内科(呼吸器・循環器・消化器・糖尿病外来・各種健診(入社・定期))
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お昼休みのWeb講演会 10月18日

今季のインフルエンザ診療について考える 富良野協会病院副院長 角谷不二雄先生
ノイラミダーゼ阻害剤とH275Y変異ウイルス
ゾフルーザ:基本的な情報 過去のノイラミダーゼ阻害と比較報告 富良野での3シーズンの検討
小児のCOVID-19
今冬のインフルエンザ

インフルエンザ 毎年流行し、日本の人口の約5~10%(600万~1200万人)が発病
季節性インフルエンザによる超過死亡は、年平均1万人超と推定されている
2009年パンデミック:小児重症肺炎が多発 (当科には98例が入院、37例が重症肺炎(酸素投与or7日以上の入院)
2009年パンデミックの人口10万人対死亡者数
米国 3.96人 カナダ 1.3人 メキシコ1人 オーストラリア 0.9人 英国 0.7人  日本0.19人

日本感染症学会2009年9月15日
オセルタミビルの投与の有無、回避時期が、ウイルス性肺炎の合併に関係していると考えられる
 持病のない成人への投与は不要とするWHOやCDCの見解について、海外での死者数が多数でたことから危険
重症化を避けるために、感染が疑われる場合は、可能な限り全患者に早期からオセルタミビルを投与すべき
 簡易診断キットでは見逃しもあるため、仮に陰性でも症状からインフルエンザが疑われたら投与が必要
 オセルタミビル耐性ウイルスの出現や10代の異常行動の危険性よりも重症化して死亡することを防ぐ方が重要
ノイラミダーゼ阻害剤
      タミフル      リレンザ   イナビル   ラピアクタ
投与経路  経口        吸入    吸入     点滴
用法     1日2回    1日2回   1回     1回(反復可)
        5日間      5日間
予防投与  可          可      可       不可

作用機序          ノイラミダーゼ阻害剤
耐性化  A(H1N1)ウイルスNA            A(H1N1)ウイルスNA
      H275Y変異                 H275Y変異 
 
H275Y耐性インフルエンザA(H1N1)ウイルス(ソ連型)の検出状況
2007/08シーズン         2.6%(45/1734)
2008/09シーズン         99.6%(1234/1239)
変異のないウイルスを駆逐する高いfitness NAにR222QとV234んp2つの代償性変異

特に小児において臨床的にも有効性低下
2013/14シーズン、札幌市を中心にH275Y変異A(H1N1)pdm09ウイルスの小流行がみられた
変異ウイルス感染症小児10例を経験した

HY275変異10例と変異の無い正常群18例の解熱時間に差は無かった
変異株に対するタミフルとラピアクタの効果はリレンザ、イナビルの効果と差がなかった
このシーズンの後流行は来ていない
ゾフルーザ:キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害剤
効能効果 A型又はB型インフルエンザウイルス感染症
単回経口投与 体重10kg以上の小児、成人
活性体の血漿中半減期は長い  95.8時間

翻訳(mRNAから蛋白質合成)に必須のヒトmRNAキャップ構造を、キャップ依存性エンドヌクレアーゼで切り取り
ウイルスのmRNAに結合させる   転写、複製阻害

ノイラミダーゼ阻害剤は      遊離、放出阻害
パロキサビルとオセルタミビルの比較
(ゾフルーザ) (タミフル)
CAPSTONE-1(合併症のない成人と青年を対象)
パロキサビルはオセルタミビルよりもインフルエンザウイルス量を有意に減らした
しかしインフルエンザ全体では、両者の罹病期間と平熱に回復するまでの時間に差はなかった

CAPSTONE-2(ハイリスクの成人と青年を対象)
パロキサビルはオセルタミビルよりもインフルエンザウイルス量を有意に減らした
しかしインフルエンザ全体では、両者の罹病期間と平熱に回復するまでの時間に差はなかった
しかしB型においてはパロキサビルはオセルタミビルよりも罹病期間が短かった

小児におけるパロキサビルとオセルタミビルの比較 富良野における3シーズンの
まとめ
パロキサビル投与群はオセルタミビル投与群と比べ、解熱時間に有意な短縮がみられた
インフルエンザ全体 インフルエンザB インフルエンザA(H1N1)pdm09
パロキサビル投与群はオセルタミビル投与群と比べ、解熱時間に有意差はなかった

インフルエンザA インフルエンザA(H3N2)A香港型
パロキサビル投与例における解熱時間は
インフルエンザA≒インフルエンザB
A(H3N2)    ≒ A(H1N1)pdm09

オセルタミビル投与例における解熱時間は
インフルエンザAはインフルエンザBよりも有意に短い
A(H3N2)    ≒ A(H1N1)pdm09

小児のCOVID-19  
2021年9月28日現在 国内のCOVID-19陽性者数、重症者数
年齢別陽性者数
10才未満  約10万人
10代     18万人
20代     42万人
死亡者数    10歳未満 0人  致命率 0% 
        10代   2人      0.1%

        70代  4000人      6%
        80代以上  10000人   14%

“かぜ” コロナウイルスとSARS-CoV-2
関与する論文
最近のかぜコロナウイルスへの感染がCOVID-19軽症化に関与している
成人の90%以上がかぜコロナウイルスに対する血清抗体を持っていると推定
ただしSARS-CoV-2未感染者では交叉反応性の中和抗体は非常にまれである
交叉反応性抗体はSARS-CoV-2感染の減少とは関係がない

SARS-CoV-2と交叉反応するCD4+メモリーT細胞が未感染者の約40%-60%に検出され、過去のかぜコロナウイルスへの曝露が関与か?
HCoV-NL63の感染はACE2の発現量低下を誘導する

小児のCOVID-19患者・重症者が少ないことの関連は?
かぜのコロナウイルス感染例
2020年8月28日から2021年9月30日の間に当院を受診
気道感染症やCOVID-19が疑われ鼻咽頭スワブを採取
全自動遺伝子解析装置FilmArray呼吸器パネル2.1検査を受けた1029人(0-99才)を対象に後方視的検討

HCoV-NL63 56例    年令中央値 2.7才  男≒女
HCoV-OC43 50例         1.8才 

HCoV 両方 2.1才   SARS-CoV-2 44.2才
     54/52(男/女)      136/78 
 
1才未満  1才 2才3才 4才 5才 6才 7-9才に感染が集中している 特に2歳まで
SARS-CoV-2は10代から急増する

*母体にCOVID-19ワクチンを接種し臍帯血から抗SARS-CoV-2 抗体が検出された1例を報告した
新生児期は生後1カ月以降の小児と比較してCOVID-19の罹患率と重症化リスクが高い
妊娠中の母体へのワクチン接種により抗体の胎盤移行と、新生児の罹患予防/重症化予防が期待される

出生時   抗体価
母体血   6.66U/ml
臍帯血   1.33U/ml

今冬のインフルエンザ
インフルエンザと同様、飛沫感染をきたすA群溶血性連鎖球菌咽頭炎とRSウイルス
A群溶血性連鎖球菌咽頭炎 流行っていない

RSウイルス   夏に季節外れの流行が・・・
インフルエンザ2年流行無し特に5歳未満65才以上で集団免疫の低下が心配
先に冬を迎えるオーストラリアははやらず、インドで中程度の流行が・・・
小児新型コロナウイルス感染症の3例を経験し、1例はインフルエンザA型と共感染 1例はヒトメタニューもウイルス
との共感染  →同時感染にも注意が必要

 

2021-10-19 05:47:09

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浪速区医師会講演会(Web) 10月16日

2型糖尿病治療における薬物療法Up to date 大阪警察病院 糖尿病・内分泌代謝内科 部長 安田哲行先生
一部のみ列挙
日本を含む東アジア人はインスリン分泌能が悪い
肥満の影響を受けるとともに、罹病期間の進行とともにインスリン分泌能は低下する
日本人2型糖尿病の特徴としてインスリン過分泌~低下まで幅広く存在

私の糖尿病治療薬選択の考え方
非内臓肥満減量不要                 内臓肥満減量必要
       メトホルミン*やせ分泌低下型では症例により
DPP4阻害剤補充                  SGLT2阻害剤
DPP4阻害剤 低血糖リスク 利便性          and/or
  ↓     血糖変動 臓器保護  GLP-1RA(DPP4阻害剤)セマグルチド>リラグルチド>エキセナチド>リキセナチド
GL>SU                       ↓     >デュラグルチド (食欲抑制・体重減少強い順)

 ↓                        TZD>GL>SU      分子量が小さい 血液脳関通る    
GLP-1RA (食欲抑制の少ない方を)           ↓
(DPP4からswich)               インスリン
  ↓
インスリン
DKD(アルブミン尿)心不全(ハイリスク)    心血管疾患既往(ハイリスク)
内臓肥満(減量必要)               内臓肥満(減量必要) 
SGLT2阻害剤                     GLP-1RA セマグルチド・リラグルチド   
   ↓                           ↓        
GLP-1RA(DPP4阻害剤)              SGLT2阻害剤  
   ↓                           ↓  
メトホルミン                       DPP4阻害剤
非内臓肥満減量不要                     ↓
GLP-1RA(DPP4阻害剤)              メトホルミン 
  ↓ デュラグルチド                非内臓肥満減量不要  
インスリン分泌能を踏まえた治療薬を      GLP-1RA(DPP4阻害剤)
使用した上で                        ↓
SGLT2阻害剤      サルコペニア注意 →インスリン分泌能を踏まえた治療薬を使用した上で 
                               SGLT2阻害剤   
メトホルミンを基本薬として用いる理由
1肥満、非肥満に関係なく血糖改善降下に優れる
2高用量では減量効果が比較的期待できる
3用量依存的な血糖改善効果が得られる
4SU剤やインスリン治療に比べ、心血管イベントや全死亡を抑制し、心不全患者では予後を改善する可能性がある
5非常に安価である
6乳酸アシドーシスを除けば比較的安全性に優れる

*想定される作用機序
一般に言われているAMPK上昇を介した
  肝臓での糖新生抑制
  脂肪細胞:SRBP1c↓→脂肪合成抑制
  筋肉:GLUT4 translocation↑→糖取り込み亢進 
  Adenylate cyclase↓→グルカゴン作用低下→肝糖新生抑制

メトホルミンの腸管作用を介した糖代謝改善
SCFA(短鎖脂肪酸)産生の腸内細菌↑  →      
Lactobacillus↑        →SGLT1↑  L細胞 →GLP-1産生 脳 食欲抑制
胆汁酸輸送体阻害→胆汁酸                    肝 糖新生抑制
                                膵 インスリン分泌亢進・グルカゴン分泌低下

SCFA上昇 腸管 粘液細胞増加 腸管内バリア機能改善 LPS↓による炎症↓SIRT1R↑脂質酸化↑
         L細胞GPR43→脂肪合成抑制
         GPR43、41→PYY↑→食欲抑制   
                       
大腸でのGDF-15発現増加を介して食欲抑制、熱産生を亢進し抗肥満効果を発揮
   L細胞 GDF15↑→脳 食欲抑制 熱産生
   腸でのGLUT2を介したグルコース腸管内への排泄亢進する

選択的インスリン抵抗性における脂肪合成の促進
*Selective insulin Resistanse
2型糖尿病でのインスリン抵抗性は糖取り込みは障害されるが肝臓・脂肪組織での脂肪合成は障害されない(肥満助長)
インスリン抵抗性を凌駕するためのSU・インスリン投与は脂肪蓄積を助長
インスリン 血管内皮細胞において
インスリン→PI3K→NO産生 血管拡張 接着因子の抑制     血管保護
     →MAPK →ET-1産生・血管収縮・血管平滑筋細胞増殖 血管障害
インスリン抵抗性で血管保護経路は抑制されるも
血管障害経路は抑制されない心筋細胞において
PI3K→GLUT4↑糖取り込み糖酸化
         虚血時のVEGF↑血管新生↑            心筋保護
         MAPK→SREBP1↑脂肪蓄積↑UCP3↓→ミトコンドリア機能低下 心筋傷害
腎臓において 糸球体 血管内皮細胞・足細胞 NO産生 足細胞の収縮 
       インスリン抵抗性があると     →基底膜の肥厚・糸球体硬化症・アルブミン尿
      尿細管上皮細胞 NBC1 ENaC→Na再吸収 インスリン過剰により食塩感受性高血圧
Insulin Induced Metabolic Stress → 脂質合成・ERストレス・AGE・ROS酸化ストレス・炎症惹起
(インスリン感受性臓器においてエネルギー過剰状態でのインスリン抵抗性は過剰なブドウ糖を取り込まないためのー糖の生体内防御の適応現象)

肥満2型糖尿病における選択的インスリン抵抗性
非効率的に高血糖は是正(肝臓、筋肉、脂肪での糖取り込み増加)その代償として
脂肪合成→肥満 脂肪合成→脂肪肝 血管障害→動脈硬化 心筋障害 Na再吸収→高血圧
食事運動療法△
満腹感が得られにくい
運動による脳内報酬系↓
SU、インスリン×
高インスリン・肥満を助長
DPP4阻害剤
減量効果なし、効果は限定的
高用量メトホルミン・SGLT2阻害剤・GLP-1受容体作動薬〇

*SGLT2阻害剤と長時間作用型GLP-1作動薬のCVOT
3Point MACE 両者で有意に改善
心血管の2次予防効果はほぼ同等
MACE予防効果にSGLT2阻害剤は民族差はないがGLP-1RAではアジア人が白人に比べ抑制効果が有意に高い
*日本人は2型糖尿病に保護的に働くGLP-1受容体のR131Q変異が欧米人に比べて多い
29%ヘテロ 3%ホモ
同変異はGLP-1によるインスリン分泌反応が2倍となり、DPP4阻害剤によるレスポンダー比率が高い

心臓・血管(改善効果) 
糖利用亢進 心筋収縮力亢進 虚血耐性亢進 内皮機能への影響 stiffnessへの影響 血管炎症への影響
腎臓 (改善効果)
NHE3抑制 抗酸化 抗炎症

SGLT2阻害剤は心不全予防効果絶大(GLP-1には心不全予防効果有意差なし)
腎臓においては 複合アウトカムは両方認められているが、GLP-1受容体は尿アルブミン改善がメイン
SGLT2阻害剤に改善作用には分がある

*サルコペニア
高齢者糖尿病患者はサルコペニアの頻度が有意に高い
Non-DM 12.2% 2型DM 20.9% 1型糖尿病 42.9%
1型糖尿病患者のサルコペニア関連因子
年齢 BMI 腎症2期以降 血清IGF-1と関連が・・・
インスリンとIGF-1両者の作用不全は著明な筋肉量に低下を    
門脈内インスリンが肝でGHR、IGFBP1を制御   サルコペニア1型DMで多い理由

心不全とサルコペニア
             心不全
息切れ           ↓           食思不振
 ↓     TNF-α   カテコルアミン↑     ↓
運動能異常        テストステロン↓     栄養不全
           蛋白異化亢進          エネルギー摂取不良

身体活動低下     ↓               蛋白摂取↓
           サルコペニア

CKDもサルコペニア頻度多い
男性 正常  2.6%CKD2 5.6% CKD3-5 18.1%
女性 正常  5.3%CKD2 7.1% CKD3-5 12.6%
要因 低栄養 炎症 ミトコンドリア機能異常 アンギオテンシ2↑性機能低下
     インスリンン抵抗性 IGF-1低下 尿毒素↑ミオスタチン↑筋合成機能低

 

2021-10-18 08:50:19

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百寺巡礼  斑鳩の里編 10月17日

緊急事態宣言下は他県への散歩は出来ず、百寺巡礼 五木寛之を読み、観光した気分になっていましたが、気まぐれ散歩再会にまずは百寺巡礼 1巻の奈良より 斑鳩の里 中宮寺―法輪寺―法起寺へ

中宮寺後史跡公園の無料駐車場におき、散歩開始、まず目の前のコスモス園をみてからお目当ての中宮寺へ 聖徳太子が母を弔うために建てた中宮寺には・・天寿国繡帳・半跏思惟像が・・3大人気仏像の一つである半跏思惟像はとても気品のある女人像?(仏像はすべて中性であるが)足は偏平足で(衆生を救うために大地を駆け巡ってすり減った足と言われている)太子が往生した天寿国の様子を描いた刺繡(レプリカ)も

ゆっくり歩き奈良の秋を感じながら法輪寺、法起寺へ 法起寺はコスモスと三重塔がとてもあういいお寺でした. 聖徳太子の斑鳩の里を堪能して終了

2021-10-17 16:15:41

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Web講演会 10月15日

新型コロナウイルス変異株の特徴とその感染予防対策
国際医療福祉大学病院 検査部医学部 臨床検査医学教授 高橋和郎先生

変異株とは
デルタ株の特徴
デルタ株に対するワクチンの有効性
デルタ株のブレイクスルー感染はどの程度か?
変異株に対する感染対策―追加免疫は?

SARS-CoV-2の懸念される変異株  国立感染研 2021.8.28時点
WHOの呼称     アルファ          ベータ          ガンマ        デルタ
最も早期の検体例    英国(2020/9)    南アフリカ(2020/5)  ブラジル(2020/11)  インド(2020/10)

S蛋白の主要変異    H69/V70欠失   242-244欠失、 K417N K417T、E484K          L452R、T478K 
           Y144欠失、N501Y E484K、N501Y     N501Y       D614G P681R
感染性       感染。伝播性上昇   感染、伝播性上昇     感染、伝播性上昇    感染。伝播性上昇
           2次感染率上昇                               2次感染率上昇
重篤度      入院リスク上昇     入院リスク上昇可能性  入院時死亡リスク    入院時死亡率上昇
               重篤度死亡率上昇可能性        上昇の可能性
再感染性(抗原性)    野生株と有意差なし 21%目根期逃避     25-61%免疫逃避    α株に比べ中和能
                                                4倍程度低下     
ワクチンの発症、感染   発症感染に対して  減弱の可能性も  明らかになっていない   発症に関して減弱の
 に対する有効性     不変           不変か                可能性も重篤化不変 
                      
SARS-CoV-2変異株の問題点
1 伝播性(増殖性)  より流行拡大する
 N501Y P681R(デルタ株)
2 重症度       高致死率に
3 免疫回避     ワクチンの有効性低下
  E484K E484Q L452R(デルタ株)
4 PCRの検出回避

デルタ株(B 1 617 2)の特徴、問題点
1伝播性: 2次感染率はα株より高い
       1.5倍(12.5%vs8.1%)
 増殖性が強い
 感染初期の鼻咽頭ウイルスRNA量は多い
   Ct値 24 vs 34.3 (非VOC株)
  実際の感染量は明確でない
 曝露からPCR陽性までの期間が短い
 4日 vs 6日(非VOC株)
2重症度
 デルタ株感染者の入院率はα株より1.85倍高い(95%Cl 1.39-2.47)

デルタ株S蛋白の変異部位とその影響
領域          N領域           RBD   プリン切断部位            3量体
アミノ酸変異     T19R、G142D     L452R     P681R                D950N
             Δ156-157 R158G T478K    
影響・効果           中和抗体の結合回避    S蛋白の細胞融合性を増強     ?
ワクチン完了者のデルタ株に対する中和抗体価は約1/4に低下する
デルタ株に対する血清中和抗体価は
α株感染者の回復期血清ではα株より1/4低下
mRNAワクチン完了者(2回、2週間以上)では
 α株より1/3から1/5低下
ファイザーワクチンのデルタ株による感染に対する有効率は約80%である
スコットランド観察研究 2021,4/1から6/6
ワクチン接種者 117263人 1回接種59.4% 2回接種39.4%
             有効率   
ワクチン       アルファ株      デルタ株
ファイザー        92(90-93)% 79(75-82)
アストラゼネカ      73(66-78)  60(53-66)
デルタ株感染による入院に対するワクチンの有効性
スコットランド観察研究 2021,4/1から6/6
ワクチン接種者 117263人 1回接種59.4% 2回接種39.4%
入院減少率 入院ハザード比は0.38に減少する
         ワクチン群   未接種群   ハザード比
アルファ株  0.28        1.00  
デルタ株   0.38        1.82

東京都重症者におけるワクチン有効性
2021年9月21日時点での重症者152例
解析可能な65例のうち 2回接種は5例 7.7%
2021年8月1から9月21日までの死亡者412例
2回接種者 49例(12% OR0.13)
うち 60才以上 98% 基礎疾患保有 90%
感染株はほぼデルタ株と考えられる
海外と同様の有効性である
60才以上、基礎疾患保有者での感染防御が必要である
デルタ株の対するワクチンの有効性は接種後6カ月ほどで低下し始める(米)

                    6月     7月
UCSDH 医療従事者            19035   19016
ワクチン完了者               86.3%    86.7%
顕性感染者 Vac          5        94(75%)
       Un           10        31
攻撃率/1000人  Vac      0.3            5.7  (V1-2月 6.7 V3-5月 3.7)
             Un      4.9       16.4
有効率%               94.3%      65.5%
7月からブレイクスルー感染が急に増加した  デルタ株が95%以上
ワクチンは2020年12月より
接種ワクチンはファイザー、モデルナほど同数
ワクチン完了者の攻撃率は5.7%未完了者の1/3
デルタ株はワクチン完了者の鼻咽頭でも未接種者の場合と同程度に増殖する
2021年6月29日~7月31日 ウイスコンシン州 
感染者719例 ワクチン完了者311例(43%)
デルタ株 90%
ワクチン完了後のデルタ株感染者の7割は感染初期のPCRのCt値が<25と低く、未接種者+他群と同等
そのワクチン完了群の7割のうち95%からウイルスが分離された

ブレイクスルー感染者も未接種者群と同様にウイルスを伝播する可能性が高い
ブレイクスルー感染者も未接種者群と同様に感染初期の期間ウイルスを伝播している可能性が高い

シンガポール mRNAワクチン
人口の47% 2回完了(2021年7月19日)
2021年4月-6月14日までのデルタ株 218件
ワクチン接種完了群では発症6日頃までのCt値はワクチン未接種群比較して差はないが、その後より早くウイルスRNA量は減少する→重症化を防いでいる
                 ワクチン接種完了群  未接種群
要酸素治療、肺炎OR            0.07            1.00
Ct値                 19.2             ≒      18.8

中和抗体は感染防御を予測できる
7種類の新型コロナウイルスワクチンの第三相臨床検査データーを解析
顕性感染を50%防御する中和抗体価は回復期の平均中和抗体価(約100)の20%である(α株に対して)
=中和抗体価 約20に相当
=約54 IU/ml に相当
→顕性感染を90%防御するには中和抗体価200程度が必要と推定
 
デルタ株に関してはさらに4倍必要
ワクチン接種後6カ月後の中和抗体価の低下率
   モデルナワクチン2回接種後  標的ウイルス 武漢株
       18から55才 56から70才 71才以上  全体
14日後  1388        1425    900  1226
6か月後  406        171     131   236
残存率%  29       12      15   19
高齢者の方が減少率は顕著である
デルタ株の顕性感染を90%防御するためには中和抗体価は800程度必要だが・・・
3回接種により中和抗体価は5-7倍増加する  1カ月後
ベータ株 15-20倍 デルタ株 5-10倍増加する

3回目のブースター接種により感染者は約1/10に重症者は1/20に減少する(イスラエル)
2021/7/30-8/31
            非ブースター群    ブースター群    調整比
確定診断症例   4439/5193825   934/106034101        1.3
重症例        294/4574439    29/6265361        19.5

変異株に対する感染症対策
デルタ株の特徴
1伝播性が強い →   空気中にウイルス量が多い
     アルファ株(5-50V/L)の2-3倍か?
2中和抗体の結合を回避する
 6カ月後に防御効果が低下する

感染対策
基本はワクチン接種と空気感染対策の強化
変異株に対する感染症対策
1ワクチン接種の推進(個人防御、社会防御)
 早期に2回接種完了し、さらに接種率を向上させる 
 ブースター接種よる免疫強化
  優先対象:感染者と接する免疫強化
 基礎疾患保有者、免疫不全患者
 基本社会活動に必須な業種、高齢者
2不織布マスクによる防御の強化
  漏れのない装着によるエアロゾル検出、吸入を防止
3室内換気の強化→天井に向けて屋外へ換気する
 性能の良い殺菌装置の活用も
4新たな変異株を早期に検出するための監視
 感染者の全数把握の継続 検体確保と保存
 入国検疫での感染防止対策の堅持
5国内で変異株を発生させないために
 流行を拡大させない 早期に防御対策を行う

2021-10-16 07:18:59

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Web講演会 10月14日

リワークプログラムの概要とこれまでの成果 品川駅前メンタルクリニック 院長 有馬秀晃先生  一部のみ列挙    
現代的な気分障害への気づき
2003年 他罰的言動が多いのと同時に不安の強いうつ状態が多いと感じる
2006年頃 リワーク利用者の言動を観察していると、軽躁状態を伴うものが多い
2008年頃 発達障害を基礎とした適応障害が多い印象

職域での問題意識
メンタルヘルス不調社員が医師の治療をうけても復職後にすぐ再発・再休職してしまう問題
実際、企業は「主治医の復職可能診断書をどこまで信じてよいのか?」と懐疑的にとらえる傾向もある

主治医が感じる「うつ病休職者の復職で困ること    358名
復職可能な状態かの判断が難しく迷うことが多い             193名   55.1%
復職しても短期間で再休業することが多い                185名   52.9%
不十分な回復状態だが、本人や家族から強い復職希望があり、対応に困る  172名   49.1%

2018年2月 日本うつ病リワーク協会設立
会員数 315施設 1033名
リワークプログラムの施設      
                       医療リワーク          職リハリワーク      職場リワーク  
実施機関  精神科医療機関        障害者職業センター   企業内、EAP
費用     健康保険            労働保険          企業負担
対象     休職者              休職者              休職者
                          事業主 

主な目的  精神科治療          支援プランに基づく支援   労働させてよいかの見極め
                     再休職予防   

 日本うつ病リワーク協会ホームページより
医療機関で実施(医療リワーク)
医療機関で行い、復職支援に特化したプログラムが実施され、再休職の予防を最終目標として働き続けるための病状の回復と安定を目指した治療です。診療報酬上の枠組み(精神科デイケア、精神科ショートケア、精神科デイ・ナイト・ケア、精神科作業療法、通院集団精神療法など)で多職種の医療専門職(医師、看護師、精神保健福祉士、作業療法士、心理職など)による医学的リハビリテーションとして実施します。健康保険制度や自立支援医療制度を利用でき、費用の一部自己負担があります。
地域障害者職業センター(職リハリワーク)
独立行政法人高齢・障害・求職支援機構により各県に1カ所以上設置されている地域障害者職業センターが実施しています。職場復帰支援(リワーク支援)の名称で、センターの職業カウンセラーが、休職者本人と雇用主、主治医をコーディネイトし三者の合意を支援し、12~16週の職業リハビリテーションを実施します。目的は職場への適応に向けた本人と雇用主への支援であり、病状を回復させるための治療ではない点が医療機関のプログラムとの最も大きな違いです。費用は無料です。ただし公務員は利用できません。
企業内で実施(職場リワーク)
企業内で行われる復職支援のためのプログラムを「リワーク」と呼ぶ場合があります。2004年に公表され2009年に改訂された厚生労働省「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」では、「職場復帰支援プログラム」として事業場に休職の開始から通常業務への復帰までの流れを策定するよう求めています。この中で「試し出勤」制度等について有用性と検討が必要な点が書かれています。職場のリワークとして内部に医療機関や専門部署を有している企業や役所では、職場復帰訓練制度を実施している例や、EAP(従業員支援プログラム)サービスを利用する場合もあります。背景には主治医の発行する復職可能の診断書通りに復職させても再休職が多いという現実に対応する措置と考えられます。復職させて安定した就労ができるのかを見極めることが大きな目的です。
 
医療機関におけるリワークの4要素
集団を対象に
同じ悩みを持った仲間の存在
対人関係の問題を扱う、いわば実験室
対象を限定した
当院で治療中の気分障害圏の休職者
復職および再休職予防が目的
リハビリテーションの要素
治療の一環
開始条件があり一定のステップに加え、中止もある
指標は症状の安定性とその持続 復職準備性の評価基準
心理社会的療法
疾病教育、セルフマネジメント
服薬アドヒアランスの向上
発症メカニズムの自己理解
CBTなどの心理療法の実施や応用等
医療リワークのコンセプト
リワークプログラム
心理社会療法 コミュニケーション ストレスマネジメント
                  ↓
改善・向上
仕事のストレスコーピング
自己管理能力                セルフイメージ
業務負荷のコントロール          完全に健康な状態→精神疾患を持ちながら働き、そして生きる
自己の再形成

                     ↓Resilience building
リワークのゴール     
    再発予防   回復を維持し働き続ける
                  Recovery through Work
休職中の病状の回復と復職準備性
                              真の望まれるタイミング Personal recovery 
                   望まれる復職のタイミング Functional recovery 職場の求める回復レベル
              主治医による復職可の診断書 sickness recovery
                                    リワークプログラム
休職開始   →                             約6-9カ月

 

2021-10-15 05:09:33

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Web講演会 10月12日

循環器内科医の考える糖尿病治療戦略とは? 鹿児島大学心臓血管高血圧内科学 教授 大石充先生
血圧を下げると心不全が大きく減少
HYVET研究
介護不要の80才以上の収縮期高血圧患者にインダパミド(+ペリンドプリル)
sBP<150mmHg 
Primary 脳卒中(-30%) 死亡率に有意差あり早期終了
心不全が64%低下した 

SPRINT研究
厳格な血圧低下群では心不全発症 59%減、通常群32%減 
利尿剤使用        67%        43%

冠動脈疾患患者の長期予後に及ぼす糖尿病の影響
1982-1984年に45-64才の非糖尿病患者1373例と2型糖尿病患者1059例 18年間における冠動脈疾患による死亡率を調査
心筋梗塞の既往にある糖尿病 死亡率 0.8 ↑
心筋梗塞既往のある非糖尿病≒心筋梗塞のない糖尿病患者 死亡率 0.4
どちらもない 死亡率 0.1

心筋梗塞と細小血管障害の発生頻度 UKPDS35
(イベント発生件数 /1000人・年)
細小血管障害     8  24  30  30  40  38
心筋梗塞       20  10  18  20  40  60
HbA1C        5  6  7  8  9  10%

UKPDS35
通常療法群に対する強化療法群のリスク低下
細小血管障害は25%有意に低下させたが・・・心筋梗塞・脳卒中は有意な低下は示さなかった

太い血管障害と細い血管障害は攻め方が違うかも?
循環器内科医的にはインスリンは敵?心血管イベント↑
インスリンは血糖を下げるために脂肪や肝臓に脂肪を蓄積させるメタボリック作成ホルモン?
インスリン →肝臓     血管:SMC(平滑筋細胞)増殖       Na貯留
→脂肪(肥満促進)       インスリン IGF-1             インスリン
→筋肉              PI3K                Na/H exchanger↑
                Akt                   Na/K ATPase↑
                mTORC1 (数も↑)
               血管平滑筋細胞増殖               Na再吸収↑↑↑

インスリンはNa貯留ホルモン
インスリン⇒Na/H exchanger↑⇒Na/K ATPase↑(数も↑)   ⇒ Na再吸収↑↑↑
循環器内科医においてインスリンは敵?
肥満促進ホルモン      MEs誘導
平滑筋細胞増殖ホルモン        動脈硬化悪化        
⇒心血管イベント上昇
Na貯留ホルモン      高血圧、心不全悪化
血管リモデリングとは
内皮のバリア機能の消失
  ↓
内膜平滑筋細胞増殖
  ↓
変性LDLの取り込み
  ↓
プラーク破綻
  ↓
心筋梗塞・脳梗塞

ヒトの粥状硬化形成にはPre-existent Intimaが必須である (動物モデルマウスとは違う)
(平滑筋細胞増殖と隙間が必要)

血管リモデリングの3ステップと危険因子
  高血糖      インスリン    CKD      高血圧 1)ずり応力2)4)に関与
ホップ ↓       ↓        ↓          ↓

1)内皮機能障害           2) ←アンギオテンシン2
(*糖尿病性網膜症)           喫煙↓

2)内膜増殖 ← 酸化ストレス  (喫煙 高血圧 CKD)
(*糖尿病性腎症・ラクナ梗塞)
ステップ ↓

3)マクロファージ内膜迷入 ← 酸化LDL ← 高LDL血症
      プラーク形成
ジャンプ ↓
4)ACS プラーク破綻(心筋梗塞 狭心症 PAD アテローム血栓性脳梗塞)
糖尿病合併症
細小血管障害   糖尿病性網膜症        大血管障害 脳梗塞
        内皮機能障害              内皮機能障害 平滑筋増殖 プラーク形成・破綻
        神経障害                狭心症・心筋梗塞
        内皮機能障害 平滑筋細胞増殖       内皮機能障害 平滑筋増殖 プラーク形成・破綻
        腎症                  閉塞性動脈硬化症
        内皮機能障害 平滑筋細胞増殖       内皮機能障害 平滑筋増殖 プラーク形成・破綻

動脈硬化とRA系 in 細動脈硬化
       Ang2↓
内皮機能障害
中膜     内膜層が2-3層に増殖する
外膜        ↑
脂肪細胞ROS↑→ サイトカイン・ケモカイン Ang2・ROS

EDIC研究
DCCTに参加した1型糖尿病患者1375例 4年間フォロー
網膜症の発症率   従来インスリン療法    18%    強化インスリン療法 6%
心血管発症率は  累積発症率 0.08%                0.006%も 20年フォロー
発症差は最初の4年だけ(内皮機能障害だけの差?)

JDCSの冠動脈の危険因子
対象 日本人2型糖尿病2033例 (平均罹病期間11年)
    1Unit     ハザード比
Log TG  88.6mg/dl    1.5倍以上  
LDL-C  38.7       1.5倍以上  この二つのみ有意差あり

HbA1c  1.0%       1.2程度
SBP 10mmHg       1.3程度
喫煙  Yes         1.5倍

TGは低LDLで動脈硬化のリスクとなる(11640人の検診データーより)
Steno-2研究
血糖・脂質・血圧の厳格な管理は心血管イベントを有意に減少する
糖尿病合併夜間高血圧は心血管イベント発症リスク
120未満 120-135 135以上で比較 イベント発症相対リスク16.3倍

病型別糖尿病治療と血管リモデリング
グルコース (内皮機能障害)   正常    高い   非常に高い  高い         高い     低くする

内因性インスリン(平滑筋増殖) 正常     低い   普通     高い        やや高い    低くする
                健常人 1型糖尿病   未治療  インスリン補充型 インスリン抵抗性改善型 SGLT2阻害薬
                              インスリン抵抗性2型糖尿病

BG剤(インスリン抵抗性改善剤)は心不全合併糖尿病の予後をよくする (メタ解析の結果)
循環器内科医が考えるべき糖尿病治療
細小血管障害
     網膜症      内皮機能↑=血糖値↓
     神経障害・腎症  内皮機能↑+SMC増殖↓
             =血糖値↓+インスリン↓
大血管障害
=心血管イベント抑制=インスリン↓
 動脈硬化:細胞増殖↓+LDL↓=BG
 心不全: 体液↓=SGLT2阻害剤or BG

メインターゲットはインスリン>>>血糖値・HbA1C
BGは十分量を用いてエビデンス効果発揮
抗動脈硬化はBG、心不全にはSGLT2阻害剤

糖尿病合併夜間高血圧は心血管発症のリスク
夜間高血圧と心血管イベント  心血管発症の相対リスク16.3倍に
高血圧は オームの法則 V(電圧)=I(電流)×R(血管抵抗)
食塩摂取量           交感神経機能     RA系   RA系以外の  血管平滑筋リモデリング
食塩貯留能  食塩排泄能     ↓           ↓         ↓         ↓
          ↓             心収縮力           血管緊張調節
   体液量          ←↓
   
降圧利尿薬                            CCB
血圧 =循環体液量            ×              末梢血管抵抗
     =夜間高血圧                         =血圧変動型
     =拡張期高血圧/脈圧低下                 =収縮期高血圧/脈圧増加 

食塩感受性+食塩摂取過多にCCBを使うと?
血管拡張による降圧→昼間塩分排泄低下→夜間体液貯留キャリーオーバー→夜間塩分排泄→夜間多尿・頻尿
CCBで夜間頻尿を呈するとサイアザイド系利尿薬の良い適応
CCB:Systematic review
RCTすべてでCCBが夜間頻尿を悪化させる
CCB投与開始前にLUTS(下部尿路症状)の評価をすべきである
CCB使用後にLUTIS出現の可能性、症状出現時の受診に関する患者説明を求める
2型糖尿病の降圧療法
       前糖尿病(IFG・IGT)   糖尿病と診断    
血糖    正常 食後高血糖               食後高血糖+空腹時高血糖
相対量   インクレチン効果       インスリン↑           ↓
膵β細胞機能維持          インスリン抵抗性       インスリンレベル低下
-15年   10年 5年       0年     5年    10年  20年  30年

血圧プロファイル  体液貯留型                  血管抵抗増加型
推奨降圧療法    RA系阻害薬→            腎障害
             夜間頻尿                    CCB・リラックス→
              減塩・降圧利尿薬→         腎障害

1800万人のレセプトデーターのbig data解析
ARB後の第二次選択薬   CCB>>>利尿剤
ARB+CCB後の第三次選択薬 利尿剤>>βブロッカー
年代別降圧薬服用
年代を通じてCCB>ARB>β遮断薬>利尿薬 
年齢が高くなるとCCB増加 利尿剤の頻度増加 
サイアザイド系利尿薬の副作用と発生機序
遠位尿細管におけるNa再吸収障害
低K血症     Na利尿         →低Na血症
 ↓        慢性体液量減少
高血糖      腎血流低下
          糸球体濾過量低下
   クレアチニンクリアランス低下  近位尿細管の再吸収↑
                       尿酸クリアランス低下 Caクリアランス低下
                       尿酸高値        高Ca血症
サイアザイド/サイアザイド likeな利尿剤
慢性期降圧効果             末梢血管抵抗↓
                    直接的血管拡張     間接的血管拡張→心拍出量低下に対する一時的
                   内皮への作用   平滑筋への作用         適応後の血管拡張
                   eNOS活性化    Caチャネル拮抗作用 Caへの脱感作
                                          RhoA・Rho Kinaseの発現↓

インスリン使ったらだめなのか?
足りないインスリンを補充することは問題ない→本当に足りないのか?
インスリン抵抗性   HOMA-IR 空腹時インスリン×空腹時血糖/405>2.5   
SGLT2阻害剤 BG剤
インスリン分泌    HOMA-β 空腹時インスリン×360/空腹時血糖-63 <40    インスリンor SU
食後インスリン分泌状態      (HbA1C-0.4)×20>空腹時血糖      DPP4阻害剤 αGI グリニド

 
SGLT2阻害剤は心不全、腎不全を有意に減少させる 大規模試験
SGLT2阻害薬による降圧効果 上ノ町加治屋クリニックでの検討
急性期浸透圧利尿で血圧下がり、慢性期減量→インスリン抵抗性改善→インスリン低下でNa再吸収低下が

Y-AIDA研究
                       アルブミン尿を伴う2型糖尿病
SGLT2阻害剤(ダパグリフロジン) →   家庭血圧 ↓
高血糖  ↓                  朝(起床時)血圧
                        晩(就眠前)血圧 → アルブミン尿↓(2型糖尿病心血管腎臓病の源流
                        夜間就眠中血圧        ↓ として重要な早期治療標的)

                                    心血管腎臓病抑制による健康長寿の向上へ
                      →家庭血圧 日間変動性↓
                      →診察室血圧    ↓
                        体重、肥満指数 ↓

SGLT2阻害剤の心腎への影響
グルコース排泄  
カロリー減少→体重増加
HbA1C低下→動脈硬化↓
尿酸排泄→ 動脈硬化↓
ナトリウム排泄
血圧低下→血管硬化↓
TGF→糸球体血圧低下
血圧低下→ACE2/Ang1-7刺激
*尿酸は痛風だけでなく心房細動の危険因子である 113125名のレトロスペクティブコホート研究
  女性 年齢と血圧と尿酸が危険因子となった
*レニン-アンジオテンシン系は生体における血圧維持に関わる重要なシステムであるが、反面、高血圧やそれに伴う合併症を促進することで知られ、現在、高血圧治療における最も重要なターゲットになっている。レニンーアンジオテンシン(RA)系はアンジオテンシンII(AII)が細胞表面にある受容体のAT1に結合することにより活性化されるが、近年RA系の活性化を抑制するACE2-アンジオテンシン1-7(A1-7)-mas軸が注目されている。生体内にAIIより一つペプチドが少ないA1-7が存在しAIIに拮抗する作用を有することは1990年代から報告されていた
ACE2ブレーキをなくしたら(ノックアウトマウス作成)づおなるのか?
心不全モデルマウス+ACE2ブレーキをなくしたら 有意に死亡率上がる(コントロールに比べ)
STZ糖尿病性腎症マウスでも+ACE2ブレーキをなくしたら 有意に腎症悪化(コントロールに比べ)
ACE2ブレーキをなくしたら(ノックアウトマウス作成)サルコペニアが進行した
マウス 骨格筋老化 P16発現上昇 

 

2021-10-13 08:18:45

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Web講演会 10月11日

超高齢化社会における心原性脳塞栓症の治療戦略  九州大学大学院医学研究院 病態機能内科学 教授 北岡孝成先生
一部のみ列挙
FSR登録患者脳梗塞病型 脳梗塞10484例 2007.6.1-2016。11.30
ラクナ梗塞 20% アテローム血栓性18% 心原性24%分類不能38%
入院時神経徴候(NHISS)
           0-1   2-5 6-15  16以上
ラクナ        38%  46%  8% 
アテローム血栓性   35%  40%  10%  5%
心原性        18%   24%  22% 32%
退院時機能予後(mRS)
           0-1   2-3     4-5    6以上
ラクナ        65%   20%   15%   
アテローム血栓性   42%   28% 28%   2%    

心原性        30%   20%   38%   8%  
0から1 まったく兆候ないかあっても明らかな障害はない 日常の務めや活動は行える
2から3 軽度の障害から中等度の障害(何らかの介助を必要とする)
4から5 中等度から重度の障害
6    死亡

性別年齢階層別脳梗塞臨床病型患者数
男性 70代から84歳まで心原性脳梗塞の頻度増加する
女性 70代から増加し、85-89才、90才以上では頻度が一番高くなる

80代以上の8割以上がCHADS2スコアー2点以上であるが
高齢者はフレイル・低体重・アドヒアランス不良 認知症が・・・
*CHADS2スコアー
C 心不全        1点
H 高血圧        1点
A 年令  75才以上 1点  
D 糖尿病        1点
S 脳卒中/TIAの既往 2点

抗凝固療法が難しい症例
高齢(80才以上)、フレイル
1高度腎機能障害(クレアチニンクリアランス 15以上30未満
2重要部位での出血(頭かい内出血、眼内出血、消化管出血など)の既往
3低体重(45kg以下)
4酸性NSAIDsを連用
5抗血小板薬1剤を使用している 
                 ⇒抗凝固療法断念?
ELDERCARE-AF試験
目的 
出血への懸念から既存の経口抗凝固薬の承認用法・用量での投与が困難な80才以上の高齢の非弁膜症性心房細動
患者を対象にエドキサバン15mgを1日1回投与したときの脳卒中又は全身性塞栓症の発症抑制効果について、プラセボに対する優越性を検証する

492例ずつ エドキサバン15mg vs プラセボ  (465日 467日経過をみる)
対象 80才以上の高齢の非弁膜症性心房細動患者 984名
CHADS2スコアー2点以上
既存の経口抗凝固薬の承認用法用量での投与が困難、かつ以下の5つの出血リスクを1つ以上有する患者
1高度腎機能障害(クレアチニンクリアランス 15以上30未満
2重要部位での出血(頭かい内出血、眼内出血、消化管出血など)の既往
3低体重(45kg以下)
4酸性NSAIDsを連用
5抗血小板薬1剤を使用している                

結果
脳卒中または全身性塞栓症の年間発現率
エドキサバン 2.3%  (脳卒中 1.8% 虚血性脳卒中 1.8%出血性脳卒中0% 全身性塞栓症 0.4%)
プラセボ   6.7% 
 (脳卒中 6.0% 虚血性脳卒中 5.9%出血性脳卒中0.3% 全身性塞栓症 0.9%) 有意差あり
大出血
エドキサバン 3.3%/年
プラセボ   1.8%/年   有意差はなし

脳卒中、全身塞栓症、心原性脳塞栓症による死亡 MACE  脳卒中、全身税塞栓症およびすべての死亡 
エドキサバン 7.8%              7.7%  11.1%
プラセボ   10.9%             11.0%  14.8%
            エドキサバン15mg   プラセボ
大出血        3.3%/年         1.8%/年
頭蓋内出血      0.3%           0.6%
致死的な出血     0%            0.3%
生命を脅かす出血   1.3%            0.6%

消化管出血     2.3%           0.8%
ELDERCARE-AF試験 まとめ
既存の経口抗凝固の承認用法・用量での投与が困難な高齢(80才以上)の非弁膜症性心房細動患者において
エドキサバン15mgはプラセボと比較して
脳卒中または全身性塞栓症の発症を有意に抑制したが、大出血の発症は増加させなかった

リクシアナの添付文章に追加                 
                             高齢者心房細動(80才以上)

体重 60kg以下                 下記の出血性素因を1つでも有する
クレアチニンクリアランス50以下       1高度腎機能障害(クレアチニンクリアランス 15以上30未満
P糖蛋白阻害作用を有する薬剤併用      2重要部位での出血(頭かい内出血、眼内出血、消化管出血など)の既往
いずれかに該当     該当なし  
    3低体重(45kg以下)
 ↓              ↓      4酸性NSAIDsを連用

1日1回30mg    1日1回60mg       5抗血小板薬1剤を使用している  
                                   +
                           本剤の通常用量または他の経口抗凝固薬の承認用量では
                             出血のリスクのため投与できない
                                    ↓上記をいずれも満たす
                                 1日1回15mgを考慮
脳卒中の誤嚥と薬剤
                   誤嚥スケール
とろみ水のみ           1.5
とろみ水+錠剤カプセル    2
液体のみ(牛乳)        1.5
液体+錠剤カプセル      2    有意差あり
エドキサバンOD錠は食事と関係なく服用可能ですぐ溶ける(20秒)


 

2021-10-12 05:19:49

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コロナ禍のうつ病について考える(Web講演会)10月9日

コロナ禍のうつ病患者の実態 福岡大学医学部精神医学教室 主任教授 川嵜弘詔先生
コロナ禍におけるメンタルヘルス
自殺の問題
女性とこどものうつ
医療者が出来ること

COVID-19は米国の抑うつリスクを3倍増に   JAMA 2020
PHQ-9のスコアーが10以上(中等症以上)の抑うつ症状の有病率
COVID-19流行前 =8.5%(男性6.9%、女性10.1%)
COVID-19流行後 =27.8%(男性21.9%、女性33.3%)

他の報告
18才以上の成人1000名対象2021年3月26日~4月5日 オンライン調査
子どものいる成人の53%が子供の精神状態を懸念
さらに同成人の48%がパンデミックが子供のメンタルヘルスの問題起こしていると解答

パンデミックによる日常生活への影響(1年前の比較)
メンタルヘルス:43%(前年37%から増加)
アルコール摂取:17%(前年14%から増加)

ワクチンが普及したとしてもアメリカ人はまだ子供たちの精神状態について心配している
COVID-19から回復ではメンタルヘルスなしに健康がないことを覚えておく必要がある

精神福祉センターに寄せられたリモート相談の件数(厚生労働省特別研究事業より)
2020年1月から10月 
一般住民
自分が感染することへの不安恐怖          35件数
予防行動による疲労                 33件
仕事や経済的状況の困難               33件
人間関係(家族、友人、同僚)の困難          31件
精神症状(抑うつ症状)について           30件
職場環境の変化による負担・疲労           28件
精神症状(不眠)について              28件
偏見や差別                     27件
家族や同僚などに感染させてしまう不安恐怖             22件
コロナ感染症に関する情報不足            22件
学業困難                      20件

感染そのもの 感染による差別 人間関係 仕事や経済的な問題 精神的な問題 等々
相談内容は多岐にわたっている

COVID-19による後遺症   システマテックレビューとメタアナリシス
18251件の論文をスクリーニング最終的には15件が選択
17-87才が対象、追跡調査期間は14-110日
15件中6件はCOVID-19で入院した患者のみ対象、その他は軽症~重症のCOVID-19患者が混在
80%の患者で1つ以上の長期的影響を認めた
最も多かった5症状
疲労・倦怠感/頭痛/注意力の障害/ 脱毛  /呼吸困難感
58%     44%  27%   25%  24%

いくつかの研究では疲労感は女性に多かったと報告
*味覚障害 23% 嗅覚障害 21% 記憶の障害16% 不安13% 抑うつ11% 不眠11% 
 咳嗽 19%聴覚障害 15% 悪心 16%

うつ病や不安症の患者は増加しているのか?
2019/6~2020/5  2020/6~2021/5 
不安・うつ状態に受診に変化はない  
診断の問題?病識の問題?治療にいけない?治療に行かない?

自殺の問題
3万人超えていたが平成24年以降減少傾向でR1では2万人になっていたが・・・
長引くコロナ禍による影響が懸念される
新型コロナウイルス感染拡大後の自殺率の変化 日本の報告
2016年―2019年をコントロールとして2020年2-10月における自殺率を比較
2020年2-6月  (感染拡大初期) 14%減
2020年7-10月(第2波発生時)  +16%

特に第2波発生時では<女性>と<子ども・青年(20才未満)>で顕著な増加がみられた
コロナパンデミックにみる日米の自殺者数の比較
コロナ感染症による死者 62万人   自殺者数は5.6%の減少
コロナ感染症による死者 1万人           男性5.8% 女性25%の増加

2020年に自殺した小中高生は499人で2019年より100人増加(日本)
特に女子高生は80人⇒140人急増
児童生徒の自殺の原因・動機について
                          令和元年の人数 令和2年の人数(順位)
1学業不振                        43人              52人(2)
2その他の進路に関する悩み                     41           55(1)
3親子関係の不和                     30           42(3)

4 家族からのしつけ、叱責                26           26(6)
5 病気の悩み・影響(その他精神疾患)              26            40(4)
6その他学友との不和                  24            26(7)
7 入試に関する悩み                  21            18(8)
8 病気の悩み・影響(うつ病)             20           33(5)

1と2⇒保護者の経済的な問題、自宅学習の環境不全(IT環境不全)など学習問題の深刻化による格差拡大に起因?
3   家族と一緒にいる時間が増えたため、もともと家庭内の問題をかかえる子供のストレスが増大?
5と8 コロナ過で家庭問題が悪化、学業問題のストレスから疾患発症?

女性とこどものうつ
コロナ過での心理社会的ストレスの性差(米国2020年3月)
女性>男性
自分や家族はコロナに罹るんではないか
コロナによって収入を失うのではないか?
ステイホームして仕事を休むことはできないので、コロナの危険にさらされるのではないか
コロナ検査で治療が必要になっても受ける余裕がない

コロナは心の健康に悪影響を及ぼしている
新型コロナウイルス感染症に関るメンタルヘルス全国調査(日本) 2020年8月4日―9月30日
この1カ月間、新型コロナウイルスに関連しどの程度ストレスを感じていましたか?
男性2700人                                             女性 4692人
とても感じた   27%               45%  
少し感じた    46%               35%
子育て世代の生活全般の状況とコロナによる影響
第1回緊急事態宣言中の不安やストレスについて小学生3年以下の子どもがいる有配偶の男女を比較
女性1339人    男性1329人
女性>男性 有意差あり
家事や育児、介護の負担が大きすぎると感じた  
健康を守る責任が大きすぎると感じた

男性>女性 傾向あり
仕事の負担が大きすぎると感じたこと

日本人の共働き夫婦家事時間の国別比較
男性の育児関連時間(1日当たりの)
日本1時間22分と圧倒的に少ない 
(米国3時間10分 英国 2時間46分ドイツ、スエーデン ノルウェーも3時間以上
日本人男性の家庭内家事時間は欧米の1/3 女性の負担が大きい(コロナ過ではこれが負担に)

産前、産後うつの頻度(日本パンデミック前、メタ解析)
日本人女性108431件中産後うつ病の産後1カ月における有病率は14.3%
初産婦は妊産婦に比べて有意に上昇
妊娠中期(5271名) 14% 
妊娠後期(1681名) 16.3%  産前でもある

コロナ禍における妊婦のうつ(日本)
対象 4798名の妊婦
オンライン調査
2020年9月1日―9月30日

うつ(EPDS≧13) 14.6%
うつ状態(EPDS≧9) 33.5%

COVID-19流行地域では発症頻度が上昇 
コロナ禍における産褥期の抑うつ傾向(日本)
出産後1年未満の母親2713人のうち産後うつの可能性がある人が24%
平常時に比してコロナ過では増加傾向にある
産後うつの可能性があるとされた母親に認識がないが2/3
精神疾患と無関係であった人は自分のよくうつ状態に気付きにくい

コロナ×子どもアンケート
小1から高3のお子様本人   924人
0才から高3のお子様の保護者 3705人
子どもたちのうつ症状
小学4-6年 261名  中等度、やや重度、重度 15% 
中学生   110名              24%
高校生    344名             30%

自殺念慮や自傷念慮
小学4-6年 261名  数日以上     23% 
中学生   110名           22%
高校生    344名          26%

子どもたちの悩み
勉強のこと 50% 友達関係のこと35% 自分の心、気持ちの事 35%自分の体や健康の事33% 家族の事 20%
勉強のことは高学年ほど高い傾向にある
新型コロナウイルス感染症におけるメンタルヘルス対策指針 第1版 (多くの学会が作成した)
この感染症がもたらす恐怖や不安、就労・就学で日常生活への影響と実態の進展予測の困難さは当然ながら人々にきわめて強いストレスをもたらす
加えて、この感染症特有の性質による上記のような社会的、身体的接触提言が要求される自粛生活はメンタルヘルス維持にとって重要な対人交流を阻害し、強い孤立感、孤独感を生むとともに、種々のストレス解消の機会を奪う
そのため、地域社会が現在直面しているメンタルヘルスの問題は極めて深刻であり、その対策は喫緊に取り組むべき課題となっている

世界各国でも不安、抑うつ、ストレス関連症状、不眠、自傷、自殺企図等のメンタルヘルスへの影響が多数報告されており、
長期的には心的外傷後ストレス障害、うつ病、不安症の発症、自殺の増加、既存の精神疾患の悪化等が懸念されている

精神科へ紹介・相談した方がよい場合
1希死念慮の存在が疑われるとき、絶望感の存在
2強い不安・焦燥感や妄想の存在
3軽症であっても慢性化している場合
4頻回のうつ病相の既往
5躁状態の既往、出現
6アルコールや薬物依存・乱用の併存
7不安症、脅迫症の併存
8複雑な家族状況などの深刻な慢性的ストレス要因の存在
9 病前の適応状態が悪い場合
10 産後のうつ病

 

2021-10-11 06:28:37

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Web講演会 10月8日

WITHコロナ時代の降圧薬のNew Normal-エンレストへの期待を込めて-
慶応義塾大学医学部 腎臓内分泌代謝内科学 教授 伊藤裕先生

一部のみ列挙
世界の新型コロナウイルス感染 (2021年 9月30日現在)ウイキペディア
感染者数 2.19億人 死亡者 455万人
世界では年間5700万人以上の人が死亡している 世界の死亡原因の7割が非感染性疾患である
COVID-19 第五波 やっと終焉・・・?
Social Distancingは今後も断続的に続く・・・
運動不足、じっとしている
過食、ストレス食い、ダラダラ食い
不規則な生活、睡眠不足          
→血圧上昇 血糖上昇 体重増加 フレイル、サルコペニア 認知症
ストレス(家族関係、金銭問題)       COVID-19パンデミックは非感染性疾患のパンデミックを引き起こす
服薬滞りがち
降圧治療 俺流処方2011年10月出版 (伊藤裕)
内分泌から考える ホルモンで高血圧を知る、治す
レニン・アンギオテンシン系とナトリウム利尿ペプチド系の拮抗関係
レニン            ⇒刺激 血管収縮          ⇔抑制         ANP、BNP
アンギオテンシン系
      刺激   心血管リモデリング     ⇔抑制       ナトリウム利尿ペプチド
血管収縮ホルモン      ⇔抑制     Na利尿      ⇐刺激         血管拡張ホルモン
                
刺激  アルドステロン分泌    ⇔抑制  
               
刺激   飲水食塩嗜好性      ⇔抑制  
                
刺激   ACTH・AVP分泌     ⇔抑制    
               
 ⇔抑制    脂肪分解         ⇐刺激 
虚血               ⇔抑制   筋力、持久力      ⇐刺激         心負荷
脱水
               ⇔抑制   ミトコンドリア合成   ⇐刺激         溢水
                刺激   活性酸素産生         ⇔抑制         
心血管ホルモンとミトコンドリア
アンギオテンシン2
 ミトコンドリア↓活性酸素↑
cGMP(ナトリウム利尿ペプチド、NOのセカンドメッセンジャー)
 ミトコンドリア↑

ナトリウム利尿ペプチドには
心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)
脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)
C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)がある

健康人において主にANPは心房、BNPは心室、CNPは血管内皮細胞から分泌される
心不全 ANP数百倍 BNP数千倍
高血圧 ANP数倍(容量負荷) BNP数倍(圧負荷)

 
電圧=電気抵抗×電流(オームの法則)
血管収縮と容量因子による高血圧の分類

高レニン                               低ANP
↑        悪性高血圧・レニン産生腫瘍               ↓
          褐色細胞腫
          片則狭窄腎血管性高血圧

血管収縮因子    本態性高血圧(高レニン性)            容量因子(水、Na)
          本態性高血圧(正レニン性)
          本態性高血圧(低レニン性)
          両側狭窄型腎高血圧
          腎不全、腎実質性高血圧、腎硬化症
          原発性アルドステロン症・DOC産生腫瘍

低レニン              食塩感受性高血圧          高ANP
 
レニン      1ng/ml/hr(0.5ng/ml/h)
アルドステロン 100pg/ml
ANP       40 pg/ml
BNP       30 pg/ml(40-100)
ノルアドレナリン 500 pg/ml(1000)

                             低レニン・高ANP
                               利尿剤 CCB ARB/利尿剤
                    ARNI
               アンジオテンシン受容体・ネプリライシン阻害剤
高レニン・低ANP        サクピトリルバルサルタン
RAS阻害剤 β遮断薬 CCB
 
ナトリウム利尿ペプチド活性と代謝
ANP、BNPはナトリウム利尿ペプチド受容体Aに結合して、細胞内のcGMP濃度を上昇させ生物活性をもつ
ANP、BNP、CNPはいずれも細胞膜上のナトリウム利尿ペプチド受容体Cを介した内在化及び分解酵素ネプリライシンによって代謝される
サクピトリルバルサルタン
ネプリライシン阻害作用を有するプロドラッグ+バルサルタン
  亢進                  抑制
降圧ホルモン ANP       昇圧ホルモン 
血管拡張             アンギオテンシン2
交感神経抑制          血管収縮抑制
利尿・Na利尿           体液貯留抑制

          降圧作用
いわゆる合剤ではなく・・・
直接拮抗関係にあるものについて、その双方の過剰活性状態を緩和した形で平衡できれば振れ幅、ブレは小さくなる

血圧変動を少なくして心血管イベント↓
国内第Ⅲ相試験
P:軽症/中等症の本態性高血圧 N=1161
E:サクビトリルバルサルタン200㎎(N=387)/400㎎(N=385)
C:オルメサルタン20㎎(N=389)  投与8週時の平均収縮期血
結果:200㎎ vs オルメサルタン20㎎:差:-5.01±0.991(95%CI:-6.949 to -3.061) P<0.001
   400㎎ vs オルメサルタン20㎎:差:-6.97±0.993(95%CI:-8.922 to -5.025)
<副作用>
回転性めまい:200㎎ 0.5% 400㎎ 0% 高K血症:200㎎ 0.5% 400㎎ 0.3%
浮動性めまい:200㎎ 0.5% 400㎎ 0%
結論:オルメサルタンと比較して安定した降圧効果を示した。

2021-10-09 05:11:45

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Kampo Online Seminar 10月7日

ストレスによる不安・不眠に悩む女性のために 慶応義塾大学医学部 漢方医学センター医局長 堀場裕子先生
まとめ
コロナ禍で患者さんの様々な症状が増えました・・・
この先、感染のリスクを考えると不安が強くなりました             
→加味逍遙散(24)
心配事が多くて眠れません                            →抑肝散(54)  
生活環境が変わって、月経時の精神不安、イライラが強くなりました       
 → 桃核承気湯(61)
のどの違和感が強くて、咳がよくでてしまう。とめなきゃと思う程咳がでる      → 柴朴湯(96)
貧血気味で疲れやすい。自粛生活で運動不足になりさらに疲れやすくなった     →加味帰脾湯(137)
加味逍遙散(24)
逍遥とは気持ちが落ち着かずなんとなくイライラして心が揺れる状態
Point 精神不安 気分の浮き沈み ゆううつ感
こんな症状にも・・・   更年期の冷えのぼせ 夢をよく見て、熟眠感がない
抑肝散(54) ・・・甘くて飲みやすい
肝(怒りを司る)を抑える →イライラなどに有効
Point 過緊張による不眠、歯ぎしり、食いしばり、イライラ 夜泣き、癇癪

効果:虚弱な体質で神経が高ぶるものの次の諸症
神経症、不眠症、小児夜泣き、小児疳症
子母同服もおすすめです
赤ちゃん夜泣き→育児疲れ、イライラ(母)→さらに子供夜泣き
アルツハイマー型認知症治療薬服用中の患者の行動心理症状に対する抑肝散の効果
2006年7月~2008年12月 有効性解析症例61例 ベースはドネペジル
抑肝散投与群29例(7.5g/日) コントロール群 32例 4週間フォロー
結果 総NPIスコアーにおいて抑肝散群がコントロール群に比し有意に改善した
    項目では興奮/攻撃性と焦燥感/易刺激性 うつ 不安 無関心 妄想の項目が有意に改善した
    両群とも血清カリウムの低下や浮腫などの副作用は認められなかった
こんな症状にも 「月経時のイライラ」「認知症による徘徊、暴言、多動」「育児や介護のイライラ」

桃核承気湯(61)
Point 精神不安、月経痛 便秘 イライラ にきび ほてり 肩こり 頭痛 下半身の冷え
桃核承気湯=血流をよくする漢方 (ドロドロ血をサラサラ血に)
効果・効能:月経不順 月経困難症 月経時や産後の精神不安 便秘 高血圧随伴症状(頭痛、めまい、肩こり)
月経前症候群(PMS)月経前不快気分障害(PMDD)の精神神経症状にも有効

桃核承気湯 =月経痛とイライラを軽減する漢方
   イライラ 頭痛 月経困難症 高血圧 ほてり 便秘
Point 月経痛 月経血塊 便秘経口 月経前のイライラ にきび ほてり 肩こり 頭痛 下半身の冷え
診察で下の裏を見る 舌下静脈の怒張→血液の流れの悪さを示唆する
月経困難症の治療効果 論文
月経痛の治療効果には約3か月(63.1%)かかる 1カ月くらいから改善してくるが
柴朴湯(96)
のどの違和感が強くて、咳がよくでてしまう。とめなきゃと思う程咳がでる   
柴朴湯(96)は2つの漢方 小柴胡湯(9 )+ 半夏厚朴湯(16)を足したもの
                 慢性的な疾患    うつ気分による咽喉頭異常感症に

Point ストレスによる咳、慢性的な呼吸器症状、咽喉頭異常感症に
    こんな時にも「慢性の気管支喘息」「上腹部(肋骨付近)の張り、痛みを伴う咳」
「ストレスがかかるとのどの違和感が強くなる」

診察 上腹部(肋骨付近)に張り感圧痛があると →ストレス大   柴胡剤が良い適応
加味帰脾湯(137)
貧血気味で疲れやすい。自粛生活で運動不足になりさらに疲れやすくなった
Point 虚弱体質 疲労倦怠 貧血 不安神経症 胃腸虚弱
 
気を補う代表 生薬  人参 黄耆 白朮 蒼朮               
14の生薬
ニンジン・ブクリョウ ソウジュツ ショウキョウ タイソウ カンゾウ 
四君子湯(75
)胃腸改善(六君子湯より甘くて飲みやすい)機能性Dyspepsia 胃腸虚弱に効く
トウキ リュウガンニク= 補血                     
オウギ サンソウニン サイコ モッコウ サンシン オンジ =抗精神作用
こんな症状にも
がん治療中の吐き気・食欲不振 寝汗  月経過多による貧血
疲労・倦怠と言えば
補中益気湯(41)      加味帰脾湯(137) 補中益気湯の虚弱、胃腸虚弱、不安、不眠、貧血バージョン
   補気剤は長期に内服することで体調が崩れにくくなる

 

2021-10-08 06:24:15

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