痛風・高尿酸血症を診る!~治療経験に繋げる生活指導と尿酸降下療法~ 南国東口クリニック理事長 大山博司先生
一部のみ列挙
高尿酸・痛風の治療ガイドライン第3版 要点
高尿酸血症の治療では、心血管病など生命予後に関する肥満、高血圧、糖・脂質代謝異常などとともに、
高尿酸血症に発症に関連する生活習慣を改善することが最も大切である
痛風関節炎を繰り返す患者や痛風結節をに認める患者は薬物治療の適応で血清尿酸値を6㎎/dl以下に維持するのが望ましい
痛風関節炎を誘発させないために、尿酸降下薬は最小量から開始すべきで、必要に応じてコルヒチンカバーを併用する
無症候性高尿酸血症への薬物治療の導入は血清尿酸値8mg/dl以上を一応の目安にするが、適応は慎重にすべきで、現時点で得られているエビデンスや薬物の副作用について情報を患者に示し納得のうえで開始することが望ましい
生活指導の基本
食事指導の基本はプリン体摂取の制限と摂取総エネルギーの制限である
肥満傾向にある患者に対しては、摂取総エネルギーの適正化が食事療法の第一に挙げられる
高炭水化物食は控え、乳酸品は積極的に摂る
蔗糖・果糖の過剰摂取は控える
野菜や海藻類は積極的に摂取する
プリン体リッチ野菜については特に制限をしないが過剰な摂取は控える
十分な水分摂取が推奨され、尿量を2000ml/日以上を確保することが目標とされる
飲酒はプリン体の有無にかかわらず、代謝に関連して血清尿酸値を上昇させるため種類を問わず過剰摂取は控えるべきである
運動は、肥満の解消などを目的として軽い有酸素運動と低強度のレジスタンス運動を勧める
痛風と食生活に関する観察調査
痛風発症と食生活 51529例(男性45-75歳) 1986-1996年 12年間
血清尿酸値と食生活 14809例 (男性6932 女性7877) 平均年齢45歳
痛風を発症させやすい生活習慣(HPFS)
1肥満 BMI 25以上 1.65~2.3倍
2体重増加 13.5㎏以上 1.72倍
3飲酒 純アルコールで 50g以上/日 2.53倍
ビール2缶 700ml以上/日 2.51倍
4高プリン食 肉類摂取 1.41倍 魚介類摂取 1.51倍
5清涼飲料 2缶以上/日 1.85倍
痛風を発症させにくい生活習慣(HPFS)
1やせ BMI 21以上 0.48倍
2体重減少 4.5㎏以上 0.61倍
3低プリン食 乳製品摂取 0.56倍
4ワイン ワイングラス1杯/日 0.82倍
5コーヒー コーヒー4-5杯/日 0.60倍
6杯/日以上 0.41倍
*アルコールの尿酸上昇機序
尿酸産生が増える
エタノール代謝によるATP分解亢進
アルコールを摂取すると肝臓でエタノールが代謝され、その過程で大量のATPが分解されます。
ATP分解が進むとアデノシン、イノシン、ヒポキサンチンなどプリン体分解産物が増え、最終的にキサンチンオキシダーゼにより尿酸が過剰に産生されます。
飲酒に伴うプリン体負荷
ビールなど一部の酒類はプリン体を含み、これも尿酸産生の材料になりますが、機序としてはエタノールそのものによるATP分解亢進のほうが中心と考えられています。
尿酸排泄が低下する
乳酸産生増加による競合
エタノール代謝によりNADHが増加すると、解糖系から乳酸が多く産生され、血中乳酸が上昇します。
乳酸は腎尿細管での有機酸輸送系を介して尿酸と同じ経路で排泄されるため、乳酸と尿酸が排泄経路で競合し、結果として尿酸の腎排泄が抑制されます。
脱水による尿酸濃縮
飲酒により利尿や発汗が増え、十分な水分補給がないと脱水傾向になり、循環血漿量が低下し腎血流が減ることで、尿酸クリアランスがさらに低下し、血中尿酸濃度が一段と上昇
コーヒーが痛風のリスクを下げる理由は?
尿酸値と無関係に痛風のリスクを下げる?
一番有力な説は、「コーヒーには抗炎症作用がある?コーヒーには、クロロゲン酸やカフェ酸をはじめとした炎症シグナルを協力に抑制するポリフェノールが含まれていて、コーヒーの抗炎症作用に着目した複数の論文を解析した結果では、IL-6(インターロイキン6)を始めたとしたさまざまな炎症マーカーを低下させることがわかり、痛風は、関節の中の尿酸結晶が引き起こす「急性炎症」の1つ。コーヒーの持つ独自の抗炎症作用が痛風予防に
砂糖入りソフトドリンク摂取量と痛風発症の関係
相対危険度 1 1 1 1.3倍 1.5倍 1.9倍
1回未満/月 1回/月~週 2-4回/週 5-6回/週 1回/日 2回以上/日
*果糖接取の痛風発症機序
果糖が体内に入ると、ブドウ糖とはまったく異なる経路で代謝され、その過程で尿酸が副産物として大量に産生されます。この代謝の特殊性が、痛風リスクを高める根本的な原因
ブドウ糖(グルコース)は全身の細胞でエネルギー源として利用され、インスリンによって血糖値が調節されています。一方、果糖の代謝はおもに肝臓で行われ、インスリンの制御をほとんど受けません。
肝臓に取り込まれた果糖は、フルクトキナーゼという酵素によって速やかにリン酸化されます。この反応にはブレーキとなるフィードバック機構がなく、果糖が大量に入ってくると肝臓は休みなく代謝を続け、ATPの急速な消費がプリン体の分解を加速させる
果糖のリン酸化にはATP(アデノシン三リン酸)というエネルギー通貨が使われます。果糖が一度に大量に入ると、ATPが急速に消費され、その分解産物であるAMP(アデノシン一リン酸)が蓄積します。
AMPはAMPデアミナーゼという酵素の働きでイノシン一リン酸(IMP)に変換され、さらにキサンチンオキシダーゼの作用を経て最終的に尿酸へと変わります。つまり、果糖を摂れば摂るほど、尿酸の「材料」が体内で大量に作られる構造になる
インスリン抵抗性や脂質異常にもつながる
果糖の代謝はさらに中性脂肪の合成も促進し、脂肪肝やインスリン抵抗性の原因にもなり得ます。動物実験では、高果糖食によって尿酸値の上昇と同時にメタボリックシンドロームの特徴が現れることが確認されている
痛風発作初診患者数の月別推移を調べると痛風発作は6月をピークとして5月から10月に多い
水分摂取?脱水と関連が・・




2026-05-27 04:07:50
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