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WEB講演会 9月30日

WEB講演会 9月30日

脳卒中のトータルケア~急性期非心原性脳梗塞に対する最適血小板療法~~JSH2025を踏まえた最適血圧管理~
横浜市立市民病院 脳血管内治療科部長 ストロークブレインセンター長 増尾修先生
一部のみ列挙
脳血管障害の推移
いったん減少したが、再び増加 ←高血圧以外の生活習慣病の増加 高齢化に伴う発症者の増加
死亡率は減少の一途 ←急性期治療の充実

                     ↓
      ストロークサバイバーの増加  約112万人
       多くは65歳以上
       約16%(約18 万人)20-64歳

    治療の継続を支援
    再発リスクを意識した予防
    自己管理による再入院予防

脳卒中の一次予防のみならず、2次予防が必須
再発予防のためのン脳卒中のトータルケア
急性期    回復期          寛解期
症状改善  → 元通りの生活への回復の維持
1後遺症の緩和 継続したリハビリテーション
2再発予防    適切な抗血小板剤の継続処方
3併存症の管理 継続したリスクファクターの管理

4併発症の管理 脳卒中後てんかん 脳卒中後うつ   相互作用を促さない薬剤の継続処方
2再発予防 急性期 非心源性脳梗塞に対する抗血小板薬
非心原性脳梗塞の急性期治療のエビデンス
1脳梗塞再発は初回発作後、7日以内が多い 2004年 論文報告より
2再発予防にはアスピリン+PY12阻害剤のDAPTを早期に開始し、約1か月継続するのが有効である
                             2013年 2018年の論文報告より
3再発予防には、できるだけ早期にPY12阻害剤の薬効(血小板凝集抑制作用)を発揮させる必要がある 2023
4脳梗塞急性期ではCLP Loadingでも、有効な血小板凝集抑制作用は得られない 2022

5急性期アテローム血栓性脳梗塞・High risk TIAにおいて、プラスグレル投与5日後には、遺伝子多型に関係なく
 血小板凝集抑制作用を発揮する 2025年

*日本人の脳梗塞再発率
脳卒中患者(初発)における再発率
1年後の再発率 2年後の再発率
アテローム血栓性脳梗塞    4.4%         9.4%
心原性脳梗塞           3.3%         6.2%
ラクナ梗塞             3.2%            6.1%

いつ再発しやすいか? 2004年報告   
TIA後の推定脳卒中リスク    minor storokeの推定脳卒中リスク
7日目 8%             11.5%
30日目 11.5%           15%
90日目 17.3%           18.5%

 *POINT研究  は発症後12時間以内の軽症脳梗塞か高リスクの一過性脳虚血発作(TIA)において、クロピドグレル(初日600mg、2日目より75mg)とアスピリン(50~325mg)の併用療法とアスピリンの単独療法を比較する試験であった。結果は、併用群で単独群より虚血イベントが有意に少なく、出血イベントは有意に多かった。発症後24時間以内の軽症脳梗塞とTIAを対象に中国で行われたCHANCEでは、クロピドグレル+アスピリン併用療法でアスピリン単独療法より虚血イベントは有意に少なく、出血イベントは差がなかった。
 CHANCE研究 ではクロピドグレルのloading doseが300mgと少なく、併用療法期間が3週間と短かったことが、POINTより出血イベントが少なかった理由として考えられる。実際、POINTでも併用療法の虚血イベント低減効果は最初の30日間のみであったが、出血イベントのリスクは90日間変わらなかった。
これらのエビデンスから、クロピドグレル+アスピリン併用療法は最初の3~4週間に限定したほうがリスク・ベネフィットの観点から好ましいといえよう。ただし、CHANCEの遺伝子サブ解析によりCYP2C19の機能喪失アレルのキャリアではクロピドグレルの併用効果がないことが報告されているので、このキャリアが中国人と同様に多い日本人ではクロピドグレル不応性を考慮する必要がある。
プラスグレルの可能性は
プラスグレルの長所 薬物動態から
プラスグレルは小腸のエステラーゼにてはややかにほぼ100%が中間体に変換(代謝効率が高い)
         肝臓でチトクロームP450にて活性代謝物に変換
         1回のみの変換→速やかに活性代謝物に移行
         CYP2Cの関与が少ない

1迅速に抗血小板作用を発揮
2安定した抗血小板作用を発揮  ←CYP2Cの関与が少ない

                *ACUTE‐PRAS研究にて実証された 
3併存症管理 JSH2025を踏まえた血圧管理
脳卒中予防10カ条
1手始めに高血圧から治しましょう 
 血圧別にみた脳卒中発症率 1000人・年
        120未満 80未満       7.3
        120-129 80-84       8.9
        130-139 85-89       12.5
        140-150 90-99       23.8
        160-179  100-109     23.8
        180以上 110以上     61.7
2 糖尿病3不整脈 4喫煙 5アルコール6コレステロール7塩分・脂肪分8運動9太りすぎ10脳卒中起きたらすぐ病院へ

2025年降圧目標 厳しくなった
診察時血圧 <130/80
家庭血圧  < 125/75

RESPECT研究
わが国の脳卒中既往患者を対象として、通常⾎圧管理(140/90mmHg未満)と厳格⾎圧管理 いものの27%再発が低下する傾向が⽰された (120/80mmHg未満)に割り付け、脳卒中再発予防を⽐較したところ、厳格⾎圧管理で有意ではな 2本試験を過去の同様な試験とメタ解析したところ、厳格⾎圧管理(少なくとも130/80mmHg未満) は通常⾎圧管理に⽐較して22%有意に脳卒中再発を抑制することが明らかになった。
本研究の成果から、脳卒中再発予防の⽬標⾎圧は130/80mmHg未満が適切であることが初めて 明らかになった。 Ⅰ 研究の背景と経緯 脳卒中再発予防に⾎圧管理が重要であることは広く知られてきたが、どこまで⾎圧を下げるべきかについ ては、確固たるエビデンスがなかった。従来140/90mmHg未満を⽬標に降圧管理が⾏われてきたが、より厳格な⾎圧管理が脳卒中再発予防に有効かどうか不明であった
高血圧を引き起こす8つの原因
遺伝 加齢 肥満 ストレス・緊張 寒さ・気候の変化 過度の飲酒 喫煙 塩分の過剰摂取
日本は塩分過剰国 12.4g/日
MR関連高血圧
レニンアンギオテンシン系   食塩過剰摂取 肥満 高血糖
    
       ↓             ↓ RAC1
             MR活性化  ←MR阻害剤効果発揮
塩分過剰はレニン↓ ARB・ACE阻害剤効果減弱

ESAX-HTN試験にてエサキセレノンの有効性確認
降圧薬治療STEP
1持続型Ca拮抗薬ARB/ACE阻害剤 少量のサイアザイド剤
2ARNI MR阻害剤が

併存症管理 第2選択薬として、日本人に見合ったMRB(特にエサキセレノン)を処方

 

2025-10-01 06:18:58

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