる薬を使っていないか
6経過を不安定化させる生活習慣はないか
7病気を受け入れて主体的に治療しているか
8軽躁こそが良い状態と思っていないか
9適切な薬の組み合わせを探しているか
双極性障害の薬物療法の教訓
まずは何よりも正確な診断(双極性障害と一度診断してしまうと、他の面を見落としがち)
病相期から有効な薬剤は限られているので、副作用が出たからすぐにあきらめず副作用を減らして服用できる方法を考える
抗うつ薬は不安症の併発などの特別な理由がない限り使用しない
ベンゾジアゼピンの使用や抗精神病薬の漫然とした併用は避ける
ガイドラインに従った治療(理由なくエビデンスのない治療を行うことはNG)
双極性障害のうつ病エピソードの診断について 福岡大学医学部 精神医学教室 講師 菅原裕子先生
うつ病エピソードの鑑別について
身体疾患の否定
高齢者は進行性の認知機能低下やパーキンソン症状なども含めて確認
薬物、アルコールなどの関与を否定
発達歴・養育歴・学歴・職歴など生活歴を確認
→発達障害、パーソナリテイ障害などの併存がないか検討
過去の精神疾患の病歴確認*過去の(軽)躁病エピソードの有無を確認
→双極性障害を含めたの精神疾患によるうつ状態を否定
うつ病エピソードの初発の双極性障害の可能性を検討
→双極性障害に関蓮する特徴を評価
双極性障害とうつ病の鑑別
*過去に(軽)躁病エピソードが存在する場合
*(軽)躁状態の病歴を聴取する
*双極性障害とうつ病の違いを説明する
―「うつ状態には、うつ病のうつ状態と双極性障害のうつ状態があります」
―「双極性障害はうつ状態と躁状態を繰り返す病気ですが、軽い躁状態に対しては自覚がなく、周囲も気づかないことがほ
とんどです」
―「双極性障害の方がうつ病に間違われて抗うつ薬で治療されるとなかなか治らなかったり余計に病状が悪くなったりするため、うつ状態がどちらによるものか正確に判断する必要があります」
双極性障害とうつ病の鑑別
*うつ病エピソードで発症した場合
発症前から生物学的要因(遺伝素因)は異なる
執着気質、メランコリー親和型性格→うつ病の親和性あり
発揚気質、循環気質→双極性障害に親和性あり
<うつ状態になる前はどういう人だったのか>
うつ病の人の特徴 真面目 几帳面 完璧主義 他者配慮性 秩序重視
双極性障害の人の特徴 社交的 明朗活発 活動的 気分が変わりやすい
双極性障害の方がより生物学的要因の関与(内因性の要素)が大きい疾患
家族的、若年性、反復性など
重症例―精神病症状、緊張病像など
<双極性障害と関連している特徴>
若年発症
反復性
混合状態
非定型、精神病症状、緊張病 周産期発症
混合状態とは
気分 思考 意欲・行動の亢進 (躁症状)あるいは低下
2×2×2=8通りの組み合わせのうち、6通りは混合状態
混合状態の病像
憂うつでイライラした気分が基調(2005年Benazzi F)
些細なことで怒り、暴力や器物損壊など
Crowded thoughts(2007年 Koukopoulos A)
・・・「いろいろな考えで頭がいっぱいになる」≒思考競合
77%に内的緊張感(2012年 Pae Cら)
抗うつ病投与下では運動性の焦燥が激しい(2007年 Koukopoulos A)
落ち着かない、集中できない
多弁・詳細なメモで、症状を執拗に訴える
*躁/うつ症状が混在して不全性や易変性が生じる→非典型的で多様な病像へ
実際の診療では・・・・
1うつ状態の中の躁的成分が混在していないか見極める
=エネルギー(気分、思考、意欲、行動に関して上向きな成分)が存在するか?
*易怒性、注意力散漫、精神運動焦燥も含めて評価する
2双極性障害に関連する特徴の有無を評価する
病前性格・・・・発症前はどのような人だったのか?
家族歴、若年発症、反復性は重要視
重症例 精神病症状、緊張病も慎重に検討
3上記が認められる人は念入りに過去の(軽)躁病エピソードを聴取する
双極性障害 周産期のポイント 東北大学病院 精神科 講師 菊池紗耶先生
周産期
1双極性障害の好発年齢 妊娠出産で治療が異なる
2妊娠中や産後は双極性障害の再発リスクが高い
1気分安定剤の中断(妊娠中) 再発リスクを高める
継続 38% vs 中断 85.5%
2妊娠中の薬物療法は産後の再発を予防する
産後の再発率 全体 38% 薬物療法継続 23% 中止 66%
基本治療
双極性障害では気分の波を小さくする(抗うつ効果・抗躁効果)だけでなく、気分の相を少なくすること(再発予防効果)が重要です。*躁状態の改善、うつ状態の改善、再発予防を期待して、気分安定薬と抗精神病薬が中心に使われます。
気分安定剤・抗精神病の胎児への影響
気分安定薬
気分安定薬は、抗躁効果・抗うつ効果・再発予防効果の3つが期待できるお薬です。
リーマス(一般名:炭酸リチウム) 催奇形性(妊婦には禁)
デパケン(一般名:バルプロ酸ナトリウム) 催奇形性(禁忌ではないが慎重投与)授乳中はOK
ラミクタール(一般名:ラモトリギン) 妊娠でも継続
テグレトール(一般名:カルバマゼピン) 妊娠中使用しないことを推奨C 授乳中はOK
抗精神病薬
抗精神病薬は、抗躁効果や抗うつ効果を認める薬が多く、最近では再発予防効果も報告されています。
双極性障害によく使われる抗精神病薬としては、以下の5つの薬があげられます。
非定型
セロクエル(一般名:クエチアピン) 妊娠中 有益性投与 オーストラリア分類C
ラツーダ(一般名:ルラシドン) 妊娠中 有益性投与 オーストラリア分類B1
オランザピン(一般名:ジプレキサ) 妊娠中 有益性投与 オーストラリア分類C
エビリファイ(一般名:アリピプラゾール)妊娠中 有益性投与 オーストラリア分類C
リスパダール(一般名:リスペリドン) 妊娠中 有益投与 オーストラリア分類C
定型
セレネース(一般名:ハロペリドール) 投与しないことが望ましい
ノバミン (一般名:クロルプロマジン) 投与しないことが望ましい
ドグマチール(一般名:スルピリド) 妊娠中 有益性投与
ELEVATE試験
本試験の対象は双極Ⅰ型障害患者(大うつ病エピソード)525例であり、プラセボ群、ラツーダ20-60mg群、ラツーダ80-120mg群*に治験薬を1日1回夕食後に6週間経口投与。
対象に双極Ⅱ型障害患者が組み入れられていない(日本ではこの診断にばらつきがある)
主要評価項目である6週時のMontgomery Åsberg Depression Rating Scale (MADRS)合計スコアのベースラインからの変化量は、プラセボ群−10.6、ラツーダ20-60mg群−13.6、投与群間の差−2.9と、ラツーダ20-60mgはプラセボに比べてMADRS合計スコアを有意に低下させ、プラセボに対する優越性が検証されました。なお、effect sizeは0.328でした。この結果は、重度に近い中等度のうつ状態で、入院を必要とするような患者さんが、外来での治療が可能になる状態まで回復したというイメージが近いと思います。また、副次評価項目である各評価時点のMADRS合計スコアのベースラインからの変化量は、ラツーダ20-60mg群では投与開始2週目よりプラセボと比べ有意な改善が認められました。
MADRS項目別スコアのベースラインからの変化量については、うつ症状の中核症状である「外見に表出される悲しみ」や「言葉で表現された悲しみ」など、各項目のスコア変化量はこちらに示すとおりです。
ELEVATE試験:安全性
副作用発現頻度は、プラセボ群55例(32.0%)、ラツーダ20-60mg群71例(38.6%)、ラツーダ80-120mg群*87例(51.5%)でした。発現頻度5%以上の副作用は、プラセボ群ではアカシジア11例(6.4%)、悪心8例(4.7%)、ラツーダ20-60mg群ではそれぞれ24例(13.0%)、12例(6.5%)、ラツーダ80-120mg群*ではそれぞれ38例(22.5%)、18例(10.7%)などでした。また、アカシジアの重症度およびアカシジアによる投与中止率も解析されており、重度のアカシジアは、ラツーダ80-120mg群*で2例(1.2%)認められましたが、プラセボ群および承認用量のラツーダ20-60mg群では認められず、すべて軽度または中等度のアカシジアでした。プラセボ群でも6.4%にアカシジアが発現しており、試験中にアカシジアの注意喚起をした結果、気になりすぎてノセボ効果が出たのかもしれません。
さらに、本試験では臨床検査値への影響も検討されています。6週時の体重のベースラインからの変化量は、プラセボ群−0.22kg、ラツーダ20-60mg群0.23kg、ラツーダ80-120mg群*0.22kgでした。血糖に関しては、HbA1cが、プラセボ群−0.01%、ラツーダ20-60mg群0.02%、ラツーダ80-120mg群*0.02%でした。
重篤な副作用は、プラセボ群1例1件[躁病1件]、ラツーダ20-60mg群0例、ラツーダ80-120mg群2例2件[自殺企図、パニック発作各1件]に認められました。投与中止に至った有害事象は、プラセボ群7例[好中球減少症、急性心筋梗塞、胃炎、悪心、嘔吐、疾患進行、アカシジア各1例]、ラツーダ20-60mg群6例[嘔吐、機能性胃腸障害、肝障害、アカシジア、躁病、自殺念慮各1例]、ラツーダ80-120mg群16例[悪心4例、疾患進行、アカシジア各3例、嘔吐、腱断裂、筋骨格硬直、ジストニア、不眠症、呼吸困難各1例]に認められました。試験期間中、いずれの群においても死亡は報告されませんでした。
ガイドラインCQ-2 抑うつエピソードの標準的な薬物療法とは?
第2世代の抗精神病薬(クエチアピン、ルラシドン、オランザピンおよび/または気分安定薬(リチウム、ラモトリギン)が提案される
ガイドラインCQ-3-8-1 不安(不安症)を伴う抑うつエピソードに対しての有効な治療法は?
抑うつエピソードでみられる不安にはクエチアピン、オランザピン、ルラシドンの使用を提案する
ガイドラインCQ-3-8-2 混合性の特徴を伴う抑うつエピソードに対しての有効な治療法は?
気分安定剤よりも第2世代の抗精神病薬(ルラシドン、オランザピン)の使用を提案する




2023-06-02 05:35:55
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これからの機能性ディスペプシア診療―FDガイドライン2021― 順天堂大学医学部消化器内科教授 永源捷章仁先生
FD(機能性ディスペプシア)とは
症状の原因となる器質的、全身性、代謝性疾患がないのにも関わらず、慢性的に心窩部痛や胃もたれなどの心窩部痛を中心とする腹部症状を呈する疾患
内視鏡検査未施行での診断・治療が示さている 初版・FD疑い→第2版:FD
慢性的なデイスペプシア症状患者
→問診、採血、警告徴候の有無
年令・検査歴・病歴 →器質疾患の疑い→あり⇒ 内視鏡検査
H.pylori感染の有無 ↓なし
機能性デイスペプシア
説明と保証/食事・生活指導
1次治療
アラームサインを認めなくても、器質的疾患の存在を念頭におき、初期治療に反応がない悪い
場合やいったん反応したものの中止により症状が再燃した場合には再度、器質的疾患の精査
進めることが大切である
胃カメラ不要?
器質的疾患の診断ができない
→器質的疾患のリスク?頻度?
速やかに治療開始できる
→FD症状はつらい?
内視鏡施行のコスト、リスクも考慮
必要な検査の捉え方 個々の症例のリスク
内視鏡での器質的疾患の確率 検査歴・病歴 H.Pyrori感染の有無
抗血栓薬内服 NSAIDs内服 ↑大 アラームサイン
H.Pyrori陽性 リスク 1高齢で新規症状発現
前回の胃カメラからの期間 ↓小 胆膵・他の疾患 2体重減少3再発性の嘔吐
若年のほとんどはH.Pyrori陰性 鑑別 4出血5嚥下障害、嚥下痛
6腹部腫瘤7発熱
8胃がんや食道がんの家族歴
医師の裁量(医療の専門家としての判断)
メタ解析では上部消化管基質疾患のある例は、食欲不振が有意に少ない
FDは多因子によるものか?
幼少期 心理社会的要因
遺伝・素養・環境 → 生活上のストレス
性格傾向 心理状態
対処能力 社会的支援
中枢神経系 ↑ 腸管神経系
生理的機能
消化管運動能
知覚・免疫・炎症 ⇔ FGIDs ⇔ OUTCOME
ヘルスケアの活用度
細菌叢の変化 日常的機能
食事内容 QOL
ヘルスケアの費用
*Cine MRIで腸管の動きが分かる
FDの治療
一次治療の選択肢が増えた
初版 第2版
1次治療 酸分泌抑制薬、運動機能改善薬 → 運動機能改善薬(アコチアミド)+漢方薬(六君子湯)
アコチアミド(アコファイド)
2次治療薬 抗不安薬、抗うつ薬、漢方薬 抗不安薬・抗うつ薬
運動機能改善薬(アコチアミド以外*)
+漢方薬(六君子湯以外)
*ドパミン受容体拮抗薬、セロトニン5-HT4受容体作動薬が含まれる
ドパミン受容体拮抗薬:プリンペラン・ナウゼリン・ガナトン スルピリド
セロトニン5-HT4受容体作動薬 ガスモチン
*活習慣指導・食事療法の効果:CQ4-1では、生活習慣指導や食事指導は有用であり、その実施が推奨されている(推奨の強さ:強、エビデンスレベルB)。食物を介入したRCTは1報のみで、高カロリー脂肪食は嘔気と心窩部痛をより強く誘発するとされ、喫煙習慣はFDと関連することが示された(オッズ比1.50)。高脂肪食を避ける、禁煙指導、満腹を避けて少量ずつ複数回に分ける、飲酒・コーヒー摂取を避けることが、治療方針である。
*酸分泌抑制薬:PPI(プロトンポンプ阻害薬)とH2RA(H2受容体拮抗薬)は有用であり、使用することが一次治療として推奨されている(CQ4-2:推奨の強さ:強、エビデンスレベルA)。P-CAB(カリウムイオン競合型アシッドブロッカー)は現在ではエビデンスが乏しく、使用の「提案」に留まっている(推奨の強さ:弱、エビデンスレベルC)。PPI、H2RA、P-CABのいずれもFDに対しては保険適用外で、H2RAは慢性胃炎として適応がある。PPIについては、厳密にはGERDがオーバーラップしたFDに適用があると考えられる。
FDに対する漢方薬の効果
今回のガイドラインでは六君子湯(推奨の強さ:強、エビデンスレベルA)
六君子湯
効能効果 食欲不振 胃炎 胃アトニー 胃下垂 消化不良 胃痛 嘔吐
組成 蒼朮 人参 茯苓 ダイソウ 甘草 生姜 胃腸機能の改善
陳皮 半夏 嘔吐蠕動の改善
六君子湯:六君子湯は、食道に対する作用(食道クリアランス改善、バリア機能改善など)、胃に対する作用(適応性弛緩改善、胃排出改善など)、グレリンに対する作用(血漿アシルグレリン濃度上昇、グレリン代謝酵素阻害、グレリンシグナル増強など)でのエビデンスがある。
六君子湯の基礎研究では構成生薬の主要な有効成分が明らかとなっている。チンピの成分のhesperidinは、グレリン分泌亢進、胃排出亢進、適応性弛緩改善作用を、ショウキョウの成分である10-gingerolはグレリン代謝阻害作用を、ソウジュツの成分であるatractylodinはグレリンシグナル増強作用を有することが判明した。
DREAM study
2018年、国56施設によるプラセボ対照RC
FD患者を六君子湯群64例、プラセボ群61例に割付け、各7.5g/日の8週間投与で検討した。主要評価項目はOTE(Overall Treatment Efficacy 患者印象)で、副次評価項目はGOS(消化器症状のQOL評価)、SF-8(健康関連QOL)、PAGI-SYM(消化管症状強度)、HAD尺度(抑うつ・不安尺度)である。
OTEは、治療4週後は両群間に差はなかったが、治療8週後には六君子湯群が有意な改善を認めた(p=0.019)。GOSの評価では、PDSスコア(食後愁訴症候群)が治療5週~8週後に有意に改善したが、EPSスコア(心窩部痛症候群)は治療7・8週後のみに有意な改善を認めており、PDSと比べて治療効果が限定的であった。
PAGI-SYMでの評価では、六君子湯群で、「食後のもたれ感/早期飽満感」「膨満感」が治療4週、8週で有意に改善した。
HAD尺度の評価では、六君子湯群が4・8週のいずれの時点においても不安スコアの有意な改善を認め、腹部症状と不安の改善度の相関(腸脳相関)を認めた。
上腹部症状に対する六君子湯のメタ解析 改善
胃炎(症状)妊娠Fe貧血 癌化学療法 経管栄養 胃がん術後 うつ病GERD パーキンソン病など
対照群が「治療なし」の研究が多い 上腹部症状や食欲改善
六君子湯以外の漢方薬:六君子湯以外の漢方薬は有用である可能性があり、使用が提案されている(二次治療)。
半夏厚朴湯 加味逍遙散が記載された
半夏厚朴湯
厚朴 蘇葉 咽中の違和感、胸部不快感 神経性の咳を改善
半夏 制吐 蠕動 改善
茯苓 胃腸機能の改善
生姜 温める(散寒)
腹部ガスの減少と症状の改善が見られた
健常20例 ED39例での検討 酸逆流 腹痛 消化不良 便秘改善
加味逍遙散
柴胡、芍薬、山梔子(サンシシ)、薄荷(ハッカ) イライラ不安を改善
牡丹皮(ボタンピ)当帰 調経作用
茯苓、蒼朮(ソウジュツ)、、甘草、生姜 胃腸機能の改善
FD治療とhしての加味逍遙散ランダム比較試験
12症例 女性 10日間 上腹部膨満感 げっぷ 酸逆流 胸やけ 胃の酸味食欲低下など有意な改善効果
メタ解析 14研究 合計1338例 (女性680例)
運動機能改善にいる有意に症状改善 オッヅ比3.26
加味逍遙散+運動機能改善剤は運動機能改善より有意に症状を改善 オッズ比 4.32
安中散
心窩部痛などに用いる。FD-EPS(心窩部痛症候群)タイプへの使用が考えられる。構成生薬の六君子湯との重なりについては、カンゾウのみなので、六君子湯とは異なるメカニズムによる薬効での症状改善効果が期待される。
半夏瀉心湯
食後の胃もたれになどに用いる。FD-PDS(食後愁訴症候群)タイプへの使用が考えられる。構成生薬の六君子湯との重なりについては、ハンゲ、ニンジン、タイソウ、カンゾウであり、一部、六君子湯に似た効果があると推測される。
胸やけはGERDだけではない NERD治療はPPI、しかし限定的
PPI抵抗性NERDの症状改善に六君子湯は 酸関連症状・女性・高齢者・非肥満例での精神的QOL改善




2023-06-01 07:55:27
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新型コロナウイルス・スパイクタンパク質の病原性を解明―新型コロナ後遺症および次世代ワクチン開発に重要知見
[概要] 新型コロナ後遺症でみられる脳内炎症や倦怠感などの脳神経症状の発症メカニズムは不明でしたが、東京慈恵会医科大学・ウイルス学講座(講座担当教授:近藤一博)は、新型コロナウイルスのスパイクタンパク質の一部であるS1タンパク質が鼻腔内で発現するだけで、これらの脳神経症状が生じることを発見しました。
また、S1タンパク質を発現させた新型コロナ後遺症モデルマウスは脳内のアセチルコリンの産生が低下しており、認知症の治療薬であるドネペジル(商品名:アリセプト)を投与して脳内のアセチルコリン不足を補うことで、脳内炎症や倦怠感が改善されることを見出しました。
本研究の成果は、新型コロナ後遺症の脳内炎症や倦怠感の原因がスパイクタンパク質の一部であるS1タンパク質の鼻腔内発現であることを示し、ドネペジルによる治療の可能性を示唆します。また、このようなスパイクタンパク質の鼻腔内発現による病原性とその発症機構を明らかにしたことで、現在、世界中で計画されている、鼻腔投与を中心とした次世代新型コロナワクチンの安全性を向上させる方法の開発にも貢献できるものと考えています。本研究は、日本医療研究開発機構(AMED) 新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業の支援(研究開発課題名:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の後遺症として生じるうつ症状と疲労の予防および治療を目指した発生機構解明)によって行われ、2023年5月24日Science(Cell press)に掲載
[研究背景]
COVID-19の重症化や死亡者は減少していますが、これに代わって新型コロナ後遺症の増加が問題となっています。特に問題となっているのは、勤労の妨げや生活の質の低下に直結する脳内炎症や倦怠感などの脳神経関連の症状です。通常のウイルスではこのような症状は、ウイルスが脳で増殖することにより生じます。しかし、新型コロナウイルスは脳で増殖するという明確な証拠がないために、脳内炎症や倦怠感が生じる原因が不明で、治療法も判りませんでした。本研究は、このような問題に解答を与えるものです。
新型コロナウイルスの感染防止のためには、感染予防効果が高く、接種の際の痛みなどの副反応の少ない次世代新型コロナワクチンの開発が進められています。その有力候補として期待されているのが、鼻からワクチンを投与する経鼻ワクチンです。しかし、現行のワクチン抗原であるスパイクタンパク質を利用した経鼻ワクチンは倦怠感などの副反応が意外に強く、開発は期待どおりには進んでいません。本研究は、このような問題の原因究明となり、解決策を与えるものでもあります。
[今後の展開]ドネペジルの臨床治験は、本研究の成果をもとに、現在、AMED新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業の支援の基、横浜市立大学、聖マリアンナ医科大学、慈恵医大などの共同研究で実施中です。また、本研究により、鼻腔内でスパイクタンパク質(S1タンパク質)が発現すると脳内炎症や新型コロナ後遺症の原因となり得ることが判りました。スパイクタンパク質を利用する経鼻ワクチンは、これと同様の危険性を含んでいると考えられます。今回の我々の研究では、スパイクタンパク質がどのようなメカニズムで脳内炎症や新型コロナ後遺症を引き起こすことも明らかにしているため、この成果を利用して、スパイクタンパク質の病原性を取り除くことにより、安全性の高い経鼻ワクチンの開発が可能になると考えられます。
[研究成果の詳細]
1. 新型コロナ後遺症モデルマウスの作製
従来のSARS-CoV-2を感染させた動物モデルでは感染動物が短期間で死亡してしまうので、新型コロナ後遺症の症状を呈するモデル動物を作製することはできませんでした。そこで我々は、SARS-CoV-2のタンパク質を発現するアデノウイルスベクターを鼻腔内に投与することで、新型コロナ後遺症の症状を現すモデルマウスを作製することを試みました。その結果、SARS-CoV-2スパイクタンパク質のS1領域のタンパク質を導入したマウス(S1マウス)が、倦怠感の指標である重り付き強制水泳時間の短縮と、うつ症状の指標である尾懸垂試験における無動時間の延長を呈したため(図1)、S1マウスが新型コロナ後遺症の倦怠感とうつ症状のモデルマウスとなると考えられました。
2. 新型コロナ後遺症モデルマウスの脳機能解析
新型コロナ後遺症の発症機構を解明するために、新型コロナ後遺症のモデルマウスであるS1マウスの脳機能異常について調べました。その結果、嗅覚障害の原因となり得る嗅球細胞のアポトーシス増加や、倦怠感・うつ症状の原因となる脳の炎症(炎症性サイトカインIL-6の産生亢進)が見られることが判りました。
これらの機能障害が生じる原因を明らかにするために脳の神経伝達物質を検討したところ、内側中隔野や対角帯と呼ばれる、本来アセチルコリン産生が活発な部位でアセチルコリン産生細胞が減少していることが判りました。アセチルコリンは、コリン作動性抗炎症反応と呼ばれる作用を通じて、脳や末梢臓器の炎症を抑制することが知られています。このことから、我々は新型コロナ後遺症で見られる倦怠感やうつ症状は、脳内のアセチルコリンが不足することで脳内炎症が抑えられないために生じるのではないかと考えました。
3. ドネペジルによる治療
新型コロナ後遺症の倦怠感やうつ症状が脳内のアセチルコリン不足による脳内炎症によるという仮説を証明し、この仮説に基づく治療法を開発するために、我々は、アセチルコリンの分解を阻害して、脳内のアセチルコリン濃度を上昇させる働きを持つドネペジルを、S1マウスに投与しました。ドネペジルの投与量は動物実験での標準的な量である体重1Kgあたり4mgを1週間、飲水に混ぜて与えました。
この結果、脳内炎症(炎症性サイトカインIL-6の産生亢進)はドネペジル投与によって解消し)、また倦怠感の指標である水泳時間の短縮や、うつ症状の指標である無動時間の延長も認められなくなりました。これらの結果は、新型コロナ後遺症の原因が脳内のアセチルコリン不足による脳内炎症であることを示すとともに、この現象がドネペジルの投与によって治療可能であることを示すものと考えられました。




2023-05-31 06:00:24
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これからのCOVID-19診療―抗ウイルス薬が果たす役割についてー
関西医科大学附属病院呼吸器感染症アレルギー科教授 宮下修行先生
新型コロナウイルス第9波に備えて
ゲノム解析結果の推移(月別)令和5年5月8日時点
昨年6月から12月まではオミクロンBA5が主流
令和5年1月~ XBB1系統に変わりXBB1.5が主流になろうとしている
XBB1.5はBQ系統実行再生産数の約1.2倍 ACE2受容体の結合性は6倍高い XBB1の3倍高い感染力
中和抗体に対する感受性
ワクチン2-3回接種後にBA2、BA5にbreakthrough感染した患者血清使用
XBB系統はBA2従来株の41倍抵抗性 BA5従来株の32倍抵抗性
現在のワクチンは感染は防げないが重症化を低下させる
現在海外ではXBB1.16に変わってきている XBB1.5の1.3倍感染力
デルタ株とオミクロン株の違い
オミクロン デルタ株
気管支に限局している 気管支より肺胞へ(肺炎)
日常診療でよく経験するおミクロン感染
24才 女性 長引く咳
既往歴 花粉症
発熱・咽頭痛・鼻汁が出現。その後咳嗽が出現し増強
ホテル療養で鎮咳剤処方されるも効果がなく、復職時の診察で受診
咳嗽は夜間に強く、睡眠が妨げられた。昨年も風邪をひきその後咳嗽が1カ月以上持続した経験がある
咳嗽は冷気や会話で誘発される
感染性咳嗽を疑う所見がある=感染性咳嗽である?
呼吸機能検査正常もFeNO68上昇 気道抵抗性↑ 気道過敏性が示唆された
オミクロン株感染後咳嗽
1新たに咳喘息(気道過敏性亢進)と診断される
2喘息患者で咳嗽が増強(ICS+LABAにLAMA製剤追加やステロイド)
3鼻汁遷延:後鼻漏(抗ヒスタミン薬)
4感染後咳嗽(鎮咳剤)COVID-19の持続感染?
5軽症肺炎の存在(抗ウイルス薬、ステロイド)
基本再生産数 集団免疫率(%)
インフルエンザA型(新型) 1.6 37
武漢株 2.9 65
アルファ株 4-5 75-80
デルタ株 5-5,9 80-89
オミクロン株 5.5-24
百日咳 5.5 90-95
麻疹 12-18 92-94
インフルエンザの相違点:後遺症(Long COVID)
非入院例 10-30% 入院例 50-70%
最多年令 38-50才(非入院の軽症例)
呼吸器症状 咳 喀痰 息切れ 胸痛
精神・神経症状 記憶障害 集中力低下 不眠 頭痛 抑うつ
全身症状 倦怠感 関節痛 筋肉痛
その他の症状 嗅覚・味覚異常 動悸 下痢 腹痛
オミクロン株になってからの変化
10代(14%)20代(18%)で32%
好発年齢 40代>30代>50代>20代>10代>80歳以上
デルタ株と比較して倦怠感・頭痛・睡眠障害が増加(嗅覚・味覚障害は低下)
10代で頭痛が増加→学校へ投稿が出来ない
睡眠障害の発生割合 (岡山大学病院調べ:2021年2月―2022年7月 363例)
デルタ株以前 11.9%
デルタ株 12.8%
オミクロン 24.8%
後遺症発生の機序・病態
1ウイルスの持続感染症
2自己免疫反応
3細菌叢の多様性低下
4組織の障害
ワクチン接種でLong COVID 4大症状大幅軽減(全身倦怠感 頭痛 筋肉痛 手足の脱力感など)
パキロビットがCOVID-19の後遺症リスクを低減 米国人データ
抗ウイルス薬効果は何に起因するか?
入院リスクの低下率
ラゲブリオ 30%
パキロビット 89%
ゼビュディ 85%
ベクルリー 87%
RNAポリメラーゼ阻害剤 3CLプロテアーゼ阻害剤
ベクルリー ラゲブリオ パキロビット ゾコーバー
1日1回3-10巻間 1日2回5日間 1日2回5日間 1日1回5日間
成人及び体重40kg以上 18歳以上患者 成人及び12歳以上 成人及び12以上の小児
かつ40kg以上の小児
29日までの入院死亡
べクルリ―0.7%(2/279)モヌラビル6.8%(48/709)パキロビット0.33%(3/339)症状の早期改善
プラセボ 5.3%(15/283)プラセボ9.7%(68/699)プラセボ 7%(27/395) PCRの早期陰性化
ウイルス量の減少
5日目 -0.547Log10 -0.866Log10
ゾコーバーは2日目からウイルス量を減らす ウイルス量の減少 4日目 -1.4Log10
他の薬剤は重症化因子ワクチン接種歴(―)での検討
ゾコーバーは誰でも(重症化因子なしでも)ワクチン接種歴有りでの検討
ワクチン接種済みの成人へのラゲブリオ 入院死亡減少に有意差なしに
ゾコーバーは症状改善167.9時間vsプラセボ 192.2時間 約24時間短縮する(副作用は重篤なものなし)
併用禁忌はあるが一時止めることも可能な薬剤?
*インフルエンザのタミフルが24時間症状改善しか?しかしインフルエンザの入院・死亡を大きく改善した
抗ウイル薬の役割
ウイルスを早期に減らし、サイトカインなどの放出を抑制させ、重症化(入院や死亡)を抑制
ウイルス量を減らし、周囲への拡散防止
ウイルス量を減らすことで隔離期間を短縮
濃厚接触者への発症を予防する=隔離不要
後遺症リスクを軽減させる可能性
*抗ウイルス薬が発揮する効果は症状を緩和させるのに加え、ウイルスの複製を抑制すること




2023-05-30 04:02:14
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