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Web講演会 1月15日

Web講演会 1月15日

2型糖尿病患者さんの一生を考える
大規模国際共同コホート研究 2型糖尿病 1177896例 初発疾患
         全体集団    日本人集団
CKD       36.2%      39.3%
心不全      23.7%      30.6%

脳卒中      16.4%      19.8%
心筋梗塞     14.0%      3.5%
末梢動脈疾患    9.7%      6.8%

腎臓専門医から 兵庫医科大学総合内科講師 長澤康行先生
腎臓専門医から 慶応義塾大学医学部循環器内科準教授 佐野元昭先生
糖尿病専門医から 北海道大学大学院医学研究科 糖尿病肥満病態治療学分野特任教授 三好秀明先生

腎臓専門医の立場から
厚生労働省 糖尿病性腎症重症化予防プログラム 基本的な考え方 人工透析への移行を防止がメイン
CKD診療ガイドライン2018 DM患者に集学的治療は推奨されるか? B1
集学的治療
生活習慣の修正(BMI22、運動、禁煙、塩分制限食)
血糖、HbA1C<7%
血圧 130/80未満
血清脂質 LDL-C120mg/dl未満 HDL-C40mg/dl以上 TG 150mg/dl未満(空腹時)

J-DOIT3研究
腎臓 eGFRの低下 全体 有意な差はない 強化治療群と標準治療群に
    eGFR<60においても有意な差はなかった

J-DOIT3研究でほとんど使用されていない糖尿病治療薬は?
SGLT2阻害剤 GLP-1受容体作動薬
EMPA-REG試験
全Outcome 14%有意に低下
心血管死  38% 有意に低下
心不全入院 35% 有意に低下
  実際の大規模臨床試験でも心不全が減った糖尿病治療薬

                  ↑
                心不全の治療薬に使用される薬剤と同様の影響
   鬱血への影響   →  ↑
   水利尿(SGLT2阻害剤・V2阻害剤) 
   SGLT2阻害剤  ・・・・緻密班の不活性化
eGFRが少し低下   →  →   RAS系への影響
尿蛋白が減り     証明している

低血糖が少ない≒交感神経刺激が少ない
腎アウトカム(微量アルブミン尿発症、顕性蛋白尿移行、Crの2倍化) 39%有意に減少
腎アウトカム(Crの2倍化・腎代替療法・腎関連死)    46%有意に減少
腎予後や生命予後改善に関してはJ-DOIT3では(―)EMPAREG試験では(+)
糖尿病性腎症重症化予防プログラムの観点での糖尿病治療戦略
糖尿病患者の発見
   ↓
糖尿病患者全体でのSGLT2阻害剤内服(この時点で、1次予防・2次予防ともに腎症半減)
   ↓
それでも血糖高値になれば糖尿病患者においての血糖を含む集学的治療
(網膜症、脳梗塞イベントの減少効果)

循環器専門医の立場から
うっ血性心不全増悪のメカニズム
心駆出力の低下に対して静脈灌流を増やして、心拍出量を維持しようとしているが、その代償として、うっ血を生じる
心拍出量低下→脳血流低下→脳より交感神経活性→心・血管系活性→心機能↑
                     ↓
                   腎交感神経活性 Na再吸収増加 水再吸収増加

心不全治療の基本 循環平衡点をCO増加、うっ血減少の方向へ導く
       StageC 心不全
          利尿剤
       SGLT2阻害剤 ARNI
       MRA       Ivabradine 
                vericiguat   
     循環平衡を良いところへ早く誘導する

           ↓ β遮断薬
       心不全の予後とQOLを改善する

糖尿病
心不全につながる警告サインがすでに点灯している
    脳   → 交感神経アウトプットの増加→ 心臓 脈拍増加 心不全リスクの増加
    ↑                      → 血管 動静脈の収縮   血圧上昇
                                                 ↑
腎臓 
ストレス                   → 腎臓 Naと水の再吸収亢進→体液貯留
糖尿病(SGLT2過剰発現、虚血など血行動態のパラメータが
     健常と比して変化した状態で新たな恒常性を形成している

HFrEFは左室 心臓肥大 容量肥大 収縮力低下  表にでるので早期検出しやすい
HFpEFは左室の筋肥大 内腔狭小 収縮力上げて代償している
見つけたころにはToo LATE

既存の治療では心筋の柔軟性を取り戻すことができていない
 悲観的に考えるとHFpEFは、HFrEFと比較すると症状が出るのが遅いために、症状が出たころにはもはや病気がかなり進行していてすでにinreversibleな変化をおこしているとも考えられる
心不全診療における臨床イナーシャに注意が必要 早期SGLT2阻害剤で治療・

糖尿病専門医の立場から
SGLT2阻害剤のベネフィットとリスクを勘案して、適正な患者さんへ適正に処方されることが必要
              SGLT2阻害剤

最大化すべき                            最小化すべき
ベネフィット                                リスク

血糖低下(低血糖リスクが低い、血糖変動の最小化)    1性器感染症(膣カンジタ)数%もう少し多い?
体重(内臓脂肪)減少                  2低血糖とケトアシドーシス
血圧・脂質                           SUとインスリン併用時の用量調節
尿酸低下                        3体液量減少関連副作用(便秘、皮疹、ふらつきなど)
臓器保護
心不全入院・心血管死減少
心血管イベント減少(2次予防)
腎臓への影響
脂肪肝への影響
膵β細胞への影響  
リスクについて
1性器感染症 気軽に相談してもらい内科でも軽症なら真菌クリームや膣剤を処方する
2SGLT2阻害剤による尿糖排泄量は血糖値と腎機能に規定される
eGFR別のHbA1C変化量   体重変化
30未満  0.04%低下     2.57kg  体重減少は腎機能、HbA1Cの値ではかわらない  
30-45   0.14%        2.58kg
45-60   0.3%         2.51kg
60-90   0.49%        2.92kg
90以上   0.72%       2.68kg
*HbA1Cが高いほどHbA1Cは下がる
HbA1C低下の程度は腎機能とHbA1c前値に影響を受けるが
体重減少の程度はは腎機能とHbA1c前値に影響を受けない

イブラグリフロジンによる体重減少の71%は脂肪量の減少
5.5%は蛋白質 22%水分量 1.4%ミネラル量

SGLT2阻害剤による糖尿病性ケトアシドーシスの機序
SGLT2阻害剤 1 血中インスリン低下
       2 グルカゴン/インスリン比↑ →     肝臓   ↑肝糖新生/グリコ―ゲン分解
                  ↓                  ↑    ケトン体産生↑
                脂肪 脂肪分解亢進 血中FFA増加
                            *シックデイ時や周術期の不適切なインスリン減弱・中断
                             極端な糖質摂取不足、脱水などの誘因がこの流れを増強
                                     ケトアシドーシスへ

頻度 DKA発生頻度は約1件/1000人・年  通常の1.66倍(SGLT2使用)
DKAを起こさないために特にきをつけるのは
インスリン分泌能が低下している患者でのインスリン減らしすぎ
インスリン必要量が亢進している状況での不十分なインスリン補充
ブドウ糖排泄を補充する分の糖質摂取が不十分な時

低糖質で血中ケトン体増加
15日   低糖質40% 900μmol/L (1500以上危険)
脱水による脂肪分解亢進機序が重なった時にSGLT2阻害剤によるケトアシドーシスは発症する
ラットでの実験より
SGLT2阻害剤開始により脂肪酸利用にシフトする中、脱水が加わると、脱水によりエピネフリンやコルチゾールが増加する
ことで脂肪分解がさらに進みケトン体産生がさらに増加する
→シックデイ時には糖質不足や脱水に対する注意が必要 (一時休薬指示の徹底)

ケトアシドーシス 自覚症状 高血糖症状+嘔気・嘔吐、腹痛 過呼吸など
SGLT2阻害剤使用例では35%が正常血糖ケトアシドーシス

3ふらつき  血管内脱水ではない ふらつきは過降圧が原因の可能性?降圧薬の減量調整が必要となることがある
尿量が増えるのはDay1 Day28
24時間尿量  800ml   200ml 数日は尿量増えるがその後は通常どおり

高齢者には喉が乾いたら水分をとるよう指示
しかしSGLT2阻害剤は高齢者においても若年者とかわらない頻度の有害自傷であり、同じように使用可能

高齢者におけるSGLT2阻害剤への期待
心血管障害 心不全 腎機能低下 認知機能への影響?がんへの影響?
多併発疾患 多剤併用
積極的に;適応対象 脂肪肝 腎症2-3期 冠動脈疾患の既往 心不全合併患者
ただしフレイル(認知症、サルコペニア)を除く

*SGLT2阻害剤開始前から受診毎に体重チェックを忘れない(高齢者でのサルコペニアを進行させない)
糖尿病患者では血中CPRを測定し、インスリン分泌能を評価しておく

 

2022-01-16 08:07:05

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