内科(呼吸器・循環器・消化器・糖尿病外来・各種健診(入社・定期))
〒541-0047 大阪府大阪市中央区淡路町4-7-2
TEL 06-6203-7636
トップページ»  ブログ記事一覧»  Web講演会1月14日

Web講演会1月14日

Web講演会1月14日

高齢者糖尿病治療のポイントと最近の話題  千葉大学大学院医学研究院 内分泌代謝血液老年内科学教授 横手幸太郎先生
日本の糖尿病患者に高齢者の占める割合 平成28年国民健康栄養調査
糖尿病が強く疑われる人 65才未満 26.8% 65-75才未満 41.8% 75才以上 31.4%
 

高齢者糖尿病診療の留意点
早老症から学ぶ糖尿病治療
血糖低下治療の新たな一手

高齢糖尿病患者の主な臨床的特徴
すでに種々の合併症を有することが少なくない
臓器予備能の低下に伴い、薬剤の効果増強や副作用を発現しやすい
脱水や高血糖による急性代謝障害を生じやすい
無自覚・遷延の重症低血糖を起こしやすい
食後のみに高血糖を呈することが少なくない
精神的・身体的機能が多様である
      メタボからフレイル対策へ
   65才      75才
       個別指導
メタボ対策         フレイル対策
カロリー制限       適正なカロリー
塩分制限         十分な蛋白質
脂肪制限         十分なビタミンD、ミネラル
有酸素運動        レジスタンストレーニング
               筋力維持

高齢者糖尿病の血糖コントロール
カテゴリー 1,2,3 認知機能で
低血糖をきたす薬剤(SU、グリニド、インスリン)で変える
基本的ADL 移乗 歩行 階段 トイレ動作 入浴 整容 更衣 排便 排尿 食事 
手段的ADL 電話をとる 買い物 金銭のやりとり 薬の管理 服用 車運転 炊事 洗濯など
独居ができるかどうか?

DASC-8で認知・生活機能判断する
1 点  2 点  3 点  4 点
A もの忘れが多いと感じますか 1. 感じない 2. 少し感じる 3. 感じる 4. とても感じる
B 1年前と比べて、もの忘れが増え たと感じますか 1. 感じない 2. 少し感じる 3. 感じる 4. とても感じる
1 財布や鍵など、物を置いた場所が わからなくなることがありますか
1. まったくない 2. ときどきある 3. 頻繁にある 4. いつもそうだ 記憶 近時記憶
2 今日が何月何日かわからないとき がありますか
1まったくない 2. ときどきある 3. 頻繁にある 4. いつもそうだ 見当識 時間
3 一人で買い物はできますか
1. 問題なくできる 2. だいたいできる3. あまりできない 4.まったくできない 手段的ADL買い物
4 バスや電車、自家用車などを使っ て一人で外出できますか
1.問題なくできる 2. だいたいできる 3. あまりできない 4.まったくできない 交通機関
5 貯金の出し入れや、家賃や公共料 金の支払いは一人でできますか
1. 問題なくできる 2. だいたいできる 3. あまりできない 4.まったくできない 金銭管理
6 トイレは一人でできますか
1. 問題なくできる 2. 見守りや声がけ を要する 3.一部介助を要する 4.全介助を要する 基本的ADL 排泄
7 食事は一人でできますか
1. 問題なくできる 2. 見守りや声がけ を要する 3.一部介助を要する 4.全介助を要する  食事
8 家のなかでの移動は一人でできますか
1. 問題なくできる 2. 見守りや声がけ を要する 3.一部介助を要する 4.全介助を要する 移動
DASC-8:(1 ~ 8 項目まで)の合計点 点 /32 点
DASC-8 の合計点の関係 
カテゴリー1(認知機能正常かつ ADL 自立):10 点以
カテゴリー2(軽度認知障害 ~ 軽度認知症または手段的 ADL 低下、基本的 ADL 自立):11-16 点
カテゴリー3(中等度以上の認知症または基本的 ADL 低下または多くの併存疾患や機能障害):17 点以上

糖尿病性 細小血管障害 網膜症 腎症 神経障害
                  大血管障害/動脈硬化性疾患
                  認知症 がん 骨粗しょう症

J-DOIT3研究  
包括的リスク管理 (体重、血圧、血糖、脂質)
脳血管イベント 58%減 
主要評価項目(心筋梗塞、脳卒中、血行再建術、死亡) 24%減 腎症 32% 網膜症 14%減少させた 

血糖 HbA1C<7%
LDL-C 120mg/dl未満
血圧  130/80未満 を目標に

食事運動療法・薬物治療の効果 細小血管障害の予防効果発現 5-10年
                     大血管障害の予防効果発現  10-20年
薬物治療の副作用リスク 毎日に服用・注射 体重増加 経済的負担 負の作用の可能性 すぐでる

75歳以上の場合 負の側面>アウトカムの改善?
1%のHbA1C低下により得られるQALYs(質調整生存年)の検討
治療開始時のHbA1C 年令 治療による負の効用値を変数とした場合
45才 負の効用値 0,001
55才 負の効用値 0.01
75才 負の効用値 0.05に  多剤併用やインスリン治療では最も下がる 

全く無害 =0 死亡=1.0
高齢者糖尿病170名CGM解析における低血糖リスクはインスリン使用で高く、DPP4阻害剤では低下していた
日本2型糖尿病高齢患者における血糖コントロールと心血管イベントの関係:診療データーベースを用いた研究
HbA1Cを値別の4つの集団において1-4のグループ
65歳以上 1<6.3% 2 6.3-6.5% 3  6.6-7.1%  4>7.2%
複合脳、心血管イベントはグループ4で発現率が最も高かった
SU剤やインスリン注射の時はUカーブ現象があったが、現在ではHbA1Cが低いほど脳、心血管イベント発現率は低下する

Werner症候群(WS、遺伝的早老症)
常染色体劣性遺伝病
DNAヘリカーゼWRN(DNA修復・テロメア安定化)の変異が原因
白毛、脱毛  20才~   白内障 30才~ インスリン抵抗性の強い糖尿病 30歳~
心筋梗塞 悪性腫瘍 40才~
平均死亡年齢 46才
日本に多い 6割(全世界の)
WRN遺伝子(DNAヘリカーゼ)変異
     ↓
    内臓脂肪   TNF α↑ アデポネクチン↓
  インスリン抵抗性
  高インスリン血症  
耐糖能障害 脂質代謝異常 高血圧
    ↓
  粥状動脈硬化の発症・進展

適切な治療を行えば(耐糖能障害 脂質代謝異常 高血圧の是正など)予後は改善できる
1996年以前42.4才→ 2007年 54.8才以上に
WSにおける細胞老化促進機序
WRN変異→NAD低下→mitophagy抑制
→異常ミトコンドリア蓄積→ROS増加→老化促進
NAD(Nicotinamide riboside)を用いた臨床研究
WS細胞では異常ミトコンドリアが増加し、NR補充により改善
WRN KO線虫の寿命短縮はNR補充により改善

テロメラーゼを導入したWSの皮膚線維芽細胞は早期細胞老化を免れる
早老症ウエルナー症候群由来のIPS細胞の樹立
ウエルナー症候群の患者皮膚線維芽細胞→山中4因子→IPS細胞→免疫不全マウスへの移植
特異的IPS細胞を用いた老化促進メカニズムの解明
希少難病疾患患者に対する診療の質の向上を目指して

イメグリミンの作用機序
NAMPT(NAD+合成系酵素)遺伝子発現増加
細胞内Ca濃度増加 β細胞保護
膵β細胞におけるグルコース濃度依存的なインスリン分泌を促す膵作用
ミトコンドリア呼吸鎖複合体1競合阻害(活性酸素産生低下)
肝臓、骨格筋での糖代謝を改善する膵外作用(糖新生抑制、糖取り込み改善)
という2つのメカニズムで血糖降下を示す
国内臨床試験
第三相試験 TIMES試験
単独試験 1000mg(1日2回)  24週で0.72%HbA1C低下 徐々にゆっくり下がってくる印象(dual作用?)
特にめだった副作用無し
長期併用試験  HbA1C
52週  単独 -0.46    SU -0.56%  αGI -0.85% グリニド -0.70 ビグアナイド -0.67%
     チアゾリジン -0.88% DPP4阻害剤-0.92% SGLT2阻害剤 -0.57% GLPRA -0.12%
ビグアナイド併用で消化器症状少し増えた SU剤で低血糖少し増えた
インスリン併用 -0.63% HbA1C 若干低血糖増えた

高齢者における糖尿病の包括的管理
身体的機能       精神・心理機能    社会・経済的機能   
合併症          認知機能        家族・友人との交流
ADL            うつ状態        経済状態
咀嚼・嚥下機能            意欲         
               ↓
         QOLの考慮     ← 価値観 人生観

目標設定、治療方針の決定
介護支援、社会参加 社会貢献への支援
生きがい作りへの支援

2022-01-15 06:51:15

  |  コメント(0)

 

コメント

お名前
URL
コメント