市立豊中病院で行う虚血性心疾患の治療~4市民病院の脂質治療のプロトコール~市立豊中病院循環器内科医長 西本裕二先生
一部のみ列挙
2次予防としての脂質管理目標値
ACSもCCSもLDL-C 55mg/dl未満を目標に
脂質異常の定義
LDL-C 高LDL血症 140以上 境界域 120-139
HDL-C 低HDL血症 40未満
TG 空腹時 150以上 随時175以上
Non-HDL-C 170以上 高Non-HDL-C血症 境界域 150-169
LDL-C値は直接法で
間接法 = 総コレステロールーHDLコレステロールーTG/5
食後はLDL-C計算法では過小評価される
LDL-Cが高いほうが脳出血が少なかった 1993年データー
しかし薬物療法でLDL-Cを低下させることが脳出血を増加させるエビデンスはない
9056例 14試験のメタ解析で 2005年
脳出血と関連はないことが証明された
LDL-C30㎎/dlまで低下しても脳出血増加なし New ENGLAND JOURNAL MEDICINE 2017年 27564例
最新のガイドラインでも安全性を強調 2025 ACA/AHA/ACEP/NAEMSP/SCAIガイドライン
ESCにおいてもLDL-C値が低下するほど予後良好
14
45 低下で有意にイベント減少
75mg/dl
LDL-C値低下とイベント減少は正相関
LDL-C値 50%低下の重要性が示された
LDL-C値変化量とMACE 変化量多いほどMACE発症率が低くなる
ACS(PCI後)の経過における責任病巣/非責任病巣からのMACE発生リスク PROSPECT研究
3年後 MACE発生率
責任病巣 20.4%
非責任病巣 12.9% 非責任病巣でも12.9%のMACE発症が
血管内視鏡でみた非責任病巣 ACS後1か月に血管内視鏡で観察できた20例
結果 黄色プラークは責任病巣(3.7) 非責任病巣(3.4)にも同等に見られた
LDL-C70㎎/dlから一歩先の治療へ
日本でも新たな目標値の提言
冠動脈疾患(CAD) 急性冠症候群 <55
慢性冠症候群 <70 or <55
アテローム血栓性脳梗塞 <70
末梢血管疾患 <70
Polyvascular Disease <55
家族性高コレステロール血症
冠動脈疾患既往の患者では一般集団の約10倍の確率
ACS患者では入院中にアキレス腱X線影を積極的に撮影 X線軟線撮影により、アキレス腱が男性で8.0 mm以上、女性で7.5mm以上、あるいは超音波法により男性で6.0mm以上、女性で5.5mm以上あれば、アキレス腱肥厚ありとします
FHや早発冠動脈疾患の家族歴を問診
未治療時LDL-C180以上 ACS発症時(約20%低下)145mg/dl以上
PCSK-19の使用について
インクリシアンは一部負担金が収入などでかわってくる
シュミレーターあるので簡便にチェックができる
北摂市民病院のACS・CCS脂質管理プロトコール
ACS患者 CCS患者
入院中 食事運動療法
ロスバスタチン5mg
ピタバスタチン4mg +エゼチミブ10mg
アトルバスタチン 20mg
↓ LDL-C55以上 ↓
退院時 スタチン最大用量に増量
↓ LDL-C55以上 ↓
初回外来 PCSK9阻害剤の投与相談 ↓
(退院から2週間以内) ↓
2回目外来 PCSK9阻害剤の投与
(退院から1か月以内)
地域連携で
ACS後の管理 診察時血圧<130/80
LDL-C値 <55
HbA1C 7%未満へ




2025-10-05 11:49:21
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