内科診療における不眠症~内分泌専門医の観点から~阿波座とい内科クリニック院長 都井律和先生
一部のみ列挙
睡眠時間と質
1加齢に伴い睡眠時間の質は低下するが、日中の症状の有無が重要である
睡眠
レム睡眠 ⇒ ノンレム睡眠(浅睡眠) ⇒ノンレム睡眠(深睡眠) 約90分間隔で繰り返す
(脳は目覚め体は休む) Stage1 Stage2 Stage3 Stage4(脳は休み体は目覚める)
年齢とともに深い睡眠が減少してしまう
2加齢に伴い実際に眠れる時間と寝床にいる時間の乖離が
睡眠時間 寝床にいる時間
30歳代 6.8時間 30分以内
40歳代 6.5時間 30分
50歳代 6.4時間 40分 やることがないので早く寝たい 若いころのように朝までぐっすり眠りたい
60歳代 6.2時間 1時間 日中の症状がない場合はそもそも治療は不要
70歳代 5.8時間 2時間以上
80歳以上 5.5時間 2時間以上 (医療者および患者ともに認識をまちがっている)
3不十分な睡眠は、心血管疾患・総死亡のリスク因子となる
睡眠時間と総死亡リスクの関係 104010人 9.9年間 フォロー 1988-1990年
7時間を1とすると 4時間未満 約1.6倍 10時間以上約1.6倍
一般住民における急性心筋梗塞発症リスク
初めて急性心筋梗塞を起こした45歳未満の患者154名 vs 急性心筋梗塞を起こしていない同年齢の対象群452名
OR
飲酒歴あり 3.18倍
高血圧あり 2.42倍
糖尿病あり 2.21倍
不十分な睡眠時間 1.85倍
脂質異常あり 1.71倍
過体重あり 1.54倍
運動不足 1.50倍
過去の喫煙歴あり 1.21倍
睡眠時間の質の低下が血糖・血圧に与える影響
睡眠時間と糖尿病発症リスクの関係
5時間未満(ショートスリーパー) 7時間 9時間以上(ロングスリーパー)
男性(40‐70代 1709名) 2倍 1 3倍
女性(30‐50代 7万人) 1.4倍 1 1.4倍
睡眠時間と糖尿病発症リスクの関係
32‐86歳の4810名の一般住民を対象とした8-10年の縦断的研究
5時間未満(ショートスリーパー)1.3倍 7時間 1 9時間以上(ロングスリーパー) 1.3倍
睡眠時間の低下が糖代謝に与える影響 8時間⇒4時間
グルコースクランプ法で
遊離脂肪酸有意に増加 肝での内因性糖放出の上昇 筋肉でのブドウ糖利用低下
糖注入率の低下(インスリン抵抗性増大)
睡眠の質の低下が糖代謝に与える影響
健常男女9名(21‐31歳)5日間の8.5時間睡眠 後半3日間は除波睡眠を断眠
グルコースクランプ法で
耐糖能の低下 インスリン感受性低下 (ブドウ糖利用率の低下)
睡眠の質の低下が血圧に与える影響
健常男女11名(24.5±1.6歳)
通常睡眠と除波睡眠を断眠した睡眠 早朝時血圧が有意に上昇
コルチゾール、アドレナリンの分泌量の増加
睡眠時間の低下が食欲調節ホルモンに与える影響
10時間睡眠×2日間を基準としたときの4時間睡眠×2日間のパラメータの変化
健常男性 12名 22±2歳
食欲抑制ホルモン(レプチン) ‐18%
食欲亢進ホルモン(グレリン) +28%
空腹感 +24%
食欲 +23%
内科疾患と睡眠における負の連鎖
不眠
↑ ↓
溢水 HPA系賦活化
神経障害 食欲ホルモン増加
夜間頻尿 インスリン抵抗性増大
↑ 血圧・血糖悪化 ↓
不眠症を有する糖尿病患者に対する睡眠治療の効果
不眠症を呈する2型糖尿病患者18名
3日間観察期 スポレキサント投与 3日間
CGM・携帯型簡易睡眠脳波計で測定
結果のみ
治療前 後
総睡眠時間 340.3分 360.0分
REM睡眠時間 72分 96.5分
Non-REM睡眠時間 260分 272分
睡眠治療に伴う血糖変動
平均血糖 157.7 vs 152.3 mg/dl
明け方4時-9時 血糖有意に減少
暁現象の改善度 28.3㎎/dl ⇒18.2へ
*2型糖尿病の暁現象 朝食前血糖―夜間血糖>20 ありなしでHbA1C0.4%高いデーターが
不眠症を有する高血圧患者に対する睡眠治療の効果
ユーロジン202名 vs プラセボ200名
投与前 28日後
睡眠潜時 130 51分
睡眠時間 3.5時間 5.7時間
睡眠効率 52% 76%
血圧 162/98.5 151/90.4
明日からできる内科疾患患者の睡眠治療
規則正しい起床 朝の日光の取り込み 昼寝は30分まで
依存のない睡眠薬 内科疾患治療 夕方の適度な運動
就寝前には液晶画面をみない 就寝前は覚醒作用のあるものを避ける
就寝前のリラクゼーション (カフェイン、たばこ、お酒など)




2026-07-07 06:04:11
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