内科(呼吸器・循環器・消化器・糖尿病外来・各種健診(入社・定期))
〒541-0047 大阪府大阪市中央区淡路町4-7-2
TEL 06-6203-7636
トップページ»  ブログ記事一覧»  プラチナレクチャー 2022年1月6日

プラチナレクチャー 2022年1月6日

プラチナレクチャー 2022年1月6日

COVID-19 特講 埼玉医科大学総合医療センター 総合診療内科・感染症科 教授 岡秀昭先生
一部のみ列挙
ウイズコロナ時代のプライマリーケアー
標準防護策+ユニバーサルマスク
鑑別診断にCOVID-19が増えた
あとは
今までの感染性診療の原則、肺炎診療と一緒

症例1 50歳代 女性 嗅覚、味覚障害で紹介された 
     ずっと前から下痢と腹痛がある 以前に潰瘍性大腸炎の既往
     腹部CT検査 診断 潰瘍性大腸炎
コロナの臨床で最も重要!基本臨床を抑える
COVID-19 の典型的な臨床経過  JAMA2020年 中国における約4万症例の解析結果を参考に作成
年齢や基礎疾患の有無により重症化リスクは異なることに注意

咳、のどの痛み、発熱・・・    呼吸困難、咳、痰       人工呼吸器管理など    
発症~1週間程度        1週間から10日         10日以降
←約80%       →   ←   約20%    →   ←   約5%  → 

  軽症のまま治癒        肺炎が増悪して入院        集中治療室へ  2-3%で致命的

コロナの症状
発熱、咳、息切れのいずれか 70%
発熱                43%
咳                  50%
息切れ                29%
筋肉痛                36%
鼻汁           6%
咽頭痛               20%
頭痛                34%

下痢                19%
嗅覚または味覚異常       8%

 
COVID-19の臨床検査所見(典型例)
WBC 90%で正常から低下 リンパ球低下:35%
*初期からWBC上昇してくるとらしくない

CRP・・・・多くは上昇 5程度上がる 
*あまり高いとらしくないかも
プロカルシトニン 肺炎があっても6%でしか上昇しない
→細菌性肺炎などとの区別に有用かもしれない でも・・・重症化すると上昇する

                   PCR検査      抗原定量        抗原定性     
                鼻咽頭 鼻腔 唾液    鼻咽頭 鼻腔 唾液  鼻咽頭 鼻腔 唾液 
有症状 発症から9日以内     〇    〇   〇  〇   〇  〇   
 〇  〇     
    発症から10日以降       〇    〇   -   -   〇     -    
△   △   
無症状             〇    〇   -   -      -   〇   
 -   -    -
鼻咽頭からのPCRがスタンダード  ただし高い 時間がかかる
無症状での抗原定性は無意味?

必ず検査前の確率を想像すること
  臨床像 曝露・接触歴 流行状況 他の診断
流行期には全例検査?でも事前確率を

検査前確率が高い場合   検査が陰性でもPCR追加 あるいはリピート(リピート検査はおそらく1回でよい)
検査前確率が低い場合   検査が陽性でも、偽陽性も疑う
CT検査像(初期の典型像:下葉優位に胸膜直下がスペアされない 両側のスリガラス陰影や斑状陰影で
       次第に浸潤影が拡大、重症例では発症10日ほどで最も悪く見える 胸水やリンパ腫脹胸膜肥厚は稀な所見)
ただし画像所見は非特異的
  初期には片側であったり 進行するとよくある重症肺炎やARDSにも

画像だけで判断できない
PCRよりCTより患者の言葉が大切(岩田健太郎)
軽症者の治療法が出てきた
抗ウイルス剤
中和抗体 カシリズマブ/イムデビマブ ソトロビマブ

今までは・・
重症度、重症化を見抜く判断が大切

第6波では 重症化する人を見抜く判断が大切
重症度分類
         酸素法飽和度      臨床状態          診断のポイント
軽度       SpO2 ≧96%    咳のみで呼吸困難なし  多くが自然治癒するが急速に進行することもある
中等度1                肺炎所見なし      リスク因子のある患者は原則として入院勧告の対象
呼吸不全無し  93%<SpO2 <96%  呼吸困難        入院の上で観察 低酸素血症あっても症状ない場合も
中等度2                 肺炎所見          患者不安に対処することも重要            
呼吸不全有り   SpO2 ≦93%    酸素投与が必要       呼吸不全の原因を推定 高度な医療施設へ転院
重症化を予測する
重症化のリスク因子      評価中の要注意な基礎疾患など

65才以上の高齢者      ステロイドや生物学的製剤の使用
悪性腫瘍            HIV感染症(特にCD4<200/μL)
COPD              +ワクチン未接種
CKD
2型糖尿病
高血圧・高脂血症
肥満 BMI30以上
喫煙
固形臓器移植後の免疫不全
妊娠後期

     
日本 COVIREGI-JP n=3376  2020 1/16―2020 5/31
入院時に酸素投与が必要である割合が高い
COPD 2.51倍 男性 2,09 肥満 1,75 心血管疾患 1.45倍 糖尿病 1.34倍 高血圧 1.33倍
入院中の死亡率が高い基礎疾患(≧25%)
CKD 心血管疾患 脳血管疾患 COPD 固形腫瘍 糖尿病 肝疾患

 
治療法について
試験管内の効果から期待された薬剤
レムデシビル
トシリズマブ

ロビナビル/リトナビル ファビラビル クロロキン イベルメクチン コルヒチンなど多くの薬剤
赤は今のところ脱落か・・
*ファビラビル(アビガン) メタ解析で有意差無し 高尿酸血症や催奇形性も懸念
*イベルメクチン 軽症者への効果証明できず メタ解析でも死亡もウイルス減少も有意差証明できず
有意差が出たメタ解析の報告はあるが・・・未査読の論文が多い データーの捏造にて取り下げられている論文が含まれる

各論文のIVM投与量・投与期間が違いすぎる 
治療薬の選択および候補
              無症状/発症前  軽症   軽症(肺炎有り) 中等症      重症
想定される病態          ⇐ ウイルス増殖                   ⇒
                                   ⇐  炎症        ⇒

有効性が期待される治療    抗ウイルス薬   
               抗体治療                 抗炎症治療

 Entry to the Cell           ウイルス複製         ホストの免疫反応
 ACE受容体阻害剤           RNA ポリメラーゼ阻害    免疫調節 
 アンギオテンシン2受容体阻害剤    レムデシビル           トシリズマブ
 Fusion inhibitors                          リバビリン             サリムマブ
   Umiinefovir                                ファビピラビル            TNF阻害剤
   Baricitinib                                   プロテアーゼ阻害剤       IFN
   モノクロ―ナル抗体            ロビナビル          ステロイド
                     ダルナビル
COVID-19の治療薬 初期のウイルス増殖期のみ列挙
初期のウイルス増殖期
抗ウイルス薬/抗体治療薬
カシリズマブ/イムデビマブ
ソトロビマブ
レムデシビル

経口内服薬(開発中) 
カシリズマブ/イムデビマブ(ロナブリーフ)
18才以上の重症化因子を1つ以上有するCOVID-19患者 4057人 発症7日以内 確定診断3日以内
600mg 静脈内   プラセボ
736人         748人
入院又は全死亡    7(1.0%)      24人(3.2%)
相対リスク減少      70%

ソトロビマブ(セビュデイ)
18才以上の重症化因子を1つ以上有するCOVID-19患者 1057人 発症5日以内 
500mg 静脈内   プラセボ
528人         529人
29日以内の入院又は全死亡    6(1.0%)      30人(6%)
相対リスク減少          79%

変異ウイルスによる効果 両抗体とも変異ウイルスにも効果ありであったが・・・
ロナブリーフはオミクロン株には効果がないかもしれない?しかしソトロビマブ(セビュデイ)はOK

モノクロナール抗体療法
外来患者に対して重症化を防ぐ質の高いエビデンスがある現時点での唯一の承認薬である
原則として重症化リスクが1つでもある外来軽症患者に発症からできるだけ早く、7日以内に投与する
点滴は30分程度でいおこない、その後1時間程度経過観察が必要
Infusion reactionn(0.2%)やアナフィラキシーに注意する 重症化した患者は投与しない
ワクチンは接種歴に関係なく投与できる ブレイクスルー感染においても入院リスクを減らす効果は示されている
モノクローナル抗体療法後はCOVID-19ワクチンは3か月以上間隔をあけてから接種する

経口薬
Molnupiravir
ヌクレオチドアナログ型の抗ウイルス薬 デルタ株にも有効 1日2回5日間服用
第三相試験 メルク社
重症化リスクのある軽症者へ 早期投与(5日以内)
入院リスクを30%減へ
もうすぐ3CLプロテアーゼ阻害剤も承認される?

ニルマトレルビル/リトナビル(パクストビル)  ファイザー  総額8万円?
ウイルスの3CLプロテアーゼ阻害+リトナビル(HIV治療薬):薬剤の代謝を弱め、相対的に血中濃度を維持する役割
重症化リスクがあるワクチン未接種の軽症患者
1回2錠を2回 5日間服用
入院や死亡リスクを89%減らした
副作用はプラセボと変わらず

レムデシビル(ベクルリー)まとめ
抗ウイルス作用を期待して行う薬剤であり、ウイルス増殖期にできるだけ早期投与(理想は発症2日以内、遅くとも7日以内)が望ましい
重症化リスクのある中等症1では臨床症状の重症化抑制、死亡率の改善を期待できる
高流量酸素投与、機械換気やECMOを受けている最重症患者ではメリットはない
発症7日以内の中等症2以上ではステロイド治療への先行or同時投与が望ましい
軽症者の3日間投与も提案されてきた
5日間の投与を基本とするが、5日間時点で機械換気やECMOを使用している患者では10日間投与延長も考慮する

 

2022-01-07 08:06:07

  |  コメント(0)

 

コメント

お名前
URL
コメント