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Web講演会1月17日

Web講演会1月17日

便通異常症の診療―理論と実践―はりま姫路総合医療センター院長 木下芳一先生
一部のみ列挙
排便の仕組み
大腸の蠕動運動で直腸に便がいくと→直腸の壁進展→肛門括約筋ゆるみ→お腹の圧力↑→腹腔内圧↑→
直腸収縮して便を出す
排便異常(便秘)
食物繊維を食べる量が少ない (=便の量が少ない)⇒ 大腸通過正常型
腸管(大腸)通過時間がかかる          ⇒ 大腸通過遅延型
直腸に便がたまってもわからない         
直腸から便を押し出せない            ⇒ 機能性便排出障害
直腸から便を押し出そうとしても出口が開かない

日本人の便秘有訴者率の返礼・性別分布
10代から64歳までは女性が多い 人口の4-5%
なぜ
1女性に便秘が多い年齢層では女性の食物繊維摂取量が男性より少ない
2男女の消化管通過時間の違い
 上行結腸までは男≒女  5時間程度
 横行から下行結腸までになると男性20時間 女性40時間と通過時間がことなる

3慢性便秘症患者の直腸肛門機能
 肛門内圧の差 肛門内圧男性≧女性
4各種痛みに対する閾値、耐用性、痛みの強さの男女の違い
 122の論文から圧痛、筋肉痛、電気刺激痛に弱い 女性が男性に比べて
5直腸進展刺激を行ったとき痛みの感じ方が違う MRI-PETで

65歳以上では急激に男女性がなくなり便秘症患者増えてくる
どうして高齢者に便秘が多い?
リスク因子が多い
運動減少、腹部筋力低下
食物繊維(食事)、水分の摂取不足
低社会活動、うつ傾向
直腸知覚低下
大腸運動蠕動機能の低下
大腸がんなど器質的疾患が多い
内分泌―代謝疾患(DM 甲状腺機能低下症 副甲状腺機能亢進症 腎不全など)
電解質異常    (低カリウム、高マグネシウム血症など)
神経疾患 (パーキンソン病 多発性硬化症 自律神経障害 脊髄疾患 認知症など)
筋肉疾患(アミロイド―シス 皮膚硬化症など)
循環器疾患(心不全 CKDなど)

薬剤の使用
麻酔系鎮痛剤 NSAID 抗コリン剤 カルシウム拮抗薬 三環系抗うつ薬
ドパミン系パーキンソン病治療薬 アルミニウム含有制酸剤 カルシウム製剤 抗ヒスタミン薬利尿剤
抗精神病薬 抗てんかん薬 抗ガン薬 利尿薬など)

高齢になるとNO神経には異常がないのににコリン系神経の軸索障害がおこり上行結腸を電場刺激すると拡張が起こることが多くなる 高齢者では非高齢者に比べ大腸通過時間が遅い 60時間vs40時間
直腸肛門の機能
加齢による直腸伸展知覚閾値の上昇 便が直腸に来ても便意をもよおさない

加齢による直腸運動能の変化
1直腸の伸展知覚が低下している
2排便時直腸収縮力が低下している
3肛門管の静止圧の低下
4直腸のコンプライアンスの低下
5直腸、肛門、骨盤底筋群の協調運動障害

高齢者の便秘の特徴
大腸の蠕動運動、郵送能力低下       大腸通過遅延型
直腸の伸展知覚、骨盤底筋群の協調運動障害 機能性便排出障害


2次性便秘 器質性便秘
      症候性便秘
      薬剤性便秘

便秘患者の診断
1まず警告症状・徴候はないか?
 排便習慣の急激な変化、血便、6カ月以内の予期せぬ3kg以上の体重減少
 発熱、関節痛、異常な身体所見(腹部腫瘤の触知、腹部の波動、直腸診により腫瘤の触知、血液の付着など)
 を代表とする器質的疾患を示唆する症状と徴候である
それなら大腸内視鏡検査 注腸X線検査 腹部超音波 CT MRI検査へ
2原因となる薬剤
3原因となりうる疾患
4機能性便秘症
 便が出ない    今回はこちらを
 便が出せない

慢性便秘の食事・生活指導
排便姿勢
食物繊維摂取を増やす
水分摂取の増加
乳酸菌製品の摂取増加
規則正しい生活
規則正しい朝食
運動
腹部マッサージ
骨盤底筋訓練
その他
第一治療 浸透圧性下剤 塩類下剤 酸化Mg →高Mg血症に注意 胃酸分泌抑制薬で効果減弱
                      慎重投与 腎機能障害 高齢者 
            糖類下剤 ラクツロース
            浸潤性下剤 ジオクチルソジウムスルホサネート

            高分子化合物 ポリエチレングリコール
  ↓                ↓
                  代替え補助治療剤
第2治療 粘膜上皮機能変容薬    プロバイオテクス
ルビブロストン            刺激性下剤  
リナクロチド             センノシドなど 連用による耐性増大効果減弱 長期連用負荷
エロビキシバット                   ジフェニール系大腸刺激薬 ラキソベロン 屯用
                   消化管運動改善薬
どれを選ぶ              漢方

使い分けは?
*ルビプロストン
小腸上皮細胞に存在するクロライドチャネルを活性化し、腸管内への水分分泌を促進する
腸管内容物の水分含有量を増やし、腸管内容の容量をふやし、小腸、大腸通過時間を短縮する
CLC-2以外にEP1、EP4、CFTRのmembrane traffickingなどを介して
1懲役分泌促進作用
2小腸粘液分泌促進
3腸管運送促進作用
4腸内細菌叢の変化 をおこすことが動物実験で示されている

メタ解析では効果3剤とも同様に効く
副作用で考える 3剤比較で
下痢の頻度多い? リナクロチド
悪心の頻度多い? ルビプロストン
腹痛の頻度多い? エロビキシバット

 

2025-01-19 00:09:56

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