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Web講演会 8月29日

Web講演会 8月29日

家族性高コレステロール血症診療の最前線 大阪医科薬科大学循環器センター特任教授 斯波真理子先生
家族性高コレステロール血症(FH)診断の基本ロードマップ
STEP1 高LDL-C検出 未治療時LDL-C>180mg/dlをスクリーニング
STEP2 家族歴聴取 第一度近親者の高脂血症 早発性CADを確認
STEP3 アキレス腱評価 触診 X線 超音波による腱黄色腫の評価
STEP4 確定&家族調査 カスケードスクリーニング実施
成人(15歳以上)のFHの診断基準
1 高LDLコレステロール血症
(未治療時のLDLコレステロール値180㎎/dL以上)

2 腱黄色腫(手背、肘、膝などまたはアキレス腱肥厚)あるいは皮膚結節性黄色腫
3 FHあるいは早発性冠動脈疾患※の家族歴(第一度近親者)

FH診断時に必要なこと
リスク評価
年齢 性別 LDL-C値 アキレス腱厚さ  糖尿病 高血圧 肥満 喫煙歴 HDL-C Lp(a)

Sever FHの定義
一次予防
1 未治療時LDL-C400mg/dl以上
2 未治療時LDL-C310mg/dl以上 +1つ以上のリスクファクターを有する
3 未治療時LDL-C190mg/dl以上 +2つ以上のリスクファクターを有する
Sever FHのリスクファクター
40歳以上 喫煙 男性 高血圧 糖尿病 早発性心血管疾患の家族歴 CKD BMI>30 Lp(a)>50mg/dl

2次予防
冠動脈イベント+脳・下肢血管イベント  7.4年間のフォローで
Sever FH  20% vs  FH  5%前後   7.76倍  予後が悪い
動脈硬化の評価
頸動脈エコー アキレス腱厚さ測定 トレッドミル 心エコー 冠動脈CT ABI 脳MRIなど
ACAD形成の4つの主要病態ステージ
1内皮機能不全と脂質沈着 物理的・化学的ストレスによる内皮細胞の傷害に始まり、内膜下へのApoB
    ↓        含有脂質(LDL等)の侵入と酸化、炎症カスケードの活性化が起こります

2泡沫細胞と初期病変形成 浸潤したマクロファージが酸化LDLを過剰貪食して泡沫細胞化。これが
    ↓        血管管腔に集積することで、初期の脂質線状が形成されます

3平滑筋細胞増殖と被膜形成 平滑筋細胞が中覆う膜から内膜へと遊走・増殖。コラーゲン等の外基質を産生
    ↓         し、脂質コアを覆う線維性被膜を形成します

4壊死コアと破綻リスク  プラーク深部で細胞壊死により壊死性コアが発生 炎症細胞の集中や被膜の
             非薄化(不安定プラーク)が進み、突然の破綻・血栓形成リスクが高まります

治療概念の根本的な転換
従来の「虚血中心」モデル(限界)
末期への介入 冠動脈閉塞によって生じる「心筋虚血」の診断と、イベント発生後の血流再開に主眼をおく
       アプローチ(カテーテル治療・バイパス等)
介入の遅れ  虚血が発現した時点では病態がすでにきわめて進行しており、一時的血流再開に留まり、根本
       的病変(アテローム)を根絶できません

虚血が出現した時点で病変はかなり進行
PCIやCABGは局所治療              → 虚血は病態の終末像である
全身性動脈硬化は残存する

新提案
ACADモデル(生涯予防)
本質の管理:疾患をアテローム性冠動脈(ACAD)と再定義し、虚血時の「動脈硬化・プラーク形成・進展」
      そのものをターゲットとします
早期の逆転:胎児期から始まる生涯にわたるリスクに焦点をあてて、早期に介入することで病気の発症予防
      進行遅延、さらには逆転・退縮を目指します

FHによる累積LDL-Cと冠動脈疾患の発症
FHでは生下時から高LDL-Cにさらされるため、累積LDL-Cが若いうちに増え、冠動脈疾患の発症が早まります。冠動脈疾患は、LDL-Cの高さそのものだけでなく、LDL-Cにさらされた年月を含む累積負荷が大きく関わるとされています。FHではこの累積負荷が早く閾値に達するため、早発性冠動脈疾患のリスクが高くなります。
累積LDL-C(mg/dl・Y)6000以上は危険(冠動脈疾患発症の閾値)
FHホモ接合体  12.5年        閾値に影響する因子  性別 女性↑
FHヘテロ接合体 35年                    喫煙 高血圧 糖尿病  ↓
                               TG HDL-C低値 Lp(a)  ↓

エボロクマブ
PCSK9(前駆蛋白質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型)阻害薬のエボロクマブ(商品名レパーサ)を用いた脂質低下療法により、心血管疾患(CVD)の一次予防が可能かを検証したVESALIUS-CV試験
1万2000人以上を4.6年追跡した結果、3ポイントMACE(冠動脈疾患による死亡、心筋梗塞、虚血性脳卒中の複合)は、エボロクマブ群で25%有意に抑制された。米・ハーバード大学のErin Bohula氏による学会発表と同時に、論文もThe New England Journal of Medicine誌ウェブサイトに掲出された。
エボロクマブは我が国では2016年に承認され、現在の適応は「家族性高コレステロール血症または高コレステロール血症で、CVD高リスク、スタチンで効果不十分、スタチン不適の全てを満たす場合」となっている。2017年に発表されたFOURIER試験において、CVDの既往がある患者に対する二次予防目的での有効性が示されており(関連記事:
PCSK9抗体エボルクマブでCVリスク15%減少)、今回のVESALIUS-CVでは、CVD一次予防における有効性が検証された。
成人(15歳以上)のFHヘテロ接合体治療のフローチャート
FHヘテロ接合体の診断
   ↓

生活習慣改善・適正体重の指導と同時に脂質低下療法を開始する
LDL-C 管理目標値 1次予防 100㎎/dl未満 2次予防 70未満

  ↓
 
スタチンの投与
  ↓          ↓スタチン不耐
効果不十分    
 別のスタチンの処方や投与間隔を考慮
   ↓
スタチン最大用量andエゼチミブ投与
  ↓
効果不十分
    レジン・プロブコール・PCSK9阻害剤追加(スタチン最大投与時のみ)  
    *多剤併用可能 また スタチン不耐の場合はPCSK9阻害剤単独で投与可能

         ↓
     
  効果不十分
     LDLアフェレシス

2026-08-30 07:59:06

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