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DSPFestival ~笑いのある健康長寿社会を目指して~WEB講演会7月31日

DSPFestival ~笑いのある健康長寿社会を目指して~WEB講演会7月31日

ポジティブな心理社会的因子と糖尿病血管合併症の関係 大阪大学大学院医学研究科 内分泌代謝内科学講師 片上直人先生
心理社会的因子と健康状態の関係
              心理社会的因子
          よくうつ ストレス     家族や友人の支援
           楽観性 幸福度  生活環境
           笑い           経済力 学歴

                      ↓
    心理行動医学的機序               精神生理学的機序
     
食事療法、運動療法、禁煙、節酒      視床下部下垂体副腎皮質系
    などセルフケア行動                交感神経副腎髄質系
                      ↓
                     健康状態
 
ポジティブな心理社会的因子は健康に対して促進的作用するのか?
              心理社会的因子
    ネガティブ因子        ポジティブ因子
    
抑うつ ストレス       幸福感 社会支援 楽観性 笑いなど・・
     ↓                ↓
    健康状態悪化       健康維持・改善?
    
虚血性心疾患
    糖尿病  など  
幸福感(人生を楽しんでいるレベル)と心血管疾患
心血管疾患のない日本人88175人対象とした12年間のコホート研究(JPHC研究)
男性では人生を楽しんでいるレベルが低いと心血管疾患の発症率や心血管疾患による死亡率が高い

楽観性と心血管疾患
楽観性(Optimism)=expectancy for future outcome
楽観性が高い人は
1問題を解決するために必要な他者との関係を構築できる
2健康について興味を持ち情報を収集する
3病気に罹患したときに、必要な治療について理解し、適切に実施する
4病気に対しての過剰な不安を示さない

2型糖尿病患者において楽観性が高く幸福度が高い人は、療養に必要な行動変容を起こしやすい
楽観的な人は心血管発症や心血管関連死のリスクが低い
楽観性が高い人は冠動脈バイパス術後の再入院率が低い
楽観性が高い人は頸動脈壁肥厚が抑制される

笑いのもつ健康効果
笑い=人とのコミュニケーションや出来事に対して面白いと認識したうえで起こる行動
面白いと思うという感情の変化と顔面の表情菌のみではなく笑い声を出すために体の筋肉を動かすといった身体活動の側面がある行為

コルチゾール、ドーパミン、エピネフリン等のストレス反応性の神経伝達物質の分泌を抑制する
炎症性サイトカインの抑制効果、疼痛抑制効果を持つ
NK細胞を活性化する
血管内皮機能を改善させる

笑いと糖尿病
毎日声を出して笑う人と比べて、ほとんど笑わない人は女性で1.84倍、男性で1.37倍糖尿病有病率が高い
糖尿病患者では、昼食後に単調な講義を聞いた時よりも、昼食後に漫才を観て大笑いしたときの方が、食後の血糖上昇が抑制されていた
講義 平均122.4mgの食後血糖上昇
漫才 平均 77.4mgの食後血糖上昇

笑いを用いた健康増進法とその効果
「笑い」は面白いと感じた時の本当の「笑い」でも運動としての「笑い」でもストレス緩和効果は同等である
笑いヨガなどの「笑い」を取り入れた運動では有酸素運動としての効果、ストレス緩和作用、参加者同士の交流を通じた
社会性の向上などが期待できる

「笑い」を取り入れた運動(笑いヨガなど・・)
  ↓                ↓
運動としての効果    ←   楽しいので継続できる
須知レス緩和作用        参加者同士の交流など社会性が向上する
   ↓               ↓
        健康増進効果

60歳以上の日本人において「笑い」を取り入れた3か月の健康教室への参加はHbA1C値と主体的健康観の改善をもたらした
社会的関係から得られる支援
家庭  宗教・信仰 仕事・職場 学校 友人 地域・近所付きあい  ←さまざまな社会的支援
社会的支援の内容と期待される効果
1道具的サポート :物質的、具体的な援助
2情緒的サポート :共感、傾聴
3情報的サポート :健康的な生活を送るための知識・情報の提供
4交友的サポート :一緒に行動することによる所属感の獲得
5妥当性確認   :行動の適切性や規範性の情報提供、フィードバック
                  ↓
    直接的・間接的に健康状態に影響を与える

  援助を行う人々のつながり 社会的ネットワーク
社会的的支援が充実している人の死亡リスクは低い
社会的的支援の不足は2型糖尿病の発症リスクを高める
社会的的支援の充実は、2型糖尿病患者において
  主観的健康度の改善
  自己効力感やアドヒアランスの向上
  健康的な食生活
  減量
  血糖コントロール改善    につながる

心理的社会的因子が血糖コントロールに及ぼす影響
            心理的社会的因子
  ↓ 楽観性が高く幸福度が高い人は行動変容をおこしやすい ↓ 精神生理学的機序など
    肥満患者の減量には社会支援が重要である

セルフケア行動
   ↓       笑いはHbA1Cを改善させる
           笑いうことで食後血糖が低下する
        

             血糖コントロール
          糖尿病における心血管疾患≒糖尿病大血管症

40-79才の日本人73424人対象とし、精神的ストレスと心血管症発症との関連を7.9年にのぼって追跡した
非糖尿武王患者においては、低ストレス者に比較してストレス者では1.27倍
糖尿病患者においては、低ストレス者に比較してストレス者では1.83倍 
心血管イベントの発症リスクが高い
22003人(糖尿病患者4090人非糖尿病患者17913人)の地域住民を対象として、抑うつ症状やストレスと心血管疾患発症・心血管死との関連を5.95年にのぼって追跡した(海外データー)
糖尿病患者においては、抑うつ症状なしかつ低ストレスの患者に対し、抑うつ症状ありまたは中―高ストレスの患者は1.53倍、抑うつ症状ありかつ中―高ストレスの患者は2.15倍も心血管死のリスクが高い
では心理社会的因子が細血管障害に影響を及ぼすか?
研究デザイン
大阪大学医学部付属病院通院中2型糖尿病患者40-79才   4年間前向き研究  343人

心理社会的因子
1幸せ度
2楽観性        LOT-R
3声をだして笑う頻度
4ストレスの程度
5社会ネットワーク
6社会サポートの6項目で評価

結果のみ
腎症発症リスクと各因子 メタ解析
幸せ度が高いこと、楽観性が高いこと、ストレス程度が少ないこと、社会ネットワークが強いこと、社会サポートが強いことは糖尿病腎症リスクの低下と関連する
糖尿病腎症の主たる危険因子と調整しても、幸せ度が高いこと、楽観性が高いこと、ストレス程度が少ないこと、社会ネットワークが強いこと、社会サポートが強いことは糖尿病腎症リスクの低下と関連する

2年目の中間解析
幸せ度が高いほどeGFRの低下は小さく、社会サポートが強い群ではeGFRの低下  は小さく、UACRの増加が小さい
年齢、BMIは幸せ度と相関し、女性の方が男性より社会サポートが強い割合が多い

    ↓
 腎症と関連するの心理社会的因子に性差がある可能性
社会ネットワークサイズと糖尿病合併症
オランダの2型糖尿病患者797人を対象に糖尿病合併症の有無と社会ネットワークサイズとの関連を横断的に検討した
社会ネットワークサイズ(N)  8.19           6.59           7.12
合併症なし(411人) 大血管症あり(217人)細血管症あり(254人)
大血管症や細血管症のある糖尿病患者は社会ネットワークが小さい

ポジティブな心理社会的因子
ポジティブな心理社会状態          良好な社会支援状況
毎日を楽しむ                  信頼ができる人がいる
楽観性が高い                  サポート体制がある
幸福度が高い
                      ↓
心理行動医学的機序               精神生理学的機序
食事療法、運動療法、禁煙、節酒      視床下部下垂体副腎皮質系
などセルフケア行動                交感神経副腎髄質系
                       ↓
                  血糖コントロール
                  大血管症(心血管疾患)
                  細小血管症

 

2021-08-02 05:30:47

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